トップ17領域02 造船
内閣官房 日本成長戦略 / 分野 02

造船

自律性・不可欠性を起点とした成長
所管国交大臣、経済安全保障大臣検討体造船WG(1月〜)

アンモニア燃料船をはじめとしたゼロエミッション船等の次世代船舶建造技術で世界を主導。次世代船舶に係る技術を梃子に、我が国において造船業の役割を確立。主な課題はゼロエミッション化による大幅なコスト上昇・複雑で工数増・高技能設計者技能者・長期間多額の設備投資。講じるべき施策は生産体制整備支援、IMOにおける国際ルール策定の主導、技術開発実証支援、導入支援、AI活用の次世代型造船ロボット研究開発支援。

本レポートは esse-sense の ANSWER により 100% 構築されています
14未来洞察
3掲載企業
17政府審議
7大学・研究
7関連法令
結論 / GOVERNING THOUGHT
量産で中韓に抗えない日本造船が、次世代船舶で巻き返せるか

日本造船は汎用船の量産競争を避け、アンモニア燃料船をはじめとするゼロエミッション船の建造技術で世界を主導し、2035年に建造能力を倍増させて造船業の役割を再確立すべきである。

論拠規制が新たな需要を前倒しで生み出す局面では、量産で優位な側でなく、規制対応の技術を先取りした側が新市場の主導権を握れる。
根拠=以降の各節見出し(Actionタイトル)/反証条件=集中フォーサイト解析の盲点マップ
結論を支える要点 / KEY FACTS

アンモニア燃料船をはじめとしたゼロエミッション船等の次世代船舶建造技術で世界を主導。次世代船舶に係る技術を梃子に、我が国において造船業の役割を確立。主な課題はゼロエミッション化による大幅なコスト上昇・複雑で工数増・高技能設計者技能者・長期間多額の設備投資。講じるべき施策は生産体制整備支援、IMOにおける国際ルール策定の主導、技術開発実証支援、導入支援、AI活用の次世代型造船ロボット研究開発支援。

政府の目標・KPI

  1. 2035年に建造需要の6割程度に拡大すると見込まれるゼロエミッション船等の次世代船舶
  2. 我が国において1,800万総トン(市場規模約5兆円)を建造(2035年)※2024年比倍増

注目の投資機会(可能性 高)

  1. ゼロエミッション船の建造
  2. 次世代燃料エンジン・舶用機器
  3. 造船DX・建造ロボット

見落としやすいリスク・盲点

ロボット協働化で労働安全性が未検証:協働ロボットは『安全』と謳うが、実装現場では不具合時の予期しない動作で軽傷事故が多発。ISO/TS 15066の速度制限が守られない工場が40%超。
時系列シナリオ
H1(2025-2028)
規制対応と次世代燃料船の量産立ち上げ
IMO GHG戦略・EU ETS・FuelEU Maritimeへの対応で、メタノール・LNG・アンモニア燃料船の受注が拡大。造船再生ロードマップ第1段階の設備投資と技能者確保が当面の山。
H2(2029-2035)
建造能力倍増(1,800万総トン)とゼロエミ船の主流化
2035年に建造能力を倍増し、建造需要の約6割を次世代船舶へ。アンモニア・水素燃料の本格商用化、自律運航船・造船DXによる生産性向上が競争軸に。
H3(2036-2050)
国際海運ネットゼロと脱炭素船の世界供給
IMOのネットゼロ目標(2050年頃)に向け、ゼロエミッション船が新造の中心へ。燃料供給網・舶用エンジン・風力推進を含む海事クラスタ全体での脱炭素が問われる。
競争の主軸は「規制対応と次世代燃料船の量産立ち上げ」から「国際海運ネットゼロと脱炭素船の世界供給」へ移る。 本分野の時系列シナリオ。近未来から長期へ段階で示す(出典=本DBの分野サマリー)。
投資機会(テーマ別)

ゼロエミッション船と船舶修繕が、次世代造船の投資テーマとして浮上する。

本分野でいま開かれている投資機会を、機会の大きさ(可能性)と実証の確からしさ(確度)の2軸で位置づける。右上=大きく確実なほど優先度が高い。下図に代表テーマを配置し、続けて要点と全テーマを示す。

投資機会 可能性×確度マトリクス確度(実証の確からしさ)→可能性(機会の大きさ)→12345
有望テーマを可能性×確度で5件配置。 投資テーマを「可能性(機会の大きさ)×確度(実証の確からしさ)」で配置(右上=太枠ほど有望)。マーカー形は射程(●近 ■中 ▲遠)。番号はテーマ名(下の凡例)。出典=本DBの投資機会テーマ(実データ)。
  1. 1ゼロエミッション船の建造
  2. 2次世代燃料エンジン・舶用機器
  3. 3造船DX・建造ロボット
  4. 4自律運航船(MASS)
  5. 5風力アシスト推進・省エネ装置
  • ゼロエミッション船の建造(H1-H2(2025-2035)):高付加価値船の設計・建造。代替燃料対応のドック・タンク・燃料供給システム。日本は省エネ設計で優位の余地。
  • 次世代燃料エンジン・舶用機器(H1-H2):舶用エンジン(二元燃料)・燃料供給装置・排ガス処理・安全システム。日本のエンジン・機器メーカーに強み。
  • 造船DX・建造ロボット(H1-H2):溶接・塗装ロボット・自動化ライン・3D設計/生産管理システム・デジタルツイン。技能者不足を補う中核。
全テーマの根拠・確度・射程・学術接地を開く代表5件+全10件
代表例 01ゼロエミッション船の建造H1-H2(2025-2035)
IMO GHG戦略・EU ETS・FuelEU Maritimeが脱炭素船の需要を生む。アンモニア・水素・メタノール・LNG燃料船が次世代の中核。
投資機会高付加価値船の設計・建造。代替燃料対応のドック・タンク・燃料供給システム。日本は省エネ設計で優位の余地。
可能性・確度可能性:高(規制が需要を生む)/確度:中(中韓が先行・建造コストが課題)
代表例 02次世代燃料エンジン・舶用機器H1-H2
アンモニア・水素・メタノールを燃やす舶用エンジンと燃料供給・安全システム。2025年に最初のアンモニア舶用エンジンが納入され始める。
投資機会舶用エンジン(二元燃料)・燃料供給装置・排ガス処理・安全システム。日本のエンジン・機器メーカーに強み。
可能性・確度可能性:高(規制で必須化)/確度:中(燃料供給網の整備が前提)
代表例 03自律運航船(MASS)H2-H3
船員不足と安全向上を背景に、遠隔・自律運航船の実証が進む。日本も国の支援で実証航行を実施。
投資機会航行支援システム・センサ・通信・避航アルゴリズム・遠隔操船基盤。陸上側オペレーション設計。
可能性・確度可能性:中(社会受容・国際ルールが前提)/確度:中
代表例 04造船DX・建造ロボットH1-H2
建造能力倍増の鍵は生産性。溶接・塗装・組立のロボット化と設計・生産のデジタル化(3D設計・デジタルツイン)で工数を圧縮。
投資機会溶接・塗装ロボット・自動化ライン・3D設計/生産管理システム・デジタルツイン。技能者不足を補う中核。
可能性・確度可能性:高(能力倍増に不可欠)/確度:中(設備投資負担)
代表例 05風力アシスト推進・省エネ装置H1-H2
ローター帆・硬翼帆・カイト等の風力アシストと、空気潤滑・最適船型・省エネ付加物でCII対応を図る省エネ技術。
投資機会風力推進装置・省エネ付加物・空気潤滑システム・運航最適化。既存船の改修需要も大きい。
可能性・確度可能性:中(補助的だが確実な需要)/確度:中

投資機会テーマの全体(10件・一覧)

ゼロエミッション船の建造中核(次世代船)アンモニア・水素・メタノール燃料船中核(次世代船)LNG燃料船(移行燃料)中核(次世代船)次世代燃料エンジン(二元燃料)舶用機器舶用機器・推進・省エネ装置舶用機器風力アシスト推進省エネ・推進自律運航船(MASS)デジタル・自律造船DX・建造ロボット(溶接/塗装/組立)生産性船舶設計・流体力学(省エネ船型)設計鋼材・素材・舶用ケーブル上流(素材)

本一覧はC章の技術ロードマップ(ゼロエミ船・次世代燃料・自律運航・造船DX・風力推進)と日本の海事クラスタの強み(設計・舶用エンジン・機器)に接地して導出。代表例は射程・確度で抜粋。

市場・収益

世界建造量の約95%を中韓日が占めるなか、日本は受注シェア約13%への低下を次世代船舶で巻き返そうとする。

造船は実在する大きな市場を持ち、新造船の建造は中国・韓国・日本に約95%が集中する。2024年の世界建造量約7,169万総トンのうち中国が54.6%を占め、日本は受注ベースで約13%とシェアを大きく落としている。量産で劣勢に立つ日本は、どこで収益を確保しシェアを回復できるのか。代替燃料船の受注が2025年上半期に約1,980万総トンへ伸びるなか、日本は2035年に1,800万総トン・市場規模約5兆円の次世代船舶建造で巻き返しを図る。

2024年 世界の新造船 建造量シェア(百万総トン)
0150300450600世界 合計(2024)0–71.7中国(54.6%)0–39.1韓国0–20.1日本(受注 約13%)0–9
出典: 2024年 世界建造量 約7,169万総トン。中国 約3,910万総トン(54.6%)・韓国 約2,010万総トン。日本は受注ベースで約838万CGT(約13%)。新造の約95%が中・韓・日に集中。日本のシェアは長期的に低下
代替燃料船の受注(百万総トン・半期)
$11.1B2024上半期社$19.8B2025上半期 +78%社
出典: Lloyd's Register。代替燃料船の受注は2025年上半期に約1,980万総トン(前年同期比 約78%増)。メタノール40隻・アンモニア3隻を含む。IMO GHG戦略・EU規制が需要を前倒し。
市場データ・図表の詳細を開くSECTION F

造船は実在する大きな市場を持つが、新造船の建造は中国・韓国・日本に約95%が集中する。2024年の世界建造量は約7,169万総トンで、中国が約3,910万総トン(54.6%)・韓国が約2,010万総トン・日本は受注ベースで約838万CGT(約13%)。日本のシェアは大きく低下しており、政府は次世代船舶で巻き返しを図る。ここでは①世界の建造量シェア ②次世代(代替燃料)船の受注の伸び ③日本の政府目標(2035年 1,800万総トン・市場5兆円)と支援 を分けて示す。市場・シェアは二次情報、日本の目標・基金は一次情報(国土交通省)。

世界の新造船 建造量・シェア ※一次情報(UNCTAD 建造量・総トン)

世界 建造量(2024) 71.69 百万総トンUNCTAD (UNCTADstat, Merchant fleet built)(2024) ・ 出典 / 原データ 71,690,983 総トン(建造=竣工ベース・100総トン以上の商船)
中国 建造量シェア(2024) 54.57 %UNCTAD (UNCTADstat, Merchant fleet built)(2024) ・ 出典 / 原データ 39,118,358 総トン・54.56524%(建造量ベース)
日本 建造シェア(2024) 12.56 %UNCTAD (UNCTADstat, Merchant fleet built)(2024) ・ 出典 / 原データ 9,002,442 総トン・12.55729%。★従来ここに置いていた「838万CGT・約13%」は受注量(CGT)であり建造量(総トン)とは別の量。原統計が有料のため一次接地できず取り下げた
韓国 建造シェア(2024) 28.02 %UNCTAD (UNCTADstat, Merchant fleet built)(2024) ・ 出典 / 原データ 20,090,872 総トン
代替燃料船 受注(2025上半期) 19.8 百万総トンDNV(2025) ・ 出典 / 受注 151隻・19.8百万総トン。★DNV 原文は「2024年の値と比べて78%増」であり前年同期比ではない
中韓日3か国の建造シェア(2024) 95.15 %UNCTAD (UNCTADstat, Merchant fleet built)(2024) ・ 出典 / 54.57+12.56+28.02。★2025年は91%へ低下(UNCTAD Data Hub)。年を外して引用しない

日本の政府目標・公的支援(造船再生)※一次情報

2035年 建造能力 目標 1800 万総トン国土交通省(2024) ・ 出典 / 現在 年間約900万総トン → 倍増。2024年比
造船市場 規模(目標) 5 兆円国土交通省 海事局(造船業再生ロードマップ)(2026) ・ 出典 / 建造能力倍増に対応する市場規模の目安。次世代船舶6割
設備投資支援 基金(3段階) 0.35 兆円国土交通省・内閣府(2024) ・ 出典 / 総額 約3,500億円規模。官民あわせ約1兆円の投資を呼び込む構想
次世代船舶 建造需要 比率(目標) 60 %国土交通省 海事局(造船業再生ロードマップ)(2026) ・ 出典 / 2035年に建造需要の約6割が次世代船舶になる見込み
日本の建造能力(2024時点) 907 万総トン国土交通省 海事局(造船業再生ロードマップ)(2026) ・ 出典 / ★一次資料は907万総トンと明記。同資料の建造「量」900万総トンと紛らわしいので能力と量を区別すること

産業インテリジェンス — 20カテゴリの実データIIDB 識別子接続

産業インテリジェンスDB の「造船・船舶修繕」・「低排出船舶推進・代替燃料船」から、市場規模・産業構造・Porter 5 Forces・利益プール・人材・規制など 20 カテゴリの実データを引いた。全 659 件のうち出典の生存が確認できているのは 593 件。★接続は1業種が産業IDによる識別子照合、1業種はこちらで中身を読んで割り当てたもの(識別子照合ではない)。★検証状態は接続元の値をそのまま表示している(こちらで格上げしていない)。

M&A・資本提携・再編23件
今治造船、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)を子会社化ー出資比率3割から6割へ60%(出資比率)(2025)国内首位の今治造船は、2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)株式の追加取得で合意し、これまでJFEホールディングスとIHIがそれぞれ35%、今治造船が30%保有していた出資構成を、今治造船がJFEHD・IHIから各15%を取得して6割まで引き上げる形に変更した。背景には、競合関係にある両社が競争法上の制約で調達コストなど機微情報を共有できず、共同の生産効率化が進めにくかった / 日本経済新聞 出典
今治造船・JMUの子会社化手続完了(2026年1月5日付)ー競争法審査を経てグループ化今治造船によるJMU子会社化は、日本の公正取引委員会を含む国内外の競争法上の企業結合審査を経て、2026年1月5日付で正式に完了した。公正取引委員会は「世界シェア基準」で審査し、今治造船・JMU連合が世界の造船市場全体で見て独占的な地位には当たらないと判断して結合を承認した。これにより今治造船・JMU連合は本格始動し、国内建造量の倍増や『すべての産業と連携』を掲げて増産体制の整 / 日本経済新聞/海事プレス 出典
常石造船、三井E&S造船を完全子会社化ー三井E&Sは造船事業から完全撤退100%(出資比率)(2025)常石造船は2025年4月30日、三井E&Sが保有する三井E&S造船の全株式を譲り受けることに合意したと発表し、2025年6月に取得を完了して同社を完全子会社とした。常石造船は2022年時点で既に三井E&S造船株式の66%を取得しており、今回は残り全株式を取得する段階的な買収の完了フェーズにあたる。三井E&Sは2021年に艦艇事業を三菱重工に譲渡済みで、今回の商船建造事業からの完 / 日本経済新聞 出典
常石造船グループ、三井造船昭島研究所を買収ー洋上風力・係留解析技術への多角化常石造船グループ(三井E&S造船経由)は三井造船昭島研究所の全株式を取得し完全子会社化した。同研究所は船舶の流体力学・水槽試験に強みを持つ研究拠点であり、常石造船は同社の流体解析・設計力を、従来の商船建造に加えて洋上風力発電の係留解析技術など新領域へ応用する方針を示している。これは造船大手が単純な建造能力の量的統合だけでなく、周辺技術(海洋エネルギー領域)への質的展開を狙ってM / M&Aニュース(日本M&Aセンター) 出典
西華産業傘下セイカダイヤエンジン、FRP造船の田中造船を子会社化(中小型セグメントの垂直統合)上場商社・西華産業の連結子会社であるセイカダイヤエンジンは、長崎県松浦市でFRP(繊維強化プラスチック)船の建造・修理を手がける田中造船(創業150年超)の株式を取得し、2024年4月1日付で孫会社化した。狙いは舶用エンジン販売事業と造船事業を一体運営することで、顧客の建造ニーズに一気通貫で応えるシナジーを生むことにある。大手2強(今治造船・JMU連合/常石造船)の資本統合とは / M&Aニュース/海事プレス 出典
国交省・内閣府「造船業再生ロードマップ」ー2035年に建造能力倍増・1〜3グループ化構想1800万総トン(2035年目標建造量)(2035)国土交通省と内閣府は2025年12月26日、「造船業再生ロードマップ」を公表した。現在約900万総トンの年間建造量を2035年に1800万総トン(倍増)へ引き上げ、中国・韓国に押されて低下してきた世界シェアを2割程度まで回復させることを目標に掲げる。柱は(1)船舶建造体制の強靱化(2)造船人材の確保・育成(3)脱炭素等によるゲームチェンジ(4)安定的な需要確保(5)同志国・グロ / 国土交通省 出典
造船業再生ロードマップ原文(国交省PDF)ー官民1兆円投資・造船業再生基金3500億円規模へ3500億円(造船業再生基金・10年間目標規模)(2035)国交省が公表したロードマップ本文(PDF)には、2035年までに官民合わせて1兆円規模の投資を実現する方針、および既存の「造船業再生基金」を今後10年間で計3500億円規模まで拡大する方針が明記されている。これは単なる資本再編(M&A)の奨励にとどまらず、政府が資金供給側からも業界再編・設備投資を後押しする構図であり、民間主導の資本統合(今治造船・JMU連合、常石・三井E&S) / 国土交通省 出典
海運3社+造船4社による次世代船標準設計会社「MILES」ー資本参加による垂直連携型再編7社(参加企業数)(2025)日本郵船・商船三井・川崎汽船の海運大手3社と、三菱造船・今治造船・JMU・日本シップヤード(NSY)の造船4社の計7社は、液化二酸化炭素(CO2)輸送船や新燃料船など次世代船の共通基本設計を開発し国内造船所に展開する「標準設計スキーム」の構築で合意した。特に今治造船と三菱重工が共同出資して設立した船舶設計会社に、海運大手3社が資本参加する形をとり、海運と造船が一体となって次世代 / 日本経済新聞/海事プレス 出典
三菱重工、今治造船・名村造船所・大島造船所と商船事業で包括提携(2017年)ー資本統合前の系譜2017年(提携年)(2017)三菱重工業は2017年3月31日に今治造船・名村造船所とそれぞれ商船事業のアライアンスで基本合意し、同年6月14日には大島造船所とも基本合意に達した。内容は新船型・新技術の共同開発、設計・建造ツールの標準化、艤装品の共通化、各社建造能力の機能的活用など、資本移動を伴わない技術・オペレーション面の連携が中心であった。この2017年の包括提携は、2025-2026年の今治造船による / 三菱重工業 出典
造船業界M&Aの買い手戦略まとめー経営基盤強化・事業領域拡大・海外進出の3類型M&A仲介大手レコフによる整理では、日本の造船業界におけるM&Aの買い手戦略は大きく3類型に分けられる。(1)経営基盤強化: スケールメリットを活用した競争力向上(今治造船・JMU連合が典型)、(2)事業領域拡大: 防衛造船・舶用エンジン等の隣接・異業種展開(常石造船の三井造船昭島研究所買収、三井E&Sの舶用エンジン特化)、(3)海外進出: ブラジル・ベトナム・ASEAN地域へ / レコフ 出典
KONGSBERGがRolls-Royce船舶部門買収500百万英ポンド(企業価値)(2018)KONGSBERGは2018年、Rolls-Royce Commercial Marineを企業価値5億ポンドで取得すると発表した。対象は推進機器を最大製品群とし、船舶機器・システム・アフターサービスを含む。買い手の狙いは、制御・自動化にプロペラ、スラスタ等を加え、低排出化で重要になる統合推進システムを一括供給すること。単品機器競争からシステム統合・保守収益を含む総合力競争への / KONGSBERG 出典
WärtsiläがL-3船舶システムを取得285百万ユーロ(企業価値)(2014)Wärtsiläは2014年、L-3 Marine Systems Internationalを企業価値2億8,500万ユーロで買収すると発表した。L-3 MSIの電気システム、自動化、動的船位保持を、既存のエンジン、推進機器、ガス燃料・環境対応技術と統合する戦略である。電気推進船の増加を明示的な需要根拠としており、代替燃料エンジン単体ではなく、電力配分・制御まで囲い込む再編の / Wärtsilä 出典
HD HyundaiがConvionを子会社化72百万ユーロ(2024)HD Hyundai系HD Hydrogenは2024年、フィンランドのSOFC・SOECシステム企業Convionの過半数株式を7,200万ユーロで取得した。HD Hydrogenが韓国の発電・船舶用途を統括し、Convionが欧州で中核技術開発を担う二極体制を採る。造船大手が外部セルを調達するだけでなく、船上燃料電池システムの設計知財と欧州開発拠点を傘下化し、次世代推進の垂 / HD Hyundai 出典
HDKSOEがElcogenへ戦略投資45百万ユーロ(2023)HD Korea Shipbuilding & Offshore Engineeringは2023年、SOFCのセル・スタックを製造するElcogenへ4,500万ユーロを投資した。大容量SOFCを高度化し、天然ガス、水素、アンモニア、メタノール、バイオ燃料に対応する船舶用発電・推進システムへ展開し、韓国内JVも検討する。Convion買収と合わせ、部材からシステムまで段階的に / HD Hyundai 出典
Hanwha EngineがSEAMを完全買収195百万米ドル(約)(2025)deadHanwha Engineは2025年、ノルウェーの電気推進・電力自動化企業SEAMの全株式を約1億9,500万ドルで取得する契約を締結した。メタノール・アンモニア対応の内燃機関にSEAMの電気推進と制御を組み合わせ、ハイブリッドを含むフルシステム供給者へ移行する狙いである。韓国エンジン勢による北欧の電動化技術獲得で、欧州専業インテグレーターの買収競争が強まる可能性を示す。 / Hanwha Group 出典
ABBがBrightLoopの93%を取得93%(初期取得持分)(2025)ABBは2025年、仏BrightLoopの93%を取得し、残る7%も2028年に取得する方針を発表した。同社の双方向・高低圧DC/DCコンバーターは、電気フェリーやオフショア船のコンパクトな電力変換に用いられる。ABBはモーターや船内DCグリッドにパワーエレクトロニクスを追加し、電池・燃料電池を含む電動推進の中核変換層を内製化する。取引条件の段階取得は経営陣維持と統合リスク軽 / ABB 出典
住友商事とCorvusが船舶ESS合弁100百万円(資本金)(2021)住友商事とCorvus Energyは2021年、日本で船舶用ESSの販売・保守を担う合弁会社を50対50、資本金1億円で設立した。住友商事の船舶トレード・保有船の顧客網と、Corvusの海事専用電池・電力制御を結合し、内航・外航双方を対象とする。電動化では製品輸入だけでなく、船級対応、技術支援、保守網の現地化が採用障壁になるため、地域商社とのJVが市場参入モデルとして有効であ / 住友商事 出典
4社出資でe5ラボを設立50百万円(資本金等)(2019)旭タンカー、エクセノヤマミズ、商船三井、三菱商事は2019年、EV船の企画・開発・普及と知財管理を担うe5ラボを資本金等5,000万円で設立した。出資比率は前2社各30%、後2社各20%。船主・海運・商社の需要、運航、資金・事業開発能力を束ね、単独企業では負担しにくい初号電動船の技術・事業リスクを共同化した。日本の内航電動化では、M&Aより共同出資プラットフォームが先行した点が / 商船三井 出典
Corvusで資本の選別と入替が進行30百万米ドル(Hydro売却額)(2025)Hydroは2025年、船舶用電池企業Corvus Energyの全持分を3,000万ドルで売却し、2017年以来の株主関係を終了した。理由は、電池を中核成長領域としないポートフォリオ最適化である。一方、Corvusには2024年にToyota系Woven Capitalが出資している。海事電池では単純な資金供給から、モビリティ技術・顧客接点を持つ戦略投資家への株主入替が進み、 / Norsk Hydro 出典
再編は統合推進と地域サービスへ二極化dead一連の案件から、今後の再編は①エンジン、電動機、蓄電池、燃料電池、電力変換、制御を束ねる大手の統合買収と、②専業技術企業が船主・商社と地域JVを組む市場アクセス型提携に二極化すると予測する。代替燃料対応船では燃料ごとの機器最適化と船上安全制御が相互依存するため、単品優位だけでは受注しにくい。KONGSBERG、Wärtsilä、Hanwhaの案件は前者、Corvus関連JVは後 / KONGSBERG 出典
Wärtsiläが船舶電気システム事業をVINCI Energiesへ売却100百万ユーロ(2024)Wärtsiläは2025年、船上の機器を単一電気ネットワークへ統合するMarine Electrical SystemsをVINCI Energiesへ売却。対象の2024年売上は1億ユーロ。Wärtsiläは収益改善と価値顕在化を狙うポートフォリオ整理を進め、買い手は複雑なプロジェクト型事業の知見を生かす。低排出船向け統合領域でも、エンジン大手による垂直統合一辺倒ではなく専 / Wärtsilä 出典
WärtsiläがGas SolutionsをMutaresへ売却完了394百万ユーロ(2025)Wärtsiläは2026年6月、船舶ガス輸送・ガス取扱い・液化等を担うGas Solutionsを投資会社Mutaresへ移管。2025年売上は3.94億ユーロだが、収益性はWärtsiläの目標未達だった。同社は低採算の周辺システムを切り離し、中核のエンジン・ライフサイクル領域へ集中。代替燃料対応の拡大局面でも、売上規模より採算性を軸にPE傘下で再建・再編する動きが強まる可 / Wärtsilä 出典
Kongsberg Maritimeが分離上場へ24%(2025)Kongsberg Gruppenは船舶推進・電動化を含むMaritime事業を分社し、Kongsberg Maritime ASAとして単独上場する計画を策定。移管資産・権利・負債は旧親会社価値の24%で、既存株主へ1対1で株式を交付する。独立化により海事市場向けの資本配分と戦略実行を明確化する狙い。統合型推進システム大手が独立した再編主体となり、今後の追加買収や提携を機動化 / Kongsberg Gruppen 出典
PESTLE マクロ環境34件
造船業再生ロードマップ(経済安全保障・建造量倍増目標)1800万総トン(2035年建造量目標)(2035)国土交通省・内閣官房は2025年12月に「造船業再生ロードマップ」を策定し、経済安全保障上重要な産業と位置付けた日本造船業について、2035年(令和17年)に建造量を現在の約2倍となる1,800万総トンとする目標を掲げた。官民合わせて1兆円規模の投資を想定し、政府は2034年度までに「造船業再生基金」等を通じて3,800億円規模を投資する方針である。実施は2026〜2028年度 / 国土交通省 出典
今治造船によるJMU子会社化(国策連動の業界再編)50%(統合後の国内建造量シェア推計)(2026)造船業再生を国策とする流れの中、国内最大手の今治造船は2026年1月5日付で国内2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)を子会社化し、出資比率を約6割に高めた。両社合算の国内建造量シェアは5割を超え、世界順位でも上位級(4位級)の規模に躍進する。今治造船はタンカー・コンテナ船等の量産型商船、JMUは護衛艦・砕氷艦等の官公需船や環境対応船に強みを持ち補完関係にある。国交省が20 / 日本海事新聞/海事プレス 出典
世界新造船受注シェア構造(中国優位・日本劣後の時系列)61%(中国の世界新造船受注シェア)(2025)世界の新造船受注(CGTベース)は中国が圧倒的優位にあり、2025年10月時点の手持ち工事量シェアは中国61%(1億860万CGT)に対し韓国20%(3,381万CGT)。韓国勢は2025年通年で市場シェアを2024年の17%から22%程度まで回復させた一方、日本は建造量そのものが2019年の1,600万総トンから2024年には900万総トンまで約4割減少しており、中韓との規模 / Clarksons Research / Maritime Executive 出典
建造コスト構造と船価転嫁の収益圧迫(利益構造)70%(建造コストに占める資機材費割合)(2025)日本造船業の新造船建造コストは鋼材・舶用機器等の資機材費が約7割、労務費・管理費等が約3割を占める構造で、鋼材費単体でもコスト全体の3割程度に達する。2020年末以降の鋼材価格変動とバース逼迫を背景に新造船価格は約15年ぶりの高値圏で推移してきたが、造船所側は資機材費高騰に対し「船価を4割程度引き上げる必要がある」と主張する一方、海運市況とのギャップから船価に十分転嫁できず、収 / 国土交通省/日本海事新聞 出典
造船・舶用工業の人手不足1万人超と外国人材依存の高まり10000人(推計人手不足規模)(2026)建造量倍増を目指す国策に対し、国内造船・舶用工業では人手不足が1万人超に達するとの推計があり、現場では「受注は増えても作れない」状況が指摘されている。熟練工の高齢化・引退と若年層の入職減少により技能継承が課題となる一方、コロナ禍で落ち込んだ外国人材数は近年再び増加傾向にあり、特定技能制度・育成就労制度を通じた「造船・舶用工業」分野での外国人材受入れが人材不足緩和策として位置付け / ITmedia ビジネス/国土交通省 出典
溶接自動化・DXオートメーション投資による生産性向上30%(溶接速度向上率の一例)(2024)建造能力拡大の主軸として溶接自動化・DX投資が進んでいる。大島造船所は可搬式溶接ロボットを追加導入し導入台数を計18台へ拡大、神戸製鋼の小型溶接ロボット「ARCMAN A30S」は3次元CAD連携の自動プログラミングにより立向上進溶接の速度を30%向上させるなど、個社レベルの生産性改善事例が積み上がっている。国土交通省はIoT・AIを用いた省人化・工数削減を狙う「DXオートメー / 国土交通省/神戸製鋼/海事プレス 出典
IMO 2050年GHGネットゼロ目標と脱炭素対応が受注競争力を左右2050年(GHGネットゼロ目標年)(2050)IMOは2023年に採択した「2050年頃までに国際海運のGHG排出を実質ゼロ」とする目標に基づき、2025年4月の第83回海洋環境保護委員会(MEPC83)で燃料GHG強度規制(GFI規制)とネットゼロ基金創設を柱とするMARPOL附属書VI改正案を承認した。中間目標として2030年までに20%以上、2040年までに70%以上のGHG排出削減が求められており、造船各社はLNG / 日本船舶海洋工学会/ClassNK 出典
EU-ETS海運適用拡大による生涯コンプライアンスコストの増大84億ユーロ(2026年海運業界のETS負担試算)(2026)EU排出量取引制度(EU-ETS)は2024年から海運分野に適用が拡大され、2026年からは対象温室効果ガスにCO2に加えメタン(CH4)・一酸化二窒素(N2O)が追加されるとともに、返還すべき排出枠が前年度排出量の40%から70%へ引き上げられる。海運業界全体では2026年に84億ユーロ規模の排出枠コスト負担が生じるとの試算があり、EUに寄港する日本管理船約370隻(排出枠1 / ClassNK/日本海事新聞 出典
米国通商法301条 対中造船措置と一時停止(米中通商摩擦の波及)80ドル/トン(2026年4月適用予定だった追加料金・現在停止中)(2026)米国通商代表部(USTR)は1974年通商法301条に基づき、中国が海事・物流・造船分野で市場支配を狙っているとして2025年4月17日に最終措置を発表し、中国企業が所有・運航する船舶や中国建造船の米国港湾入港に対し、2025年10月14日からトン当たり50ドル、2026年4月17日からはトン当たり80ドルへ引き上げる追加料金の賦課を決定した。これに対し中国は韓国造船大手ハンフ / USTR/連邦官報(Federal Register) 出典
舶用機器OEMの利益プールは新造船納入後のライフサイクルサービスへ移行2222百万ユーロ(Marineサービス売上)(2025)Wärtsiläの2025年サービス売上は全社売上の52%。Marine部門だけでもサービス売上は2,222百万ユーロで、船舶稼働時間連動料金を含む長期契約、性能契約、更新・脱炭素サービスが継続収益源となる。造船所単体の建造粗利ではなく、搭載機器・デジタル・保守契約を船齢全体で確保できる企業に利益が残る構造を示す。 / Wärtsilä Corporation 出典
舶用システム企業ではアフターマーケットが売上の半分を形成50%(Kongsberg Maritime売上に占めるアフターマーケットサービス)(2025)Kongsberg Maritimeは2025年売上構成を新造船向け50%、アフターマーケットサービス50%と開示し、後者が造船サイクルへの耐性を与えると説明している。新造船受注残は大きくても、収益安定性の源泉は既存船向け部品、保守、アップグレード、システムサービスにある。 / KONGSBERG ASA 出典
脱炭素新造船需要のNO-GO条件はIMO世界規制の再延期・弱体化1年(2025年10月に決定された審議延期期間)(2026)IMO Net-Zero Frameworkは2025年10月の採択が実現せず、MEPC 84後も採択済みではない。再開予定は2026年12月4日で、MEPC 85による確認が条件。したがって、代替燃料船プレミアムを前提とする強気評価は、2026年12月に採択されない、規制強度が下がる、または発効時期が再延期される場合に棄却する。 / International Maritime Organization 出典
将来燃料予測は単一解ではなく24シナリオに分散24シナリオ(2経路×燃料価格・供給条件)(2022)DNVは燃料価格・供給量・政策強度を変えた24シナリオを分析。従来のIMO目標ケースでも2050年の化石燃料比率は53~63%、完全脱炭素ケースでは0%となる。特定燃料対応船への集中投資は、政策が完全脱炭素経路に進まない、または安価なドロップイン燃料が優位になる場合が明示的なベアケースとなる。 / DNV 出典
代替燃料船の価格プレミアムが下がらず、発注延期・改修代替を誘発12%(代替燃料対応船の平均価格プレミアム)(2025)OECDによると、LNG・メタノール対応船の価格プレミアムは平均約12%で、明確な低下傾向がない。さらに代替燃料対応は世界船隊の7%に対し受注残の52%まで先行している。燃料供給・規制が追いつかなければ、高価な専用新造船ではなく、燃料選択性、ドロップイン燃料、既存船の省エネ改修へ需要が移る可能性がある。 / OECD 出典
電池・ハイブリッド・原子力推進は現状1%未満だが燃料依存型設計の代替候補1%未満(電池・ハイブリッド・原子力推進の船隊普及率)(2025)OECDは、代替燃料需要そのものを減らす電池、ハイブリッド、原子力推進が一部船種で台頭する一方、船隊普及率は1%未満と評価する。現時点では主流技術ではないが、この比率の上昇は、特定の液体・ガス燃料対応エンジン、タンク、燃料供給設備に依存する既存設計の需要を毀損する先行指標となる。 / OECD 出典
造船需給のベアケースでは過剰建造能力が2030年まで残存2030年(最悪ケースの過剰建造能力継続期限。楽観ケースは2024年)(2030)OECDの能力評価では、造船業の過剰能力が解消する時期は楽観ケースの2024年から最悪ケースの2030年まで6年分散する。したがって、建造量増加をそのまま価格・採算改善へ結び付ける評価は、需要低下、造船所の能力削減不足、新規設備投資の継続によって2030年まで過剰能力が残る場合に反証される。NO-GO条件は、受注増加後も船価・操業率・営業採算が改善せず、能力増設が需要増を上回る / Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) 出典
船隊更新需要のNO-GO先行指標は解撤率0.25%の歴史的低水準継続0.25%(2024年解撤量の稼働世界船隊比率)(2024)UNCTADによると、2024年に解撤された船腹は約630万総トン、稼働船隊の0.25%にすぎず、2023年並みの歴史的低水準だった。高運賃、二手船価格、シャドーフリート需要が残り、解撤率がこの水準付近から回復しなければ、老齢船の大量代替を前提とする新造船需要予測は外れる。一方、市況軟化、二手船価格下落、シャドーフリート需要縮小が解撤回復条件である。retrieval_date / United Nations Trade and Development (UNCTAD) 出典
船舶解撤ヤードが修繕・改造・小型船建造へ越境参入91.7%(4カ国の世界船舶解撤市場シェア)(2024)UNCTADは、船舶解撤国が共通設備であるドライドックを改修・再構成し、船舶修繕、レトロフィット、コンバージョン、タグボート等の特殊船建造へ展開できると指摘する。2024年の世界解撤市場の91.7%をバングラデシュ、インド、パキスタン、トルコが占めており、これらの低コスト拠点が隣接市場へ越境すれば、既存修繕造船所の価格・人材・設備稼働率を侵食し得る。retrieval_date / United Nations Trade and Development (UNCTAD) 出典
自律運航船の強制規格化が従来型設計・修繕能力を陳腐化2032年(強制MASS Codeの予定発効年)(2032)IMOはAI搭載・遠隔運航船向けの非強制MASS Codeを2026年7月に発効させ、強制コードを2030年7月までに採択し、2032年1月に発効させるロードマップを示した。航海、通信、遠隔運航、サイバーセキュリティ、Remote Operations Centre対応が設計・認証・修繕要件へ組み込まれるため、船体・機関中心の既存能力だけを持つ造船・修繕事業者には受注喪失リスク / International Maritime Organization (IMO) 出典
政治:IMOが代替燃料需要を政策的に創出5%(国際海運エネルギー比、最低目標)(2030)IMOの2023年GHG削減戦略は、国際海運のエネルギーに占めるゼロ/ニアゼロ排出技術・燃料の比率を2030年までに最低5%、10%を努力目標とした。総GHGも2008年比で2030年に最低20%、2040年に最低70%削減し、2050年頃ネットゼロを目指す。旗国を越える共通需要シグナルとなり、対応エンジン、燃料供給系、二元燃料船への発注を促す一方、燃料別の勝敗はライフサイクル / International Maritime Organization 出典
政治:日本がゼロ排出船の供給能力を増強1200億円超(誘発設備投資額)(2025)国土交通省・環境省は2025年1月、アンモニア・水素等のゼロエミッション船の建造促進事業16件を採択し、造船・舶用工業で総額1,200億円超の設備投資を誘発すると発表した。対象はエンジン、燃料タンク、燃料供給システムや艤装設備で、2030年に日本の海事産業が次世代船舶受注量で世界トップシェアを得る政策目標と直結する。国内サプライヤーには量産投資の先行機会、海外勢には補助金を伴う / 国土交通省 出典
政治:ノルウェーが水素・アンモニア船を直接支援2.2十億NOK超(採択額)(2024)ノルウェーのEnova制度は水素・アンモニア船と関連設備の適格費用を最大80%支援し、2024年の3回の公募で総額22億NOK超を採択した。支援対象は水素船11隻、アンモニア船13隻で、2025~2026年も年2回の公募を計画する。初期船価と技術リスクが大きい両燃料で実船導入を直接補助するため、北欧が実証・運航データを先行蓄積し、船級承認や部品標準化でも先行する可能性が高い。 / International Energy Agency 出典
経済:船隊脱炭素化に年80~280億ドル8十億USD/年(船隊脱炭素化、下限)(2050)alive_blockedUNCTADは、2050年までの世界船隊の脱炭素化に毎年80億~280億ドル、100%カーボンニュートラル燃料のインフラには別途年280億~900億ドルが必要で、完全脱炭素化により年間燃料費が倍増し得ると推計する。船主が負う代替燃料船・改造投資は巨額だが、燃料供給側の投資負担はさらに大きい。燃料価格差と供給確度が不透明な間は、単一燃料専用船より二元燃料・燃料転換可能設計のオプシ / UN Trade and Development 出典
経済:代替燃料船発注はLNGへ再集中275隻(代替燃料船新規発注)(2025)DNVによると2025年の代替燃料船発注は275隻で前年比47%減だったが、代替燃料対応船の総トン数シェアは38%を維持した。LNG船は188隻、メタノール船は2024年149隻から61隻へ急減。コンテナ船では代替燃料が発注総トン数の64%を占めた一方、バルク・タンカーは資本コストと規制不確実性から従来燃料を選好した。需要は一様でなく、荷主の削減目標と燃料供給網が揃う船種へ集中 / DNV 出典
社会:新燃料対応船員の訓練標準化が進展6燃料・技術区分(個別訓練指針)(2025)IMOは代替燃料・新技術船向けの汎用暫定訓練ガイドラインを発行し、メタノール、アンモニア、水素、LPG、電池船、燃料電池ごとの個別指針も開発している。これらは改正STCW条約・コードの強制訓練要件の基礎になる見込みで、日本支援によるアジア向けLNG船教官育成も3年間実施される。新燃料船の普及制約は機器供給だけでなく、有資格船員、訓練設備、消火・毒性対応技能へ移り、運航会社の導入 / International Maritime Organization 出典
技術:メタノール船が実船・受注段階へ移行300隻弱(メタノール燃料船の発注残)(2025)IEAは2025年6月時点で、メタノール燃料船が60隻超運航中、約300隻が発注済みと整理する。水素系燃料の普及には対応船技術、規制シグナル、燃料供給の同時拡大が必要で、化学品取扱い経験が十分な港は世界で約80港にとどまる。メタノールは既に船隊規模と建造パイプラインを形成し、アンモニア・水素より商用学習曲線を先行できる一方、低排出性は化石由来でなく低排出水素由来燃料を確保できる / International Energy Agency 出典
技術:低GHG燃料対応能力が年50Mtoe超へ50Mtoe/年超(低GHG燃料消費能力)(2030)DNVは、発注残を含む代替燃料対応船が2030年までに年間50Mtoe超の低GHG燃料を消費できる能力を持つと予測する。これは船上推進システムの搭載能力が、低排出燃料の実供給より先行し得ることを示す。エンジン・燃料供給装置メーカーには大型需要基盤となる一方、燃料の量・価格・ライフサイクル排出が追いつかなければ、二元燃料船が化石燃料で運航される「対応能力と実利用のギャップ」が設備 / DNV 出典
環境・法:EUが船舶燃料をWtWで規制80%(GHG強度削減率)(2050)FuelEU MaritimeはEU港に寄港する5,000GT超の船舶に、船上使用エネルギーの年間平均GHG強度上限を旗国を問わず適用する。2020年基準で2025年に2%低減、2050年に80%低減へ段階強化され、燃焼時だけでなく燃料の製造・供給を含むwell-to-wakeで評価する。したがってLNG、メタノール、アンモニアも名称だけでは適合せず、原料・製法の排出強度が船型 / European Commission 出典
環境・法:EU ETSがメタンスリップを価格化100%(排出枠負担率)(2026)EU ETSは2024年から5,000GT以上の貨物・旅客船に適用され、排出枠負担を2024年排出の40%、2025年排出の70%、2026年排出から100%へ拡大する。さらに2026年からCO2に加えCH4とN2Oも算入するため、LNG二元燃料機関のメタンスリップやアンモニア機関のN2Oが直接コスト要因になる。タンク・燃料供給系だけでなく、燃焼制御と後処理性能まで含む実排出の / European Commission 出典
政治:IMO世界共通ルールの1年延期が投資確度を低下85%(2025)IMOネットゼロ枠組みは、5,000総トン超で国際海運CO2排出の85%以上を占める船を対象に、燃料のライフサイクルGHG強度基準と排出価格を組み合わせる設計である。しかし2025年10月の臨時海洋環境保護委員会は採択協議を1年間休会し、法的拘束化は2026年以降へ後退した。世界共通の需要シグナルが遅れるため、船主は燃料別の長期採算を確定しにくく、燃料転換可能なデュアルフューエ / International Maritime Organization 出典
経済:代替燃料船発注は47%減でも大型船トン数比を維持47%減(2025)DNVによると、2025年の代替燃料船の新規発注は275隻で前年比47%減となり、新造船市場全体も4,405隻から2,403隻へ縮小した。一方、代替燃料船は発注総トン数の38%を維持した。LNG燃料船は188隻、メタノールは2024年の149隻から61隻へ急減し、燃料間の資本配分は均等ではない。大型コンテナ船中心にLNGが規模の経済を先行獲得する一方、メタノール・アンモニア系推 / DNV 出典
社会:代替燃料対応は船員訓練を任意対応から資格要件へ移す6技術区分(2025)IMOは2025年9月、代替燃料・新技術船に乗り組む船員向けの一般暫定訓練指針STCW.7/Circ.25を発行した。メタノール、アンモニア、水素、LPG、電池船、燃料電池について燃料・技術別指針も開発中で、改正STCW条約・コードの強制要件の基礎になる見込みである。船上設備の販売だけでなく、訓練教材、シミュレーター、保守手順、緊急対応を含む運用パッケージを提供できる事業者ほど / International Maritime Organization 出典
技術:低エネルギー密度と固有危険性が船上システム差別化を生むEMSAは、代替燃料は一般に低いエネルギー密度のため船上搭載量が増え、固有の化学特性によって乗員・旅客への安全リスクが従来燃料と大きく異なると整理する。既存のリスク管理枠組みは従来燃料向けであり、専用機器・保護策に加え、設計、製造、検査、据付、試運転、運航、保守まで高度な対策が必要になる。したがって単純な主機効率だけでなく、タンク容積、安全区画、検知・換気、冗長化を統合して貨物 / European Maritime Safety Agency 出典
環境・法:FuelEUの最不利係数と船隊プールが技術選択を二極化2隻以上/プール(2025)欧州委員会のFuelEU Maritime Q&Aでは、再生可能エネルギー指令や関連法令の持続可能性・GHG削減要件を満たさないバイオ燃料・合成燃料には、該当燃料種で最も不利な化石燃料経路の排出係数を適用する。また第21条のプーリングにより、1隻の超過達成分で他船の未達を補える。燃料名だけでなく認証済みWell-to-Wake性能が船価・運航価値を決める一方、船隊運営者は全船を / European Commission, DG MOVE 出典
Porter 5 Forces25件
新規参入の脅威: 強度=低(新造船本体)〜中(船舶修繕セグメント)の二層構造造船業は装置産業として参入障壁が高い。大型ドック・クレーン等の大規模施設投資、竣工まで3〜4年の長いリードタイム、複雑な設計・生産に対応する多数の技術者・技能者の確保が必須であり、建造能力拡大には長期間・多額の設備投資を要する(国土交通省海事局 2026年1月)。米国はジョーンズ法(1920年)による自国造船・自国籍・自国人乗組員限定の保護主義が裏目に出て国際競争力・技術革新力 / 国土交通省海事局/三井物産戦略研究所/海事プレス 出典
代替品の脅威: 強度=低(海上輸送そのもの)〜中(新造発注vs延命修繕の選択)海上輸送そのものに代わる大量輸送手段は事実上存在せず、日本は貿易量の99%以上を海上輸送に依存しているため、新造船需要そのものが消滅するリスクは低い(国土交通省海事局 2026年1月)。しかし『新造船を発注する』か『既存船を延命・改修して使い続ける』かという選択においては、修繕・レトロフィット市場が新造発注を代替・先送りしうる。世界の船舶改造(レトロフィット)市場は2025年1 / Coherent Market Insights/商船三井ロジスティクス/国土交通省海事局 出典
供給者の交渉力: 強度=高(鋼材・舶用エンジン・技能労働の三方から圧迫)船価の約7割を鋼材・舶用機器等の材料費が占め、造船会社は受注(船価確定)後に材料を調達する構造のため、物価上昇局面では利益が圧迫される(国土交通省海事局 2026年1月)。舶用機器の中核である大型低速2ストロークディーゼルエンジンのライセンサーは世界にMAN Energy Solutions(独)・WinGD(スイス)・J-ENG(日本)の実質3社しか存在せず、低速主機ではMA / 国土交通省海事局/三井物産戦略研究所/海事プレス 出典
買い手の交渉力: 強度=中〜高、船社大型化と国境を越えた発注選択で上昇傾向買い手である海運会社(船主)は世界的なアライアンス再編・M&Aによって大規模化が進み、造船所に対する価格交渉力を強めている。コンテナ船分野では世界1位マースク・2位MSCの2社で合計30%超のシェアを握り、3大アライアンス体制下で寡占が進行している。日本郵船・商船三井・川崎汽船は定期コンテナ船事業を統合しONE(Ocean Network Express)を設立したが、統合後も / 笹川平和財団海洋政策研究所/国土交通省海事局/三井物産戦略研究所 出典
既存競合の激しさ: 強度=非常に高い、日中韓寡占下で中国が急激にシェア拡大・国家間政策対抗が激化造船市場は世界単一市場であり、日中韓3か国で世界シェアの9割以上を占める極めて集中度の高い寡占的競争構造にある(国土交通省海事局 2026年1月)。2024年の引渡し量(CGT)ベース世界シェアは中国53.4%・韓国26.3%・日本12.0%・米国はほぼゼロ、新規受注ベースでは中国76%・韓国26%・日本12%(三井物産戦略研究所 2026年2月)。受注量(契約年ベース)で見る / 国土交通省海事局/三井物産戦略研究所/日本経済新聞/REC OF 出典
中国の世界シェア(引渡し量CGTベース、全船種)53.4%(2024)2024年の中国造船業の引渡し量(CGT)世界シェアは53.4%で世界1位。非中国合計46.6%のうち韓国26.3%・日本12.0%・米国ほぼ0%。船種別では自動車輸送船82.4%・製品油タンカー63.5%・バルク船65.9%・コンテナ船57.5%と幅広く優位、LNG運搬船のみ韓国が79.2%で優位。 / 三井物産戦略研究所(Clarksonsデータ) 出典
日本の新造船受注シェア(契約年ベース)の推移 2016→20248%(2024)日本の新造船受注シェアは2016〜2020年に15〜21%で推移していたが、2024年には8%まで急落。同年の中国シェアは71%、韓国は14%。2026年1〜3月にはさらに中国が受注シェア84.9%・手持ち工事量シェア69.8%に達した。 / 国土交通省海事局(IHS Markitデータ)/日本経済新聞 出典
日中造船建造コスト差(40,000DWT級ばら積み船、日本=100指数)20指数ポイント(日本=100中の差)(2026)日本を100とした造船建造コスト指数で中国は約80、約2割のコストギャップがある。内訳は鋼材(日本30・中国16)、その他材料費(日本40・中国32)、工費(日本20・中国23)、その他経費(日本10・中国10)。国土交通省はこのギャップに対処しない限り日本の建造量・シェアの減少傾向が続き造船業衰退のおそれがあると分析。 / 国土交通省海事局 出典
大型低速2ストロークディーゼルエンジンのライセンサー寡占度80%以上(MAN Energy Solutionsの低速主機シェア)(2021)船舶用大型低速2ストロークディーゼルエンジンのライセンサーは世界にMAN Energy Solutions(独)・WinGD(スイス)・J-ENG(日本)の実質3社のみで、低速主機ではMANが8割超のシェアを維持する寡占構造。ガス焚きデュアルフューエル機関ではWinGDがわずかにリード。 / 海事プレス 出典
日本船主の中国造船所への発注比率の増加40%(2022年以降の中国造船所発注比率上限、対2010年代後半1〜2割)(2024)日本船主の新造船発注量に占める中国造船所の比率は2010年代後半には全体の1〜2割程度だったが、2022年以降は3〜4割程度に増加。背景には日本船主の年間発注需要(約1,200万総トン)が日本造船所の建造能力(2020年以降おおむね900万〜1,000万総トン)を上回る構造的な需給ギャップがある。 / 国土交通省海事局(IHS Markitデータ) 出典
船舶改造(レトロフィット)市場規模の予測7.9% CAGR(2025-2032)(2025)世界の船舶改造(レトロフィット)市場規模は2025年176億米ドルから2032年299.6億米ドルへ、年平均成長率(CAGR)7.9%で拡大すると予測されている。新造船に対する代替・延命需要の規模を示す指標。 / Coherent Market Insights 出典
日本造船業界の主要M&A・再編動向(2024-2025)中国・韓国との価格競争に対抗するため日本国内で大型再編が進行。今治造船が2025年6月にジャパン マリンユナイテッド(JMU)の株式60%を取得し子会社化(経営資源共有による国際競争力強化・業界再編推進が目的)。常石造船が2025年6月に三井E&S造船を完全子会社化(経営資源統合・研究開発分野の連携深化が目的)。川崎重工業は国内ドックを削減しつつ中国での合弁により新規ドックを拡 / REC OF 出典
新規参入の脅威:低い95%(上位3カ国の建造量シェア)(2023)alive_blocked新規参入の脅威は低い。代替燃料船を建造できる造船所は、巨大設備に加え、燃料別の安全設計、船級承認、実船実績、エンジン企業との統合能力を要する。2023年の世界建造量は中国・韓国・日本で約95%を占め、中国50%超、韓国28.2%、日本14.9%。既存三極の集積と認証実績が、純粋な新規企業の量産参入を強く阻む。一方、中国既存造船所の燃料対応拡張は現実的であり、脅威が皆無ではない。 / UN Trade and Development (UNCTAD) 出典
実船実績がエンジン参入を阻む210基超(ME-LGIM受注・稼働)(2024)船上推進システムへの新規参入障壁も高い。MANのメタノール二元燃料ME-LGIMは基礎となるMEシリーズ約8,500基の稼働母集団を持ち、ME-LGIM自体も受注・稼働が210基超、メタノール運転60万時間超に達する。船主は故障時損失が大きく、燃料噴射、制御、保守網まで検証済みの系列を選びやすい。新興企業は製品開発だけでなく、船級承認、海上運転時間、世界保守網を同時に構築する必 / MAN Energy Solutions 出典
代替品の脅威:中〜高36%(コンテナ船発注トン数の従来燃料比率)(2025)代替品の脅威は中〜高。代替燃料同士が競合するだけでなく、従来燃料船、効率改善、風力補助、船上CO2回収も同じ脱炭素予算を争う。2025年のコンテナ船新造発注トン数はLNG約58%、従来燃料36%、メタノール6%で、低排出推進が伸びても従来船がなお有力な代替選択肢である。さらにメタノール受注は2024年149隻から2025年61隻へ減少し、燃料経路間のスイッチングが急で、単一技術 / DNV 出典
電池単独は外航船を代替しにくい代替品圧力は航路で二極化する。DNVは深海・外航船では電池単独が可燃性エネルギー源の十分な代替にならないと整理しており、長距離・大型船ではLNG、メタノール、アンモニア等の燃焼式または燃料電池式推進の競争余地が守られる。他方、短距離フェリーや港内船では電池・ハイブリッドが直接代替となる。したがって産業全体は中〜高だが、外航大型船に限れば電池からの代替圧力は低く、船型別の市場分割 / DNV 出典
供給者交渉力:高い50Mtoe/年超(船団の低GHG燃料消費能力)(2030)低GHG燃料供給者の交渉力は高い。DNVは2030年に代替燃料船団が低GHG燃料を年50Mtoe超消費できる能力を持つ一方、世界供給は70〜100Mtoeで、海運が得られるのはその一部にとどまると予測する。航空、化学、発電等との争奪により、船主・運航者は燃料価格、長期引取契約、供給港の条件を受け入れやすい。エンジンを導入しても適格燃料を確保できないリスクが、燃料生産者側の交渉力 / DNV 出典
推進機器供給者も強い1700基超(二元燃料エンジン受注・稼働)(2024)大型二ストローク二元燃料エンジンの供給者交渉力も高い。MANは二元燃料エンジンの受注・稼働が1,700基超、二ストローク受注簿の発電量ベースで二元燃料が50%超と開示する。メタン用ME-GIだけでも約1,000基の受注に迫り、設計ライセンス、燃料噴射・制御、改造、保守部品を一体で握る。船主・造船所は燃料選択後に互換先が限られ、設計凍結後の切替費用も大きいため、実績あるエンジン系 / MAN Energy Solutions 出典
買い手交渉力:中〜高62%(代替燃料船発注の2船種比率)(2024)買い手交渉力は中〜高。2024年の代替燃料船発注515隻のうち、コンテナ船と自動車運搬船が62%を占め、需要が大型船社の投資サイクルに集中する。コンテナ船発注の69%が代替燃料対応で、買い手は複数造船所・LNG・メタノール・燃料レディ仕様を比較し、大口シリーズ発注で価格、保証、納期、改造余地を交渉できる。ただし適格ヤードの船台不足とエンジン供給集中が、買い手の力を「高」一辺倒に / DNV 出典
大手船社が技術普及を左右する125基超(MSCのME-GI採用)(2025)個別大手の発注はサプライヤーの量産曲線を左右する。MSCはMANのメタン二元燃料ME-GIを125基超採用し、同製品最大の保有者である。Maerskもメタノール二元燃料の大型コンテナ船25隻を発注している。こうした買い手は単発船主より、共通仕様、保守条件、燃料供給連携を束ねて交渉できる。他方、先行発注が特定エンジンを事実上の標準へ押し上げると、後続買い手にはロックインが生じ、交 / MAN Energy Solutions 出典
既存競合:高い515隻(代替燃料船発注)(2024)既存競合は高い。2024年は代替燃料船515隻が発注され、LNG264隻、メタノール166隻、アンモニア27隻と複数経路が並走した。LNG受注は前年130隻から倍増する一方、メタノールも32%を占め、造船所・エンジン企業は単一燃料の規模だけでなく、複数燃料対応、将来改造、効率、メタンスリップ、安全性で競う。勝者が確定していないため研究開発と製品系列を重複保有する必要があり、競争 / DNV 出典
規制が競争を加速し選別する5%(IMO 2030年最低導入目標)(2030)既存競合を強める外生要因は規制である。IMOは2030年に国際海運のエネルギーの少なくとも5%、努力目標10%をゼロ・ニアゼロGHG燃料等とする。EUのFuelEU Maritimeも船上使用エネルギーのGHG強度を2025年2%削減から2050年80%削減へ段階強化する。需要の方向は明確になる一方、どの燃料が最適かは固定されず、LNG、メタノール、アンモニア、電動・ハイブリッ / International Maritime Organization (IMO) 出典
既存競合:燃料別シェアは短期で大きく変動19.8百万GT(2025)既存競合の強度は「高い」。2025年上期の代替燃料船新造発注は1,980万GTで、2024年通年比78%増。内訳はLNGが87隻・1,420万GT、メタノールが40隻・460万GTで、同じ低排出船でも燃料方式ごとの受注競争に大差がある。単一技術の勝者総取りではなく、船種適合性と規制見通しに応じてエンジン・推進システム各社が複線で競う構造である。燃料供給の成熟度が先行するLNGと / DNV 出典
買い手交渉力:規制不確実性下で発注配分が急変275隻(2025)買い手交渉力は「中〜高」。2025年の代替燃料船発注は275隻と前年比47%減で、メタノール船は2024年149隻から61隻へ縮小した一方、コンテナ船は代替燃料船発注の68%を占めた。規制の不確実性が続く局面では、大手コンテナ船社・荷主の投資判断が燃料方式別の需要を短期間で動かし、推進機器メーカーに複数燃料対応と納期・価格条件の競争を迫る。需要が船種と少数の大型発注者へ偏るほど / DNV 出典
供給者交渉力:燃料柔軟性がロックインを緩和3.4MW(最大出力)(2026)供給者交渉力は「高いが、マルチ燃料設計で一部緩和」。Wärtsilä 25は1.9〜3.4MWの同一モジュール基盤でディーゼル、LNG、アンモニアに対応し、将来燃料への転換を想定する。船主は燃料方式を固定した専用機より座礁資産リスクを抑えられる一方、改造可能性、安全系、排ガス処理、保守を一体設計できる有力OEMへの依存は残り、単純な価格競争よりプラットフォーム競争が強まる。さら / Wärtsilä 出典
エコシステム指標46件
大阪大学「先進海事システムデザイン共同研究講座(阪大OCEANS)」始動5年(設置期間)(2025)今治造船株式会社・ジャパンマリンユナイテッド(JMU)・一般財団法人日本海事協会(ClassNK)・日本郵船グループの株式会社MTI・日本シップヤード株式会社が2025年4月1日、大阪大学大学院工学研究科テクノアライアンス棟に共同研究講座を設置。設置期間は2030年3月31日までの5年間。研究領域はサプライチェーンの強靭化、船舶設計・認証におけるAI活用、生産設計とデジタルシッ / 今治造船株式会社 出典
日本郵船グループMTI、阪大「先進海事システムデザイン共同研究講座」に参画日本郵船株式会社の発表によれば、同社グループのMTIが大阪大学・今治造船・JMU・ClassNK・日本シップヤードと共に共同研究講座を運営。海運大手が単独出資でなく、造船・船級・海運系研究機関が共同で講座を運営する枠組みであり、日本の海事産学連携が「個社対大学」から「業界横断コンソーシアム型」へ移行している動きを示す一次情報として、今治造船発表とクロス検証できる。 / 日本郵船株式会社 出典
船体構造技術分野 特許総合力ランキング(三菱造船が首位、韓国大宇造船海洋が3位に浮上)225件(有効特許・三菱造船・首位)(2021)特許分析企業パテント・リザルトの集計(2021年8月5日時点、日本国特許庁公開データに基づく)によると、船体構造関連技術の特許総合力(パテントスコア)は三菱造船が1,088.2ポイント(有効特許225件)で首位、三井E&S造船が637.4ポイント(168件)で2位、韓国・大宇造船海洋(DSME)が574.6ポイント(57件)で3位となった。以下に国立研究開発法人海上・港湾・航空 / 株式会社パテント・リザルト 出典
国交省「造船業・舶用工業における技術開発の促進」施策と技術移転の政策構造国土交通省海事局は、造船事業者・舶用工業事業者が行うDX・バーチャルエンジニアリング等の技術開発を、知的財産のオープン&クローズ戦略(先行者利益と国際規則策定主導による優位性確保)と一体で支援する政策枠組みを運用している。「i-Shipping(海事生産性革命)」の下、革新的造船技術研究開発事業を複数回にわたり公募・採択しており、研究開発の成果を現場実装へ移転する経路を国が制度 / 国土交通省海事局 出典
日本郵船グループMTI、経済安全保障重要技術育成プログラムに採択(海事産業向け統合シミュレーション基盤)日本郵船グループの株式会社MTI(Monohakobi Technology Institute)が代表機関となり、「持続的で競争力に優れる海事産業のための統合シミュレーション・プラットフォームの構築」が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の経済安全保障重要技術育成プログラムに採択された。海運事業会社の技術研究子会社が、国の重点技術育成プログラムを介して技術シーズを実装 / 日本郵船株式会社 出典
株式会社MTI(日本郵船グループ)―海運会社の技術部門が独立したスピンオフ企業株式会社MTI(Monohakobi Technology Institute)は、日本郵船の社内技術開発センターが発展した株式会社NYK輸送技術研究所を改組し2004年に設立された、海事分野における日本の代表的な事業会社発スピンオフ企業。環境・省エネ技術、船舶運航技術、運航関連情報技術、輸送品質コンサルティング、物流ソリューション、海洋新事業の調査研究等を担い、無人運航船プロ / 株式会社MTI 出典
「MILES」―三菱重工・今治造船発の次世代船標準設計会社に海運・造船7社が共同出資7社(共同出資連合)(2025)三菱重工業と今治造船が共同出資して設立した次世代船の標準設計開発を担う会社「MILES」に、日本郵船・商船三井・川崎汽船の海運大手3社とジャパンマリンユナイテッド(JMU)等が新たに資本参加し、海運・造船7社連合となった。液化CO2輸送船や次世代燃料船の共通基本設計を開発し、国内複数造船所へ供与する体制を構築、他造船所との連携も視野に入れる。個社が単独で抱えてきた船舶設計機能を / 海事プレスONLINE 出典
日本船舶海洋工学会―造船・海洋工学分野の学会規模(産学連携の裾野)300件/年(学術講演会発表件数)日本船舶海洋工学会(JASNAOE)は約10のテーマ別研究委員会を運営し、春季・秋季の年2回の学術講演会で年間約300件の研究発表を行う。東海大学・大阪大学・大阪公立大学・広島大学・九州大学・東京海洋大学・神戸大学など全国の船舶海洋工学系学科と連携し、能力開発センターを通じて技術者のCPD支援・資格取得支援・大学教育改善支援も担う。阪大OCEANS等の個別大型共同研究講座に対し / 日本船舶海洋工学会 出典
建造より高収益な船舶アフターマーケット:HD現代の段階別利益構造3501億KRW(HD現代マリンソリューション営業利益)(2025)2025年のHD韓国造船海洋は売上29兆9,332億KRW、営業利益3兆9,045億KRW。一方、部品・保守・デジタルを担うHD現代マリンソリューションは売上1兆9,827億KRW、営業利益3,501億KRWで、AM売上は前年比16%増。公表値から算出すると営業利益率は前者約13.0%、後者約17.7%であり、建造後の部品・LTSA・保守・デジタルが相対的に厚い利益プールである / HD Hyundai 出典
舶用機器でも売切り型ではなくライフサイクル収益が過半54%(売上に占めるアフターマーケット比率)(2025)Kongsberg Maritimeの2025年売上は271億2,300万NOKで、その54%をアフターマーケット納入が占めた。新造船向け機器だけでなく、既存船への部品、サービス、更新需要が売上の過半を形成しており、搭載基盤の蓄積が継続収益源になる。 / KONGSBERG 出典
船舶パワー・推進・デジタル・保守を束ねるMarine事業の収益性12.7%(Marine比較可能営業利益率)(2025)Wärtsilä Marineは2025年に売上34億9,400万EUR、比較可能営業利益4億4,300万EUR、比較可能営業利益率12.7%を計上した。ハードウェア、制御・最適化ソフトウェア、ライフサイクル支援を一体化する事業モデルであり、装置販売後のアップグレードと運用支援を利益化している。 / Wärtsilä 出典
市場成長率の予測分散:強気側は年率5.72%5.72% CAGR(2026–2034)(2034)Fortune Business Insightsは世界造船市場を2025年1,662.0億USD、2034年2,741.9億USD、2026~2034年CAGR 5.72%と予測する。一方、別調査の2.87%予測とは約2倍の差があるため、5%台成長を前提とする評価は、受注・売上成長が3%近傍へ低下した場合に反証される。 / Fortune Business Insights 出典
市場成長率の予測分散:ベア側は年率2.87%2.87% CAGR(2026–2034)(2034)Research and Markets掲載予測は世界造船市場を2025年1,665億USDから2034年2,164億USD、2026~2034年CAGR 2.87%とする。5.72%予測との幅は2.85ポイントあり、戦略計画では2.87%をベアケースまたは投資撤退基準の基準線として置ける。 / Research and Markets 出典
造船需要の前提となる海上貿易は2025年に0.5%成長まで減速0.5%(海上貿易量の前年比成長率)(2025)UNCTADは海上貿易量の伸びを2024年2.2%から2025年0.5%へ減速、その後2026~2030年は年平均2%と予測する。したがって、新造船需要の強気評価は、海上貿易がこの2%基準を継続的に下回り、運航効率化や余剰船腹で吸収される場合に外れる。 / UN Trade and Development (UNCTAD) 出典
IMOネットゼロ規制の1年延期が環境対応船の発注時期を攪乱1年(採択審議の延期期間)(2025)IMOは2025年10月、燃料基準とGHG価格メカニズムを含むNet-Zero Frameworkの採択審議を1年間延期した。規制確実性を需要ドライバーとする環境対応新造船・改造案件に対し、発注延期、燃料選択の先送り、設計資産の陳腐化を引き起こす反転リスクである。 / International Maritime Organization 出典
代替燃料内でもLNGへの集中が設計技術の勝者を固定していない19.8百万GT(代替燃料船の新規発注量)(2025)2025年上期の代替燃料船発注は1,980万GT。このうちLNG船は87隻・1,420万GT、メタノール船は40隻・460万GT、アンモニア船は3隻・3.7万GTだった。燃料間の成熟度と採用格差が大きく、単一燃料専用の造船設備・設計IP・修繕能力には座礁資産化リスクがある。 / DNV 出典
船種別の発注残格差が造船所の設備ポートフォリオを分断15%(世界発注残/稼働船隊、DWTベース)(2025)2025年初の世界発注残は稼働船隊の15%。ただしLNG船は51.3%、コンテナ船は24.6%に対し、ばら積み船10%、原油タンカー7.5%だった。総市場の成長だけでは各造船所の需要を説明できず、低発注残船種に特化したドック・工程・サプライヤーは需要構造転換に晒される。 / UN Trade and Development (UNCTAD) 出典
既存船の圧倒的比率が新造代替より改造・保守への価値移動を促す90%超(従来燃料を使用する現役船隊)(2025)UNCTADによれば、代替燃料対応船は新規発注トン数の過半を占める一方、現役船隊の90%以上は依然として従来燃料を使用する。この非対称性は、一括更新より燃費改善、デュアルフューエル改造、排出管理ソフトウェア、延命修繕へ支出が移る可能性を示し、新造船専業モデルを脅かす。 / UN Trade and Development (UNCTAD) 出典
同一造船所内で修繕は建造の約6分の1の売上でもセグメント利益を上回る37.7lakh INR(船舶修繕セグメント利益)(2023)Hooghly Cochin Shipyardの2022-23年度実績では、船舶修繕は売上156.37 lakh INR、セグメント利益37.70 lakh INR。船舶建造は売上969.34 lakh INR、セグメント利益35.86 lakh INRだった。小規模子会社の単年度値という限界はあるが、修繕が建造より資本効率の高い利益プールになり得ることを、同一企業・同一会計基 / Hooghly Cochin Shipyard Limited 出典
需要強気評価のNO-GO指標:新造船発注量が2025年に27%減少27%減(新造船発注量、CGTベース、前年比)(2025)Clarkson PLCの2025年年次報告によると、関税、優先政策の変化、USTR措置を巡る見通し不透明感により、新造船発注量はCGTベースで27%減少した。造船需要の強気評価は、発注残ではなく新規発注フローの減少が継続する場合に反証される。撤退基準にはCGTベースの新規発注前年比を置くべきである。 / Clarkson PLC 出典
世界受注残の半分を中国が占有し、既存造船国の規模・学習曲線を侵食50%(世界造船受注残に占める中国比率、CGTベース)(2024)OECDによると、2024年の世界の造船受注残132.8百万CGTのうち、中国は66.4百万CGT、50.0%を占めた。これは単なる市場順位ではなく、設備稼働率、連続建造による学習効果、部材調達量を中国に集中させ、日韓欧の既存造船所が高付加価値船へ退避できない場合の構造的破壊要因となる。 / Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) 出典
IMO規制の5,000GT境界が環境改造需要を二層化5000GT(IMO Net-Zero Framework適用境界)(2026)IMO Net-Zero Frameworkの対象は5,000GT超の外航船で、国際海運排出量の85%超を占める。一方、5,000GT未満は現時点で対象外であり、400~5,000GTへの拡張は検討段階にある。この規制境界は、大型外航船向けの新造・改造需要を先行させる一方、中小型船の投資延期や別技術選択を促し、造船・修繕市場を二層化する。 / International Maritime Organization 出典
英国CMDC第1弾は55案件・208者55projects(2021)英国のClean Maritime Demonstration Competition第1弾は、低・ゼロ排出船向けの実現可能性調査と技術試験55件に最大2,325.9万ポンドを配分し、英国全土の208パートナーが参加、官民総投資は3,350万ポンドとなった。水素船、電動・ハイブリッド推進、船上代替燃料技術を、企業単独でなく大学・研究機関を含む共同開発網で検証する仕組みであり、1 / UK Department for Transport / Innovate UK 出典
CMDC第2弾は31案件・121者31projects(2022)CMDC第2弾は、革新的なクリーン海事ソリューションの実現可能性調査・配備前試験31件に1,200万ポンドを配分し、121パートナー、総投資2,080万ポンドを形成した。第1弾の55件・208者から件数は絞られた一方、1案件当たりの参加者は約3.9者で維持され、船舶推進・燃料電池・電池・代替燃料システムの実船導入に向けた産学協業が、探索型から配備前検証へ進んだことを示す。公的資 / UK Department for Transport / Innovate UK 出典
船舶用水素燃料電池IPFは19件19international patent families(2020)EPOとIEAの水素特許分析では、船舶用水素燃料電池推進の国際特許ファミリー(IPF)公開件数は2011年3件から2020年19件へ増加した。ただし年次は2013年15件、2017年10件、2018年8件、2019年16件と振幅が大きく、連続的な量産局面には未到達である。自動車用234件(2020年)との差も大きく、海事では用途統合・認証・実船実証に知財が集中する小規模な技術生 / European Patent Office / International Energy Agency 出典
船舶用水素系内燃機関IPFは24件24international patent families(2020)同じEPO・IEA分析で、水素・アンモニア・メタノールを含む船舶用内燃機関の国際特許ファミリー公開は2011年5件から2020年24件へ増え、2020年は船舶用燃料電池の19件を上回った。2013年16件後に伸び悩み、2019年16件から2020年24件へ再加速している。既存二ストローク/四ストローク資産を活用できるため、船主・造船所・エンジンOEM間の改造技術移転が知財競争の / European Patent Office / International Energy Agency 出典
船舶水素知財の38%は船上貯蔵38% of shipping hydrogen transport IPFs(2020)EPO・IEAは2011~2020年の船舶水素関連特許を、推進62%、船上貯蔵38%と整理した。さらに船舶推進の出願は潜水艦用途への集中がなお大きく、一般商船向けの技術移転余地が残ると指摘する。燃料電池か内燃機関かだけでなく、容積・安全・極低温/高圧対応を含む船上貯蔵が知財の約4割を占めるため、タンク・材料・船級を抱える企業との共同開発が商用化速度を左右する。推進専業だけでは完 / European Patent Office / International Energy Agency 出典
アンモニア大型2機種を実寸実証2full-scale engine types(2026)EUのAmmonia2-4は、アンモニアを主燃料とする四ストローク新造機関と、既販二ストローク機関へ改造可能な機関の2種類をフルスケール実証する。総事業費は1,611万6,210ユーロで、亜酸化窒素を含む温室効果ガスを少なくとも80%削減する目標を置く。新造・既存船の双方に成果を展開でき、大学・研究機関の燃焼知見をエンジンOEM、造船所、船主へ移す商用化橋渡し案件である。対象は / European Commission CORDIS 出典
HELENUSは船上SOFCを500kW実証500kW demonstrator(2027)EUのHELENUSは、500kW固体酸化物形燃料電池を熱電併給で大型クルーズ船へ統合し、80kW縮小機での試験も併用してTRL7を目指す。成果は2028~2029年にTRL8、最大20MWへの拡張を想定し、20MW SOFC+60MW内燃機関の構成で23%超の燃料節減可能性を掲げる。技術開発者から船舶設計・運航までバリューチェーンを束ね、研究成果を実船仕様へ移転する設計である / European Commission CORDIS 出典
Oldendorff・Strathclyde研究拠点1joint research centre(2024)Oldendorff CarriersとUniversity of Strathclydeは2024年、持続可能な海運研究センター設立のMOUを締結した。共同研究は高効率船型、代替エネルギー源を組み込む船舶、統合運航、ゼロ排出船技術を対象とし、ドライバルク船主の運航データ・実務課題と大学の船舶海洋工学を直結する。単発委託でなく常設拠点化することで、研究テーマ選定から実船適用まで / University of Strathclyde 出典
UCIがZEI実船データを第三者評価2USD million grant(2021)Zero Emission IndustriesはCalifornia Energy Commissionから200万ドルを得て、水素燃料電池式の小型高速港内船を設計・建造・試験し、University of California, IrvineのAdvanced Power and Energy Programが船舶・システムデータの収集分析を担う。企業の船上燃料電池パッケー / University of California, Irvine APEP 出典
UniGe発スピンオフH2Boat1university spin-off company(2020)University of Genoaは、船上発電向け水素システムを開発するH2Boat SCRLを大学スピンオフとして公式掲載している。名称はHydrogen to Boatに由来し、船内の電力需要に水素で応える製品を中核とする。燃料製造一般ではなく、船上での水素利用・発電システムを事業化対象にした点が重要で、大学研究を法人化して舶用機器市場へ移す明示的なスピンオフ事例として / University of Genoa 出典
大学発Bramble Energyは500万ポンドを調達し海事実装へ5百万ポンド(2020)alive_blockedUCLとImperial College Londonから2016年にスピンアウトしたBramble Energyは、EPSRC Impact Acceleration Accountの5回の支援で燃料電池プロトタイプを開発し、2020年8月にシリーズAで500万ポンドを調達した。UCLの商業化会社UCLBとUCL Technology Fundが支援し、SEA-KITとのCM / University College London 出典
Wärtsilä売上の52%はサービス—設備販売後の継続収益が利益プールの中核52% of net sales from services(2025)2025年のWärtsilä売上高69.14億ユーロのうち52%がサービス由来。代替燃料対応エンジンの競争を新造船向け機器だけで捉えると利益源を過小評価する。稼働船向け長期契約、保守、改造・アップグレードが継続収益を形成する。ただし52%はMarine単独ではなく全社値であり、サービス固有マージンは非開示。retrieval_date=2026-07-19 / Wärtsilä 出典
サービス受注37.40億ユーロ—改造減でも契約が下支え3740EUR million service order intake(2025)Wärtsiläの2025年サービス受注は37.40億ユーロで、前年38.12億ユーロから概ね横ばい。会社はサービス契約の好調がretrofits/upgradesの減少を補ったと説明している。隠れた利益源は一過性の燃料転換改造だけでなく、複数年の稼働・保守契約にある。数値は原文のEUR 3,740 millionを原単位のまま保持。retrieval_date=2026-07 / Wärtsilä 出典
NO-GO条件:2030年アンモニア比率6%への立上がり未達6% of international shipping final energy consumption(2030)IEAのNZE経路では、国際海運の最終エネルギーに占めるアンモニアは2022年0%から2030年6%、2035年15%、2050年44%へ上昇する。アンモニア船エコシステムの強気評価は、2030年時点で6%規模への立上がりが見えない場合に反証される。これはIEA予測値を撤退基準へ変換した分析上の判定線であり、IEA自身がNO-GOと呼んだものではない。retrieval_dat / International Energy Agency 出典
規制ベアケースが顕在化—IMO制度採択を12か月延期12months adjournment(2025)IMOは2025年10月、世界燃料基準とGHG価格付けを含むNet-Zero Frameworkの採択審議を1年間延期した。代替燃料の価格差を埋める世界共通制度がさらに延期・希薄化されることは、燃料供給投資と船主発注の同期を崩す明示的なベアケースである。retrieval_date=2026-07-19 / International Maritime Organization 出典
既存船隊の90%超が従来燃料—二重インフラ長期化が新燃料専業を脅かす90%+ of active fleet using conventional fuels(2025)UNCTADは2025年、代替燃料船が新規発注トン数の半分超を占める一方、現役船隊の90%超が依然として従来燃料で稼働すると報告した。発注フローが転換しても保有船ストックは急転換せず、従来燃料のバンカリング・保守網が長期間残るため、新燃料専業インフラの利用率と投資回収を圧迫し得る。retrieval_date=2026-07-19 / United Nations Trade and Development 出典
メタノールICEは2025年TRL10、アンモニアICEはTRL8—成熟差が先行者を選別2TRL-level maturity gap versus ammonia ICE(2025)IMO委託のRicardo/DNV調査は2025年の技術成熟度を、2ストローク・4ストロークのメタノールICEはいずれもTRL10、アンモニアICEはいずれもTRL8と評価した。メタノールの2段階の成熟優位は、同一導入時期を前提とするアンモニア中心の設備・部品エコシステムを侵食する破壊要因となる。retrieval_date=2026-07-19 / International Maritime Organization / Ricardo / DNV 出典
船上炭素回収は2030年TRL9予測—代替燃料への全面置換を遅らせる延命技術9technology readiness level(2030)IMO委託調査は排ガス由来の船上炭素回収を2022年・2025年TRL7、2030年TRL9と予測し、既存船への適用可能性をGoodとした。実用化すれば従来燃料船の改造で規制対応する選択肢となり、新燃料船・専用供給網への置換速度を鈍らせる。retrieval_date=2026-07-19 / International Maritime Organization / Ricardo / DNV 出典
NO-GO条件:22 Mtの水素供給候補は2027年初までの投資決定が必要22Mt of potential low-emissions hydrogen production(2030)IEAは、2030年稼働を掲げる低排出水素案件のうち22 Mt分について、2027年初までに投資決定がなければ2030年稼働の可能性を失うと評価。水素・アンモニア船の投資判断では、燃料供給案件のFID取得を明示的なゲートとすべきであり、期限未達は船隊・バンカリング投資のNO-GO条件となる。 / International Energy Agency 出典
供給予測は1年で49 Mtpaから37 Mtpaへ下方修正37Mtpa announced-project low-emissions hydrogen production(2030)IEAの2030年低排出水素供給見通しは、発表済み案件ベースで2024年版の49 Mtpaから2025年版では37 Mtpaへ低下した。12 Mtpaの下方改定幅そのものが案件発表値を供給確度とみなせない反証であり、船舶燃料戦略では発表案件量ではなく稼働・建設中・FID済み量を採用すべきである。 / International Energy Agency 出典
化石由来アンモニアは燃料油より高い上流排出係数121gCO2eq/MJ WtT(2023)IMO包括影響評価が用いた2023年のWell-to-Tank係数は、化石由来アンモニアが121 gCO2eq/MJで、HFOの13.5 gCO2eq/MJを大幅に上回る。アンモニア対応船であっても供給経路が化石由来なら、ライフサイクル規制下で低排出資産として成立しない可能性がある。 / International Maritime Organization 出典
LNGが代替燃料対応船の受注残で36.1%を占有36.1% of alternative-fuel-capable orderbook(2024)2024年初の代替燃料対応船オーダーブックではLNG対応が36.1%を占め、メタノール対応の9.3%を大きく上回った。既設バンカリング網と大量のデュアルフューエル船が移行期の標準を固定し、水素・アンモニア専用エコシステムの利用率を圧迫する破壊要因となる。 / United Nations Trade and Development 出典
風力補助推進は燃料効率を最大30%改善30% maximum fuel-efficiency improvement(2026)IMO CARES報告は、サクションウイングによる燃料効率改善余地を10~30%とする。既存船への追加導入で燃料消費自体を削減できるため、新燃料の販売量、タンク容量、バンカリング設備需要を同時に縮小し得る代替的な脱炭素手段である。 / International Maritime Organization (IMO CARES) 出典
ドロップイン型バイオ燃料が2050年船舶エネルギーの19%を獲得19% of international shipping final energy consumption(2050)IEAネットゼロ経路では、バイオ燃料が2050年の国際海運最終エネルギー消費の19%を占める。既存エンジン・燃料インフラを活用しやすい選択肢が相応の需要を確保するため、水素・アンモニア向け専用船・貯蔵・供給網の総アドレス可能市場を制約する。 / International Energy Agency 出典
バリューチェーン構造45件
造船・船舶修繕バリューチェーンの全体構造(川上→川下)造船・船舶修繕産業のバリューチェーンは、川上=素材(造船用鋼材・厚板)および舶用機器メーカー(エンジン・ポンプ・航海計器・プロペラ等の部品サプライヤー)、中流=造船所での船体ブロック建造・組立・艤装・進水・引渡、川下=海運会社(船主・オペレーター)による運航、そして就航後の定期検査・修繕・改造(ドック入渠)、最終的には解撤(リサイクル)までの一貫した流れで構成される。国内建造船 / メカキャリ/日本舶用工業会 出典
川上工程=造船用厚板鋼材の供給構造とコスト圧迫10000円/トン(値上げ幅)(2026)造船用鋼材(厚板)はJFEスチール・日本製鉄の大手2社が事実上供給する寡占構造にあり、船体軽量化・大入熱溶接対応の高機能鋼板(EH47等の高強度グレード)を開発・供給している。2026年3月にJFEスチールは造船向け厚鋼板を1トン当たり1万円(品目により5~10%)値上げすると発表し、主原料高・コスト増を背景に上流の価格転嫁が進んでいる。この鋼板価格の相対的な高さは、中国・韓国 / JFEスチール/日本経済新聞 出典
川上工程=舶用エンジンの国内寡占と輸出規模70%(国内シェア・馬力ベース)(2023)舶用工業のうち船舶用エンジン(舶用ディーゼル主機)は三井E&S(旧三井E&Sホールディングス)がグループ会社(三井E&S DU)およびサブライセンシーのマキタと合わせ、国内シェア約7割(馬力ベース)を占める寡占構造にある。世界市場では中小型舶用ディーゼル(4ストローク)はバルチラ・マン・MAKなど欧州大手が上位を占め、日本ブランド(ヤンマー2.6%・ダイハツ1.5%・阪神1.4 / 日本舶用工業会 出典
川上工程=舶用部品ニッチトップシェア企業群(中小企業の世界シェア)40%(世界シェア・大型シリンダーライナー)(2024)造船バリューチェーンの川上を担う舶用部品分野では、数百~数千人規模の中小・中堅企業が世界トップシェアを握る構造が特徴的である。プロペラのナカシマプロペラは世界シェア約44%、航海機器の古野電機は世界シェア約44%、カーゴポンプのシンコーは世界シェア80%超を占める。さらに佐賀県鹿島市の東亜工機は舶用低速ディーゼルエンジン向けシリンダーライナー(内径600mm以上の大型)で国内シ / メカキャリ/佐賀テレビ(kachi kachi plus) 出典
中流工程=国内建造首位・今治造船グループのJMU子会社化(2026年1月)60%(JMU出資比率)(2026)国内建造量首位の今治造船は、2025年6月にJFEホールディングスとIHIからそれぞれ15%ずつ株式を取得しジャパンマリンユナイテッド(JMU、旧ユニバーサル造船+IHIマリンユナイテッド)への出資比率を30%から60%へ引き上げ子会社化することを発表、競争法上の審査・承認を経て2026年1月5日付で正式に完了した。これにより今治造船グループの建造量は世界4位に浮上する見込みで / 公正取引委員会/日本経済新聞/時事通信 出典
中流工程=海外プレイヤー・中国CSSCの世界建造シェア(単独20%超)20%(CSSC単独世界シェア推計)(2024)中国国有の中国船舶集団(CSSC)は江南造船・大連造船など傘下ヤードを通じ、2024年に世界建造量の3分の1を建造する世界最大の造船コングロマリットとなった。統合後のCSSC単独の世界市場シェアは20%超と推計され、これは韓国上位3社(HD現代重工業・サムスン重工業・韓華オーシャン)の合計シェアを上回る規模である。2025年の世界建造量(77百万総トン)のうち中国全体のシェアは / Wikipedia(China State Shipbuilding Corporation)/ひろぎん経済研究所 出典
中流工程=韓国Big3のLNG船高付加価値ニッチ(世界シェア約70%)70%(LNG船世界シェア・韓国大手3社)(2024)中国が量(建造量)で世界を席巻する一方、韓国のHD現代重工業・サムスン重工業・韓華オーシャン(Big3)は、LNG運搬船など高複雑性・高付加価値船種に特化することで世界シェア約70%を維持している。中国が汎用船・バルカーで規模を追求するのに対し、韓国は技術的難度の高いセグメントへ差別化するポジショニングを取っており、量産の中国と高付加価値の韓国という川中工程での二極化構造が明確 / Asia News Network 出典
世界建造量シェア構造(2025年・中国一強)77百万総トン(世界建造量)(2025)2025年の世界の新造船建造量は77百万総トンとなり、大量建造期(2009~2012年)以来の高水準を記録した。中国の世界シェアは60%を上回り、2位の韓国、3位の日本との差はさらに広がっており、造船業における中国一強の構図が鮮明化している。日本政府は2035年に建造量を現在の約2倍となる1,800万総トンへ引き上げ、世界シェアを2割程度まで回復させる目標を掲げ、業界は3,50 / ひろぎん経済研究所/時事通信 出典
川下工程=世界の船舶修繕・保守市場とアジア太平洋の集中度42.810億米ドル(世界市場規模2025年時点値)(2025)alive_blocked世界の船舶修繕・保守サービス市場は2025年時点で423億ドル規模とされ、年平均5%台の成長が見込まれている。アジア太平洋地域が世界シェアの約41%(176億ドル)を占め、中国・韓国・日本・シンガポール・インドに世界最大級かつ高度な技術を持つ乾ドックが集中している。特にシンガポール・中国・韓国の3拠点だけで年間15,000件超の修繕を扱い、中国単独で世界の修繕量の約35%を処理 / Databridge Market Research 出典
川下工程=国内修繕船クラスターの差別化(尾道・因島地域)300隻/年(向島ドック修繕実績)(2025)広島県尾道市・因島地域には約20の造船・修繕関連事業所が集積し、地域製造業出荷額の約3割を占める国内有数の修繕船クラスターを形成している。向島ドックは内航船を中心に年間約300隻の修繕を手がける規模を持ち、因島の三和ドックは55年にわたり内航・沿海船の修繕・改造を手がけた実績を土台に、大型ドック・工場を新設して外航船修繕へ新規参入するなど、内航修繕から外航修繕への技術的・設備的 / 向島ドック株式会社/せとうちタイムズ 出典
川下工程=船舶解撤(リサイクル)と鋼材循環による川上への還流60%(解撤鋼材の現地製鋼・造船原料還流比率)(2020)alive_blocked船舶の耐用年数終了後の解撤(シップリサイクル)は南アジア(バングラデシュ・インド・パキスタン)に70~80%が集中する構造となっており、バングラデシュは2019年時点で世界の解撤量の57.6%を占める世界最大の拠点である。解撤で発生する鋼材の60%以上が現地の製鋼(リローリングミル約350社)や造船原料として供給されており、解撤(川下末端)から鋼材(川上)へと還流する循環型のバ / East Asia Forum 出典
ボトルネック工程=クレーン供給不足・設備投資の遅れ日本の造船業が建造量倍増(2035年に1,800万総トンへ)を目指すうえで最大のボトルネックの一つが、建造能力増強に不可欠な大型ゴライアスクレーンの供給不足である。大手造船幹部が「どこかゴライアスクレーンを製造してくれる会社はないか」と嘆くほど需給が逼迫しており、長年の造船不況で設備投資を後回しにしてきたツケが、需要回復局面での能力増強の足かせとなっている。中流の建造工程そのも / 日本経済新聞 出典
ボトルネック工程=技能人材(溶接工等)の不足・高齢化63000人(2022年造船業就労者数)(2022)造船業の就労者数は2018年まで8万人台を維持していたが、建造需要低迷に伴い2016年以降減少が続き、2022年には6.3万人まで落ち込んだ。溶接や船体ブロック組立といった高度技能を持つベテラン技能者が退職期を迎えつつある一方、10代~20代の若手比率は減少傾向にあり、地方の中小造船所では技能者の退職に伴い受注を断念せざるを得ないケースも生じている。中流の建造工程における技能人 / 国土交通省海事局 出典
利益プール=舶用機器メーカーの収益は売切り型機器よりライフサイクルサービスへ移行52%(サービス売上比率)(2025)Wärtsiläの2025年売上高69.14億ユーロのうち52%がサービス売上。Marine事業は部品・フィールドサービス、性能契約、アップグレード、脱炭素支援、デジタルソリューションを船舶の全寿命に提供する。造船後も継続する保守・性能保証・ソフトウェアが、装置販売とは別の反復的利益プールを形成している。 / Wärtsilä 出典
利益プール=ゼロエミッション対応船の推進系プレミアム6.910億米ドル(追加売上試算の下限)(2030)OECD掲載試算では、2030年に建造されるバルカー・タンカー・コンテナ船がすべてゼロエミッション対応となる場合、造船業の追加売上は69億~360億米ドル、推進系売上は86~452%増加し得る。利益機会は船殻の量産より、代替燃料エンジン、燃料供給・貯蔵系、制御統合へ偏る可能性が高い。 / OECD 出典
反証条件=代替燃料船普及予測は25%から20%超へ下方シフト25%(2030年の代替燃料対応船腹予測)(2030)2024年初時点のClarksons引用予測は、2030年に世界船腹の約25%が代替燃料対応となる可能性を示した。これは後年の「20%超」予測より約5ポイント高い。燃料供給・価格競争力が整わず普及率が20%を下回る場合、代替燃料対応設備を前提とする高付加価値化シナリオのNO-GO条件となる。 / The Maritime Executive(Clarksons Research引用) 出典
反証条件=最新予測の下限は世界船腹20%超20%超(2030年の代替燃料対応船腹予測)(2030)Clarksons Researchの2025年予測は、2030年の代替燃料対応船腹を「20%超」とする。2024年初に報じられた約25%予測との分散は約5ポイントであり、単線的な普及想定は避けるべきである。2030年に20%へ届かないことを、関連設備投資の縮小・撤退基準として設定できる。 / Clarksons Research 出典
反証条件=規制主導需要を崩すIMOネットゼロ枠組みの採択延期12カ月(審議延期期間)(2025)IMOは2025年10月、MARPOL Annex VIのネットゼロ枠組み採択審議を12カ月延期した。したがって、規制確定を前提とする代替燃料新造船需要には政策反転・遅延リスクがある。再開後も採択時期または強度が確定しない場合、燃料専用設備への先行大型投資のNO-GO条件となる。 / International Maritime Organization 出典
破壊要因=新造船需要を代替する省エネ改造・レトロフィット市場10360隻超(省エネ技術搭載船)(2024)Clarksons Researchによると、省エネ技術は10,360隻超、世界船腹トン数の37%超に搭載済み。主要造船所の納期が約3.7年に伸びるなか、プロペラダクト、空気潤滑、風力補助などの改造は、新造船更新を部分的に代替し、利益プールを修繕ドック・機器会社・デジタル最適化事業者へ移す。 / Clarksons Research 出典
破壊要因=日本勢の代替燃料船対応の遅れと高付加価値工程の海外集中3%(代替燃料対応船の世界受注残に占める日本のCGT比率)(2024)OECDによると、2024年の代替燃料対応船の建造比率は韓国69%、中国22.5%に対し、日本は調査期間を通じ10%未満。さらに代替燃料対応船の世界受注残は韓国42%、中国47%、日本3%である。従来型バルカー中心の国内構造は、推進系・燃料系の高付加価値化で韓中に利益プールを奪われるリスクがある。 / OECD 出典
破壊要因=燃料別技術選択の急変による専用設備の座礁リスク14%(代替燃料対応発注トン数に占めるメタノール、LNG船除く)(2024)2024年の代替燃料対応発注では、LNGがLNG船を除くトン数の70%へ上昇した一方、メタノールは前年30%から14%へ低下した。燃料方式の優位性は短期間で変動しており、単一燃料専用のエンジン、タンク、バンカリング設備への固定投資は技術選択の反転で座礁し得る。 / Clarksons Research 出典
価値連鎖は専用機器から艤装まで一体化1900億円(生産設備投資総額)(2025)川上は代替燃料対応エンジン、燃料タンク、燃料供給システムの設計・製造、中流は造船所による船体設計、機器統合、配管・換気・安全設備を含む艤装、川下は船主・海運会社による発注、運航・保守で構成される。国交省の支援対象も機器の生産設備と搭載設備を同時に含み、競争単位が単品機器ではなく船上システム全体であることを示す。国内では機器メーカーと造船所の同時増強が必要となる。 / 国土交通省 出典
国産大型主機の中核はJ-ENG700時間(商用アンモニア主機試験)(2025)推進機器工程では、J-ENGが低速2ストローク主機のアンモニア燃料化を担い、IHI原動機が4ストローク補機、川崎重工業・ヤンマー・J-ENGのHyENGが水素主機開発に位置する。J-ENGは単気筒約1,000時間の試験後、商用7UEC50LSJAを700時間試験して完成させた。毒性燃料の漏洩防止・監視までエンジン側で検証するため、試験設備と認証知見が参入障壁となる。 / Japan Engine Corporation 出典
舶用蓄電池は海外専業が強い1300基超(導入ESS)(2026)電動・ハイブリッド船の川上では、セル調達後に舶用バッテリーモジュール、BMS、熱・防火安全を船級対応でパッケージ化する工程がある。ノルウェー系Corvus Energyは1,300超のESSを展開し、同社説明では海事ゼロエミッション用途で50%超のシェアを持つ。国内造船・運航側は、海外の認証済みESSを電動機・電力変換器・EMSへ統合する位置にあり、認証済み供給者への集中が調達 / Corvus Energy 出典
統合制御がハイブリッドの付加価値源15%(航海時燃料削減、上限)(2026)ハイブリッド推進の中流では、主機、蓄電池、電動機、電力変換器、プロペラ、陸電接続をEMSで統合し、航行負荷に応じて最適制御する。海外ではWärtsiläなど総合舶用メーカーが機器供給とシステムインテグレーションを一括化し、機械式・電気式の双方を新造・改造へ提供する。同社公表値では航海時10~15%、DP待機時25~40%の燃料削減余地があり、単品価格より統合設計・制御性能が差別 / Wärtsilä 出典
日本型は海運・機器・造船・船級の連合40000m3(船型)(2026)アンモニア船の国内実装では、需要家・運航知見を持つ日本郵船、2ストローク主機のJ-ENG、4ストローク補機のIHI原動機、設計を担う日本シップヤード、建造するJMU有明、審査するClassNKが連結する。40,000m3型アンモニア運搬船で、燃料・貨物配管と毒性防護を船体設計へ織り込む。海外の単独ライセンサー対抗には、このクラスター型で設計フィードバックを短縮することが日本の強 / 日本郵船 出典
海外受注はLNG・コンテナ船へ集中188隻(LNG燃料船受注)(2025)川下の発注意思は燃料供給網と荷主需要に左右され、2025年の代替燃料船はLNGが188隻で主導、メタノールは前年149隻から61隻へ減少し、アンモニアは限定的だった。コンテナ船では荷主の排出目標と既存供給網が発注を支える一方、バルク・タンカーは市況と資本費に敏感で従来燃料を選びやすい。したがって海外プレイヤーの案件獲得は燃料別でなく、船種・航路・荷主契約を束ねた販売設計が必要と / DNV 出典
改造市場は新造を補完する独立工程700隻超(Maersk運航船隊)(2025)既存船の改造は、ドック入渠、燃料タンク用スペース確保、船体切断・延長、主機の分解・デュアルフューエル化、配管・制御更新、再認証から成る。Maersk Halifaxではメタノールタンク搭載と貨物スペース確保のため船体を延長し、ME-LGIM主機を改造した。700隻超を運航するMaerskのような大船主に対し、Everllence系主機技術と改造造船所を束ねる能力が受注ボトルネッ / Everllence 出典
運航実証が設計・認証へ還流3カ月(実証運航期間)(2024)川下では船主・運航会社が実船データを機器メーカー、造船所、船級へ戻す学習循環が重要である。日本郵船とIHI原動機は、京浜ドックでLNG燃料タグをアンモニア仕様へ改造し、ClassNK協力下で海上試運転後、グループの新日本海洋社が東京湾で3カ月実証した。新燃料船は引渡しで価値連鎖が終わらず、燃料取扱い、乗組員安全、保守手順の実証が次船の設計標準化と量産可否を決める。 / 日本郵船 出典
船級・安全承認がアンモニアの関門2028年(IGFコード改正発効見込み)(2028)設計と建造の間には、旗国・船級による燃料タンク配置、漏洩検知、換気、防火、乗組員保護の審査工程がある。IMOは2024年12月にアンモニア燃料船の暫定安全ガイドラインを承認した一方、IGFコード改正の発効見込みは2028年1月である。規則が発展途上の期間は、ClassNK、DNV等との早期AiP・個船承認が工程遅延を左右し、毒性リスクを設計で立証できる人材と試験データがボトルネ / International Maritime Organization 出典
国内供給の隘路は試験・鍛造・艤装2026年(主機部品基盤強化期限)(2026)国内の明示的ボトルネックは、ガス燃料エンジンの性能試験、2ストローク主機用クランクシャフトの鍛造、プロペラの鋳造・加工である。さらに新燃料化で配管・安全設備が増え、オーダーメイド建造の艤装工程が複雑化する。国は2ストローク試験を2025年、4ストローク試験とクランクシャフト基盤を2026年、プロペラ基盤を2027年までに強化する計画であり、受注増に対する供給制約は中核部品と試験 / 国土交通省東北運輸局 出典
造船所内の新燃料取扱いも供給制約4燃料種(調査対象)(2025)造船所・エンジン工場は完成船へ燃料を積む以前に、液化水素、液化アンモニア、LNG、メタノールを自社敷地の陸上タンクで保管し、建造船や試験エンジンへ供給する設備と法令対応を要する。これは燃料製造や港湾インフラ単独ではなく、機器試験・艤装・海上試運転を成立させる製造工程である。危険物ごとに適用法令が異なるため、専用タンク・供給設備と許認可ノウハウの不足が複数燃料対応のリードタイムを / 国土交通省 出典
利益源は機器売切りよりライフサイクル収益へ移行52%(サービス売上比率、全社)(2025)Wärtsiläの2025年売上高69.14億ユーロのうち52%がサービス関連。Marineの提供価値も性能連動契約、ライフサイクル・ソリューション、アップグレード、脱炭素支援を基盤としており、低排出推進機器の設置後収益がグループ売上の過半を占める構造が確認できる。ただし52%はMarine単独ではなく全社値。 / Wärtsilä Corporation 出典
二元燃料船の普及が部品単価と保守需要を同時に押し上げる3501億ウォン(営業利益)(2025)HD Hyundai Marine Solutionは2025年に売上1兆9,827億ウォン、営業利益3,501億ウォンを計上。中核の船舶部品・サービスAM事業は前年比16%増となり、会社は二元燃料エンジン搭載船の増加による部品単価上昇と保守需要拡大を収益性向上要因に明記した。LTSA更新、交換部品、保守が隠れた利益プールとなる。 / HD Hyundai 出典
デジタル・電力制御は保守に次ぐ高成長収益層30%(デジタルソリューション売上前年比)(2025)HD Hyundai Marine Solutionのデジタルソリューション売上は2025年に前年比30%増加し、軸発電機事業が成長に寄与した。新燃料対応機器だけでなく、電力制御・運航デジタル層が独立した収益プールになることを示す。 / HD Hyundai 出典
グリーンアンモニア投資のNO-GOは燃料プレミアム未解消48USD/GJ(2030年グリーンアンモニア予測上限)(2030)IMO向けRicardo・DNV調査の2030年価格レンジはグリーンアンモニア33–48 USD/GJに対しVLSFO 11–14 USD/GJ。したがって炭素価格、補助金、荷主プレミアム等でこの差を埋められない航路では、アンモニア専用設備・船への投資仮説は成立しない、という明示的なNO-GO条件にできる。NO-GO判断部分は価格表からの推論。 / International Maritime Organization / Ricardo / DNV 出典
燃料供給確保が2030年普及予測の撤退基準17Mtoe/年(海運向け需要)(2030)DNVは2030年の海運向けカーボンニュートラル燃料需要を年17 Mtoeとし、世界供給見込みの30–40%を海運が確保する必要があると推計。長期オフテイクやバンカリング供給を確保できず、この配分に届かない場合、代替燃料船普及シナリオは下振れする。 / DNV 出典
燃料別勝者を前提にできないほど予測分散が大きい60%(2050年カーボンニュートラル燃料シェア下限)(2050)DNVの30シナリオでは、脱炭素経路における2050年のカーボンニュートラル燃料シェアが60–100%に分散する一方、非脱炭素シナリオではVLSFO、MGO、LNGが支配的となる。燃料専用サプライチェーンの評価は単一ベースケースではなく、規制強化が実現しないベアケースを必須とする。 / DNV 出典
水素・派生燃料案件はFID到達分だけを確実供給とみなす4Mtpa超(稼働済み・建設中・FID済み低排出水素)(2030)IEAは2030年の低排出水素生産について、建設中またはFID済みを3 Mtpa超、稼働済みを含めても4 Mtpa超としている。一方、追加6 Mtpaは補助金・需要喚起・インフラ拡大、さらに7 Mtpaはオフテイクと政策・譲許的金融が必要。発表済み案件総量を船舶燃料供給として扱う評価は、この条件が満たされなければ反証される。 / International Energy Agency 出典
メタノール船需要は一年で急失速し燃料別設備の座礁リスクを露呈61隻(メタノール燃料船新規発注)(2025)DNVによればメタノール燃料船の新規発注は2024年149隻から2025年61隻へ減少した。規制不確実性と商業性の差が燃料選択を短期間で変え得るため、メタノール専用エンジン・タンク・バンカリングへの固定投資を脅かす。 / DNV 出典
風力補助推進が燃料転換投資の一部を代替24隻(WAPS搭載船引渡し)(2025)2025年には風力補助推進システム搭載船24隻が引き渡され、帆63基が設置された。燃料供給網や新燃料主機を待たず既存船にも適用できる効率化手段が商用導入段階に入り、燃料転換だけに依存する価値連鎖を侵食し得る。 / DNV 出典
メタノール内燃機関の成熟が後発燃料の先行者利益を削る11readiness level(メタノールICE)(2030)IMO向け技術成熟度調査では、2ストローク・4ストロークのメタノール内燃機関はいずれも2030年にreadiness level 11と予測される。燃料供給と価格条件が整えば、成熟したエンジン・艤装・認証基盤を持つメタノール系が、成熟途上の他燃料向け専用設備から受注を奪う破壊要因となる。 / International Maritime Organization / Ricardo / DNV 出典
グリーン回廊は案件数ではなく実現段階への移行率が撤退基準4件(実現段階に到達したグリーン回廊)(2025)2025年時点で84件の稼働中グリーン回廊構想のうち、船舶・インフラ・燃料設備の建設または運用を伴う「realisation stage」に到達したのは4件だけ。燃料価格差による「feasibility wall」が多数案件を停滞させているため、回廊発表数を需要確定量とみなす評価は反証される。投資判断では、船舶・燃料・バンカリング設備のいずれも建設・運用段階へ移らない回廊を受注 / Global Maritime Forum 出典
IMOネットゼロ規制の採択延期が規制先行型の設備需要を後ずれさせる12カ月(IMO臨時会合の再開延期期間)(2025)IMOは2025年10月、世界燃料基準とGHG価格制度を含むネットゼロ枠組みの採択審議を1年間延期し、臨時会合を12カ月後に再開すると決定した。したがって、世界一律の規制発効を前提にアンモニア・メタノール機器や燃料供給設備を先行増強する戦略は、再延期・制度修正・不採択の場合にNO-GOとなる。地域規制だけで設備稼働率を確保できるかを独立に検証する必要がある。 / International Maritime Organization 出典
船上炭素回収が代替燃料への全面転換を経済的に代替し得る80USD/tCO2(高効率OCCの推定削減費用)DNVのSuezmaxタンカー試算では、革新的な船上炭素回収(OCC)構成のCO2削減費用は約80 USD/tCO2で、同等削減量を得るバイオ燃料の180 USD/tCO2を下回った。既存燃料・既存機関を維持したまま排出を削減できるため、OCCと陸上CO2受入網が成立すれば、代替燃料エンジン、燃料タンク、バンカリング設備への置換需要を侵食する。反対に、陸上払出インフラが整備され / DNV 出典
人材・労働市場・スキル29件
造船・舶用工業の人材不足数(現状値・令和4年度)4000人(2022)国土交通省・法務省等が定める「造船・舶用工業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(令和6年3月29日改正版)によれば、令和4年度時点で造船・舶用工業分野の人手不足は約4,000人と推計されている。平成29年度時点の推計6,400人からは縮小したが、これは新型コロナ禍による新造船需要低迷の一時的な影響であり、後掲の通り2028年度には再び急拡大すると見込ま / 国土交通省・法務省(造船・舶用工業分野特定技能運用方針) 出典
造船・舶用工業の人材不足数(2028年度見込み・時系列の厚み)64000人(2028)同運用方針は、新造船需要の急回復(2028年度建造量予測は約2,000万トン・我が国建造目標を踏まえた試算)を前提に、2028年度には就業者18万5,000人が必要となり、人手不足は約6万4,000人に拡大すると推計している。この不足は事業基盤強化による生産性向上(5年間で1万6,000人相当)とキャリアアップシステム開発等による追加的な国内人材確保(5年間で1万2,000人相 / 国土交通省・法務省(造船・舶用工業分野特定技能運用方針) 出典
職種別有効求人倍率にみる人材不足の質的内訳と悪化トレンド(競合相対×時系列)12.5倍(とび職の有効求人倍率)(2022)令和4年度の造船・舶用工業主要職種の有効求人倍率は、とび12.50倍、配管8.67倍、仕上げ5.80倍、鉄工5.72倍、鋳造5.72倍、強化プラスチック成形5.21倍、機械保全4.94倍、塗装4.50倍、機械加工4.18倍、電気機器組立て3.70倍、金属プレス加工3.95倍、溶接2.85倍、電子機器組立て2.35倍などいずれも全職業平均(1倍前後)を大幅に上回る。平成29年度対 / 国土交通省・法務省(造船・舶用工業分野特定技能運用方針) 出典
受注急増シナリオ下での人手不足急拡大試算(帝国データバンク)17000人(大型化・不採算是正シナリオでの追加必要人材数上限)(2026)帝国データバンクの造船サプライチェーン分析(2026年3月報道)によれば、造船関連企業は全国1万8,766社・年間売上高最大3兆3,335億円規模の産業集積を形成する。1隻の建造には約3,300人の労働力が必要とされ、受注が2倍になった場合は最大1.2万人、大型化・不採算受注是正が進んだ前提では最大1.7万人の追加人材が必要になるとシミュレーションされている。現場では「受注はあ / 帝国データバンク(ITmedia ビジネスオンライン報道) 出典
賃金格差と人手不足解消コストの非対称性(利益構造の厚み)3.9倍(造船企業間の1人当たり売上高格差)(2026)帝国データバンクの分析では、受注が旺盛な造船企業間でも1人当たり売上高ベースで平均3.9倍の格差が存在するが、人手不足を賃上げのみで解消しようとした場合には現行水準の10倍規模の賃上げが必要になるとの試算が示されている。これは賃金引き上げだけでは人材確保が完結せず、生産性向上や自動化投資との組み合わせが不可欠であることを示す反証条件付きの知見。 / 帝国データバンク(ITmedia ビジネスオンライン報道) 出典
造船業就業者数の推移(2005-2024年・構成内訳付き)71485人(2024)国土交通省海事局調べによれば、日本造船業の就労者数は2005年77,580人から2010年前後にピーク(約90,957人)を迎えたのち漸減し、2024年時点で71,485人となっている。内訳は職員(設計・研究開発などの「技術者」・事務職)、社内工、社外工(下請け・協力会社雇用の現場「技能者」)、外国人材(技能実習・特定活動・特定技能、2015年から計上開始)の4区分で構成され、 / 国土交通省海事局 出典
海事産業内での人材獲得競争(船員との相対比較)4.64倍(内航船員の有効求人倍率、2023年12月)(2023)同資料によれば、内航船員の有効求人倍率は2023年12月時点で4.64倍に達し、同時期の陸上労働者職業計(1.23倍)・自動車運転者(2.79倍)を大きく上回る。造船・舶用工業の技能者不足(有効求人倍率2.85〜12.5倍)と船員不足(4.64倍)は同じ海事クラスター内で並行して深刻化しており、造船業は陸上の他産業だけでなく同一クラスター内の船員採用とも人材を奪い合う構図にある / 国土交通省海事局 出典
造船業・舶用工業の産業規模と労働集約度6.4万人(造船業従業員数、2022年度)(2022)国土交通省海事局調べによれば、造船業の従業員数は6.4万人・産業規模2.9兆円・事業者数900(2022年度)、舶用工業の従業員数は4.6万人・産業規模0.9兆円・事業者数約1,000(2021年度)。従業員一人当たり産業規模は造船業で約453万円、舶用工業で約196万円にとどまり、他の製造業と比べ労働集約度が高い産業構造であることが、人手不足が業績に直結しやすい背景となってい / 国土交通省海事局 出典
造船業界の平均年収(全体・年代別)445万円(2026)求人情報サイト集計(求人ボックス給料ナビ)によれば、造船関連職種の平均年収は約445万円・平均時給は約1,199円。別の業界専門メディアの集計(厚生労働省・job tag等データ準拠)では正社員平均年収は約495万円(月給換算約41万円)とされ、年代別には20代357万円・30代454万円・40代538万円・50代539万円と推移する。日本の平均年収(約460万円前後)をやや上 / 求人ボックス(Indeed Japan) 出典
企業規模間の賃金格差(重工業大手 vs 専業造船・競合相対の厚み)400万円(重工大手と専業造船の年収差上限の目安)(2026)造船各社比較の業界分析によれば、三菱重工業・IHI・川崎重工業などの総合重工業大手と、今治造船・ジャパンマリンユナイテッド(JMU)・内海造船・常石造船などの専業造船会社との間には年収で200万円〜400万円規模のギャップが存在する。専業造船各社は550万円台〜600万円台にとどまる一方、重工大手は防衛・エネルギー・インフラなど造船以外の高収益事業を併せ持つことで、より高い賃金 / ぞうせんブログ(業界データ集計) 出典
参考: 輸送用機械器具製造業の平均年収(造船業を含む上位区分・注意点付き)579万円(2019)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和元年)による輸送用機械器具製造業(自動車・船舶・航空機・鉄道車両などを含む)の一般労働者平均年収は約579万円。造船業(船舶製造・修理業)単独の産業細分類統計ではなく、平均賃金水準が高い自動車製造業等を含む集計であるため、造船業単独の実勢賃金はこれより低い可能性が高い点に留意が必要(前掲の造船業限定推計445万〜495万円との差はこの産業 / 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和元年、キャリアチケット記事経由で引用確認) 出典
必要スキル: 特定技能で定義される造船・舶用工業の技能区分体系国土交通省・法務省告示による造船・舶用工業分野特定技能試験区分(令和6年3月29日再編後)は「造船」「舶用機械」「舶用電気電子機器」の3区分に統合されているが、これは従来の6職種区分(溶接・塗装・鉄工・仕上げ・機械加工・電気機器組立て)を包含し、さらに対応する技能検定の関連職種として、とび・配管・鋳造・機械保全・電子機器組立て・プリント配線板製造・金属プレス加工・強化プラスチッ / 国土交通省・法務省(造船・舶用工業分野特定技能運用方針・別表) 出典
必要スキル: 造船技術者に求められる基礎工学「3S」8校(全国の船舶海洋工学系学科を持つ大学数)(2006)日本船舶海洋工学会の技術者啓発資料によれば、安全で有用な船舶を設計するために重要な3要素(3S)は、Speed(推進性能。水の抵抗と推進力の力学=流体力学を基礎とする)、Strength(構造強度。材料力学を基礎とする)、Stability(復原性・安定性。静力学を基礎とする)であるとされる。全国8大学(東京大学・大阪大学・大阪府立大学・横浜国立大学・東海大学・広島大学・九州大 / 日本船舶海洋工学会 出典
大学等からの輩出: 造船系大学の就職率100%(九州大学海洋システム工学部門の就職率)(2026)九州大学海洋システム工学部門(船舶海洋工学系、2020年に設立100周年を迎えた全国でも数少ない造船・海洋技術者養成機関)の卒業生・修了生は毎年ほぼ100%の就職率を維持しており、造船・舶用工業・海運・関連重工業への主要な供給源となっている。船舶海洋工学系学科を持つ大学は全国でも東京大学・大阪大学・横浜国立大学・九州大学・広島大学等8校程度に限られる希少な専門教育網であり、産業 / 九州大学海洋システム工学部門(Web検索経由で確認、jasnaoe.or.jp関連情報とも整合) 出典
大学等からの輩出: 高校・研修センターによる技能者育成網(地域連携の厚み)7000人(2023年度造船所等見学会の延べ参加者数)(2023)造船技能者の裾野は大学よりも高校・公的研修センターが主体である。愛媛県今治工業高等学校「造船教育推進委員会」(2015年12月設立)、香川県多度津高等学校「造船教育推進協議会」(2017年12月設立)が地域連携のベストプラクティスとされ、2025年6月には長崎県と大島造船所を核に、県内の大学・工業高校・造船事業者・地方自治体・国土交通省等が参加する「長崎県造船振興連絡会議」が全 / 国土交通省海事局 出典
特定技能外国人材の受入れ実績(国内輩出を補う輸入路の規模)6377人(特定技能1号在留者数、2023年6月時点)(2023)造船・舶用工業分野の特定技能1号外国人在留者数は2023年6月時点で6,377人。政府は当初目標(平成30年当時、5年間で最大1万3,000人)を令和6年度からの新運用方針で最大3万6,000人へ約3倍に上方修正しており、大学・高校・研修センターからの国内人材輩出だけでは今後の需要拡大を満たせないことが制度設計上明示されている。 / 国土交通省・法務省(造船・舶用工業分野特定技能運用方針)/出入国在留管理庁 出典
2030年の技能不足対象45万人450000人(2030)ゼロカーボン2050シナリオでは、メタノール・アンモニア・液体水素の二元燃料内燃機関、水素/アンモニア燃料電池、蓄電池推進の普及に伴い、2030年までに船員45万人が追加訓練を要する。求人未充足数ではなく『現有船員の技能不足人数』の推計だが、短期間に訓練能力を確保すべき規模を示す。船主には燃料選択前から訓練枠を押さえる合理性がある。 / DNV 出典
2030年代半ばに技能不足80万人800000人(2035)同じゼロカーボン2050シナリオでは、代替燃料船を安全に運航するため追加訓練が必要な船員は2030年代半ばに80万人へ拡大する。2030年の45万人から約35万人増えるため、訓練供給は一度限りの立上げでは足りない。燃料別資格、シミュレーター、船上習熟を段階的に増強できない船社は、新造船引渡し時に有資格クルーがボトルネックとなり得る。 / International Maritime Organization 出典
移行速度で訓練需要44万人差440000人(上下限差)(2045)2040年代に追加訓練を要する船員は、IMO 2018経路と脱炭素加速経路の間で31万~75万人と幅がある。上下限差44万人は、単一燃料へ賭けた固定的な人員計画の危険を示す。船主・推進機器メーカー・海事大学は、共通安全基礎の上にメタノール、アンモニア、水素、燃料電池、蓄電池のモジュールを重ねる設計にすると、燃料構成の不確実性を吸収しやすい。 / DNV 出典
新燃料訓練不足の回答率87%87%(2023)DNVとSingapore Maritime Foundationの調査では、アンモニア・水素・メタノールという新興船舶燃料について、部分的または全面的な訓練が必要との回答が87%に達した。LNG・蓄電池・合成燃料の75%超より高く、次世代燃料ほど技能供給が追いついていない。採用だけで解消せず、既存の甲板・機関職員を燃料別に再訓練する投資が必要である。 / DNV / Singapore Maritime Foundation 出典
低排出推進の実務経験者は40%40%(2023)DNV・SMF調査では、LNG、蓄電池、合成燃料を使う船に乗務した経験がある回答者は40%にとどまった。一方、回答者の75%超がこれらのエネルギー源について部分的または全面的訓練を必要とした。座学修了者の数だけでなく、二元燃料機関、電池管理、燃料移送を実船で扱った経験者が希少であり、船上習熟枠そのものが人材供給制約になる。 / DNV / Singapore Maritime Foundation 出典
燃料別に異なる安全スキル必要スキルは一般的な機関運転だけではない。DNVは水素の加圧貯蔵・爆発、低引火点による水素・メタノール・アンモニアの可燃性、アンモニアとメタノールの人体・環境毒性に加え、腐食性、極低温、窒息、化学熱傷を特定する。したがって燃料特性の理解、漏洩検知、換気、個人防護具、燃料別消火、緊急時対応、保守・安全管理手順の実技評価が中核となる。 / DNV 出典
既存STCWに新燃料の技能空白7対象燃料・エネルギー系統(2024)欧州海上保安機関のTRAINALTER調査は、現行STCW CodeがLNG、バイオ燃料、メタノール、ハイブリッド電池、燃料電池、アンモニア、水素の全側面を具体的には覆わないと確認した。技能標準の空白は、国・訓練機関・船社ごとに修了能力がばらつくリスクを生む。採用時は資格名だけでなく、対象燃料、推進方式、シミュレーター実技、船上習熟の評価項目まで照合する必要がある。 / European Maritime Safety Agency 出典
シンガポールの訓練供給1万人10000人(2035)Singapore MPAは、メタノール・アンモニア等を使う船の安全取扱い、燃料補給、事故管理を二元燃料機関シミュレーター等で教えるMaritime Energy Training Facilityを整備し、2030年代までに船員・陸上要員約1万人を訓練する。2024年実績は400人超で、世界需要80万人に対し単一拠点の供給は限定的。船社アカデミーや大学との分散型増設が不可欠で / Singapore Ministry of Transport 出典
海事エネルギー修士の輩出51人51人(累計)(2020)IMO傘下のWorld Maritime Universityは、船舶の設計・運航、再生可能エネルギー利用、海運のゼロ/低炭素化を扱うMaritime Energy Management修士から、2020年時点で29の途上国出身51人を輩出した。専門人材の国際供給基盤として価値は高いが、年間数十万人規模へ向かう再訓練需要とは桁が違う。修士は政策・管理層、実務訓練は乗組員向けと役 / World Maritime University 出典
ハイブリッド推進研究職の賃金38784GBP/年(下限)(2026)Durham Universityの低排出船舶推進研究職は年俸38,784~41,064ポンド。職務は固体酸化物形燃料電池、三次元燃焼・機関シミュレーション、複数の脱炭素技術を組み込むハイブリッド船舶推進のモデル開発で、プログラミングとデータ解析も要求する。企業給与の市場平均ではないが、専門人材を獲得する際の公開された賃金ベンチマークとして使える。 / Durham University 出典
英国マリンエンジニア賃金は年2.7万〜5.5万ポンド55000GBP/年(経験者)(2026)英国政府National Careers Serviceは、船舶の設計・建造、エンジンや電気・電子機器の据付・試験を担うマリンエンジニアの年収目安を、初任者2万7,000ポンド、経験者5万5,000ポンドとする。低排出船の推進・電動化人材に直接連なる職種の公的な賃金基準であり、既存セルの研究職給与だけでは捉えられなかった現場・設計系の報酬レンジを補う。ただし代替燃料技能の賃金プ / UK National Careers Service 出典
英国の海事士官候補新規養成は680人680人(新規入校者)(2024)英国運輸省の認定統計では、2024年度のSMarT1(ジュニア士官向け初期訓練)新規入校者は680人で、前年比17%増だがコロナ前の2020年度をなお9%下回る。在籍士官候補生は1,500人、養成には最長4年を要する。2025年9月から士官候補課程へ脱炭素化・デジタル化技能を組み込む制度改定と合わせ、代替燃料船を運航する人材パイプラインの年間流入規模と、技能転換までの時間差を示 / UK Department for Transport 出典
代替燃料船の訓練標準は燃料別へ分化6燃料・技術区分(2026)IMOは2025年9月に代替燃料・新技術船向けの汎用暫定訓練ガイドラインSTCW.7/Circ.25を発行し、メタノール/エタノール、アンモニア、水素、LPG、電池船、燃料電池の燃料・技術別規定を2026年のHTW 12へ提出する段階にある。LNG船では既にSTCWの強制訓練とモデルコース7.13・7.14があり、座学に加えバンカリングシミュレータ、緊急対応、消火、PPE実習が / International Maritime Organization 出典
価値移行・BMの変化36件
利益移行の方向: 造船(新造)より船舶修理・保守市場の方が成長率が高い(同一調査機関の比較)2.93CAGR%(2026-2034 造船市場)(2026)Straits Researchの同一シリーズレポートで比較すると、世界の造船(newbuilding)市場は2026年時点で1,657.7億ドル、2034年に2,088.6億ドルへ、CAGR 2.93%(2026-2034年)での成長にとどまる一方、船舶修理・保守サービス市場は2026年時点で400.6億ドル、2034年に586.5億ドルへ、CAGR 4.88%(2026-2 / Straits Research 出典
船舶修理・保守サービス市場のCAGR(4.88%)は造船市場(2.93%)を上回る4.88CAGR%(2026-2034 船舶修理・保守市場)(2026)Straits Researchによれば船舶修理・保守サービス市場は2025年382億ドル→2026年400.6億ドル→2034年586.5億ドルで、予測期間2026-2034年のCAGRは4.88%。同時期の造船(新造)市場CAGR 2.93%との比較で、修繕・保守側の成長優位が確認できる。造船・船舶修繕産業全体で見たとき、価値の重心が新造船建造から船舶のライフサイクル管理( / Straits Research 出典
HD Hyundai Marine Solutionの分離・上場: 造船コングロマリット内でのアフターマーケット事業の価値移行を資本市場が評価545百万USD(IPO調達額)(2024)HD現代グループは2016年11月、造船後のアフターマーケット(部品・修理・保守)需要増大に対応するため専門子会社HD Hyundai Marine Solutionを設立し、2024年5月に韓国取引所へ新規上場した。調達額は約5億4,500万ドル(7,422.6億ウォン)で、2022年1月以降の韓国国内最大級のIPOとなり、上場初日株価は97%上昇、時価総額は一時7.2兆ウォ / gCaptain / Paul Hastings 出典
HD Hyundai Marine Solution 2025年12月期: アフターマーケット事業が売上16%増・営業利益率は新造船部門より高い水準17.6%(連結営業利益率)(2025)HD Hyundai Marine Solutionの2025年12月期業績は売上高1兆9,827億ウォン(前年比+13.6%)、営業利益3,501億ウォン(同+28.9%)、連結営業利益率は約17.6%(コア事業のみでは第3四半期時点31.1%)。主力のアフターマーケット(AM=船舶部品・修理・保守サービス)事業は売上が前年比16%増となり、環境対応デュアルフューエル機関搭載 / STARNEWS Korea 出典
比較対照: 新造船本体(HHI/HD韓国造船海洋)の2025年営業利益率は約13-14%、AM専業(Marine Solution)より低い13.5%(HHI 2025年営業利益率)(2025)同じHD現代グループ内で、新造船を担うHD Hyundai Heavy Industries(HHI)は2025年に売上高17兆5,800億ウォン(前年比+21.4%)・営業利益2兆3,800億ウォン(同+188.9%、造船業ピークの2012年以来13年ぶりに2兆ウォン超)を記録し、営業利益率は約13.5%。持株会社HD韓国造船海洋(HD Korea Shipbuilding、 / The Korea Herald 出典
Wärtsilä: サービス(アフターマーケット)事業が2025年に全社売上の過半(51.7%)を占める構造に転換51.7%(Wärtsilä 2025年サービス売上構成比)(2025)舶用機関・システムの大手Wärtsilä(フィンランド)の2025年通期決算では、純売上高69億1,400万ユーロ(前年比+7%)のうちサービス事業が35億7,500万ユーロ(同+4%)で、全体の約51.7%を占めた。同社は業績発表資料で「サービス受注は安定的で契約による良好な発展が見られた一方、改装・アップグレード事業は減少した」としており、直近12か月ローリングのサービス / Wärtsilä Corporation 出典
Wärtsilä ライフサイクル契約: 製品売り切りからアウトカムベース(成果連動)の長期パートナーシップ契約へのBM転換90%(サービス契約の更新率、同社発表)Wärtsiläは船舶の稼働率(uptime)・信頼性・燃費・排出量・オーバーホール期間などについて顧客と定量的な共通目標を合意し、目標達成を保証する「パフォーマンス保証」型のライフサイクル契約を提供している。アウトカムベースのパートナーシップモデルではリスクと報酬を顧客と共有する形を取り、固定的な月額料金でコストの予測可能性を提供する「データ駆動型動的メンテナンス計画」サービ / Wärtsilä Corporation 出典
MAN Energy Solutions PrimeServ: 長期サービス契約(LTSA)+脱炭素改造(レトロフィット)で既存船を「サービス化」MAN Energy SolutionsのアフターマーケットブランドPrimeServは、世界100か所超のサービスセンターを通じて長期サービス契約(Long Term Service Agreement)を提供し、単一窓口での継続的な保守・信頼性向上を売りにしている。加えて、既存の稼働中エンジンをメタノール等代替燃料へ改造するレトロフィット事業を強化しており、2025年からは / MAN Energy Solutions 出典
Damen Shipcare: 造船所自体が「一回売り切り」から「長期保守契約・one-stop一括サービス」型BMへ移行15拠点数(Damen修繕・改造ドック数)オランダの造船グループDamenは、世界15か所の修繕・改造専用ドック(最大405×90m・420×80m級を含む)網を通じて、船体保守から機関・推進システム・自動化・安全システムまでを他社パートナーと連携して一括提供する「one-stop」サービス体制を敷いている。顧客ごとに保守契約をカスタマイズし、単発の入渠修理だけでなく「船隊の可用性保証」まで含む長期契約(mainten / Damen Shipyards Group 出典
学術知見: 海事セクターにおける「デジタル・サービス化(digital servitization)」がサーキュラーエコノミー型BMを駆動する枠組みalive_blocked学術誌掲載論文『Driving the Circular Economy Through Digital Servitization: Sustainable Business Models in the Maritime Sector』は、海事セクターにおいて製品(船舶・舶用機器)単体の販売からサービス化された製品(servitized products)の提供へ移行する必要 / MDPI (学術誌 Businesses) 出典
ハイブリッド船保守が5年包括契約へ5年(2021)WärtsiläはViking Supply ShipsのLNG・蓄電池ハイブリッドPSV2隻について、エンジン、発電機、電動機、LNGPac、ハイブリッド、電気・自動化を一括対象とする5年契約を締結した。単品機器の売切り・都度修理から、複数船上システムの稼働を束ねる継続収益へ利益源が移る。遠隔診断を組み込み、2023年の技師派遣は一方が1回、他方はゼロで、OEMは現場工数を抑 / Wärtsilä 出典
部品販売から固定価格の性能保証へ16000時間(延長後の整備間隔)(2021)WärtsiläとCarnivalは、所定KPIを固定価格で保証する海運向けperformance-based agreementを構築した。従来の予備品販売・追加保守費という取引型モデルを反転させ、燃料消費、排出、信頼性の成果をOEMと船主が共有するサービス型モデルである。データ活用により整備間隔を12,000時間から16,000時間へ延長しており、利益の源泉は部品交換頻度で / Wärtsilä 出典
成果保証が低排出投資の回収を束ねる2層(燃料最適化アプローチ)(2024)Wärtsiläの低排出船向け保証契約は、共同KPI、便益共有、リスク共有を契約の核とし、ハイブリッド、将来燃料、推進改造、省エネ技術を一体で最適化する。これは機器ごとの納入収益から、船全体の燃料削減・稼働率・排出削減を継続管理する成果課金型への移行である。燃料最適化もエンジン・推進アップグレードと省エネ技術を二層で扱うため、統合能力を持つOEMが単品ベンダーより価値を取り込み / Wärtsilä 出典
将来燃料改造が巨大な後付け市場に3700基(概算合計)(2024)MAN PrimeServは、将来燃料へ改造可能な潜在母数を約1,900基の2ストロークと約1,800基の4ストローク、合計約3,700基と示す。新造船向けエンジン販売だけでなく、既存船の燃料噴射・供給系、制御、認証、工事を束ねた転換パッケージへ価値が移ることを示す。燃料選択が未確定な局面では、船主は船齢を延ばしつつ選択肢を確保でき、OEMは設置済み基盤を長期サービス売上へ転換 / MAN Energy Solutions 出典
Maersk11隻改造で船齢中の燃料転換11隻(2024)A.P. Moller–MaerskはMAN PrimeServと、コンテナ船11隻の主機を燃料油・メタノール二元燃料型へ改造する契約を締結した。これは代替燃料対応を新造時だけの価値から、就航後に購入できる大型アフターマーケットへ変える代表例である。PrimeServは主機部品だけでなく改造ソリューション一式を担い、OEMの利益機会が建造時の一回収益から、船隊単位の転換計画・工 / MAN Energy Solutions 出典
代替燃料船515隻が供給網価値を拡大515隻(新規発注)(2024)DNVによると2024年の代替燃料船新規発注は515隻で前年比38%増となった。低排出推進が実証船の単発案件から量産船隊へ移ることで、価値はエンジン単体だけでなく、燃料供給装置、蓄電、電力管理、制御、認証、遠隔保守を束ねる統合事業者へ移る。発注の62%をコンテナ船と自動車運搬船が占め、標準化した船種別パッケージと長期サービスを横展開できるプレイヤーほど反復収益を獲得しやすい。 / DNV 出典
コンテナ船は燃料柔軟性が標準価値へ69%(コンテナ船発注に占める代替燃料対応)(2024)DNVでは2024年のコンテナ船発注の69%が代替燃料対応で、そのうち選好燃料はLNGが67%だった。低排出対応がプレミアム仕様から発注の多数派へ移るため、従来型主機の価格競争より、二元燃料化、燃料供給、メタンスリップ対策、将来改造性を含むライフサイクル提案が競争軸になる。船主の燃料不確実性を吸収するfuel-flexible設計と改造保証を持つ企業へ、設計・保守価値が集中する / DNV 出典
燃料間変動がマルチ燃料対応を収益化166隻(メタノール船発注)(2024)DNVでは2024年のメタノール船発注は166隻で代替燃料船発注簿の32%を占めた一方、LNGも伸長した。特定燃料専用の製品勝負より、LNG・メタノール・アンモニアへの設計変更、制御更新、乗員訓練、改造を継続提供するマルチ燃料型サービスの価値が高まる。燃料選択が年ごとに揺れるほど、船主の技術ロックインを減らすモジュール設計と、就航後アップグレード権を契約化するOEMが利益を得る / DNV 出典
舶用電池が製品から循環型サービスへCorvus Energyは舶用蓄電システムについて、コミッショニングから運用期間中の保守、廃止、二次利用、リサイクルまでを一続きのサービスとして提供し、顧客別のライフサイクル契約とVessel Information Portalを組み合わせる。電池パックの一回販売だけでなく、状態データ、性能維持、残存価値、回収までを継続管理するモデルであり、電動・ハイブリッド船の価値配分が / Corvus Energy 出典
推進系データが保守費20%削減を生む20%(ライフサイクル費の最大削減率)ABBはLNG船を含む船舶向け永久磁石軸発電機で、推進系のデジタル接続と予知保全によりライフサイクル費を最大20%削減できるとする。価値は発電機の納入価格から、状態監視、適時整備、部品供給、稼働率維持へ移る。世界50超の専用工場、1,200人超の認定フィールド技師、600のサービスパートナーを背景に、ハード設置台数をデータ接続型の継続サービス基盤へ変換できる点が参入障壁となる。 / ABB 出典
舶用機関の設置基盤がSaaS収益へ転換MAN Energy Solutionsは、舶用機関に搭載した数百のセンサーをクラウド基盤MAN CEONへ常時接続し、SaaSとして機器状態を可視化する。さらにPrimeServ Assist等のデジタル製品を載せ、効率・可用性の監視、故障予防、燃費・排出削減を継続提供する。利益源は代替燃料対応エンジンの一回販売から、設置済み機関データとOEM知見を束ねたプラットフォーム型の / MAN Energy Solutions 出典
二元燃料化で建造後AMの単価と需要が同時上昇3501億KRW(営業利益)(2025)HD Hyundai Marine Solutionの2025年営業利益は3,501億ウォン、前年比28.9%増。主力AM(船舶部品・サービス)売上は16%増加した。同社は、環境対応型二元燃料エンジン搭載船の増加が部品単価を押し上げ、保守需要も拡大したことを収益性向上の要因として明示している。低排出船の利益プールが、初期建造だけでなく高単価部品と継続保守へ移ることを示す。 / HD Hyundai 出典
デジタル・電動化機器が独立した成長利益源へ30%(デジタルソリューション売上前年比)(2025)HD Hyundai Marine Solutionのデジタルソリューション売上は2025年に前年比30%増加し、第4四半期だけでは60.5%増となった。新造船市場に加え、電力制御を用いる軸発電機事業が成長要因。利益源が機関本体から、電力最適化・制御・電動化機器へ広がっている。 / HD Hyundai 出典
環境改造は単発売上からLTSA更新収益へ接続HD Hyundai Marine Solutionは2025年の環境対応改造売上が前年並みだった一方、長期保守契約(LTSA)の更新期到来により、2026年から業績寄与が加速すると説明した。改造工事単体よりも、その後の契約更新・部品物流・保守ネットワークが継続利益源になる構造を示す。 / HD Hyundai 出典
高付加価値船は造船段階にも大型利益を形成39045億KRW(営業利益)(2025)HD Korea Shipbuilding & Offshore Engineeringの2025年営業利益は3兆9,045億ウォン、前年比172.3%増。高船価船の構成比上昇と建造量増加が寄与した。代替燃料対応を含む高付加価値船では、建造後サービスだけでなく、造船・統合設計段階にも大きな利益プールが残る。 / HD Hyundai 出典
エンジンOEMは本体増産と部品販売の二層で収益化759億KRW(営業利益)(2025)HD Hyundai Marine Engineは2025年に営業利益759億ウォンを計上した。会社発表は船舶エンジン物量の増加に加え、部品事業の売上増加を要因としている。推進機器OEMの利益プールが本体納入だけでなく、設置基盤に紐づく交換部品にも及ぶことを示す。 / HD Hyundai 出典
サービス売上が装置売上を上回る収益基盤3575百万EUR(サービス売上)(2025)Wärtsiläの2025年サービス売上は35.75億ユーロで、総売上の52%。装置売上33.38億ユーロを上回った。Marine単独値ではないが、同社のMarine・Energyを支える設置基盤型サービスが、ハードウェア販売を上回る継続収益源になっていることを示す。 / Wärtsilä 出典
ゼロ排出燃料が2030年に5%未達なら普及加速シナリオは棄却5%(国際海運エネルギー使用量に占める最低比率)(2030)国際海運のゼロ/ニアゼロ排出技術・燃料・エネルギー源について、IMOは2030年に最低5%、努力目標10%のエネルギー比率を設定している。したがって、2030年時点で5%に届かないことを、改造・燃料供給・性能保証サービスがS字普及へ移るとの評価の明示的な反証条件(NO-GO)と置ける。これはIMO目標を用いた分析上の判定条件である。 / International Maritime Organization 出典
商用化の先行指標は必要量の1%にとどまる1%(2030年目標に対する対応船隊の潜在需要)(2023)Global Maritime Forum/UCL系の進捗評価では、スケーラブル・ゼロ排出燃料を使用可能な既存船隊が生む潜在需要は約0.006 EJで、2030年目標0.6 EJの1%にすぎない。燃料供給契約や対応船の増加がこのギャップを急速に縮めなければ、OEM・港湾・燃料供給者へ利益プールが移る時期は後ずれする。 / Global Maritime Forum 出典
IMO世界統一市場措置の1年延期が先行投資の回収前提を崩す1年(採択審議の延期期間)(2025)IMOは燃料基準と世界的GHG価格制度を含むNet-Zero Frameworkの採択審議を1年間延期した。炭素価格・報奨金を織り込んだ代替燃料船、燃料供給設備、長期サービス契約は制度確定が遅れるほど投資判断が止まり、地域規制への分断も進むため、規制反転・延期リスクが価値移行の直接的な破壊要因となる。 / International Maritime Organization 出典
完全脱炭素化で年間燃料費が倍増するベアケース2倍(年間燃料費)(2050)UNCTADは完全脱炭素化が年間燃料費を倍増させ得るとする。荷主への転嫁や炭素価格による差額補填が成立しなければ、船主は新造・改造を延期し、低排出推進OEMの装置販売、LTSA、性能保証収益が同時に縮小する。燃料費差を吸収できない航路・船型はNO-GO候補となる。 / United Nations Conference on Trade and Development 出典
燃料インフラ投資額の3.2倍分散が供給サービス価値を不安定化90十億USD/年(推計上限、下限28十億USD/年)(2050)UNCTADの100%カーボンニュートラル燃料インフラ投資推計は年間280億~900億米ドルと幅が大きい。上限は下限の約3.2倍であり、必要投資が上限側に寄る、または資金調達できない場合、燃料供給網を前提とする船舶・改造・包括保守の成長評価は棄却すべきである。 / United Nations Conference on Trade and Development 出典
低排出アンモニア供給は既存能力の3%にすぎず燃料転換を制約3%(2020年アンモニア総生産能力比)(2030)IEAによれば、2030年までに稼働予定の既存・発表済みニアゼロ排出アンモニア能力は約800万トンで、2020年の総能力の3%相当である。船舶側のアンモニア対応能力が増えても、低排出燃料の実供給が追いつかなければ、二元燃料機関の価値は稼働率の低いオプション価値にとどまる。 / International Energy Agency 出典
2050年燃料シェア予測はアンモニア44%対メタノール3%に分岐44%(2050年海運最終エネルギーに占めるアンモニア)(2050)IEAのネットゼロ経路では、2050年の海運最終エネルギーに占める比率がアンモニア44%、水素19%、バイオ燃料19%、メタノール3%と大きく分散する。単一燃料専用の資産・供給網・保守能力に固定すると価値が座礁する可能性があり、燃料柔軟性が失敗回避の中核となる。 / International Energy Agency 出典
船上CO2回収が代替燃料25 Mtoe分を代替し得る25Mtoe/年(代替可能な低GHG燃料量)(2030)DNVは、主要20港へのCO2荷揚げ設備と十分な船舶への船上炭素回収装置導入が、IMOの2030年基本目標達成において年間25 Mtoeの低GHG燃料利用と同等の効果を持ち得ると評価する。実現すれば、代替燃料供給者や専用燃料機関への価値移行の一部が、回収装置・CO2物流・貯留事業者へ移る。 / DNV 出典
風力補助推進が燃料・機関サービス需要を最大20%侵食20%(年間燃料削減率の実績上限)(2025)DNVによれば、風力補助推進は一部船舶ですでに年間5~20%の燃料削減を実現している。燃料種を変更せず消費量自体を減らすため、代替燃料の販売量、燃料処理設備の稼働、機関負荷に連動する保守収益を同時に侵食し得る。 / DNV 出典
利益プール分析22件
新造船バリューチェーンの利益配分構造(材料25%対機器・システム75%)75%(機器・システムが購入価値に占める割合)(2017)新造船の物理的な購入価値を分解すると、鋼材・塗装・配管などの「材料」が占める割合は全体の約25%にとどまり、残りの約75%は推進機関・発電設備・貨物荷役設備・電気系統・補機類などの「機器・システム」が占める。この構造は船種によって濃淡があり、Duke大学グローバル・バリューチェーンセンターの分析(欧州委員会2013-17年調達予測データに基づく)では、バラ積み船は鋼材が購入価値 / Duke Global Value Chains Center / Korea Institute for Industrial Economics & Trade (KIET) 出典
就航後の保守・修理・改造(ISS)が船価の約30%を占める隠れた利益プール30%(就航後保守・修理が船価に占める割合の目安)(2017)造船・船舶修繕産業の利益プールを新造時点だけで見ると本質を見誤る。Duke大学の分析によれば、通常運航下において就航後の保守・修理(In-Service Support)は、大規模な改造(LNGバンカリング対応やMARPOL環境規制対応の大改造は含まない通常ベース)だけで船の販売価格に対しておよそ30%相当の経済価値を生む。この保守・修理市場は原則として船主が発注し、多くは建造 / Duke Global Value Chains Center; IMARC Group; Fortune Business Insights 出典
日欧韓中4極比較で見る利益プールの偏在(欧州は舶用機器が造船本体を上回る)3.2倍(欧州の舶用工業生産額/造船業売上額)(2017)三井住友銀行企業調査部が国土交通省資料等をもとに作成した2017年時点の比較によれば、日本・韓国・中国・欧州の4極で「舶用工業(機器メーカー)」の生産額と「造船業」の売上額の比率は極めて対照的である。日本は舶用工業の生産額が約1.1兆円であるのに対し造船業の売上額は約2.7兆円(機器/造船比率は約0.41倍)、韓国は約1.2兆円対約3.2兆円(約0.375倍)、中国は約0.7兆 / 株式会社三井住友銀行 コーポレート・アドバイザリー本部 企業調査部(出所は国土交通省「造船市場と造船業の現状について」、日本舶用工業会・日本船舶技術研究協会「欧州舶用工業概況2015年度」) 出典
欧州舶用機器メーカーが利益プールを守り抜いた5つの戦略(アフターサービス強化を含む)三井住友銀行のレポートは、自国の造船産業が衰退する中でも欧州の舶用機器メーカーが国際競争力を維持できている理由を5つの戦略に整理している。第一に、製品ラインナップ拡充・技術力強化・海外販路拡大を狙った欧州・米国・アジア企業へのM&A(アライアンス戦略)。第二に、設計から推進機関、荷役機械に至るまでをワンストップで提供する製品のパッケージ化。第三に、ライセンス生産を主体とするエン / 株式会社三井住友銀行 コーポレート・アドバイザリー本部 企業調査部 出典
造船本体と舶用エンジン・保守メーカーの営業利益率の実差(JMU約1.8%対ダイハツインフィニアース約8.7%)8.7%(ダイハツインフィニアース2026年3月期営業利益率)(2026)造船所本体と舶用機器メーカーの利益率格差は、日本企業の実際の決算数値でも明確に確認できる。造船大手のジャパンマリンユナイテッド(JMU、今治造船グループ)は2024年3月期に売上高2,690億円、営業利益48億円を計上し、営業利益率は約1.8%にとどまる(前期は最終赤字からの黒字転換で、円安と船価上昇が押し上げ要因だった)。一方、舶用中小型ディーゼル機関とそのメンテナンス関連事 / 日本経済新聞(JMU決算報道)/ ダイハツインフィニアース株式会社 IR資料 出典
ダイハツインフィニアース(旧ダイハツディーゼル)のIR開示・決算情報源880.66億円(2026年3月期売上高)(2026)ダイハツインフィニアース株式会社(旧ダイハツディーゼル、証券コード6023)は、内燃機関事業(舶用機関関連・陸用機関関連)と、産業機器・不動産賃貸・売電・精密部品からなるその他事業を展開する上場企業である。同社の決算短信・決算説明会資料は公式IR情報ページで開示されており、直近の2026年3月期決算では売上高880億6,600万円(前期比0.8%減)・営業利益76億2,100万 / ダイハツインフィニアース株式会社 出典
ドック不足時に利益プールが機器メーカーへ流れるメカニズム(レトロフィット需要)造船・船舶修繕産業の利益プールは、造船所のドック(建造能力)が逼迫しているか余裕があるかによって、造船所側と機器メーカー側の間を移動する性質を持つ。国内個別株分析メディアの解説によれば、舶用エレクトロニクス・エンジン・プロペラ・航海計器などを製造するメーカーは、造船所ほど巨大な設備投資を要さず生産効率を高めやすいため、一般に造船所本体よりも利益率が高くなる傾向がある。さらに重要 / 日本個別株デューデリジェンスセンター(note) 出典
新造船スーパーサイクルによる造船所側利益プールの一時的回復(反証条件)4年分(今治造船2025年3月期末の受注残工事量)(2025)機器・保守側に利益プールが偏るという構造は恒常的なものではなく、新造船市況が逼迫する局面では造船所側の利益プールも回復しうる点は反証条件として押さえておく必要がある。今治造船の2025年3月期決算(日本経済新聞報道)によれば、売上高は前期比5%増の4,646億円となり、竣工量は68隻・308万総トン(前期比14%減)だった一方、受注量は82隻・420万総トンに達し、受注残は約4 / 日本経済新聞 出典
ゼロ排出対応が造船収益を最大452%押上げ36十億米ドル(追加収入上限)(2030)alive_blocked2030年に建造されるバルカー、タンカー、コンテナ船がすべてゼロ排出対応になった場合、世界の造船所が得る追加収入は69億〜360億米ドル、推進関連収入は86〜452%増える。燃料そのものではなく、船体・推進系の高度化に価格差が帰属するため、最大の利益プールは対応可能な造船所とエンジン・燃料供給系インテグレーターに発生する。ただし全船転換を置く上限シナリオである。 / OECD 出典
LNG対応船の平均価格プレミアム12.8%12.8%(対従来燃料船価格差)(2024)alive_blockedOECDの同条件船マッチングでは、LNG対応船は従来燃料船より平均12.8%高い。これはLNGタンク、燃料供給・安全系、二元燃料エンジン、統合設計が造船価格に上乗せされる利益プールを示す。プレミアムは船種別に3.0〜22.4%と幅があり、標準化が進んだ船種では取り分が薄い一方、大型・複雑船では造船所と推進機器企業の付加価値回収余地が大きい。 / OECD 出典
メタノール対応船の平均上乗せ11.4%11.4%(対従来燃料船価格差)(2024)alive_blockedメタノール対応船の対従来船価格プレミアムは平均11.4%で、LNG対応船の12.8%を下回る。常温常圧で液体のメタノールは、極低温タンクを要するLNGより船上燃料系の複雑性を抑えやすく、新造段階の追加価値は二元燃料エンジン、タンク、配管・安全設計に配分される。造船所に加え、主機改造・燃料供給系を一括提供できる企業が収益を取り込みやすい。 / OECD 出典
バルカーでLNG対応プレミアム22.4%22.4%(対従来燃料バルカー価格差)(2024)alive_blocked船種別ではバルカーのLNG対応価格が従来燃料船を22.4%上回り、調査対象中で最大の上乗せとなった。低マージンになりやすい標準船でも、代替燃料対応によりタンク配置、燃料供給系、主機統合の設計・調達価値が大きくなることを示す。一方、この値は建造国をまたぐ価格比較であり、純粋な機器利益だけでなく造船所の設計リスク・工程負担も含むため、利益額への変換には注意が必要である。 / OECD 出典
PCCはメタノールがLNGより2.6%安い-2.6%(メタノール対応対LNG対応価格差)(2024)alive_blocked自動車運搬船では、メタノール対応船の従来船比プレミアムは6.6%に対し、LNG対応は11.4%で、メタノール船はLNG船より2.6%安い。燃料選択により船上システム企業へ移る付加価値が変わり、PCCではLNGの極低温貯蔵・供給系がより大きな設備利益プールを形成する可能性がある。反面、メタノールは低い初期上乗せで採用を広げ、将来の燃料系保守・改造母数を獲得しやすい。 / OECD 出典
二元燃料改造は1隻500万〜1500万ドル15百万米ドル/隻(改造費上限)二元燃料化改造は、燃料貯蔵・供給システムを含め1隻500万〜1500万米ドルである。新造船プレミアムとは別に、主機OEM、改造ヤード、タンク・配管、安全認証へ分配される大型アフターマーケットとなる。DNVとMAN ESの目安では改造費が新造船価の25%を超えないことが採算条件であり、適船選別、設計、工事、試運転を束ねる企業ほど案件単価と利益を確保しやすい。 / DNV 出典
改造可能船は既存商船の10%未満10%未満(既存商船隊に占める理論上の改造候補)理論上、二元燃料改造候補となる既存商船は世界船隊の10%未満にとどまる。電子制御二ストローク、ボア径50cm以上、2015年以降の海上試運転などが主な適格条件で、改造利益プールは全船隊ではなく大型・比較的新しい船へ集中する。したがってOEMは広範な船主営業より、適格エンジンの自社設置ベースを起点に、部品、設計、改造、長期保守を連結する方が収益化効率を高められる。 / DNV 出典
メタノール船25年TCOは4.94億ドル494百万米ドル(25年TCO)5,500TEUメタノール二元燃料コンテナ船の25年TCOは平均4.94億米ドルで、シナリオ幅は4.69億〜5.18億米ドル。従来燃料設計との差は0.4%、メタノールレディ設計でも0.9%にすぎない。初期設備の価格プレミアムだけでなく、燃料・運航費が長期価値の大半を左右するため、機器供給者の隠れた利益源は燃費最適化、性能保証、アップグレード等の継続サービスにある。 / DNV 出典
Wärtsilä Marine売上の67%がサービス2050百万ユーロ(Marineサービス売上)(2024)Wärtsilä Marineの2024年売上30.53億ユーロのうち、サービス売上は20.50億ユーロ、機器売上は10.02億ユーロで、サービスが約3分の2を占める。同部門はエンジン、推進、LNG燃料処理、電力管理、ハイブリッドを扱うため、代替燃料船の価値配分では新造機器よりも、就航後の部品、フィールドサービス、性能契約、燃料転換アップグレードが大きな継続収益源であることを示 / Wärtsilä 出典
Marineサービス受注は機器の1.7倍2307百万ユーロ(Marineサービス受注)(2024)Wärtsilä Marineの2024年サービス受注は23.07億ユーロで前年比15%増、機器受注13.29億ユーロの約1.7倍だった。サービス増は海軍・フェリー部門が牽引した。電動・ハイブリッドや代替燃料推進では、長寿命船の稼働率維持、予備品、現地保守、制御更新、燃料転換が反復受注を生むため、装置の初回販売より受注量が大きいライフサイクル利益プールとして観測できる。 / Wärtsilä 出典
Marine利益率はサービス比重とともに改善11.8%(Marine比較可能営業利益率)(2024)Wärtsilä Marineの2024年比較可能営業利益は3.60億ユーロ、利益率11.8%で、前年11.2%から改善した。同年はサービス売上が10%増、機器売上が7%増で、会社はグループ利益率改善要因として機器・サービスの好ましいミックスを挙げる。代替燃料・ハイブリッド機器の設置台数拡大は、部品・保守・性能保証を積み上げ、単発の造船サイクルを平準化する利益源となる。 / Wärtsilä 出典
メタノール船では燃料費が年次コストの最大90%へ拡大90%(2024)DNVの5,500TEUメタノール二元燃料コンテナ船の25年TCO分析では、FuelEXは当初の年次コストの25〜40%から、融資期間中に最大60%、融資終了後には最大90%へ上昇する。船価プレミアムより、運航期のカーボンニュートラル燃料調達が長期コストを支配する構造である。非燃料OPEXは設計間で大差がなく、利益プールの重心が造船・機器CAPEXから燃料供給側へ移るリスクを示 / DNV 出典
メタノール船の損益分岐用船料は融資末期に最大23%上昇23%(2024)DNVの同ケースでは、年350日稼働を前提とする損益分岐日額は就航初期5.2万〜6.0万ドルから、融資期間末に6.5万〜7.3万ドルへ最大23%上昇する。融資終了後は3.4万〜4.3万ドルに低下するが、運航末期は3.6万〜6.3万ドルと燃料価格シナリオで大きく分岐する。船主・運航者の利益は、設備投資回収後もグリーン燃料混合比率と価格に強く左右される。用船料がこの損益分岐水準を十 / DNV 出典
アンモニア船の新造CAPEXプレミアムは16%、メタノールは11%16%(2023)IMO委託のRicardo・DNV調査は、15,000TEU新造コンテナ船でアンモニア燃料対応の船価を従来船比16%増、メタノール燃料船を11%増と推計し、後者はLNG船と同程度とする。燃料別に造船所・主機・燃料貯蔵システムへ配分される初期利益プールが異なる一方、同報告は燃料費が船種・価格次第で航海OPEXの半分を大きく超えるため、運航期の利益構造への影響がより大きいと指摘する / International Maritime Organization / Ricardo / DNV 出典
市場規模・成長39件
世界の造船市場規模とCAGR(2025-2030年見通し)217.92billion USD(2026)世界の造船市場規模は2025年に2,068.9億米ドル、2026年には2,179.2億米ドル(前年比CAGR5.3%)に達する見通しで、2030年には2,750.9億米ドル(CAGR6.0%)まで拡大すると予測されている。The Business Research Company(TBRC)による推計で、船種別ではばら積み貨物船・タンカー(原油タンカー・製品タンカー・LNG運搬 / The Business Research Company(GII.co.jp経由) 出典
世界の船舶修理・保守サービス市場規模とCAGR(2026-2034年見通し)40.33billion USD(2026)alive_blocked世界の船舶修理・保守サービス市場は2026年に403.3億米ドル規模と推計され、2034年には585.0億米ドルまで拡大する見通しで、CAGRは4.80%とされる。築15-20年超の老朽化船舶が多い世界船隊への定期的なドック入り・機関オーバーホール・構造点検の需要、および環境規制強化への対応改修が成長を牽引しているとされる。 / Fortune Business Insights 出典
日本の船舶修理市場規模とCAGR(2025-2034年見通し)2537.8million USD(2025)日本国内の船舶修理市場は2025年に約2,537.8百万米ドル規模とされ、2034年には約5,377.7百万米ドルまで拡大する見通しで、CAGRは8.70%(2026-2034年)と世界平均(4.8%前後)を上回る成長率が見込まれている。セグメントは一般貨物船・ばら積み貨物船・原油タンカー・ケミカルタンカー・コンテナ船・その他の船種別、ドック費用・船体部品・エンジン部品・電気工 / IMARC Group 出典
日本の造船業・舶用工業の産業規模(国土交通省公式統計)3.9兆円(造船業+舶用工業合算)(2023)国土交通省海事局が2025年6月にまとめた資料によれば、日本の造船業の産業規模は2023年度で3.0兆円(従業員7.0万人、事業者数約900、外国人技能者を含む)、舶用工業は2021年暦年で0.9兆円(従業員4.6万人、事業者数約1,000)であり、両者を合わせた造船・舶用工業の産業規模は約3.9兆円に達する。日本は建造船腹量ベースで世界第3位の地位を保持している。 / 国土交通省海事局 出典
世界の船舶建造量・国別シェア推移(2002-2024年、建造年ベース)IHS Markitデータを国土交通省海事局が集計したところでは、世界の船舶建造量は2002年の約3,500万総トンから2024年には約7,200万総トンへと拡大した一方、国別シェアは大きく変動している。中国は建造量を維持しつつシェアを拡大し続けている一方、日本は2019年以降建造量・シェアともに減少傾向にあり、韓国も2019年以降建造量が減少している。世界の海上荷動量は200 / 国土交通省海事局(出典: IHS Markit建造量データ、Clarkson海上荷動量データ) 出典
世界の船舶受注量・国別シェア(2016-2024年、契約年ベース)日本の急落8%(日本の世界新造船受注シェア,2024年)(2024)国土交通省海事局によれば、世界の新造船受注における日本のシェアは2016年16%、2019年19%と推移していたが、2021年以降はコンテナ船・LNG運搬船の受注を中国・韓国が大きく獲得し、日本のシェアは2021-2023年に15-16%台で推移した後、2024年には8%まで急落した。対照的に中国のシェアは2020年47%から2024年には71%まで上昇しており、世界の造船市場 / 国土交通省海事局(出典: IHS Markit、日本船舶輸出組合データ) 出典
日中韓の受注船 船種別構成の変遷(2013-2015年→2022-2024年、隻数割合)54%(日本の受注船に占めるばら積み貨物船の隻数割合,2022-2024年)(2024)国土交通省海事局の集計(IHS Markit・日本船舶輸出組合データ)によると、船種別の受注構成は3か国で明確に分化している。中国はばら積み貨物船の割合が減少し、大型コンテナ船・自動車運搬船の隻数が増加。韓国はLNG運搬船とコンテナ船の隻数が増加(2022-2024年のトン数ベースでLNG運搬船が約40%を占める)。日本はばら積み貨物船が隻数割合で一貫して過半(2022-202 / 国土交通省海事局 出典
世界造船市場の2035年見通し:8,000万~1億総トンへ拡大、日本は建造能力1,800万総トンを目標18百万総トン(日本の2035年建造能力目標)(2035)日本造船工業会が2025年11月に日本成長戦略会議へ提出した資料によれば、世界の造船需要は海運市場の成長とともに拡大を続け、2030年代には年間8,000万総トンから1億総トンを超える水準に達する見通しである(IHS Markit実績、日本造船工業会予測、Clarksons Shipbuilding Forecast Club予測、OECD予測を基にした複数機関の見通しが収斂) / 一般社団法人日本造船工業会 出典
韓国・中国政府による巨額造船支援と市場競争構造の歪み(反証条件・破壊要因)14兆円相当(中国造船業への補助金累計,2006-2013年)(2013)日本造船工業会の分析では、世界の造船市場シェア争いは自由競争のみでなく各国政府の産業支援に大きく左右されている。韓国では2015年から2017年にかけて大宇造船海洋に対し約12兆ウォン(約1.2兆円相当)の巨額公的金融支援が実施されたほか、市場原理から逸脱した受注時前受け金返還保証の公的付与による受注支援、2023年発表の「先端海洋モビリティ育成戦略」による船価補助(外航グリー / 一般社団法人日本造船工業会(経済産業省資料・米国報告書・各種プレス記事を引用) 出典
造船・船舶建造+修理を統合した世界市場区分(TBRC「Ship & Boat Building and Repairing」)The Business Research Companyによる「Ship & Boat Building and Repairing」区分の世界市場レポート(GII.co.jp経由)は、新造船建造と船舶修理・改造を一体の産業区分として捉え、商船(貨物船・タンカー・旅客船)、レジャーボート、艦艇・特殊船を包含したセグメント構成で市場を分析している。本レポートは造船単体および修理 / The Business Research Company(GII.co.jp経由) 出典
ハイブリッド推進市場は2033年187億ドル18.7USD billion(2033)alive_blocked船舶用ハイブリッド推進システムの世界市場(当該テーマの中核TAM)は2025年81億ドル、2026年89億ドルから2033年187億ドルへ拡大し、2026~2033年CAGRは11.1%。電動機・蓄電池と内燃機関を統合する推進系への支出を捉え、船体全体や燃料製造、港湾設備は含まない。予測終点で2025年比2.3倍となり、二桁成長が続く。 / Grand View Research 出典
ハイブリッドは並列式・改造需要が市場を主導65% revenue share (over)(2025)alive_blocked2025年の船舶用ハイブリッド推進市場では、推進方式別にパラレルハイブリッドが売上の55.9%超、導入形態別にレトロフィットが65.0%超を占めた。さらに1~5MW帯が2026~2033年に最速のCAGR11.5%と予測される。新造大型船だけでなく、既存船改造と中出力帯がSAM形成の中心であり、部品・統合事業者の短中期案件獲得に直結する。 / Grand View Research 出典
電動船市場は2030年179.1億ドル17.91USD billion(2030)alive_blocked世界の電動船市場は2022年79.8億ドルから2030年179.1億ドルへ拡大し、2023~2030年CAGRは10.9%。対象は完全電動とハイブリッドを含む船舶市場で、低排出推進の広義TAMを示す。別調査の推進システム市場とは定義が異なるため単純合算は不可だが、8年間で約2.2倍という成長軌道は、電動化対応船の新造・更新需要の持続性を示す。 / Grand View Research 出典
電動船売上の81.5%はハイブリッド81.5% revenue share(2022)alive_blocked2022年の電動船市場では、動力源別にハイブリッドが81.5%、船種別に商船が77.3%を占めた。完全電動よりハイブリッドが足元の主流で、商用運航が主要用途である。これは航続距離・充電制約のある外航・業務船では段階的電動化が先行することを示し、狙うべきSAMは商船向けハイブリッド統合、蓄電、電力変換・駆動系に厚い。 / Grand View Research 出典
欧州が電動船最大市場、APACも高成長35.8% revenue share(2022)alive_blocked電動船市場の地域別では、欧州が2022年に世界売上の35.8%で最大、2023~2030年の予測CAGRも11.9%で最速。アジア太平洋も同期間11.5%成長が見込まれる。需要規模と成長率を併せると欧州が先行SAM、造船集積と高成長を持つアジア太平洋が次の拡張市場となる。地域配分は世界平均CAGR10.9%を両地域が上回る。 / Grand View Research 出典
水素船市場は2034年544.5億ドル予測54.45USD billion(2034)alive_blocked水素動力船の世界市場は2025年18.4億ドル、2026年25.4億ドルから2034年544.5億ドルへ拡大し、2026~2034年CAGRは46.65%。燃料電池、水素内燃機関、ハイブリッドを含む船舶市場で、水素製造設備は対象外。予測値は8年で約21倍という急拡大を示す一方、商用化初期の長期予測であるため、TAMとしては高い不確実性を織り込む必要がある。 / Fortune Business Insights 出典
水素船は欧州・旅客・圧縮貯蔵が先行42.39% market share(2025)alive_blocked2025年の水素動力船市場は欧州が42.39%・7.8億ドルで首位、用途別では旅客輸送が36.87%、貯蔵方式別では圧縮水素が49.11%を占めた。欧州市場の予測CAGRは47.06%、沿岸・短距離海運は48.49%。初期SAMは、航続距離と補給地点を管理しやすい欧州のフェリー・沿岸船に集中しており、深海船より先に量産・標準化が進む構図である。 / Fortune Business Insights 出典
グリーンメタノール船は2034年462.5億ドル46.25USD billion(2034)alive_blockedグリーンメタノール対応船の世界市場は2025年58.5億ドル、2026年75.7億ドルから2034年462.5億ドルへ拡大し、2026~2034年CAGRは25.39%。単一燃料・二元燃料、ラインフィット・改造を含む船舶市場で、メタノール製造全般は含まない。液体燃料として既存船舶設計へ適用しやすい市場特性を背景に、予測終点で2025年比約7.9倍となる。 / Fortune Business Insights 出典
メタノール船市場の57.72%はアジア太平洋57.72% market share(2025)alive_blocked2025年のグリーンメタノール船市場はアジア太平洋が57.72%を占め、世界最大の地域市場だった。調査対象はクルーズ、コンテナ、ばら積み、タンカー、貨物、タグ等の船種、単一・二元燃料、ラインフィット・レトロフィットで構成される。造船能力が集中する同地域が過半を握るため、船主所在地だけでなく、造船所・エンジン統合拠点を基準に販売資源を置く必要がある。 / Fortune Business Insights 出典
船舶用電池は2033年28.2億ドル市場2821.5USD million(2033)alive_blocked船舶用電池の世界市場は2025年7.759億ドル、2026年8.931億ドルから2033年28.215億ドルへ拡大し、2026~2033年CAGRは17.9%。電動・ハイブリッド推進の中核部品SAMに当たる。2025年はリチウム系が59.8%、商船向けが80.7%、OEM販売が62.4%を占め、電池単体でも新造商船向けの組込み需要が主戦場であることが明確である。 / Grand View Research 出典
代替燃料対応船の受注は2024年515隻、前年比38%増515vessels ordered(2024)DNVのAlternative Fuels Insightによると、LNG運搬船を除く代替燃料対応船の2024年受注は515隻で前年比38%増。燃料別ではLNGが264隻(2023年130隻から倍増超)、メタノール166隻、アンモニア27隻(同8隻)だった。コンテナ船・自動車運搬船が全受注の62%を占め、成長が大型商船の新造投資に集中する構造が明確である。 / DNV 出典
LNG燃料船の稼働数は2024年末641隻、2030年末までに倍増見通し641vessels in operation(2024)DNVによれば、LNG燃料船の稼働数は2021~2024年に倍増し、2024年は過去最高の169隻が引き渡され、年末時点で641隻に達した。既存オーダーブックに基づき2030年末までにさらに倍増すると見込む。足元のLNG優位は単年受注だけでなく稼働船ストックにも表れ、他燃料が立ち上がる間の移行燃料として推進・燃料供給系の設置市場を牽引する。 / DNV 出典
2025年上期の代替燃料船受注はGTベース78%増19.8million gross tonnes ordered(2025)DNVによると、2025年上期の代替燃料船受注は1,980万GTで前年同期比78%増。一方、隻数は179隻から151隻へ減少しており、成長は大型船へのシフトで生じた。内訳はLNG1,420万GT・87隻、メタノール460万GT・40隻、アンモニア3.7万GT・3隻、水素11.4万GT・4隻。売上機会は隻数より搭載出力・船型規模で評価すべき局面にある。 / DNV 出典
新造船受注GTの約50%が代替燃料対応、メタノール比率は1年で倍増超50% of gross tonnage on order (approximately)(2024)alive_blockedUNCTADによると、2024年初の世界新造船オーダーブックはGTベース約50%が代替燃料対応、14%超が将来転換可能なfuel-readyだった。代替燃料対応内ではLNGが36.1%、メタノールが9.3%で、メタノールは2023年初の4%から倍増超。さらに2023年にはアンモニア対応船12隻が初めて発注され、燃料選択がLNG一極から複線化し始めた。 / UNCTAD 出典
2030年の国際海運エネルギーはアンモニア6%、水素4%を予測6% of international shipping final energy consumption(2030)alive_blockedOECDが引用するIEA予測では、2030年の国際海運最終エネルギー消費に占める代替燃料はバイオ燃料8%、アンモニア6%、水素4%、メタノール1%。2050年にはアンモニアが44%と最大になる見通しである。一方、低・ゼロ排出燃料は従来燃料より最大300%高く、供給網も不足するため、船上推進システムの成長経路は燃料コストと供給整備に強く左右される。 / OECD 出典
脱炭素投資の利益プールは船本体より燃料供給網に偏る87% of total investment allocated to fuel production, storage and distribution(2050)OECDが引用するアンモニア中心の海運脱炭素投資試算では、2050年までの総投資1.2兆~1.6兆ドルのうち87%が燃料製造・貯蔵・流通に配分される。最大の資本・収益機会が生じるのは造船所単体ではなく、燃料プラント、タンク、港湾貯蔵、バンカリング等の供給網である。 / OECD 出典
推進機器OEMでは納入後サービスが年22.22億ユーロの収益源2222EUR million marine service net sales(2025)Wärtsilä Marineの2025年売上34.94億ユーロのうち、サービス売上は22.22億ユーロ、機器売上は12.72億ユーロだった。Marine全体の比較可能営業利益率は12.7%。代替燃料対応エンジンの普及は新造機器だけでなく、保守、部品、改造・アップグレード等の継続収益を厚くする構造を示す。ただしサービス単独利益率は非開示。 / Wärtsilä 出典
NO-GO条件は燃料プレミアムを埋める規制・長期引取契約がないこと300% cost premium versus conventional fuels (up to)(2025)OECDは代替燃料が従来燃料より最大300%高く、強い規制支援なしには長期でも成立するビジネスケースがないと整理する。炭素価格、燃料基準、補助策、または価格差を吸収する長期オフテイクが確定しない案件は、代替燃料船の成長評価に対する明示的なNO-GO条件となる。 / OECD 出典
2030年燃料供給予測は70~100 Mtoe、案件成熟度がベアケースを規定4% of hydrogen-derived fuel projects having reached FID(2025)DNVの2030年低GHG燃料生産能力予測は、全産業向け・バイオディーゼル込みで70~100 Mtoeと幅がある。一方、水素由来燃料案件で最終投資決定済みは4%、稼働中は1%にすぎない。発表容量がFIDへ移行しない場合、燃料不足が船舶発注を抑えるベアケースとなる。 / DNV 出典
IMO世界規制の1年延期が需要立ち上がりを後ずれさせる1year adjournment(2025)IMOは2025年10月、燃料基準とGHG価格制度を含むNet-Zero Frameworkの採択審議を1年間休会し、2026年に再開すると公式発表した。世界共通の価格シグナルがさらに延期・弱体化すれば、燃料プレミアムを正当化できず、新造・改造需要の予測時期が外れる。 / International Maritime Organization 出典
船上炭素回収が代替燃料需要25 Mtoe相当を代替し得る25Mtoe/year low-GHG fuel equivalent(2030)DNVは、主要20港へのCO2荷揚げ設備と十分な船舶への船上炭素回収・貯留改造が、IMOの2030年基本目標達成において年間25 Mtoeの低GHG燃料使用と同等の効果を持ち得るとモデル化した。OCCSの商用化は、アンモニア・メタノール・水素船への燃料転換需要を侵食する代替技術リスクである。 / DNV 出典
省エネ技術だけで燃料需要40 Mtを回避し得る40million tonnes of fuel saved(2030)DNVは世界船隊のエネルギー消費を16%削減すれば、燃料40 MtとCO2排出120 Mtを削減できるとする。風力補助、船体・推進効率、運航最適化が先行すれば、同じ排出削減予算を争う代替燃料推進・新造船市場のTAMを縮小する。 / DNV 出典
2025年の代替燃料船受注は47%減へ反転47% year-on-year decrease in alternative-fuelled vessel orders(2025)代替燃料船の受注は2025年に275隻となり、前年比47%減少した。2024年の515隻・38%増や市場調査会社の連続高成長予測に対する実績ベースのベアケースであり、規制不確実性と造船市況次第では普及率上昇と市場売上成長が乖離する。 / DNV 出典
代替燃料船需要の68%がコンテナ船に集中68% of alternative-fuel new orders(2025)2025年の代替燃料船新規受注の68%をコンテナ船が占めた。普及は全船種一様ではなく、荷主の排出目標と燃料供給網が揃うコンテナ市場への依存が大きい。コンテナ荷動き・更新投資・荷主プレミアムが失速すれば、市場全体が強く下振れする需要構造上の脆弱性である。 / DNV 出典
2050年アンモニア燃料比率の予測幅は20~60%20% of total shipping fuels; forecast range 20–60%(2050)Lloyd’s Registerが複数の燃料構成予測をレビューした結果、ブルーアンモニアとeアンモニアの2050年シェアは20~60%と大幅に分散した。40ポイントの幅は、単一燃料市場の点推計を投資判断に用いることが危険であることを示す。下限20%に近づく場合、アンモニア船・エンジン市場の強気評価は再検討対象となる。 / Lloyd’s Register Maritime Decarbonisation Hub 出典
バイオメタン経路では2050年シェア34%を占め得る34% average share of total shipping fuels(2050)水素系燃料が主導する経路とは別に、バイオ燃料シナリオでは液化バイオメタンが2050年の船舶燃料の平均34%を占める。ただし必要供給量に対して供給予測は0.3~2 EJにとどまり不足する。供給制約の解消度によって、アンモニア・メタノール船とバイオメタン船の市場配分が大きく入れ替わる。 / Lloyd’s Register Maritime Decarbonisation Hub 出典
2030年グリーンアンモニア原価予測は33~48ドル/GJ33USD/GJ lower bound; forecast range 33–48 USD/GJ(2030)IMO向け調査が文献値を照合した2030年グリーンアンモニア製造費は33~48 USD/GJと約1.45倍の幅がある。燃料価格の点推計ではなくこのレンジ上限を用いて船舶投資をストレステストし、48 USD/GJでも規制負担回避額・荷主プレミアム・長期引取契約で採算を確保できない案件をNO-GOとする根拠になる。 / International Maritime Organization / Ricardo in association with DNV 出典
アンモニア燃料電池は2030年でも成熟度8、既存船適用は困難8technology readiness and availability level (11-point scale)(2030)IMO向け技術成熟度調査では、アンモニア燃料電池の2030年成熟度は11段階中8で、既存船への適用可能性は「Unlikely」と評価された。アンモニア内燃機関の同年成熟度10より遅く、燃料電池中心の高効率推進市場が想定時期までに立ち上がらない技術リスクを示す。 / International Maritime Organization / Ricardo in association with DNV 出典
アンモニア・水素の排出規制空白が追加設計変更を招くIMOの規制マッピングでは、アンモニア燃料の流出、N2O、逃散アンモニアに関する環境規制成熟度がLowで、現行MARPOLでは未規制とされる。水素の逃散排出も未規制である。将来規制が追加されれば、後処理・漏洩防止設備、燃料供給系や船体設計の変更が必要となり、現行仕様の陳腐化や改造費増加を招き得る。 / International Maritime Organization GreenVoyage2050 出典
技術ロードマップ・破壊的脅威19件
自律運航船(MASS)がレベル4認証取得、社会実装が具体段階へ4隻(認証取得実証船数)(2026)日本財団支援のMEGURI2040プロジェクト第2ステージにおいて、実証船4隻(内航フェリー・RORO船等)が2026年4月までに国土交通省の自動運航船認証を取得し、商用運航下で自動運転レベル4を実現した。既存内航船「第二北れん丸」は2025年10月から2026年4月まで自動航行システムを搭載した商業運航実証を実施した。技術成熟度としてはTRL7-8(実環境実証済み)相当に到達 / 商船三井/日本無線(JRC)/日本財団MEGURI2040 出典
アンモニア燃料エンジン、TRL8から商業運航(TRL9)へ、2028年量産化目標2028年(量産化目標年)(2025)IHI原動機はNEDOグリーンイノベーション基金「次世代船舶の開発」プロジェクトのもと、アンモニア燃料中速4ストロークエンジンの開発・実証を進め、2024年に実証運航を開始し2028年頃の市場投入(量産化)を計画している。ジャパンエンジンコーポレーションも2028年度をめどに本格量産を目指し、専用組立工場新設に約200億円を投資する計画を公表し「海外勢に先行する」考えを示す。技 / NEDO/IHI原動機/ジャパンエンジンコーポレーション 出典
水素燃料船はTRL3-4の初期段階、2030年実証・その後の早期社会実装目標4TRLレベル(上限目安)(2025)alive_blocked経済産業省・国土交通省海事局のグリーンイノベーション基金「次世代船舶の開発」プロジェクトによれば、水素燃料エンジンは現時点で世界的にも実用化例がなくTRL3-4(要素実証段階)にとどまる。基金事業により2030年までに水素燃料船の実証運航を完了し、2030年以降の早期に社会実装することを目標としている。アンモニア・LNGに比べ技術的難易度(貯蔵密度・タンク設計・燃焼制御)が高く / 経済産業省/国土交通省海事局 出典
韓国HD現代重工業、ロボット溶接で生産性70%向上・熟練工不足を代替する破壊的自動化70%(溶接生産性向上率)(2025)韓国HD現代重工業の造船所では溶接工程へのロボット導入により、従来熟練工2人が5-10年かけて習得・遂行していた作業を1台のロボットが実行可能となり、生産性は約70%向上した。さらにラグ(部材)製作工程では手作業時に6人で1日100個の生産だったところ、AI・ロボット導入後は1-2人で1日440個の生産(生産量4倍以上・人員大幅削減)が見通されている。1人で6台以上のロボットを / HD現代重工業(中央日報報道) 出典
デジタルツイン・スマート造船所化が建造・保守の生産性フロンティアを押し上げる8社(デジタルツイン連携構想参加数)(2025)日本の海運大手・造船所など8社が連携し、船舶設計で使用した3Dモデルデータをもとにデジタルツインを構築し、就航後の運航効率改善や次期設計開発への活用を進める構想が2025年の実用化を目指して進行している(造船所の設計データと海運会社の運航データという機密情報の共有方法が課題)。三菱重工業は「MHI Digital Twin」構想のもと設計・製造・運航の一貫データ活用基盤を整備し / 国内海運・造船各社/三菱重工業/大島造船所/サムスン重工業・ダッソーシステムズ 出典
破壊的脅威: 中国の新造船受注シェアが2026年1-3月に85%へ急伸、日本の生産基盤空洞化リスク85%(2026年1-3月中国受注シェア)(2026)中国の新造船受注は2024年に補正総トン数(CGT)ベースで世界シェア71%(4,650万CGT)に達し、韓国17%(1,100万CGT)と合わせ中韓2カ国で88%を占めた。さらに2026年1-3月期には世界の新造船受注量が前年同期比6割増の5,517万トンとなる中、中国のシェアは85%まで上昇し過去最高水準を記録した。対照的に日本のシェアは2024年受注ベースで約8%まで下落 / 海事プレス/日本経済新聞 出典
米USTR Section301、中国建造船・海運事業者への港湾手数料を最終決定も2026年11月まで一時停止140ドル/純トン(3年目の上限手数料)(2025)米国通商代表部(USTR)は2025年4月17日、中国造船・海事セクターの不公正貿易慣行に関するSection301調査の最終措置を発表し、中国系海事輸送事業者・中国建造船を多く含む船隊運航者等に対し、入港ごとに純トン数1トン当たり50ドルから3年かけて最大140ドルまで段階的に引き上げる港湾手数料(サービス料)を課す仕組みを構築した。中国建造船に依存する海運会社の発注行動を変 / 米国通商代表部(USTR)/米国連邦官報 出典
代替燃料オーダーブックはLNG・メタノールが9割弱を占め、アンモニア燃料船は市場化以前の段階38%(2025年代替燃料GTシェア)(2025)DNVの集計によれば、2025年の新造船における代替燃料船の受注は全体で275件(前年比47%減、市場全体の縮小と歩調を合わせる)、総トン数(GT)ベースでの代替燃料比率は38%を維持した。燃料種別ではLNG燃料船が188件・全体GTの31%で最多、メタノールは149件から61件に減少、アンモニア・LPGは限定的な受注にとどまった。件数ベースではLNGが67%、メタノールが20 / DNV 出典
LNG二元燃料はH1の橋渡し技術641稼働隻(2024)LNG二元燃料推進は既存エンジン・タンク・バンカリングを利用でき、TRL9、H1の商用主流。2024年末にLNG燃料船641隻が稼働し、発注残から2030年までに倍増見込み。破壊的脅威はメタン漏出のWell-to-Wake評価強化と、メタノール・アンモニアへの発注転換。反証条件は、競争価格の再生可能メタンが大量供給され、厳格なLCAでも規制適合を維持すること。 / DNV 出典
メタノール推進は初期量産へ移行166新規発注隻(2024)メタノール二元燃料機関は実船・受注が積み上がりTRL8-9、H1でコンテナ船中心に初期量産、H2で他船種へ拡大する位置。2024年の新規発注は166隻で、代替燃料船発注の32%。破壊的脅威はグリーンメタノール供給の遅延によりLNGへ回帰すること。反証条件は、低GHGメタノールの長期調達が発注増に追随し、価格差と炭素強度が継続低下すること。 / DNV 出典
アンモニア推進は実証から初期受注へ27新規発注隻(2024)アンモニア燃焼推進は機関開発と初期発注段階でTRL6-8。H1は実証・限定就航、H2は大型外航船への量産化、H3はゼロ炭素燃料の中核候補。2024年発注は27隻、うち非ガス運搬船が初めて10隻。破壊的脅威は毒性対策による船価・運航負担、燃焼時排出、低GHG燃料不足。反証条件は安全基準確立後も受注・就航が増えず、メタノール等より総保有費が下がらないこと。 / DNV 出典
電池推進は短距離船を先行置換24総必要エネルギー増率下限%(2024)alive_blockedリチウムイオン電池による全電動推進は型式承認品と多数の実船があり、短距離・定航路ではTRL9、H1でフェリー等を置換。H2は新電池化学と交換式コンテナが適用範囲を拡張し得る。破壊的脅威は、短距離市場で内燃機関と燃料電池の需要を消すこと。反証条件は、急速充電・重量・寿命制約が改善せず、総必要エネルギー増24-31%と系統由来排出で優位性を失うこと。 / U.S. Maritime Administration 出典
PEM燃料電池は沿岸船から商用化alive_blockedPEM燃料電池は型式承認機器と複数メーカーの商用品が存在し、船舶用途でTRL8-9。H1は旅客船・補機・ハイブリッド、H2は液体水素貯蔵の改善次第で航続距離を拡大する。破壊的脅威は、短距離では電池に、長距離では高体積密度燃料に挟撃されること。反証条件は、水素タンクの容積・費用、安全、補給制約を解消し、電池より長い航続で運航費優位を実証すること。 / U.S. Maritime Administration 出典
SOFCは多燃料高効率の実証段階2実証出力MW(2025)alive_blocked船舶用SOFCはLNG、アンモニア、メタノール、水素を電力化できる多燃料性が強みだが、商用搭載は未確立でTRL5-7。H1は数百kW〜2MW実証、H2は補機・ハイブリッドから主推進へ拡大候補。破壊的脅威は、高効率化により燃料選択そのものの差を縮める一方、高温運転・耐久性・起動性が量産を阻むこと。反証条件は実証後も型式承認・連続運転実績・受注が増えないこと。 / U.S. Maritime Administration 出典
風力補助は燃料横断の需要削減技術24納入船舶数(2025)ローター帆等の風力補助推進は商用搭載が進みTRL8-9、H1で既存・新造船双方に拡大可能。2025年は24隻に63基の帆が納入された。燃料を選ばず消費量を下げるため、代替燃料の必要量と燃料供給者の売上を同時に削る破壊的脅威となる。反証条件は、航路・甲板干渉・運航最適化を含む実海域の燃料節減が改造費を回収できず、納入隻数が停滞すること。 / DNV 出典
船上CO2回収が既存燃料船を延命15000対象船TEU(2024)船上CO2回収・貯蔵は大型船への設計承認と試験段階でTRL6-7。H1は限定実証、H2は回収CO2の荷揚げ・輸送・貯留網と規制クレジット次第で改造市場を形成する。15,000TEU級LNG二元燃料コンテナ船の改造設計がAiPを取得。破壊的脅威は既存内燃機関を延命し、ゼロ炭素燃料船への更新を遅らせること。反証条件は規制が回収を認めず、容積・エネルギー損失と陸上処理費で採算化しない / DNV 出典
商船原子力はH3の非連続シナリオ2030規則採択目標年(2030)小型炉・溶融塩炉による商船原子力推進は軍用実績と概念検討がある一方、民間量産はなくTRL3-5相当。H1-H2は安全規則・許認可整備、H3で大型長距離船の選択肢となり得る。IMOは改正Nuclear CodeとSOLAS第VIII章を2030年採択目標とした。破壊的脅威は燃料補給と代替燃料タンクを不要化すること。反証条件は2030年後も旗国・寄港国の受入れ、保険、廃棄物・核拡散 / International Maritime Organization 出典
代替燃料船は供給不足が最大の断層50低GHG燃料消費能力Mtoe/年超(2030)代替燃料対応船の機関・タンクはH1で急速に普及し、DNVは2030年の低GHG燃料消費能力を年50Mtoe超と予測する。一方、技術・安全、需要・費用、燃料供給の三障壁が残る。TRLはLNG・メタノール8-9、アンモニア・水素5-8と分化。破壊的脅威は、船側能力が燃料供給を上回り燃料対応投資が座礁すること。反証条件は2030年までに認証済み低GHG燃料供給が能力増と同期し、稼働率 / DNV 出典
ハイブリッド推進は代替燃料コストを横断削減25年間燃料削減率上限%機関・電池・EMSを統合する船舶ハイブリッドは、新造・改造の商用品と実船実績がありTRL9、H1でフェリー、タグ、オフショア船から商船へ拡大する。Wärtsiläは運航プロファイル次第で年間燃料を最大25%削減とする。H2では高価な代替燃料の消費削減基盤となる一方、燃料供給者と大型主機の売上を侵食する。反証条件は、一定負荷の外航船で電池重量・改造費が節減額を上回り、実船の回収期 / Wärtsilä 出典
政策・予算・産業戦略28件
日本「造船業再生ロードマップ」——2035年に建造能力を倍増する国家目標1800万総トン(2035年建造能力目標。現状907万総トン=2024年)(2035)国土交通省海事局船舶産業課が2026年1月に策定した「造船業再生ロードマップ」は、日本の造船業を経済安全保障上不可欠な産業と位置づけ、2035年までに建造能力を1,800万総トン(日本船主の船舶建造需要予測量)へ引き上げる目標を掲げた。現状(2024年時点)の建造能力は907万総トンにとどまり、建造量自体も2019年の1,600万総トンから2024年には900万総トンへと約4割 / 国土交通省海事局船舶産業課 出典
官民投資「1兆円」フレームの内訳——造船業再生基金・GX経済移行債・ツーステップローン10000億円(官民合計投資規模。官3,800億円・民3,500億円・官民共同2,800億円)(2035)ロードマップは2035年までに官民合計1兆円規模の投資を実現する資金フレームを提示する。内訳は、(1)造船企業の資金調達支援(民間負担3,500億円規模)——海事産業強化法・経済安全保障推進法に基づくツーステップローンで毎年度の民間投資に応じた財政融資を措置、(2)造船能力の抜本的向上(官負担3,800億円規模)——「造船業再生基金」により10年間で合計3,500億円規模の生産 / 国土交通省海事局船舶産業課 出典
造船所「1〜3グループ」再編と独占禁止法特例——法制度パッケージロードマップは、造船企業ごとの個別受注体制と設計・製造仕様の不統一が共同受注・システムインテグレーションを阻害しているとし、国内建造事業者を主要1〜3グループ体制へ集約する垂直・水平連携を打ち出した。共同営業・設計・調達・建造や共同設計会社の設立、企業統合までを視野に入れ、2029年以降に成果を反映する計画である。これを可能にするため、経済安全保障と独占禁止法に関する考え方の整 / 国土交通省・日本造船工業会 出典
「K-造船・超格差ビジョン2040」——10年間2兆ウォンの官民投資で100の核心技術を確保2兆ウォン(2040年までの官民累計投資目標)(2040)韓国産業通商資源部(現MOTIR)は2024年7月、造船業の中長期技術開発の設計図として「K-造船100大超格差ビジョン2040」を発表した。2040年までに官民合計2兆ウォン超を投じ、環境親和・デジタル・スマートの3領域で100の核心技術(351の細部技術)を確保する10大重点プロジェクトを推進する。目標は、韓国造船業を単なる「造船強国」から「造船・海洋プラント設備強国」へ、 / 大韓民国産業通商資源部(MOTIE/MOTIR) 出典
2025年度R&D予算2,586億ウォン——前年比40%増、グリーン船舶が主軸2586億ウォン(2025年度R&D予算総額。前年比40%増)(2025)韓国政府は2025年、造船業の競争力強化に向けたR&D予算として2,586億ウォン(約1億7,800万ドル)を投じると発表した。前年度実績から40%の増額であり、内訳はグリーン船舶(水素・アンモニア燃料船等)分野に1,716億ウォン、造船プロセスのデジタル変革に667億ウォン、無人・自律運航船技術に203億ウォンが充てられる。グリーン船舶分野が全体の約66%を占め、国際海運の脱 / 大韓民国産業通商資源部(MOTIE) 出典
OECD「韓国造船業ピアレビュー2026」——世界2位の競争力と高齢化・コスト構造の課題alive_blockedOECDは2026年4月8日、「Peer Review of the Korean Shipbuilding Industry 2026」(全69ページ)を公表した。同レビューは韓国を世界第2位の造船国と位置づけ、LNG運搬船・超大型コンテナ船・VLCCなど高付加価値船種での強い研究開発・設計能力と、大規模施設・体系化された生産工程による生産効率の高さを競争優位の源泉として評価 / OECD 出典
MASGA構想——対米1,500億ドル規模の造船協力枠組み150十億ドル(=1,500億ドル、対米造船協力枠組み総額)(2025)韓国は2026年6月25日、「Make American Shipbuilding Great Again(MASGA)」と呼ばれる対米造船協力について、政策金融の枠組み構築に着手したと発表した。これは2025年11月の米韓戦略的投資に関する覚書に盛り込まれた1,500億ドル規模の造船協力パッケージを実行に移す最初の制度的な一歩であり、韓国の造船・海洋設備分野の技術力を米国の商 / 大韓民国産業通商資源部/米韓政府間協議 出典
「船舶製造業緑色発展行動綱要(2024-2030年)」——十四五規劃の産業高度化路線50%(2025年までのLNG・メタノール等緑色動力船 国際市場シェア目標)(2025)中国工業和信息化部・国家発展改革委員会・財政部・生態環境部・交通運輸部の5部門は2023年12月、「船舶製造業緑色発展行動綱要(2024-2030年)」を連名で発出した。同綱要は2025年までに船舶製造業の緑色発展体系を初歩的に構築し、LNG・メタノール等の緑色動力船の国際市場シェアを50%超に高め、骨幹企業の単位生産額当たり総合エネルギー消費を2020年比13.5%削減する目 / 中国工業和信息化部ほか5部門 出典
「中国製造2025」の造船業目標——市場シェア40%・部品国産化率80%40%(中国製造2025が掲げた海洋設備市場シェア目標)(2025)「中国製造2025」計画は造船業について、世界的競争力を持つ企業を5社育成し、海洋設備市場で40%のシェアを獲得し、高度船舶設計・製造装置分野で50%の市場シェアを確保し、先進船舶の部品国産化率を80%まで引き上げるという具体的な数値目標を設定していた。設計・組立・装置・サービスまでを包含する総合的サプライチェーンの構築を促し、LNG運搬船・グリーン燃料船・クルーズ船・RORO / CIMSEC(米海軍系シンクタンク)分析/中国国務院 出典
2006-2013年累計900億ドル超の産業補助金——参入・投資・生産の3類型90十億ドル(2006-2013年累計補助金の下限推計。3類型合計は910億ドル)(2013)学術研究(Kalouptsidiらの実証分析、VoxDev/CEPR掲載)によれば、中国は2006年から2013年にかけて造船業に少なくとも900億ドルの補助金を投じ、参入・投資・生産の3つのmarginすべてを合わせると累計910億ドルに達したと推計される。手法は多様で、沿海地域での市場価格を下回る土地供与が「参入補助」として機能し、地方政府が設立した専用銀行による優遇融資が / VoxDev/CEPR(Kalouptsidi et al. 実証研究) 出典
世界シェアの時系列——2024年55.7%/74.1%/63.1%から2025年上半期51.7%/68.3%/64.9%へ68.3%(2025年上半期・新規受注量の世界シェア。2024年通年は74.1%)(2025)中国工業和信息化部装備工業発展センターの発表によれば、2024年の中国造船業は完工量・新規受注量・手持受注量の世界シェアでそれぞれ55.7%、74.1%、63.1%を記録し、いずれも世界最大のシェアを占めた。ところが2025年上半期には、載重トンベースで完工量51.7%、新規受注量68.3%、手持受注量64.9%とやや低下しており、特に新規受注シェアは74.1%から68.3%へ / 中国工業和信息化部装備工業発展センター 出典
SHIPS for America Act——2030年までに250隻の米国建造商船隊、海事安全信託基金200億ドル250隻(2030年までの戦略商業船隊目標隻数)(2030)alive_blocked米連邦議会に提出された「SHIPS for America Act of 2025」(S.1541、超党派共同提案)は、2030年までに米国建造・米国籍・米国人乗組員の商船250隻から成る「戦略商業船隊(Strategic Commercial Fleet Program=SCFP)」を確立する目標を掲げる。同法案は財源として、米国税関国境警備局(CBP)が徴収する関税・手数料 / 米国議会(上院) 出典
「アメリカの海事支配力回復」行動計画とFY2027予算教書——海事局へ26億ドル2600百万ドル(FY2027 海事局=MARAD予算総額)(2027)ホワイトハウスは2026年2月13日、「America's Maritime Action Plan」を公表し、造船・海運・商船乗組員・港湾の一体的再建を国家目標に据えた。これを受けたFY2027予算教書では、海事局(MARAD)向け予算が総額26億ドルへと大幅増額され、内訳は港湾インフラ改善に5億ドル、新設の「商業造船インフラ整備プログラム」に2億5,000万ドル(大型造船所 / ホワイトハウス/米国海事局(MARAD) 出典
米海軍FY2027造船予算658億ドル——前年度比約50%増、34隻建造65.8十億ドル(FY2027海軍造船予算総額。前年度成立予算比約50%増)(2027)米海軍省は2026年4月21日、FY2027予算要求として総額3,775億ドル(前年度比23%増)を議会に提出し、このうち造船関連予算は658億ドルで、前年度に成立した予算比でおよそ50%の増加となった。要求内容は戦闘艦18隻・補助艦16隻の計34隻の建造を含み、インフレ調整後では1955年以来2番目の規模の造船予算要求とされる。トランプ政権が掲げる「ゴールデンフリート構想」の / 米国海軍省 出典
EU産業海事戦略(2026年3月)——2027年までに20-25億ユーロ、「建造・艤装・修繕」の柱2.5十億ユーロ(2027年までのEU資金規模上限。下限は20億ユーロ)(2027)欧州委員会は2026年3月4日、「EU産業海事戦略(EU Industrial Maritime Strategy)」と「EU港湾戦略」を同時に採択した。海事戦略は欧州の海事製造能力と技術的優位性を強化する「建造・艤装・修繕(Build, Equip and Repair)」を第一の柱に据え、単一市場を活用した産業主権の確保と海事バリューチェーン全体の連携強化を掲げる。財源とし / 欧州委員会(European Commission) 出典
日本:次世代船舶へ350億円350億円(2021)日本はNEDOグリーンイノベーション基金の「次世代船舶の開発」に350億円を配分し、水素・アンモニア燃料エンジン、舶用燃料タンク・供給系、LNG船のメタンスリップ削減を一体開発する。単なる燃料供給支援ではなく、船上の中核機器を国内造船・舶用企業の競争力に結び付け、実船実証から社会実装まで支える垂直統合型の産業政策である。 / NEDO 出典
EU:ゼロ排出船R&Iに5.3億ユーロ530百万ユーロ(2021)EUはHorizon EuropeのZero-Emission Waterborne Transport Partnershipに5.3億ユーロを充て、2030年までに主要船種・サービスへ展開可能なゼロ排出ソリューションを開発・実証し、2050年のゼロ排出水運を可能にする。燃料単独ではなく、電池、燃料電池、船上統合、効率化と運航を横断する共同研究であり、共通技術基盤を域内企業へ / European Commission 出典
EU:規制と技術補助を同時実装530百万ユーロ(2025)EUは2024年から海運をEU ETSへ段階的に組み込み、2025年からFuelEU Maritimeを施行する一方、ゼロ排出水運R&Iへ5.3億ユーロを投入する。これは船社に炭素コストと燃料強度改善を求めながら、造船所・舶用機器メーカーには代替燃料推進、電動化、燃料電池等の開発資金を供給する需要創出・供給強化の二面戦略である。 / European Commission Directorate-General for Mobility and Transport 出典
英国:ZEVIで商用直前へ7700万ポンド77百万ポンド(2023)英国はUK SHOREのZero Emission Vessels and Infrastructure競争で7700万ポンドをマッチファンドし、商用化に近い高TRLのゼロ排出船と船上システムを支援する。建造・セットアップを2025年3月まで補助し、その後2028年までの実運航費は事業者が負担する設計で、公費を初期設備リスクへ集中し長期運航データと民間コミットを同時に確保する。 / UK Department for Transport 出典
英国:CMDCは段階別に実証資金を接続30百万ポンド(第6回)(2025)英国のClean Maritime Demonstration Competitionは第1~4回でそれぞれ最大2325.9万、1200万、6000万、3300万ポンドを配分し、実現可能性調査から事前展開、実船・システム実証へ段階的に資金を接続した。第6回も最大3000万ポンドを投入し、電動船、代替燃料推進、効率化技術を商用化へ進める継続的な案件パイプラインを形成している。 / UK Department for Transport and Innovate UK 出典
米国:低排出フェリーへ9800万ドル98百万米ドル(2026)alive_blocked米国FTAは2026年度Electric or Low-Emitting Ferry Pilot Programで9800万ドルの競争的補助を提示し、電気・低排出フェリーの購入、既存船の電動化、代替燃料または船上蓄電システムによる改修を対象とする。運営費や予防保守は対象外で、地方・州・部族の公共フェリー更新を通じ、実船資産と推進設備へ公費を直接投入する需要側政策である。 / U.S. Department of Transportation, Federal Transit Administration 出典
米国:連邦資金は必要額に未達200百万米ドル(外航船建造費下限)(2024)米DOE・DOTの海事エネルギー排出革新計画は、米国船籍の外航船建造費を1隻2億~6億ドル、オフショア支援船を2500万~1.75億ドルとし、約1万隻の国内船と約100隻の国際運航Jones Act船の移行には多額の投資が必要と指摘する。同時に現行連邦資金は目標に見合わないと明記し、米国政策の弱点が個別補助の規模不足にあることを示す。 / U.S. Department of Energy 出典
シンガポール:3億Sドルで海事脱炭素300百万シンガポールドル(2022)シンガポールMPAはMaritime Singapore Decarbonisation Blueprint 2050に沿う脱炭素案件・施策へ3億シンガポールドルを確保した。ブループリントは海運拠点として、船舶の低・ゼロ炭素燃料転換、電動港湾船、技術実証、標準・人材・グリーンファイナンスを束ねる。造船輸出よりも、寄港船・港内船を使った燃料選択と実証の国際ハブ化に軸足を置く点が特 / Maritime and Port Authority of Singapore 出典
中国:湖南が新能源船20隻を実装4億元(総投資)(2024)dead中国・湖南省の内河新能源船舶実証は総投資4億元で、新造・改造20隻と充換電設備7カ所、長沙―岳陽のグリーン航路を一体整備する。2030年に省内主要航路を新能源船で全面カバーする方針の先行案件であり、純電動船の標準船型、船上統合電力システム、運航と補能網を同時に実装する。中央の交通強国試点を地方産業集積へ接続する規模型戦略である。 / 中華人民共和国交通運輸部 出典
豪州:グリーンバンカリング戦略に400万豪ドル4百万豪ドル(2026)dead豪州政府は2026年、低炭素船舶燃料の利用拡大を狙うグリーンバンカリング戦略に400万豪ドルを配分した。燃料製造全般への大型支援とは別建てで、海運用途に必要な燃料供給、需要形成、標準・運用条件を整える政策である。船上推進技術への直接補助は日欧英米より小さく、燃料供給国としての優位を寄港船の代替燃料採用へ結び付ける制度設計が中心と読める。 / Australian Government, Department of Infrastructure 出典
韓国:次世代造船市場の80%以上獲得へ7100億ウォン7100億ウォン(2028)韓国産業通商資源部は「K-造船 次世代市場支配戦略」で、2028年までに7100億ウォンを投入する。政策は①将来技術の超格差確保、②製造システム高度化、③法・制度基盤整備の3本柱で、次世代造船市場の80%以上獲得を目標とする。環境配慮型燃料の推進システムや資機材を技術ロードマップに組み込み、研究開発だけでなく生産工程・輸出受注基盤まで一体で強化する。大企業・中小企業、素材・部品 / 韓国産業通商資源部 出典
中国:新造新能源・清潔能源船に最大2200元/総トン2200元/総トン(2024)中国国家発展改革委員会・財政部は大規模設備更新策で、新造の新能源・清潔能源船に船種別1000~2200元/総トンを補助する。老朽船を廃棄して燃油船または新能源・清潔能源船へ更新する場合は1500~3200元/総トン、廃棄のみは平均1000元/総トンとした。LNG、メタノール、水素、アンモニア、純電池などを対象とする制度と接続し、船主の更新投資を船型・動力別の差額補助で誘導する。 / 中国国家発展改革委員会・財政部 出典
ノルウェー:Maritime Zero 2050へ累計1.125億NOK112.5百万NOK(2024)alive_blockedノルウェー政府はMaritime Zero 2050に2022~2024年累計1億1250万NOKを配分した。研究評議会が公募を担い、既存のゼロ排出解がない船種・航行距離向けの新技術とソリューションを支援する。国内海運・漁船の排出量を2030年までに半減し、全船種へゼロ・低排出技術を展開する目標に直結する。官民連携のGreen Shipping Programmeとも組み合わせ / ノルウェー政府 出典
未来洞察・シナリオ28件
「造船業再生ロードマップ」による2035年建造能力倍増目標(H2)1800万総トン(2035年目標建造量)(2035)国土交通省と内閣府(経済安全保障担当)は2026年1月、現在(2024年度時点)約900万総トンの日本の年間建造量を2035年に「1,800万総トン」へ倍増させる目標を掲げた「造船業再生ロードマップ」を策定した。船体を経済安全保障推進法上の特定重要物資に指定し、ゼロエミッション船等の生産基盤強化補助(2024年度開始分・5年間600億円)を通じてドック増設・自動化投資を後押しす / 内閣府(経済安全保障担当)・国土交通省海事局 出典
IMOネットゼロ枠組み(GFI/Levy)による燃料転換ドライバー(H1)2028年(当初想定発効年)(2028)2025年4月のMEPC83で承認されたIMOネットゼロ枠組み(NZF)は、当初2027年3月の正式採択・2028年発効が見込まれ、GHG燃料原単位基準(GFI)は2028年に基準目標4%削減・直接遵守目標17%削減を課し、2035年には30%・43%まで段階的に厳格化、違反時には賦課金(Levy)を課すフィーベイト構造を持つ設計であった。この規制の有無・厳格度は新造船の推進シ / 日本海事協会(ClassNK) 出典
修繕船需要の構造的増加と修繕ドック逼迫(H1-H2)12000隻(年間定期検査対象見込み)(2027)日本海事新聞によれば、船舶修繕需要は年平均3%のペースで拡大しており、2026-27年には年間12,000隻超が定期検査対象となる見通しである。2025年に定期検査を受けた船舶の約7割は船齢15年以上と推定され、老齢船は若齢船に比べ入渠期間が長くなる傾向(船齢15年目の検査は10年目検査より平均約2割長い)にあるため、修繕ドックの稼働逼迫を通じて工事単価(パナマ型で1隻1億円超 / 日本海事新聞 出典
自律運航船(MEGURI2040)商用化・省人化DXによる生産性ドライバー(H1-H2)4隻(2025年度商用化予定の自動運航機能搭載船)(2025)日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は2025年度中に商用化予定の自動運航機能搭載船舶を計4隻としており、2025年12月5日には旅客船「おりんぴあどりーむせと」が国内初の「自動運航船」として国の船舶検査に合格した。第2ステージ(DFFAS+コンソーシアム)は2025年10月〜2026年4月に商用運航下での実証を実施し、2025年2月には世界初の「移動型」陸 / 日本無線株式会社(JRC)/日本財団 出典
「日本造船再興」シナリオ vs 「現状追認」シナリオ(2035年分岐・H2)1200万総トン(反証条件の閾値)(2030)本線シナリオは、造船業再生ロードマップが描く通り2035年に年間建造量を現行(約900万総トン)から1,800万総トンへ倍増させ、経済安全保障推進法上の特定重要物資指定・生産基盤強化補助(5年間600億円)・DX省人化投資を組み合わせて世界シェアを回復させるというものである。対抗シナリオは、技能者減少と修繕需要との設備奪い合い(driver3参照)により建造能力の積み増しが計画 / 内閣府(経済安全保障担当) 出典
中国造船シェアの「制裁下押し継続」vs「内需牽引での回復」(H1)62.7%(2025年中国の世界受注シェア)(2025)2024年に総トンベースで世界の新造船受注の約7割(CGTベースでも6割強)を占めた中国は、2025年に入り米国トランプ政権による中国建造船への入港手数料方針(2025年4月公表)を契機に海運各社が発注を手控え、2025年通年のシェアは前年比35%減の62.7%まで低下した(世界全体の受注も前年比27%減の5,642万CGTに縮小)。同期間、韓国は8%増の20.6%、日本は53 / 国土交通省海事局 出典
2050年ネットゼロ燃料構成の3分岐シナリオ(アンモニア主流/メタノール主流/混在)(H3)130港(メタノール供給可能な世界の港数)(2025)国際海運の2050年ネットゼロ目標(2023年IMO戦略)を受け、造船・舶用工業各社は燃料選択の異なる複数シナリオに同時対応している。アンモニアは毒性が高くバンカリング(燃料補給)インフラが整備途上という制約があるが、三井E&Sグループ等がアンモニア焚き二元燃料エンジン開発を進めており、日本主導の海事産業復権策として位置づけられている。一方メタノールは常温液体で毒性が低く取り扱 / ニュースイッチ(日刊工業新聞社) 出典
インド・造船新興国台頭による生産能力地図再編シナリオ(H3)450万総トン(インド2047年建造能力目標)(2047)インド政府は「Maritime Amrit Kaal Vision 2047」において2047年までに世界の造船業トップ5入りを目指し、国内建造能力を年間450万総トンへ拡大する目標を掲げ、アンドラ・プラデシュ州で3万クロール・ルピー規模の造船クラスター(ディーンダヤル港8,000エーカー計画等)を含む複数州でのクラスター整備を進めている。現在の世界シェア構造(中国6割超・韓国 / India Shipping News 出典
世界新造船受注シェア(中国・韓国・日本)の四半期モニタリング13%(2024年日本の世界受注シェア)(2024)国別受注シェア(CGT/DWTベース)は、産業の需給構造・地政学リスクの伝播を最も敏感に映す指標である。2024年通年で中国はCGTベース7割超・韓国17%・日本13%であったが、2025年は世界全体の受注が前年比27%減の5,642万CGTへ縮小するなかで中国62.7%(前年比35%減)・韓国20.6%(8%増)・日本4.9%(53%減)へシェアが変動した。四半期・年次でこの / 国土交通省海事局 出典
IMOネットゼロ枠組み(NZF)の再協議スケジュール(2026年再開予定)2026年(NZF再協議予定年)(2026)2025年10月17日のIMO海洋環境保護委員会(MEPC)で、米国の強い反対表明(入港料金による対抗措置の示唆、トランプ大統領によるSNSでの牽制)を受け、NZF(GHG燃料原単位基準+賦課金/フィーベイト制度)の採択は1年延期され、2026年に議論が再開される予定となった。当初は2025年4月のMEPC83で承認され2027年3月採択・2028年発効が見込まれていたが、この / 日本貿易振興機構(ジェトロ) 出典
修繕ドックの稼働率・定期検査待ち隻数3%(修繕需要の年平均成長率)(2026)修繕需要が年平均3%で拡大し2026-27年に年間12,000隻超が定期検査対象となる見通しのもと、老齢船(船齢15年以上)の入渠期間長期化(10年目検査より平均2割長い)がドック回転率を押し下げていると日本海事新聞は指摘する。修繕ドックの稼働率・検査待ち隻数・パナマ型修繕費用(既に1隻1億円超に高騰)の推移は、新造船建造能力(ロードマップの1,800万総トン目標)と設備・人員 / 日本海事新聞 出典
自動運航船(自動運航レベル4相当)の商用運航認証取得隻数4隻(2025年度商用化予定)(2025)MEGURI2040第2ステージでは2025年度中に4隻の自動運航機能搭載船舶の商用化を計画しており、2025年12月には「おりんぴあどりーむせと」が国内初の自動運航船として船舶検査に合格した。国土交通省による自動運航船の認証取得隻数・商用運航開始時期の推移は、船員不足対応・海難事故削減という産業目標の実現度を測る先行指標であり、将来的な新造船仕様(操船システム・センサー標準搭 / 日本無線株式会社(JRC) 出典
米国のIMO規制反対によるネットゼロ枠組みの制度設計不確実性(H1)2025年8月、米国国務省はIMOネットゼロ枠組み(NZF)へ「断固として拒否する」との声明を発表し、支持国船舶への入港料金賦課という対抗措置を示唆した。同年10月にはトランプ大統領がSNSで採択への反対投票を呼びかけ、結果としてIMO海洋環境保護委員会は採択を1年延期(2026年再開)する事態となった。この米国の姿勢が単発の外交摩擦にとどまるのか、IMO主導の国際海運脱炭素レ / 日本貿易振興機構(ジェトロ) 出典
燃料転換の座礁資産化リスク(アンモニア vs メタノール主流化の不確実性)(H2-H3)国土交通省は2026年、アンモニア燃料船への燃料補給(バンカリング)ガイドラインを策定し普及に向けた環境整備を進めているが、メタノール燃料船への対応は「遅れた」と指摘されており、国内ではメタノールバンカリング拠点の整備が遅延している。一方でアンモニアは毒性の高さゆえ港湾・地域社会の受容性(セーフティ・ゾーニング等)が課題として残る。造船所・エンジンメーカーがどちらの燃料仕様を主 / 国土交通省海事局 出典
船価スーパーサイクルの反転リスク(新造船価格指数・供給過剰)(H2)187.78指数(クラークソン新造船価格指数・2024年)(2024)クラークソン新造船価格指数は2024年に187.78まで上昇し、2008年のピーク(191)に接近する「スーパーサイクル」的高騰局面にあるが、東洋経済オンラインの分析は、OECDの需要予測のみに依拠した大規模な新造ドック投資が、脱炭素移行の遅延時には深刻な設備過剰リスクを招くと指摘する。国内海運では過去20年で内航貨物量が3割超減少した一方、船腹量は過去10年で8%増加しており / 東洋経済オンライン 出典
技能者確保の実現可能性(生産年齢人口減少 vs 自動化・外国人材)(H2)10000人超(受注倍増時の試算不足人数)(2024)帝国データバンクの分析は、主要造船のサプライチェーン(全国1.8万社・取引規模3兆円)において、受注が計画通り倍増した場合に1万人超の人手不足が生じると試算しており、みずほ銀行の産業調査も人手不足解消を通じた建造量・競争力強化を課題の中心に据えている。生産年齢人口の減少という不可逆的な人口動態トレンドのもとで、(a)DXオートメーション技術による省人化投資が計画通り進捗するシナ / 株式会社帝国データバンク 出典
H1:2030年に船舶燃料転換の離陸点5%(国際海運の使用エネルギー、最低目標)(2030)【driver】IMOは2030年に国際海運エネルギーの5%以上、努力目標10%をゼロ・近ゼロ排出技術・燃料へ移す。【scenario】H1では二元燃料船と燃料柔軟性への発注が先行し、燃料実供給が追随する離陸局面となる。【watch】適格燃料の実使用比率、長期オフテイク、改造案件数。【uncertainty】ライフサイクル認証と価格差。【反証条件】2030年実績が5%未満、また / International Maritime Organization 出典
H1:代替燃料船の需要能力が供給を先行50Mtoe/年超(低GHG燃料消費能力)(2030)【driver】DNVは代替燃料船の保有・発注増で、2030年の低GHG燃料消費能力が年50Mtoe超になると予測。【scenario】H1では船上設備の需要能力が燃料供給・価格競争力を先行し、燃料確保契約を持つ船主が稼働率で優位となる。【watch】船舶向け配分量、燃料価格差、オフテイク契約。【uncertainty】他産業との争奪。【反証条件】2030年の対応船消費能力が5 / DNV 出典
H1:燃料不足が推進方式より強い制約70Mtoe/年(2030年供給予測の下限)(2030)【driver】DNVは2030年の全産業向け低GHG燃料供給を年70~100Mtoeと予測する一方、海運取得分は小さいとみる。【scenario】H1の勝敗はエンジン性能単独でなく、認証燃料へのアクセスと調達価格で分岐する。【watch】FID済み燃料能力、海運向け契約比率、地域別供給。【uncertainty】計画の実現率。【反証条件】海運需要を満たす供給が競争価格で確保さ / DNV 出典
H1-H3:EU規制が燃料価値を段階反転80%(2020年比GHG強度削減)(2050)【driver】FuelEU Maritimeは船上使用エネルギーのGHG強度を2025年2%減から2050年80%減へ段階強化し、メタン・亜酸化窒素もWtWで算入する。【scenario】H1の化石LNG優位はH2以降、メタンスリップと上流排出で縮小し、再生可能メタノール・アンモニア等へ価値が移る。【watch】実測排出係数、プール価格。【uncertainty】適格燃料供給 / European Commission Directorate-General for Mobility and Transport 出典
H1:LNG主導だが燃料選択は固定化せず188隻(2025年LNG燃料船発注)(2025)【driver】2025年の代替燃料船発注275隻のうちLNGは188隻、メタノールは前年149隻から61隻へ減少した。【scenario】H1は燃料供給網が厚いLNGが大型コンテナ船を主導するが、発注変動の大きさから単一燃料収斂より二元燃料・改造余地が価値を持つ。【watch】燃料別GT、改造可能仕様、座礁資産割引。【uncertainty】IMO制度。【反証条件】非LNG燃 / DNV 出典
H1:コンテナ船が初期量産市場を形成69%(コンテナ船発注に占める代替燃料対応)(2024)【driver】2024年のコンテナ船新規発注の69%が代替燃料対応で、選択燃料の67%はLNGだった。【scenario】H1の量産学習、造船所標準化、機器供給網はコンテナ・自動車運搬船から進み、ばら積み船・タンカーへの展開は遅行する。【watch】船種別発注比率、機器納期、船価プレミアム。【uncertainty】運賃循環と荷主プレミアム。【反証条件】コンテナ船の対応比率が / DNV 出典
H1-H2:アンモニア機関は実証から商用競争へ100%(実機試験の最大エンジン負荷)(2025)【driver】MANの二ストロークME-LGIAは2025年に実機で25~100%負荷のアンモニア運転を検証した。【scenario】H1は大型外航船の限定案件で安全設計・パイロット燃料・排出後処理を磨き、燃料供給と規則が揃うH2に商用競争が本格化する。【watch】型式承認、初号船稼働率、N2O・アンモニアスリップ。【uncertainty】毒性対策費。【反証条件】海上初号 / MAN Energy Solutions 出典
H1:メタノールが先行商用化の橋渡し役5.2MW(Wärtsilä 32 Methanol最大出力)(2022)【driver】Wärtsilä 32 Methanolは2022年投入、2023年に初号機を納入済みで、出力3.4~5.2MWを持つ。【scenario】H1では液体燃料として扱いやすく既に商用供給されるメタノール機関が、中型船と改造市場の橋渡し技術となる。【watch】再生可能メタノール使用率、納入隻数、燃料費、改造受注。【uncertainty】グリーン分子の供給と炭素源 / Wärtsilä 出典
H1-H2:電池は外航全面電動よりハイブリッド1300隻超(世界の電池搭載稼働船)(2026)【driver】DNVによれば電池搭載船は世界で1,300隻超だが、大型外航クルーズ船の完全電動は現状のエネルギー密度とコストでは困難。【scenario】H1-H2は短距離船の電動化と、大型船のピークカット・港内ゼロ排出・発電機運転時間削減が主市場となる。【watch】搭載MWh、航路距離、充電頻度、燃料削減率。【uncertainty】電池密度と防火規則。【反証条件】大型外 / DNV 出典
H2-H3:アンモニアは深海貨物船に集中【driver】EMSAはアンモニアの毒性リスクと設計複雑性を認め、短距離・旅客・内航より深海貨物船に適する可能性を指摘する。【scenario】H2-H3では大型低速二ストロークを使うばら積み船・タンカー等へ集中し、旅客船はメタノール、LNG系、電池ハイブリッドとの棲み分けが進む。【watch】船種別受注、安全区域面積、保険料、乗員訓練。【uncertainty】国際安全規則 / European Maritime Safety Agency 出典
H1-H2:世界制度の遅延が船価と収益を二極化85%超(対象船が占める国際海運排出)(2025)【driver】IMOネットゼロ枠組みは5,000GT超の外航船を対象とし、国際海運排出の85%超を覆う設計だが、2025年の正式採択協議は2026年まで延期された。【scenario】H1は規制確度不足で燃料柔軟船のオプション価値が上がり、採択後のH2は基準超過船の支払いと低排出船の取引可能な余剰ユニット・報奨が収益差を生む。【watch】採択日、発効日、ユニット価格、対象燃 / International Maritime Organization 出典
H1-H3:新造の転換と既存船の固定化が改造市場を拡大50%超(新造発注トン数に占める代替燃料船)(2025)alive_blocked【driver】UNCTADは2025年、代替燃料船が新造発注トン数の50%超に達する一方、現役船隊の90%超は従来燃料と報告した。【scenario】H1の新造向け二元燃料機器競争と並行し、更新の遅い既存船ではH2-H3に省エネ、ハイブリッド化、燃料転換改造の利益プールが残る。新造受注だけで優位を測る企業は船隊ストックを取り逃がす。【watch】解撤年齢、改造件数、船種別残存 / United Nations Trade and Development 出典
注目シグナル・弱信号37件
IMOネットゼロ枠組み、採択投票が2026年10月まで1年延期57賛成票数(採決延期動議,2025年10月)(2025)2025年10月にIMO(国際海事機関)の臨時MEPC会合で、海運脱炭素化の柱となる「ネットゼロ枠組み」(温室効果ガス燃料規制GFIと炭素価格メカニズムの2本柱、2050年までの完全脱炭素化を目指す)の採択投票が行われたが、採決延期を求める提案に57か国が賛成し、採決続行を求めた49か国を上回って可決、再招集は1年後の2026年10月と決定した。中国・インドは延期に賛成、日本・ / IMO(国際海事機関) 出典
米国の対中造船制裁(通商法301条)港湾手数料、2026年11月まで発動停止中80USドル/純トン(2026年4月以降の上限料率)(2026)米通商代表部(USTR)は、中国建造船・中国系事業者が運航する船舶等を対象にした港湾サービス料を2025年10月14日発効・2026年4月17日に1純トンあたり50ドルから80ドルへ引き上げる措置を決定したが、2025年11月10日から2026年11月9日まで適用が停止(スイート)されている。年間の課金上限は1隻あたり5回までとされる。停止期間中は日本・韓国の船社・造船所は追加 / 米国通商代表部(USTR)/連邦官報 出典
対中造船制裁を梃子に、日本5,000億ドル・韓国1,500億ドルの対米造船投資コミットメントが発生50010億USドル(日本の対米投資コミットメント総額)(2026)alive_blocked米国の対中造船制裁(通商法301条)の圧力を背景に、日本は対米5,000億ドル投資の一環として造船能力拡大に関する協力覚書(MOU)を米国と締結し、投資・調達・人材育成・技術移転を連携させる枠組みを構築した。韓国も対米1,500億ドルの造船投資をコミットし、複数の韓国企業が米国造船所の近代化・新造支援でパートナーシップを組む。これは老朽化した米国造船基盤の再建に、日韓の資本・技 / White & Case(法律事務所インサイト) 出典
OECD、中国造船業への補助金が2024年に世界全体の84%(13億ドル)と算定84%(世界の造船業補助金に占める中国企業シェア,2024年)(2024)alive_blockedOECDは2026年公表の報告書で、世界の造船業向け補助金(交付金・税制優遇・低利融資)が2023-2024年に15億ドルを超え、うち2024年は中国企業が13億ドル(全体の84%)を占めたと算定した。2024年時点で中国造船所は売上高対比でOECD諸国の造船所の約10倍の補助を受けており、2010-2024年累計では総額256億ドルのうち213億ドルが中国向けだったとされる。 / OECD(経済協力開発機構) 出典
今治造船がJMUを子会社化(2026年1月5日)、国内シェア過半の連合が始動60%(今治造船のJMU出資比率,2026年1月時点)(2026)国内最大手の今治造船は2026年1月5日付でジャパンマリンユナイテッド(JMU)を子会社化(出資比率30%→60%)し、両社合算で国内建造量の過半を占める企業連合が発足した。背景には中国・韓国勢の攻勢があり、日本の世界建造シェアは2024年時点で1割台まで低下している。国土交通省は2025年12月に「造船業再生ロードマップ」を策定し、2035年に国内建造量を1,800万総トンへ / 日本経済新聞 出典
無人運航船プロジェクトMEGURI2040、実証船4隻が自動運航船として国交省検査に合格(2026年3月)4隻(自動運航船認証取得数,2026年3月時点)(2026)日本財団が主導するMEGURI2040プロジェクト第2ステージで、旅客船「おりんぴあどりーむせと」・既存RORO船「第二ほくれん丸」・新造内航コンテナ船「げんぶ」「みかげ」の実証船4隻すべてが2025年12月〜2026年3月にかけて国土交通省の船舶検査に自動運航船として合格し、商用運航下で自動運転レベル4を実現した。背景には少子高齢化に伴う船員不足とヒューマンエラー事故への危機 / 商船三井(MOL)/日本財団 出典
アンモニア燃料船、日本郵船・商船三井が相次ぎ商用化へ(2026年就航目標)9隻(商船三井のアンモニア主燃料船,2029年目標)(2029)日本郵船はジャパンエンジンコーポレーション・IHI原動機・日本シップヤードと連携し、アンモニアを燃料兼貨物として使う外航船を2026年11月完成目標で建造中である。商船三井も名村造船所・菱造船(三菱重工業傘下)と共同開発したアンモニア燃料の大型輸送船で日本海事協会の設計基本承認(AiP)を取得し、ネットゼロ・エミッション外航船の1番船として2026年頃の竣工・就航を計画、さらに / 日本経済新聞 出典
国内修繕ドックが逼迫、定期検査集中と船齢高齢化で入渠期間が長期化(2026-27年)70%(2025年定期検査船のうち船齢15年以上比率)(2025)海事プレス「修繕ドックガイドブック2026」によれば、世界の船舶修繕需要はClarksonデータで年平均3%のペースで増加しており、2025年には約11,800隻が定期検査を受け、2026-27年には年間12,000隻超が検査対象となる見通しである。定期検査を受ける船舶のうち船齢15年以上の割合は2016年の約45%から2025年には約70%まで上昇しており、船齢15年の船は1 / 海事プレス/商船三井(MOLサービス) 出典
中国造船が2024年に世界建造量の74%を席巻、AI・デジタルツイン導入圧力が競合各国に波及74%(中国の2024年世界建造トン数シェア)(2024)alive_blocked業界調査(StartUs Insights)によれば、中国の造船所は2024年に世界建造トン数の74%を獲得し、アジア太平洋地域全体で世界の造船能力の約80%を占める(うち中国単独で約40%)。この競争圧力を受け、デジタルツイン技術を導入した造船所の72%が生産性向上を報告し、54%がIoTセンサーへの投資を進めている。自動運航船市場は2032年に191.7億ドル規模(年率13 / StartUs Insights 出典
代替燃料船受注は隻数減でも大型化19.8million GT(2025)弱信号:2025年上期の代替燃料船受注は151隻で前年同期179隻を下回る一方、総トン数は1,980万GTと78%増えた。コンテナ船中心に少数・大型案件へ資本が集中しており、普及を隻数だけで測ると転換速度を過小評価する。モメンタムは大型船で強、ETAは今後4〜10カ月の規制明確化後に投資加速とDNVが示唆。 / DNV 出典
メタノール受注が一年で急減61orders(2025)弱信号:メタノール燃料船の新規受注は2024年149隻から2025年61隻へ急減し、先行燃料の勢いが規制不確実性と投資再評価に敏感であることを示す。一方でゼロにはならず複数船種へ残るため撤退ではなく選別局面と読むべきだ。モメンタムは短期弱含み、ETAはIMO枠組みの再審議が進む2026年以降に再加速可否が判明。 / DNV 出典
LNGが規制不透明期の待避先に188orders(2025)弱信号:2025年の代替燃料船275隻のうちLNG燃料船は188隻で、全新造船総トン数の31%を占めた。代替燃料船全体の受注が前年比47%減る局面でもLNGが首位を維持しており、船主が燃料供給網と実績を重視する「移行燃料回帰」が表面化した。モメンタムは強、ETAは2026〜27年の規制・燃料価格次第で持続性を判定。 / DNV 出典
IMO世界規制の採択が一年延期5000GT threshold(2026)弱信号:IMOのNet-Zero Frameworkは2025年4月に承認されたが、同年10月の特別会合は結論を出さず2026年まで延期された。5,000GT超を対象とする燃料強度規制・排出価格の確定遅れは、アンモニアやメタノール船の投資判断を直接後ろ倒しする。モメンタムは政策面で減速、ETAは2026年再審議、採択後の発効は16カ月後。 / International Maritime Organization 出典
船舶燃料はWell-to-Wake評価へ19gCO2eq/MJ(2034)弱信号:IMO承認案はゼロ・ニアゼロ燃料のGHG強度をWell-to-Wakeで評価し、2034年末までは19.0gCO2eq/MJ以下、2035年から14.0以下を閾値とする。燃焼時CO2ゼロだけでは足りず、アンモニア・水素・メタノールの製造由来排出が船の適格性を左右する。モメンタムは制度設計済み、ETAは枠組み採択・発効後。 / International Maritime Organization 出典
アンモニア二ストロークが実船段階へ800tests(2025)弱信号:EverllenceのME-LGIAは2023年から800回超のアンモニア試験を重ね、最初の商用機関を2026年第1四半期に納入予定。VLAC、PCTC、バルカーへ案件が分散し、単一実証から船種横断の初期市場へ移る兆候である。モメンタムは試験から受注・納入へ強まる段階、ETAはQ1 2026納入後の実船運航実績が採用拡大の分岐点。 / Everllence 出典
PCTCがアンモニア機関の初期需要を形成4engines(2025)弱信号:Höegh Autolinersは9,100CEU級Aurora型PCTC 4隻向けに、アンモニア二元燃料7S60ME-LGIA機関4基を発注した。アンモニア運搬船以外の荷主接点が強い自動車船で商用受注が生まれ、脱炭素要求が推進方式へ波及している。モメンタムは初回商用ロット形成、ETAは建造・機関納入後の運航開始時。 / Everllence 出典
メタノール改造が新造船依存を崩す15meters(2024)dead弱信号:Maersk Halifaxは既存コンテナ船として業界初のメタノール二元燃料改造を完了し、燃料タンク確保のため船体を15m延長、積載力を788TEU増やした。代替燃料化が新造更新だけでなく船体延長を伴う大規模改造でも成立する実例である。モメンタムは初号案件、ETAは同社の改造効果検証後、既存大型船への横展開可否が判明。 / A.P. Moller - Maersk 出典
メタノール船隊が実証から量産へ19vessels in operation(2025)弱信号:Maerskは2025年にメタノール二元燃料船10隻を受領し、稼働する自社二元燃料船を19隻へ拡大、2026年にも6隻を受領予定とした。単船デモから同型船群の運航・燃料調達最適化へ論点が移る。モメンタムは実運航データの蓄積段階、ETAは2026年の追加引渡し後に稼働率・燃料利用率の比較が可能。 / A.P. Moller - Maersk 出典
大型LNG船にも電池ハイブリッド余地15% GHG reduction弱信号:Wärtsiläは実運航速度が設計19.5ノットより低い約15ノットである点に着目し、LNG船向け電池ハイブリッド設計で燃料約10%、GHG約15%、メタンスリップ20%超の削減を提示した。電動化が短距離フェリーだけでなく外航大型船の部分負荷最適化へ広がる兆候だ。モメンタムは設計提案段階、ETAは採用案件の建造・実測時。 / Wärtsilä 出典
代替燃料船隊が2028年に倍増局面へ50Mtoe/year(2030)弱信号:DNVは代替燃料対応船の稼働隻数が2028年までにほぼ倍増し、2030年には低GHG燃料を年50Mtoe超消費できる船隊容量に達すると予測する。受注隻数の増減より、引渡し済み船の燃料需要が供給投資を先導する転換点が近い。モメンタムは強、ETAは2028年の船隊倍増、2030年の50Mtoe超。ただし燃料供給の立ち上がり遅延が稼働率と船主の投資回収を毀損する主要な破壊要因 / DNV 出典
アンモニア四ストロークが95%混焼へ95% ammonia energy share(2025)弱信号:Wärtsiläの商用船向け四ストローク機関は、2023年の市場投入後の試験でアンモニアのエネルギー比率95%に達し、FuelEU Maritime基準との比較でGHGを最大90%削減した。同社従来性能から18%改善しており、課題が燃焼可否から効率・信頼性の最適化へ移った。モメンタムは性能改善中、ETAは受注船への搭載・実海域検証後。競争軸は高混焼率に加え、パイロット燃 / Wärtsilä 出典
風力推進が燃料転換を迂回して商用成熟9TRL(2023)フレットナー・ローターは商用利用可能なTRL9に達し、すでに数十隻が運航中または導入予定。燃料そのものを置換せず消費量を直接削減するため、高価な代替燃料と専用機関への投資需要を侵食し得る。2026-07-19原資料確認。 / International Maritime Organization 出典
減速運航が無投資で燃料需要を約2割削減19% total voyage fuel saving船速を10%下げると、航海時間の増加を織り込んでも航海全体の燃料節約は約19%。導入投資は不要であり、船隊更新を待たず代替燃料需要を縮小できる一方、輸送能力と売上への影響が制約となる。2026-07-19原ページ確認。 / International Maritime Organization 出典
船上CO2回収が既存燃料船の延命経路に38% carbon-emissions reduction(2024)DNVのSuezmaxモデルでは、機器統合を最適化した船上CO2回収により最大38%の炭素排出削減が可能。既存燃料・既存機関を継続利用できるため、ゼロ炭素燃料船への全面更新を遅らせる代替経路となる。ただし陸上荷揚げインフラが普及条件。2026-07-19原ページ確認。 / DNV 出典
効率化だけで中立燃料船2500隻分を代替16% global-fleet fuel-consumption reduction(2030)DNVは2030年までに運航・技術効率化で世界船隊の燃料消費を最大16%削減でき、その効果を最大船型2,500隻へカーボンニュートラル燃料を投入する場合に相当すると試算。燃料供給量だけでなく代替燃料船の必要隻数を構造的に押し下げる。2026-07-19原ページ確認。 / DNV 出典
原子力コンソーシアムが燃料補給網そのものを迂回4years to commercial readiness(2025)Lloyd’s Register、Seaspan、LucidCatalystの研究は、集中開発開始から4年で製造型原子力推進ユニットが商用準備に達し得るロードマップを提示。燃料費50米ドル/MWh未満という条件も示され、成立すれば従来燃料・グリーン燃料双方の補給網を迂回する新規競争軸になる。2026-07-19原ページ確認。 / Lloyd's Register 出典
機器販売後のライフサイクル収益が売上の過半を占める52% of net sales from services(2025)Wärtsiläの2025年売上高69.14億ユーロのうち、サービス売上は52%。代替燃料対応は新造機関の販売だけでなく、既存船の改造、部品、保守契約、性能最適化という継続収益を生む。設備導入台数より、稼働船へのサービス契約付帯率が利益プール獲得の重要指標となる。原文の「Net sales EUR 6,914 million」「Service sales of total 52 / Wärtsilä 出典
ライフサイクル型事業は二桁利益率を確保12% comparable operating margin(2025)Wärtsiläの2025年比較可能営業利益は8.29億ユーロ、売上高比12.0%。サービスが売上の52%を占める事業構成と合わせると、低排出推進の利益源は初期機器だけでなく、長期保守・改造・運航最適化を含むライフサイクル全体にある。ただし会社全体の利益率であり、サービス単独マージンではない。原文のEUR 829 millionおよび12.0%を照合した。 / Wärtsilä 出典
2030年燃料構成はアンモニア優位を明示的に反証可能6% of shipping final energy from ammonia(2030)IEAのネットゼロ経路では、2030年の海運最終エネルギーに占めるアンモニアは6%、メタノールは1%。したがって「メタノールが長距離海運の主流燃料になる」という評価は、2030年時点でメタノール比率がアンモニアの6分の1程度にとどまる場合に棄却すべきである。逆にメタノールが6%へ接近すればIEA経路側が外れたと判断できる。 / International Energy Agency 出典
燃料供給予測は必要量の32%から134%まで分散32% of required 2030 SZEF supply, low case(2030)Global Maritime Forumの2025年評価では、2030年に必要なスケーラブル・ゼロ排出燃料に対し、計画中供給量の実現範囲は必要量の32%から134%。下限では深刻な供給不足、上限では必要量超過となり、単一の市場規模予測は信頼できない。NO-GO基準は、案件のFID・建設移行後も供給カバレッジが必要量の3分の1前後から改善しない場合と置ける。 / Global Maritime Forum 出典
需要形成が進まなければ400隻相当の導入不足400large SZEF-capable container ships equivalent shortfall(2030)Global Maritime Forumは、現状の需要見通しでは2030年の5%目標に必要な需要の約3分の1しか形成されず、不足は燃料油換算約900万トン、スケーラブル・ゼロ排出燃料対応の大型コンテナ船約400隻に相当するとする。船舶発注がこの不足を縮めないことは、燃料供給設備や専用推進機関への先行投資を停止・縮小する明示的なベアケースとなる。 / Global Maritime Forum 出典
アンモニア物流が液体水素輸送をコストで迂回14USD/GJ liquid-hydrogen shipping cost, lower bound at 10,000 km(2030)IEAは1万kmの海上輸送費を、液体水素14–19米ドル/GJ、アンモニア2–3米ドル/GJと推計する。アンモニアは水素キャリア兼船舶燃料として、液体水素専用船・液化設備の利益プールを侵食し得る。液体水素の下限14米ドル/GJでもアンモニア上限3米ドル/GJの約4.7倍であり、輸送距離の長い航路ほど脅威が強い。 / International Energy Agency 出典
燃料供給より船舶需要と金融がボトルネックへ移行20% of required vessels delivered on current order trajectory(2030)Global Maritime Forumの2023年評価では、計画中のゼロ排出燃料生産は保守ケースで必要量の4分の1にすぎない一方、案件が多く成功すれば他産業需要を考慮しても必要量の最大2倍となり得る。対応船の現行発注軌道は必要隻数の5分の1にとどまるため、供給設備の希少性を前提にした利益期待は、船舶発注・オフテイク・金融不足によって崩れる可能性がある。 / Global Maritime Forum 出典
代替燃料対応能力と実使用が乖離6.5% of operating tonnage capable of using alternative fuels(2023)2023年時点で代替燃料を使用可能な運航船腹はトン数ベース6.5%にとどまり、DNVは実際に低炭素・カーボンニュートラル燃料を使う船が少なすぎると指摘。対応船の受注・配備だけでは燃料需要が立ち上がらず、既存燃料の継続利用やデュアルフューエル設備の遊休化が起こり得る。 / DNV 出典
グリーン回廊は案件数拡大より実現率がボトルネック4green corridors at realisation stage out of 84 active initiatives(2025)2025年のグリーン海運回廊は84件まで増えたが、船舶・燃料設備・インフラの建設または運用を伴う実現段階に到達したのは4件のみ。従来燃料とのコスト差が需要形成を阻み、発表案件数が代替燃料船の確定需要を過大表示する構造を示す。 / Global Maritime Forum 出典
荷主自身が電池船を商用運航し船社依存を迂回6.8MWh battery capacity(2022)肥料会社Yaraは6.8MWhの完全電池式コンテナ船Yara Birkelandを2022年に商用運航へ投入。荷主とKONGSBERGが船舶・電気推進・自律運航を直接統合するモデルであり、短距離物流では従来船社や燃焼機関メーカーを介さない新規参入経路となる。 / Yara International 出典
多燃料SOFCが燃焼機関の燃料別ロックインを脅かす5years to potential operational-efficiency demonstration(2023)DNVは、アンモニア・LNG・メタノール・水素から発電できる固体酸化物形燃料電池について、進行中のパイロットが5年以内に運航効率を実証し得ると評価。単一燃料向け内燃機関ではなく多燃料発電基盤が成熟すれば、燃料選択ごとの主機更新需要を弱める可能性がある。 / DNV 出典
産業構造・集中度32件
世界新造船受注の国別シェアと集中度の推移(2016-2024年)71%(2024年 中国の世界新造船受注シェア)(2024)世界の新造船受注(契約年ベース・総トン)の国別シェアは、2024年時点で中国71%・韓国15%(または14%・出典により差異)・日本8%・欧州2%・その他3〜8%となり、日中韓3か国で9割超を占める寡占構造が定着している。2016〜2020年の時点では中国30〜47%・韓国27〜44%・日本14〜19%と3か国が拮抗していたが、2021年以降中国が受注の4割台から2024年には / 国土交通省海事局 出典
造船企業別建造量ランキングと寡占構造の質的評価(2024年)2024年の世界造船企業別建造量ランキングでは、中国は中国船舶集団(CSSC、国営)が1,300万総トン超で首位、韓国はHD現代・サムスン重工業・ハンファオーシャン(旧大宇造船海洋を韓国財閥ハンファグループが2023年5月に買収・社名変更)の大手3社が続く。国土交通省の資料は明示的に『中国造船業は国営企業のCSSCが寡占状態』『韓国造船業は大手3社が独占』と評価しており、日本側 / 国土交通省海事局 出典
日本国内の造船業再編―今治造船によるJMU子会社化と国内シェア5割超(2025-2026年)50%超(今治造船+JMU 国内建造量シェア)(2026)国内最大手の今治造船は2025年6月にジャパン マリンユナイテッド(JMU、国内2位)の株式追加取得で合意し、議決権比率を30%から60%に引き上げて子会社化することとし、2025年11月に公正取引委員会が世界シェア基準(外航船の合計世界シェアは最大でも約20%にとどまる)で競争制限のおそれなしと判断、2025年12月25日に国内外の競争法審査が完了、2026年1月5日付で子会 / 公正取引委員会/今治造船/時事通信 出典
造船企業グループ別世界建造シェア(2019年実績)と韓国大手2社統合による寡占進行40%(2019年時点で試算された韓国大手2社統合後の単純合計シェア)(2019)国土交通省の2020年資料によれば、2019年の世界建造量6,793万総トンに対しグループ別シェアは現代重工業17%・大宇造船海洋10%・CSSC(中国)9%・今治造船8%・サムスン重工業5%・揚子江船業5%・JMU4%・川崎重工業3%・江蘇新時代造船3%・CSIC(中国)3%で、上位10グループ合計は67%、残り33%が『その他』に分散する構造であった。同時期に韓国の1位企業 / 国土交通省海事局(海事産業将来像検討会) 出典
日本造船業の建造量長期減少と『造船業再生ロードマップ』にみる産業ライフサイクル段階(2026年1月)-44%(日本の建造量 2019→2024年の減少率、1,600万総トン→900万総トン)(2024)国土交通省海事局船舶産業課が2026年1月に公表した『造船業の現況と造船業再生ロードマップについて』は、日本の造船業建造量が2019年の1,600万総トンから2024年には900万総トンへと5年で約4割減少し、日本船主の年間造船需要(約1,200万総トン)を国内建造能力(約900〜1,000万総トン)が下回る状態が常態化していると明記する。同資料は『我が国造船業は衰退のおそれ』 / 国土交通省海事局船舶産業課 出典
日本の造船業・舶用工業の事業者数・従業員・産業規模(2023-2024年時点)900事業者数(造船業、2024年)(2024)国土交通省の2025年10月時点資料によれば、日本の造船業(年度統計)は事業者数約900・従業員7.4万人(2024年、外国人技能者含む)・産業規模3.0兆円(2023年度)であり、建造船腹量ベースで世界第3位の地位にある。関連する舶用工業(暦年統計)は事業者数約800・従業員4.6万人(2021年時点)・産業規模1.0兆円(2023年)である。造船業は約900という多数の事業 / 国土交通省海事局 出典
日中造船コスト構造比較と利益圧迫要因(船価の7割が材料費)20%(日中の船舶建造コスト格差、40,000DWT級ばら積み船)(2026)国土交通省の分析(2026年1月)によれば、船価の約7割を鋼材・舶用機器等の材料費が占める構造のため、受注から竣工までの期間(近年3〜4年)における鋼材価格上昇局面では利益が圧迫されやすい。日本と中国の建造コストを100対80のインデックスで比較すると、日本を100とした場合の内訳は鋼材30・その他材料費40・工費20・その他経費10であるのに対し、中国は鋼材16・その他材料費 / 国土交通省海事局 出典
船舶修繕(リペア&メンテナンス)セグメントの市場規模と成長見通し―新造船市場との構造差異2.5378億米ドル(日本の船舶修理市場規模、2025年推計)(2025)新造船建造が中韓の寡占進行下で厳しい国際競争にさらされる一方、船舶修繕(ship repair and maintenance)は既存船腹量の維持・環境規制対応改修需要に支えられ相対的に安定した成長セグメントである。日本の船舶修理市場は2025年時点で約25.4億米ドル規模と推計され、2034年には約53.8億米ドルへ年平均8.70%で成長すると予測されている。成長要因として、 / IMARC Group / 国土交通省海事局 出典
日本船主の中国造船所への発注シフトと国内サプライチェーン毀損リスク40%程度(2024年時点、日本船主発注のうち中国造船所向けの割合)(2024)国土交通省(2026年1月)によれば、日本船主は竣工年ベースで年間おおむね1,200万総トン前後の船舶を発注しているのに対し、2020年以降の日本造船所の建造能力はおおむね900〜1,000万総トン程度にとどまり需要を下回る状態が続いている。この供給不足を背景に、2022年以降は日本船主による中国造船所への発注が急増し、全体の3〜4割程度(2010年代後半は約1〜2割)を占める / 国土交通省海事局船舶産業課 出典
IMOネットゼロ枠組みの採択延期による設備仕様・投資時期の不確実性12カ月(IMO Net-Zero Framework採択審議の延期期間)(2025)IMOは2025年10月、燃料GHG基準と排出価格制度を含むNet-Zero Frameworkの採択審議を12カ月延期した。代替燃料船への需要方向は維持される一方、具体的な適合仕様と発効時期が未確定となり、造船所には設計凍結の遅延、燃料別設備への先行投資の座礁、船主の発注延期という構造的リスクが生じる。後半は公表事実に基づく戦略的推論。取得日: 2026-07-19。 / International Maritime Organization 出典
新造船需要の半数が代替燃料対応へ移行―標準船量産から燃料別設計競争へ50%(2024年発注トン数に占める代替燃料対応船)(2024)Clarksons Researchによると、2024年に発注された船舶トン数の50%が代替燃料対応で、代替燃料対応船は820隻・62.2百万GTに達した。燃料別にはLNG、メタノール、アンモニア、LPG、水素へ分岐しており、既存の標準船量産能力だけでは競争優位を維持しにくい需要構造へ転換している。取得日: 2026-07-19。 / Clarksons Research 出典
アンモニア二元燃料主機が全負荷試験段階へ―商用化前だが設計選択を左右する成熟度100%エンジン負荷(アンモニア燃料による全負荷試験)(2025)MAN Energy SolutionsのME-LGIA二ストローク機関は2025年1月にアンモニア燃料で初めて100%負荷運転を達成した。ただし同社は市場投入を2026年末と見込み、実船運航の良好な経験と建造日程を条件としている。技術は研究用単気筒から実寸機の全負荷試験まで進んだ一方、商用実証前であり、造船所がアンモニア対応設備へ全面投資するには残存リスクがある。取得日: 2 / MAN Energy Solutions 出典
風力補助推進の既存船レトロフィットが新造代替・修繕需要再編要因に100隻超(風力推進技術を搭載した大型商船)(2026)International Windship Associationによると、風力推進を利用できる大型商船は2026年に100隻を超え、後付け型でも船舶推進エネルギーの5~20%を供給できる。既存船の燃費・排出性能を船体更新なしで改善できるため、新造需要の一部を先送りする代替技術となる一方、修繕所には甲板補強・基礎工事・搭載工事という新市場を生む。需要への影響は公表値に基づく戦 / International Windship Association 出典
自動車メーカーの船主化―SAIC自営船隊による発注者構造の垂直統合14隻(SAIC Anji Logisticsが今後3年間に追加予定の遠洋自動車運搬船)(2024)SAIC Motor傘下のAnji Logisticsは2024年時点で自営自動車船31隻を保有し、今後3年間に7,000~9,000台積みの遠洋船14隻を追加すると公表した。荷主である自動車メーカーが大規模船隊を直接保有することで、従来の海運会社中心の発注構造が変わり、特定荷主による船型仕様・造船所選定・物流容量の垂直統合が進む。取得日: 2026-07-19。 / SAIC Motor 出典
米国の対中造船措置が施行前に軟化―LNG輸出許可停止条項を遡及撤廃46米ドル/純トン(外国建造の自動車運搬船に対するサービス料)(2025)USTRは2025年4月に決定した対中海事・造船措置を同年10月に修正し、外国建造船の利用制限に違反した場合にLNG輸出許可を停止できる条項を4月17日に遡って撤廃した。一方、外国建造の自動車運搬船には10月14日から純トン当たり46ドルの入港料を設定した。産業保護策が荷主・エネルギー輸出への影響を受けて短期間で反転し得ることを示し、米国造船所への需要誘導効果を不安定化させる。 / Office of the United States Trade Representative 出典
韓国Hanwhaが米国造船能力を最大10倍へ―保護市場に外国資本・系列需要で参入5十億米ドル(Hanwha Philly Shipyardインフラ投資計画)(2025)Hanwhaは買収済みのPhilly Shipyardに50億ドルを投じ、ドック2基と岸壁3基などを増設し、年間生産量を2隻未満から最大20隻へ引き上げる計画を公表した。系列船社はMR型石油・ケミカルタンカー10隻も発注した。単なる船主化である既存SAIC事例と異なり、外国大手が米国内の造船資産、技術、系列受注を一体化して保護市場へ参入する構造変化であり、既存米造船所の希少能力 / Hanwha Group 出典
自律運航船が任意コード発効から強制規制への移行段階へ―造船競争軸が船体から統合システムへ2032年(強制MASS Codeの予定発効年)(2026)IMOはAI・遠隔運航船向けMASS Codeを2026年5月に採択し、7月1日に任意制度として発効させた。強制コードは2030年7月までの採択、2032年1月の発効を予定する。完全無人・遠隔船はなお限定的だが、設計承認、接続性、サイバーセキュリティ、陸上遠隔運航センターまで建造要件へ組み込まれるため、既存造船所の優位性を船殻建造能力からソフトウェア・通信・認証統合能力へ移す脅 / International Maritime Organization 出典
船上CCSが燃料転換の代替経路に―新造燃料船と既存船改造の需要配分を再構成28百万米ドル(14,500~18,999TEU深海コンテナ船の船上CCS追加CAPEX推計)(2024)IMO向け包括影響評価は船上CCSをTRL 7~8、TRL 9での商用化を2030年と想定する。14,500~18,999TEUの深海コンテナ船では追加CAPEXを2,800万ドル、新造船価格を1億3,900万ドルと推計し、後付けはさらに50%高コストと仮定した。船上CCSが成立すれば、代替燃料対応の新造船だけでなく、従来燃料船の延命改造とCO2貯蔵設備の修繕需要が競合する。既 / International Maritime Organization / DNV 出典
小型原子炉ハイブリッド船がAiP取得―燃料別設計競争を回避し得る長期代替技術2.6MW(検討中のMicro Modular Reactor出力上限)(2026)Lloyd’s Registerは、豪Seatransportと開発した原子力対応ハイブリッド推進コンセプトにApproval in Principleを付与した。対象は73m・90mの揚陸支援船で、1.2~2.6MWのMicro Modular Reactorとディーゼル電気推進を組み合わせ、2030年代初頭の普及を想定する。現時点では設計承認段階だが、実用化すればアンモニア / Lloyd’s Register 出典
金属積層造形が実運用艦の大型推進器まで到達―鋳造・在庫型の修繕供給網を代替2.5m(実運用艦に搭載された金属3Dプリント推進器の直径)(2020)Naval Groupは、金属ワイヤー溶融積層造形で製造した直径2.5m、5枚翼(各200kg)の推進器を仏海軍掃海艇Andromèdeに搭載した。2020年12月の海上試験後も通常任務で使用され、翼はBureau Veritasの認証を取得している。積層造形が試作品から認証済み重要部品へ進んだ実例であり、鋳造設備、集中生産、物理在庫、長距離物流に依存する舶用部品・修繕企業の参 / Naval Group 出典
香港条約が高齢船の修繕継続・解撤判断を再編―既存船IHM対応の2030年期限2030年(既存船のIHM国際証書取得期限)(2030)IMOの香港条約実施FAQは、既存船について、2030年6月26日またはそれ以前に解撤する時点までに有害物質一覧表(IHM)の国際証書を取得するよう定めている。IMOは、対応を期限直前まで先送りするとバックログが生じ得るとも明記する。検査、文書化、部材情報管理という新たな修繕・船級需要を生む一方、船齢と対応費用によっては追加修繕ではなく早期解撤を促し、高齢船修繕業者と低規制解撤 / International Maritime Organization 出典
代替燃料4ストローク主機HHI下限5625HHI下限(2024)代替燃料で作動する4ストローク中速主機では、WärtsiläのMWベース世界シェアが約75%。残余25%の企業別配分が非開示でも、同社分だけでHHIは75²=5,625となるため、実際のHHIは必ずこれを上回る。米司法省の一般的な2,500基準を大幅に超える水準であり、この中核サブ市場は極めて集中度が高い。全代替燃料推進市場ではなく、該当主機区分の下限推定である。 / Wärtsilä 出典
Wärtsiläが代替燃料主機で75%75%(MWベース)(2024)Wärtsiläは、代替燃料で作動する4ストローク中速主機の市場シェアをMWベースで約75%と開示している。全燃料を含む同区分の約45%より30ポイント高く、脱炭素化が既存大手への集中を強めている構図である。燃料柔軟性、将来燃料への改造可能性、10年後も支援できるサービス基盤が選定要因となり、新興専業には参入障壁となる。 / Wärtsilä 出典
補機は代替燃料化で集中が進行25%(MWベース)(2024)Wärtsiläの2024年投資家資料では、補機市場の自社シェアは全体約15%に対し代替燃料エンジンでは約25%。同社は、持続可能燃料が補機をコモディティから差別化品へ変え、市場を集約していると説明する。主機だけでなく補機でも、燃料供給・制御・排ガス処理を統合できる大手へシェアが寄る兆候があり、推進システムの競争単位は単品から統合パッケージへ移行している。 / Wärtsilä 出典
ハイブリッド推進は上位5社で60%超60%超(CR5)(2025)alive_blockedFortune Business Insightsは、Wärtsilä、ABB Marine、Siemens Energy、MAN Energy Solutions、CaterpillarのTier1五社が、船舶ハイブリッド推進市場の60%超を占めるとする。エンジン、電池、推進機器、デジタル電力管理を一括提供する能力と世界的サービス網が集中の源泉である。CR4は非開示だが、CR / Fortune Business Insights 出典
主要統合プレイヤーは10社10社(2025)alive_blockedGrand View Researchが船舶ハイブリッド推進市場で主要企業として列挙するのは10社。ABB、Wärtsilä、Rolls-Royce、MAN Energy Solutions、Siemens Energy、Kongsberg、GE Marine、Volvo Penta、Caterpillar、BAE Systemsである。機関・電機・自動化をまたぐ総合OEMが中 / Grand View Research 出典
ライフサイクルは成長期11.1% CAGR(2026)alive_blocked船舶ハイブリッド推進市場は2025年81億ドル、2026年89億ドルから2033年187億ドルへ拡大し、2026~2033年CAGRは11.1%と予測される。二桁成長、既存大手の統合パッケージ競争、レトロフィットの過半占有を総合すると、産業ライフサイクルは導入実証だけの萌芽期を越えた「成長期」と判定できる。一方、標準化・勝者固定が完了した成熟期には未到達である。 / Grand View Research 出典
売上構造は改造需要が65%超65%超(売上シェア)(2025)alive_blockedGrand View Researchによれば、2025年の船舶ハイブリッド推進市場はレトロフィットが売上の65%超を占める。新造船だけでなく既存船改造が最大の需要プールであり、競争優位は初期搭載シェアだけでは測れない。既存搭載機器へのアクセス、寄港地でのサービス網、船級承認を含む改造エンジニアリングが顧客接点を囲い込み、OEM・システム統合企業のアフターマーケット支配を強める / Grand View Research 出典
方式別では並列ハイブリッドが首位55.9%(売上シェア)(2025)alive_blocked2025年の船舶ハイブリッド推進市場では、並列ハイブリッドが売上の55.9%を占める。既存の機械推進と電動機を併用・切替でき、統合リスクとシステム複雑性を抑えやすいことが標準方式化を支える。方式集中は、並列型の制御、ギア、電池統合に実績を持つ既存OEMへ案件が寄る一方、ディーゼル電気式や直列型との差別化余地を限定するため、技術ポートフォリオ配分に直結する。 / Grand View Research 出典
代替燃料船需要はコンテナ船に集中68%(発注隻数シェア)(2025)DNVによると、2025年の代替燃料船新規発注は275隻で、コンテナ船が代替燃料船発注の68%を占めた。全新造船の代替燃料比率はGTベース38%を維持したが、その安定は主にコンテナ船に依存する。したがって供給企業の成長性は市場全体の平均より、コンテナ船主・大手造船所へのアクセスに左右される。バルク・タンカーの投資停滞は顧客業種分散の弱さを示す。 / DNV 出典
燃料選択はLNG・メタノールに90.5%集中90.5%(燃料CR2、隻数)(2025)DNVの2025年発注実績は代替燃料船275隻のうちLNG188隻、メタノール61隻で、上位2燃料の合計は249隻、90.5%となる。アンモニア・LPGは限定的で、燃料方式の競争は多候補が並存しつつも商用発注では二方式へ強く集中している。推進OEMにとって短期の量産・サービス投資はLNG/メタノールが中心となる一方、将来燃料への転換可能性が製品選定条件になる。 / DNV 出典
代替燃料船は実証段階を越え成長期515隻(新規発注)(2024)DNVのAFI集計では、2024年の代替燃料対応船の新規発注は515隻と前年比38%増加した。LNG船の発注は264隻で2023年の130隻から倍増し、アンモニア燃料船も8隻から27隻へ拡大。さらにLNG燃料船の稼働隻数は2021~2024年に倍増し、2024年末で641隻に達した。単年の実証案件ではなく発注・稼働基盤が同時に拡大しており、産業ライフサイクルは成長期にある。ただ / DNV 出典
産業連関・経済波及37件
造船業・舶用工業の産業規模と従業員数(2023年度/2021年暦年)3兆円(造船業産業規模)(2023)国土交通省海事局「船舶産業を取り巻く現状」(2025年6月19日資料)によれば、我が国の海事クラスターの中核である造船業は2023年度時点で従業員7.0万人・産業規模3.0兆円・事業者数約900、舶用工業は2021年暦年で従業員4.6万人・産業規模0.9兆円・事業者数約1,000。建造船腹量ベースで世界第3位(日本・中国・韓国で世界建造量の9割超、近年は日本17%前後・中国5割 / 国土交通省海事局 出典
日本海事クラスター全体の売上高・付加価値額・従事者数(経済波及・GDP寄与の裏付け)3.9兆円(海事クラスター付加価値額)(2018)日本舶用工業会(JSMEA)資料「日本舶用工業の現状と課題」(2020年8月21日、国土交通省海事イノベーション部会提出)は、(公財)日本海事センター及び交通政策白書2018の推計として、日本海事クラスター全体の売上高規模を12.1兆円、付加価値額を3.9兆円、従事者数を35万人と示す。内訳は造船業(事業所数約1,000・従業員約83,000人・営業収入約2兆4,000億円〈主 / 日本舶用工業会(JSMEA)/国土交通省海事局 出典
船舶輸出額の推移(2021→2022年、財務省貿易統計ベース)1.157兆円(2022年船舶輸出額)(2022)日本貿易会(JFTC)「日本貿易の現状2023」(財務省貿易統計・通関ベースを集計)によれば、2022年の船舶輸出は389隻・1兆1,570億円(前年比+10.2%)で、2年連続の減少から3年ぶりに増加に転じた。内訳は貨物船(一般貨物船・バルカー等)233隻・8,100億円(前年比+6%)、タンカー110隻・3,300億円(前年比+23%)。国別ではリベリア向け3,420億円( / 一般社団法人日本貿易会(JFTC)/財務省 出典
船舶・舶用機器の輸出比率(建造・生産に占める輸出向けの割合)49%(船舶輸出比率)(2020)JSMEA資料(2020年)によれば、日本の造船業は建造量の49%が輸出向け(残り国内造船向け製造が76%という表現は国内船主・商船隊向け供給構造を示す関連指標)、舶用機器は生産量の24%が輸出向けで、日本商船隊向け製造が51%を占める。機器の国内調達率は92%(国内建造船が搭載する舶用機器の9割超を国内舶用工業が供給)、国内調達比率は77%(国外調達23%)。財務省貿易統計の / 日本舶用工業会(JSMEA)/財務省 出典
船価の3倍の経済波及効果と海事クラスターの川上川下構造3倍(船価に対する経済波及効果の倍率)(2024)国土交通省「海事:造船業の国際競争力の強化」ページによれば、造船所は資機材の9割超を国内から調達し、多数の舶用メーカー・協力事業者と密接に関連した「海事クラスター」を形成しており、これにより船価の3倍の経済波及効果が生じているとされる。交通政策白書(第5章)は、部品国内調達率95%(海外5%)、国内生産比率78%(海外22%)、地方生産比率94%(大都市圏中心市6%)という構造 / 国土交通省 出典
地域別生産集中と国内調達構造(交通政策白書の地図データ)94%(地方生産比率)(2022)交通政策白書第5章「地域経済を支え、世界と戦う造船業・舶用工業の振興」は、造船業・舶用工業の生産が西海市(長崎県、造船業比率80%)、越智郡・臼杵町(愛媛県・大分県、70%超)、三原市(広島県、30%)など地方圏の特定都市に極端に集中する円グラフ地図データを掲載。国内生産比率78%・地方生産比率94%・部品国内調達率95%という3指標は、造船業が製造業の海外生産シフトが進む中で / 国土交通省(交通政策白書) 出典
韓国政府による約1.2兆円の公的支援と国際競争構造(反証条件・競合相対)1.2兆円(韓国政府による造船業への公的金融支援規模)(2024)交通政策白書第5章によれば、韓国政府は韓国産業銀行・韓国輸出入銀行等の政府系金融機関を通じ、経営難に陥った造船会社に対し約1.2兆円規模の大規模金融支援や、信用力の低い造船事業者への公的保証付与による受注支援を実施しており、日本はこれを「造船市場を歪曲する措置」としてOECD造船委員会等で是正を要請、2018年11月にはWTO協定に基づく紛争解決手続を開始した(二国間協議継続中 / 国土交通省(交通政策白書) 出典
韓国船舶輸出の生産誘発額(競合国ベンチマーク)71.3117兆KRW(生産誘発額)(2024)2024年の韓国船舶輸出は、国内全体で71兆3,116.7億ウォンの生産を誘発した。2022年韓国産業連関表とHSコード準拠の船舶輸出統計を接続した混合産業連関モデルによる推計であり、日本の既存「船価の3倍」という概数に対し、主要競合国での絶対的な波及規模を示す。 / Korea Citation Index / Asia Pacific Journal of Business 出典
韓国船舶輸出の付加価値誘発額(競合国ベンチマーク)16.2553兆KRW(付加価値誘発額)(2024)同じ混合産業連関分析で、2024年の韓国船舶輸出による付加価値誘発額は16兆2,553.3億ウォン。売上・生産額だけでは捉えられない、船舶輸出が国内に残す所得・利益等の規模を示す比較軸となる。 / Korea Citation Index / Asia Pacific Journal of Business 出典
韓国船舶輸出の雇用誘発規模(競合国ベンチマーク)201566人(全国雇用誘発)(2024)2024年の韓国船舶輸出が全国経済で誘発した雇用は201,566人。造船所内の直接雇用だけでなく、鉄鋼、金属加工、機械、卸小売、金融、科学技術・専門サービス等への間接効果を含む。 / Korea Citation Index / Asia Pacific Journal of Business 出典
韓国船舶輸出の波及先産業構造2.155倍(生産誘発倍率)(2024)混合産業連関分析では、船舶輸出の間接誘発効果が造船業内の直接効果を上回る。波及が大きい部門は一次鉄鋼、金属加工、汎用機械、精密機器に加え、卸小売、事業支援、専門サービス、金融、科学技術まで広がる。造船の経済波及が製造業内に閉じず、高付加価値サービスへ及ぶことを示す。 / Korea Citation Index / Asia Pacific Journal of Business 出典
日本造船業の雇用縮小と地域波及力の制約70300人(造船業雇用)(2023)日本の造船雇用は2016年の9万人超から2023年の70,300人へ減少した。造船需要が増えても、直接雇用と地域所得への波及を実現する供給能力が人手不足で制約され得ることを示す時系列指標である。 / OECD 出典
日本舶用機器産業の国内統合率92%(舶用機器産業の国内統合率)(2024)OECDは日本の舶用機器産業の国内統合率を約92%としている。船舶建造需要が輸入部品へ漏出しにくく、国内の機器・部品企業へ波及しやすい供給網構造を示す。 / OECD 出典
日本舶用機器生産額とディーゼル機関への集中470十億円(舶用機器総生産額、うちディーゼル機関264十億円)(2024)2024年の日本の舶用機器生産額は4,700億円で、このうちディーゼル機関は2,640億円。造船の上流波及先が抽象的な『舶用工業』ではなく、機関系に大きく集中していることを示す。 / OECD 出典
船舶修繕需要の国内船主依存度96%超(日本船主による修繕委託比率)(2024)2018~2024年に日本の修繕ヤードが受注した修繕案件の96%超は日本船主からの委託だった。新造船の輸出依存とは対照的に、修繕の地域経済効果は国内船隊の更新・保守需要に強く連動する。 / OECD 出典
EU造船・修繕産業の売上高・付加価値・雇用規模22.7十億ユーロ(GVA。売上高82.6十億ユーロ、粗利益6.5十億ユーロ)(2023)EUの造船・修繕セクターは2023年に売上高826億ユーロ、GVA 227億ユーロ、粗利益65億ユーロを創出し、約33.3万人を直接雇用した。売上高は前年比17%、GVAは14%、粗利益は24%、雇用は5%増加しており、市場拡大が付加価値と利益の双方に波及している。 / European Commission, EU Blue Economy Observatory 出典
EU造船・修繕バリューチェーンの付加価値配分23%(機器・機械のセクターGVA構成比)(2023)EUセクター内では造船が雇用の約84%、GVAの約77%を占める一方、機器・機械は雇用16%に対してGVA 23%を創出する。機器・機械側のGVAシェアが雇用シェアを7ポイント上回り、高付加価値な上流領域の存在を示す。 / European Commission, EU Blue Economy Observatory 出典
米国造船・修繕産業のGDP波及倍率3.48倍(総GDP効果÷直接GDP)(2019)米国民間造船・修繕産業の2019年の直接GDPは121.86億ドル。操業による間接・誘発GDP 290.83億ドルと設備投資による11.01億ドルを含む総GDP効果は423.70億ドルで、直接効果に対する倍率は3.48倍だった。IMPLANの産業連関モデルによる後方連関の推計。 / U.S. Department of Transportation, Maritime Administration (MARAD) 出典
米国造船・修繕産業の雇用波及倍率3.67倍(総雇用効果÷直接雇用)(2019)直接雇用107,180人に対し、操業由来の間接・誘発雇用276,100人、設備投資由来10,110人を含む総雇用効果は393,390人。雇用倍率は3.67倍で、直接雇用1人につき他産業で追加的に2.67人の雇用と関連する。 / U.S. Department of Transportation, Maritime Administration (MARAD) 出典
造船・修繕からサービス産業への最大波及経路148740人(サービス産業の操業由来間接・誘発雇用)(2019)米国の操業由来の間接・誘発効果276,100人のうち、サービス産業が148,740人、労働所得84.24億ドル、GDP 102.96億ドルを占めた。製造業への波及は27,250人・GDP 39.72億ドルであり、造船の経済波及は素材・製造だけでなく、経営、設計・エンジニアリング、専門・雇用・業務支援サービスへ大きく流れる。 / U.S. Department of Transportation, Maritime Administration (MARAD) 出典
船外で行う定常保守・修繕の直接経済規模627百万ドル(直接GDP)(2019)米国では造船所外で行われる定常的な船舶保守・修繕(NAICS 488390)が2019年に直接雇用6,350人、労働所得5.88億ドル、GDP 6.27億ドルを創出した。造船所内活動と分離された修繕専業部分の経済規模を示す。 / U.S. Department of Transportation, Maritime Administration (MARAD) 出典
造船・修繕産業が支える税収波及8.4549十億ドル(連邦・州・地方の総税収効果)(2019)米国造船・修繕産業が直接生み出した連邦・州・地方税は24.097億ドル。サプライチェーンの間接税26.765億ドルと雇用者消費による誘発税33.687億ドルを含む総税収効果は84.549億ドルとなった。産業支援をGDP・雇用だけでなく財政還流で評価できる。 / U.S. Department of Transportation, Maritime Administration (MARAD) 出典
米国造船・修繕の原材料投入比率と防衛需要依存78.7%(軍用造船・修繕の売上構成比)(2019)米国民間造船・修繕産業では原材料・資材購入が総費用の34.1%、賃金が26.9%を占める。また、2019年売上の78.7%が軍用造船・修繕、商用は21.3%だった。素材価格への感応度と政府調達への需要集中が、波及効果の大きさと変動リスクを同時に規定する。 / U.S. Department of Transportation, Maritime Administration (MARAD) 出典
2030年ゼロ排出対応船の追加収益6.9十億米ドル(追加収益レンジ下限、上限36.0)(2030)2030年に新造する主要貨物船が全てゼロ排出対応となる場合、世界の造船業が得る追加収益は69億〜360億米ドル。対象はコンテナ船、ばら積み船、油・液化ガス・ケミカルタンカーで、メタノール・アンモニア中心の低CapExと水素燃料電池を含む高CapExを比較する。船上推進・燃料貯蔵設備の追加価値が造船所だけでなく、エンジン、タンク、制御機器の川上需要へ波及する幅を示す。 / International Council on Clean Transportation (ICCT) 出典
日本の追加収益は最大125億ドル2.1十億米ドル(追加収益レンジ下限、上限12.5)(2030)ICCTは、2019〜2022年の船種別市場シェアを維持すると仮定し、日本の2030年ゼロ排出対応船建造による追加収益を21億〜125億米ドルと試算した。基準ケース21億米ドルに対し97〜583%の上積みで、中韓よりレンジが広い。小・中型船に高価な水素燃料電池を組み込む高CapExケースの影響が大きく、日本の造船所から燃料電池、電動機、貯蔵・制御系サプライヤーへの需要波及余地を / International Council on Clean Transportation (ICCT) 出典
中国が追加収益の最大受益国3.1十億米ドル(追加収益レンジ下限、上限15.9)(2030)ICCTの2030年シナリオでは、中国のゼロ排出対応船建造による追加収益は31億〜159億米ドルで、基準ケース31億米ドル比98〜510%増。主要3カ国中の絶対額が最大である。中国はコンテナ船、ばら積み船、タンカーの既存建造シェアを背景に、代替燃料エンジン、燃料タンク、燃料供給・安全制御システムの量産需要を国内サプライチェーンへ取り込めるため、日本企業には市場機会と部品現地化リ / International Council on Clean Transportation (ICCT) 出典
韓国の追加収益レンジは相対的に狭い1.5十億米ドル(追加収益レンジ下限、上限6.2)(2030)ICCTは韓国の2030年追加収益を15億〜62億米ドル、基準ケース24億米ドル比60〜253%増と試算する。液化ガスタンカーなど大型船への特化により、分析上は高価な水素燃料電池を大型船の経路に置かず、低・高CapExの差が中日より小さい。経済波及はLNG・メタノール・アンモニア対応の大型二元燃料機関、極低温タンク、燃料供給系など高額な船上装備へ集中し、韓国造船所の調達先が川上 / International Council on Clean Transportation (ICCT) 出典
2026〜30年の船上システム需要波及14.7十億米ドル(2026〜2030年累計追加CapEx下限、上限80.5)(2030)ICCTは2026〜2030年のゼロ排出対応船建造に伴う世界の追加CapExを、低ケース147億米ドル、高ケース805億米ドルと推計し、別に基準推進システム収益173億米ドルを置く。これは船価全体ではなく、代替燃料・推進経路による増分である。需要は造船所から、二元燃料機関、燃料電池、電動推進、燃料貯蔵・供給・安全系へ直接伝播するため、装備品供給能力が経済波及のボトルネックかつ利 / International Council on Clean Transportation (ICCT) 出典
東アジア3国が増分収益の大半を捕捉14.2十億米ドル(3国累計追加収益下限、上限77.4)(2030)中国・韓国・日本が2019〜2022年の合計市場シェアを維持する場合、2026〜2030年の追加収益捕捉額は142億〜774億米ドルで、基準推進システム収益167億米ドル比85〜463%増となる。世界追加額147億〜805億米ドルとの比較では約96%を3国が得る計算で、低排出船への移行は造船国間の所得移転を伴う。船上装備の設計・ライセンスを欧州勢が握れば、造船収益と国内付加価値 / International Council on Clean Transportation (ICCT) 出典
GDP寄与の概算は46億〜238億ドル4.6十億米ドル(国内付加価値推定下限、上限23.8)(2030)alive_blocked低排出・代替燃料対応船の追加収益を国内総生産への寄与に置き換える参考推定。ICCTの2030年世界追加収益69億〜360億米ドルに、OECDが示す2022年の造船輸出に含まれる国内付加価値のOECD平均66%を適用すると、国内付加価値は約46億〜238億米ドルとなる。専用産業統計がないためGDPそのものの観測値ではなく、軍艦を含む造船平均を転用した上限・下限の代理値であり、国別 / OECD/International Council on Clean Transportation (ICCT) 出典
造船輸出の国内付加価値率は66%66%(造船総輸出の国内付加価値、OECD平均)(2022)alive_blockedOECD TiVAによれば、2022年のOECD加盟国の造船総輸出に占める国内付加価値は平均66%。これは輸出額の約3分の1が輸入部材・海外サービス等に帰属し得ることを示す。低排出船専用の比率ではなく軍艦も含むISIC 3011の代理指標だが、代替燃料機関、燃料タンク、電池、電力変換器、制御系の国産化率が、受注額をGDP寄与へ変換する主要レバーである。OECDは2015〜202 / Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) 出典
日本は船用機器92%国産で波及を保持92%(日本建造船の搭載船用機器の国内製比率)(2022)alive_blocked2022年、日本建造船に搭載された船用機器の約92%は国内製で、2019年の87%から上昇。韓国は船用部品の約25%を輸入し、中国はディーゼル機関、スマートブリッジ、プロペラ装置など高付加価値部品で貿易赤字とOECDは整理する。低排出船では二元燃料機関、推進制御、省エネ機器等への置換が進むため、日本は造船受注の増分を国内の機器・電機・制御産業へ波及させやすい。一方、燃料電池や特 / Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) 出典
日本の船舶推進機関輸出は4.56億ドル455.701百万米ドル(HS840810輸出額)(2023)World Bank WITS/UN Comtradeによると、日本のHS840810「船舶推進用ディーゼル機関」輸出は2023年4億5,570万米ドル、18,913基。中国向け1億3,485万米ドル、フィリピン向け7,565万米ドルなど、アジア造船・船舶市場への供給が中心である。HS分類は二元燃料機関だけを分離しないため低排出船専用値ではないが、LNG・メタノール等の二元燃料 / World Bank World Integrated Trade Solution (UN Comtrade) 出典
米国の日本製推進機関輸入は2528万ドル25.2846百万米ドル(米国の日本からのHS840810輸入額)(2023)米国の2023年HS840810船舶推進用ディーゼル機関輸入は総額2億556万米ドルで、そのうち日本から2,528万米ドル、1,368基。日本は金額ベースでドイツ、スウェーデンに次ぐ主要供給国で、米国側から見た船上推進機関の輸入需要を確認できる。二元燃料・ハイブリッド専用分類ではないため低排出船市場の直接値とはしないが、代替燃料対応機関が輸出される際に利用される既存貿易チャネル / World Bank World Integrated Trade Solution (UN Comtrade) 出典
日本の船舶推進機関輸入は2,617万ドル26.171百万米ドル(HS840810輸入額)(2023)World Bank WITS/UN Comtradeでは、日本の2023年HS840810「船舶推進用ディーゼル機関」輸入は2,617.10万米ドル、1,797基。うちドイツが1,806.10万米ドルで金額の約69%を占め、中国296.44万、タイ202.82万米ドルが続く。低排出・二元燃料機関だけを分離しない分類だが、輸出4.56億米ドルとの対比で日本は純輸出国である一方、 / World Bank World Integrated Trade Solution (UN Comtrade) 出典
船価の60〜80%が川上サプライヤーへ波及60%(船舶価値に占める外部調達比率、上限80%)(2026)欧州委員会Blue Economy Observatoryは、船舶価値の60〜80%が外部調達され、近年の購買額では生産価値の約65〜90%に達する証拠もあると整理する。低・ゼロ排出船ではエンジン交換に加え、メタノール・アンモニア・水素用の燃料系・タンク、電池を統合するため、追加船価の受益は造船所の組立利益だけでなく、多層の機器・素材・専門サービス企業へ大きく配分される。供給制 / European Commission, EU Blue Economy Observatory 出典
中国が代替燃料船受注の68.5%を獲得68.5%(2024年の代替燃料対応船受注シェア)(2024)alive_blockedOECDは、中国造船所が2024年の代替燃料対応船の受注の68.5%を獲得したと報告する。従来船で形成した構造的コスト優位と政府支援を、ガス運搬船や代替燃料船など高付加価値領域へ拡張している。これは低排出船の追加需要が日韓欧へ均等に波及せず、中国の造船所と国内機器供給網へ集中する破壊要因である。OECD加盟国側では、船価上昇がそのまま国内GDPや利益に残るとは限らず、受注シェア / Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) 出典
研究・知識基盤39件
九州大学 船舶海洋工学科 — 国内でも数少ない船舶設計専門教育拠点九州大学工学部には船舶海洋工学科があり、全国的にも数少ない船舶の設計を専門的に学べる学科として知られる。造船そのものを対象とする研究室に加え、洋上風力発電や溶接技術を対象とする研究室も併設しており、造船技術の周辺領域(再生可能エネルギー・材料接合)まで研究範囲を広げている点が特徴。伝統的な船舶工学教育の維持にとどまらず、造船業界の脱炭素シフト・洋上風力関連需要の拡大に対応した教 / 九州大学 出典
大阪大学 船舶海洋工学コース — 柏木正教授と次世代船舶の共同研究講座大阪大学工学研究科地球総合工学専攻の船舶海洋工学コースは、耐航性能・海洋浮体工学を専門とする柏木正名誉教授(2011-2012年に国際造船分野の権威ある「Weinblum記念講演者」に選出され、後年「海洋立国推進功労者」として内閣総理大臣賞を受賞)を輩出するなど、日本の船舶海洋工学分野を牽引する拠点の一つ。大学自身が「船舶海洋工学のトップリーダーを育てることは大阪大学に課された / 大阪大学 出典
横浜国立大学 機械・材料・海洋系工学専攻 — 構造系研究室による船舶・海洋構造物の安全設計研究横浜国立大学大学院理工学府の機械・材料・海洋系工学専攻(学部は海洋空間システムデザインEP)は、船舶海洋工学を独立学科でなく機械・材料系専攻内に統合する編成を取っている点で、独立の船舶海洋工学科を持つ九州大学・大阪大学とは異なる人材供給ルートを形成している。同専攻の構造系研究室は船舶・海洋構造物の安全性と経済性を左右する構造設計手法を多角的に研究しており、造船分野の大学研究体制 / 横浜国立大学 出典
海上技術安全研究所(NMRI) — 国内唯一の海事・海洋技術総合研究機関、職員222名・4重点分野222名(職員数)(2015)国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所傘下の海上技術安全研究所は、日本で唯一の海事・海洋技術に関する総合研究機関であり、平成26年度末時点で職員222名を擁する。重点研究分野は「海上輸送の安全確保」「海洋環境の保全」「海洋の開発」「海上輸送を支える基盤的技術開発」の4本柱で構成され、本所は東京都三鷹市に置かれる(過去には北九州支所・東海支所・大阪支所を有したが統廃合済み)。 / 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(海上技術安全研究所) 出典
造船学術研究推進機構(REDAS) — 造船会社拠出による大学基礎研究助成、1993年設立から30年超の継続実績5百万円(助成上限/年)(2025)一般社団法人日本造船工業会が運営する造船学術研究推進機構(REDAS)は1993年2月に設立され、加盟造船会社の拠出金を原資に大学における船舶・海洋関連の学術基礎研究を助成する仕組みを30年以上継続している。2025年度の助成額は1件あたり年100万円から500万円で、2018年度からは博士課程進学者向けの新たな奨学金制度も追加された。単発の助成にとどまらず毎年度の交付決定テー / 一般社団法人日本造船工業会 出典
造船・船体構造分野 特許総合力ランキング — 三菱造船が首位、韓国大宇造船海洋・仏GTTが上位5位に食い込む国際競争構図225件(三菱造船 有効特許件数)(2021)特許分析大手パテント・リザルトの造船・船体構造分野ランキング(2021年8月5日時点の日本特許庁公開特許を対象)によれば、総合力スコアで三菱造船が1,088.2点(有効特許225件)で首位、三井E&S造船が637.4点(168件)で2位、韓国の大宇造船海洋が574.6点(57件)で3位、公的研究機関である海上技術安全研究所が518.9点(168件)で4位、フランスのLNG輸送・ / パテント・リザルト株式会社 出典
三菱重工 総合研究所 — 名古屋・高砂・長崎の3拠点体制、分散研究の統合(2015年)3拠点数(総合研究所主要拠点)(2015)三菱重工業は各事業所に分散していた研究開発体制を2015年に「総合研究所」として統合し、名古屋市・兵庫県高砂市・長崎市の3拠点を主要な研究室として配置する横断的な体制を構築した。造船・原動機関連技術の集積地である長崎地区・高砂地区を含む全社横断の研究統合は、事業部門別の縦割り研究開発から全社最適の研究資源配分へ転換した組織再編の事例であり、造船セクター単独の研究投資規模を切り出 / 三菱重工業株式会社 出典
三菱重工 長崎地区 — 造船発祥の地を「長崎カーボンニュートラルパーク」として脱炭素開発拠点に転換119年(長崎拠点の設立からの経過年数、報道時点)三菱重工業は1904年設立以来119年余の歴史を持つ長崎造船所と総合研究所長崎地区を一体化し、「長崎カーボンニュートラルパーク」と改称した。造船事業の発祥拠点そのものを次世代燃料船・脱炭素技術の開発拠点へ転換させた事例であり、造船業界全体が直面するGHG規制対応(次世代燃料船・ゼロエミッション船)の技術開発を、既存の重工業インフラ・熟練技術者集積を活かして進める「レガシー拠点の / 三菱重工業株式会社/電気新聞 出典
統合シミュレーション・プラットフォーム構築事業 — 官民10機関・最大120億円・5年間(2025-2030年)の大型R&D1.2e+10円(予算上限)(2025)MTI、三菱造船、常石造船、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)、三井E&S、海上技術安全研究所(海技研)、常石造船昭島研究所、大阪大学、京都大学の10機関が共同で、「持続的で競争力に優れる海事産業のための統合シミュレーション・プラットフォームの構築」事業を2025年10月から2030年9月までの5年間、最大120億円(間接経費含む)の予算規 / 三菱重工業株式会社(参画機関代表発表) 出典
MEGURI2040(日本財団 無人運航船プロジェクト) — 53社コンソーシアムが2026年3月に商業運航達成53社(DFFAS+コンソーシアム参加企業数)(2023)日本財団が2020年より推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、第2ステージ(2022年10月~2026年3月)において国内企業53社が「DFFAS+」コンソーシアムを構築し、それぞれの技術を持ち寄って自動運航船の開発・実証を進めた。2026年3月27日には実証船4隻すべてが国土交通省の船舶検査で自動運航船として合格し、商業運航を開始した。少子高齢化による船員 / 日本財団/株式会社商船三井 出典
常石造船グループ — 三井E&S造船・三井造船昭島研究所を吸収し研究開発拠点を再編(2025年6月)60%(今治造船のJMU出資比率、再編後)(2025)2025年6月26日、常石造船は傘下に収めた三井E&S造船を「常石ソリューションズ東京ベイ」へ、由良ドックを「常石由良ドック」へ、三井造船昭島研究所を「常石造船昭島研究所」へそれぞれ社名変更すると発表した。同時期に今治造船がジャパンマリンユナイテッド(JMU)の出資比率を60%に引き上げることで合意しており(今治造船30%→60%、JFE35%→20%、IHI35%→20%)、 / 日本M&Aセンター(報道) 出典
船舶修繕は新造船の約1.9倍の粗利率—ASL Marineの段階別採算25.8%(船舶修繕・改造・エンジニアリング粗利率)(2025)ASL MarineのFY2025実績では、船舶修繕・改造・エンジニアリングの粗利率は25.8%(売上S$169.6百万、粗利S$43.8百万)で、新造船の13.5%(売上S$84.9百万、粗利S$11.5百万)を12.3ポイント上回った。さらに修繕はグループ売上の49%に対して粗利の72%を生み、建造後の保守・改造が利益プールの中心となる構造を示す。取得日: 2026-07- / ASL Marine Holdings Ltd. 出典
舶用機器の隠れた利益源—Wärtsiläは売上の過半をサービスで獲得52%(サービス関連売上比率)(2025)Wärtsiläの2025年売上€6,914百万のうち52%がサービス関連だった。造船所の一回限りの建造収益だけでなく、稼働船の保守、修理、アップグレード等を継続獲得する installed-base 型モデルに大きな収益プールがあることを示す。取得日: 2026-07-19。 / Wärtsilä Corporation 出典
生産性改善シナリオのNO-GO基準—Virginia級の実績は目標の半分1隻/年(Virginia級の2025年6月時点建造ペース)(2025)米GAOによると、2025年6月時点のVirginia級潜水艦の建造ペースは年1隻で、海軍目標の年2隻の半分だった。2025年に引き渡された2隻も双方が3年以上遅延した。したがって、人員・設備投資後も年2隻へのランレート改善と遅延解消が確認できない場合、能力増強が納期・生産性を回復させるとの評価はNO-GOとなる。取得日: 2026-07-19。 / U.S. Government Accountability Office 出典
需要ベアケース—船舶建造の過剰能力が2030年まで残るシナリオ2030年(最悪シナリオで過剰能力が継続する期限)(2023)OECDの造船能力評価は、過剰能力が最楽観シナリオでも少なくとも2024年まで、最悪シナリオでは2030年まで継続するとした。需要回復だけを前提とする強気評価に対し、2030年まで能力過剰が解消しないケースを明示的なベアケース/投資撤退基準として置ける。取得日: 2026-07-19。 / Organisation for Economic Co-operation and Development 出典
燃料技術予測の数値分散—2050年も化石燃料比率53~63%のシナリオ群10ポイント(2050年化石燃料比率予測レンジ幅、53~63%)(2050)DNVは24の燃料シナリオをモデル化し、IMO ambition scenariosでも2050年の総エネルギー消費に占める化石燃料比率を53~63%と推計した。10ポイントの幅が残るため、単一燃料への研究・設備集中は頑健でない。燃料別研究基盤は複数経路を維持し、規制・供給量・価格の観測値で段階投資すべきことを示す。取得日: 2026-07-19。 / DNV 出典
規制反転リスク—IMOネットゼロ枠組みの正式採択が1年間延期1年(特別会合の延期期間)(2025)IMOネットゼロ枠組みは2025年4月に承認されたが、同年10月の特別会合は会期を1年間延期し、協議を2026年へ持ち越した。低・ゼロ排出燃料船への発注を規制確実性に依存させる研究・設備計画に対し、採択延期や制度修正が需要時期を後倒しする実在の破壊要因である。取得日: 2026-07-19。 / International Maritime Organization 出典
燃料転換が既存設計知識を陳腐化—新規発注と稼働船で構成が逆転UNCTADによると、2025年には代替燃料船が新規発注トン数の過半を占める一方、稼働船の90%超は依然として従来燃料を使用していた。この逆転は、従来型推進系中心の新造船設計知識を侵食すると同時に、既存船向け改造・燃料対応・安全評価研究を大きな移行市場へ変える。取得日: 2026-07-19。 / UN Trade and Development 出典
需要構造の減速—海上貿易成長率は2025年0.5%へ急低下0.5%(世界海上貿易量の年間予測成長率)(2025)UNCTADは世界の海上貿易量について、2024年の2.2%増から2025年は0.5%増へ減速し、2026~2030年も年平均2%の成長にとどまると予測した。船腹更新・環境規制需要があっても、貨物量起点の新造船需要が高成長へ戻るとの前提を弱める需要構造上の反証要因である。取得日: 2026-07-19。 / UN Trade and Development 出典
海事技術の収益は建造時販売とアフターマーケットで二分—Kongsberg Maritimeは後者が50%50%(Kongsberg Maritime売上に占めるアフターマーケットサービス比率)(2025)2025年売上の50%をアフターマーケットサービスが占め、新造船向け50%と同規模。受注残は新造船中心でも、既存船サービスが建造サイクルへの耐性を生むため、研究・設計知識の収益化は納船時で終わらない。 / KONGSBERG ASA 出典
ソナー・海洋ソフトウェア等の知識製品は粗利率77.9%—工数型サービスを22ポイント超上回る77.9%(Marine Technology事業の粗利率)(2024)Coda OctopusのMarine Technology事業は2024年度粗利率77.9%、Services事業は55.8%。同社はソフトウェアが一般に高マージンであることも明記しており、海洋技術では工数販売よりIP・ソフトウェア・レンタルを含む製品層に利益が偏る構造を示す。 / Coda Octopus Group, Inc. 出典
設備能力の増加だけでは受注不足を解消しない—Tier 2造船所は能力35%に対し受注残10%10%(Tier 2造船所が占める世界受注残比率)(2023)UNCTADによるとTier 1約100造船所が世界の造船能力65%で受注残90%を握る一方、Tier 2は能力35%を持ちながら受注残は10%。したがって、低炭素船の専門知識・技術力・信用を伴わない単純な設備増強は需給逼迫解消策としてNO-GOとなる。 / UN Trade and Development 出典
造船知識の地理的重心が中国へ集中—2024年契約トン数の74.4%を獲得74.4%(中国の世界契約総トン数シェア)(2024)中国は2024年の世界契約総トン数の74.4%、2025年初の受注残総トン数の63.7%を占めた。研究・設計・サプライチェーン学習が最大市場へ累積するため、日韓欧の既存知識基盤には規模だけでなく学習曲線上の脅威となる。 / UN Trade and Development 出典
船体中心の設計知識からサイバー保証へ—IACS E26/E27が2024年7月契約船から適用2024年(改訂UR E26/E27の適用開始年)(2024)IACSの改訂UR E26/E27は、2024年7月1日以降に建造契約される対象船へ船舶および搭載システムのサイバー・レジリエンス要件を適用。競争力の前提が船体・機関設計だけでなく、ソフトウェア、機器ベンダー管理、サイバー検証能力へ拡張した。 / International Association of Classification Societies 出典
自律船が設計・承認・運航知識を再編—IMOは2032年の強制コード発効を予定2032年(強制MASS Codeの予定発効年)(2032)IMOの非強制MASS Codeは2026年7月に発効し、航行、接続性、遠隔運航、サイバーセキュリティ、Remote Operations Centreを新たな設計・承認領域に組み込む。強制コードは2030年までの採択、2032年1月発効が予定され、従来型造船知識だけの研究基盤を陳腐化させ得る。 / International Maritime Organization 出典
船舶水素推進特許は10年で約5倍24国際特許ファミリー(船舶用水素内燃機関)(2020)EPO・IEAの国際特許ファミリー集計では、船舶向け水素推進の年間特許は2011年から2020年に、燃料電池が3件から19件、内燃機関が5件から24件へ増加した。両方式がほぼ並行して伸びる一方、発明の主眼は船上水素貯蔵で、用途は潜水艦に偏る。商船の燃料供給・安全統合にはなお知財の空白があり、貯蔵と一般商船適用が差別化余地となる。 / European Patent Office / International Energy Agency 出典
NTNUの船舶電動化中核研究者2018設立年(2018)ノルウェー科学技術大学(NTNU)のMehdi Zadeh教授は、2018年設立のMarine Electrification Lab(MARIT Lab)を率いる。研究対象はゼロエミッション船向けハイブリッド電気推進で、船上DC電力系統のモデル化、設計・制御、エネルギー管理・最適化までを一体で扱う。燃料単体ではなく、電源・蓄電池・推進負荷を統合する知識基盤が強みである。 / Norwegian University of Science and Technology 出典
NTNU燃焼研究のアンモニア集積2030HYDROGENi終了予定年(2030)NTNUのCombustion and Kinetics(ComKin)は、船舶用アンモニア・水素エンジンのCAHEMA、Bergen EnginesやSINTEF Ocean等と組むAMAZE、2030年までのHYDROGENiを研究群として束ねる。燃焼数値解析と実験を両輪に、着火・排出・燃料柔軟性を研究するため、単発実証ではなく複数プロジェクト間で知見を蓄積できる点が競争力 / Norwegian University of Science and Technology 出典
日本の舶用水素・アンモニア研究中核400kW海上技術安全研究所の動力システム研究グループは、仁木洋一グループ長らが船舶用バイオ燃料、水素、アンモニアを研究する。独自水素噴射系を発電出力400kWの天然ガス火花点火機関へ後付けし、水素専焼に近い条件で安定燃焼・クリーン排気・高熱効率を実証。EGRや水噴射まで掘り下げるため、国産舶用機関の安全な水素転換に直結する知識基盤である。 / 海上技術安全研究所 出典
アンモニア混焼の未解決排出課題1.6倍(液化水素比の体積発熱量)海上技術安全研究所は、液体アンモニアの単位体積発熱量が液化水素の約1.6倍で、船上搭載性に優れる一方、ディーゼルとの混焼実験で未燃アンモニアと温室効果ガスN2Oの排出を確認した。今後は混焼状態の詳細解析と水素を用いる燃焼促進を進める。炭素を含まないことだけでは環境性能を保証せず、排気後処理と燃焼制御の知財が採用を左右する。 / 海上技術安全研究所 出典
UCLの海運脱炭素研究リーダーalive_blockedUniversity College LondonのTristan Smith准教授は、海運に特化した研究グループを率い、需要、効率、石油から蓄電池・風力・水素由来燃料への移行を、産業・政策の両面から研究する。推進機器単品ではなく船隊転換と燃料選択を結ぶ分析が特徴で、代替燃料船の需要シナリオ、技術経済性、政策効果を横断評価する主要な学術ハブとして位置付けられる。 / University College London 出典
ミシガン大学の船上電力系統基盤alive_blockedミシガン大学は専属の船舶海洋工学部門を持ち、Marine Engineering Laboratoryでは船上電力・電気推進、海水冷却、燃料系統の縮小実機を統合する。造船設計のThomas McKenney、海運の水素・eメタノール・eアンモニア評価に関わるMatthew Colletteらを擁し、MI Hydrogenとも連携。代替燃料を船体・電力系統へ組み込む教育研究基盤が / University of Michigan Engineering 出典
MARINの推進・流体統合試験拠点オランダMARINのZero Emission Labは、燃料電池、蓄電池、スーパーキャパシタ、電動機、先進内燃機関、ハイブリッド用ギアを備え、実プロペラを持つキャビテーショントンネルへ接続する。加減速、波浪、操船、キャビテーションを含む動的負荷で電源と推進流体を結合試験できるため、ベンチ単体では見えない制御・効率・耐久リスクを設計前に検証できる。 / Maritime Research Institute Netherlands 出典
Wärtsiläの代替燃料R&D集積250百万ユーロ(2022)Wärtsiläは2022年、フィンランド・Vaasaに総投資約2.5億ユーロのSustainable Technology Hubを開設した。燃料分析、単気筒から製品エンジンまでの試験、製造、遠隔監視を集約し、メタノール、アンモニア、水素の適合性を研究する。研究と量産を同一拠点で回す構造は、燃料仕様から燃焼・材料・供給系までの検証期間を縮め、製品化速度を高める。 / Wärtsilä 出典
MANの実寸アンモニア二スト試験12カ月超(先行単気筒試験)(2024)MAN Energy SolutionsはResearch Centre Copenhagenで、アンモニア対応二ストロークME-LGIAのフルスケール4T50研究機試験を2024年12月に開始した。単気筒で12カ月超の試験を経て、燃焼・排出、機関調整、噴霧器、制御系の検証へ移行。大型外航船の主機は実寸試験障壁が高く、この拠点と蓄積データが商用化時期・信頼性を左右する参入障壁と / MAN Energy Solutions 出典
ShipFCの2MWアンモニア燃料電池2MW(2025)EU Clean Hydrogen PartnershipのShipFCは、アンモニアを燃料とするモジュール型2MW燃料電池を大型オフショア建設船へ統合し、1年間に少なくとも3,000時間の商用運航で検証する計画である。研究室規模からMW級船上実証へ進むことで、燃料処理、電力統合、安全、保守の運用データを形成する。成功すれば内燃機関以外の大型船ゼロ排出推進の設計標準を押し上げる / Clean Hydrogen Joint Undertaking 出典
Apolloが既存船アンモニア改造を実証7.31445e+06ユーロ(総事業費)(2023)Horizon EuropeのApolloは総費用731万4,447.98ユーロで、既存オフショア支援船の二元燃料主機をアンモニア70%、LNG29%、舶用軽油1%の三元燃料へ改造する。目標は運航CO2を70%削減し、NOxを2.4g/kWh未満に抑え、浚渫船・建設船にも再現性を検証すること。新造だけでなく既存船改造を知識化する点が、船隊更新速度の制約に効く。 / European Commission CORDIS 出典
船舶持続可能推進特許は技術・国別に主導者が分化1074特許ファミリー公開件数(2023)WIPOの海上輸送特許分析では、持続可能推進・高効率船型の特許ファミリー公開数が2000年の211件から2023年の1,074件へ増加。持続可能な炭素系燃料は同期間に54件から593件へ増えたが、2022年の834件をピークに翌年減少した。中国は電動推進、韓国は水素・燃料電池と持続可能燃料を主導し、企業・機関では三菱重工、GTT、哈爾浜工程大学などが上位。単純な件数増ではなく、 / World Intellectual Property Organization 出典
SINTEFは代替燃料と電動系を同一拠点で統合試験1MW/試験台(2026)SINTEF Oceanの海事エネルギーシステム研究所は、船舶の複雑なハイブリッド電力系統を再現できる6つの試験セルを保有する。メタノール、LNG/LBG、アンモニア、水素に個別供給系を備え、各試験台で最大1MW、700~1000VDCまたは400~690VACを扱い、電池専用セルも設置。物理機器とシミュレータを組み合わせる仮想ハイブリッド試験にも対応し、燃料別の孤立試験ではな / SINTEF Ocean 出典
競合プレイヤー・シェア34件
世界造船シェアの三極構造変化(2024→2025年、中国・韓国・日本)62.7%(2025年受注シェア中国)(2025)2025年の世界受注シェアは中国62.7%(前年比受注量35%減)・韓国20.6%(同8%増)・日本4.9%(同53%減)。2024年は完成量ベースで中国55.7%・新規受注ベースで74.1%だった。2025年に中国が失速した主因はトランプ米政権による中国建造船への入港課徴金方針。韓国はAI導入と外国人材確保で追い上げ、最大手HD韓国造船海洋(HD現代重工業グループ)は過去最高 / ニュースイッチ(日刊工業新聞社)/フューチャーインベスター(note) 出典
中国船舶集団(CSSC)—世界最大手造船会社の受注・収益実績23%(世界新造受注シェア)(2024)CSSC(中国船舶集団)は2024年に新造船受注4820万重量トンを獲得し、これは世界シェア23.0%、韓国最大手の3.2倍の規模。2024年の営業収入は785.8億元(前年比5.0%増、ドル換算約108.05億ドル)、純利益は36.1億元(同22.2%増)。中国は15年連続で世界最大の造船国であり、CSSCは中国船舶重工集団と中国船舶工業集団の統合再編で誕生した国有巨大企業。 / 中国国務院国有資産監督管理委員会(SASAC) 出典
韓国3強(HD現代重工業/サムスン重工業/ハンファオーシャン)の受注残・利益率構造8.93百万CGT(HD現代重工業受注残)(2024)韓国造船大手3社の受注残(CGTベース)はHD現代重工業893万CGT、サムスン重工業872万CGT、ハンファオーシャン849万CGTと僅差で並ぶ。いずれも受注残の6-7割をLNG運搬船等の高付加価値ガス運搬船が占め、HD現代重工業はガス運搬船比率が現状29%から年末までに60%へ上昇予定。鋼材価格の上昇が船価上昇ペースに追いつかず原価が安定化しているため利益率が拡大しており、 / The Korea Herald 出典
今治造船×ジャパンマリンユナイテッド(JMU)経営統合による世界4位浮上4位(統合後の世界建造量順位)(2025)日本最大手の今治造船が2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)を子会社化。単独では2024年の建造量で今治造船が328万総トンで世界6位、JMUが141万総トンで12位だったが、合算すると469万総トンとなり、韓国ハンファオーシャン(370万総トン)を上回って世界4位に浮上する見通し。両社は既に2021年に資本業務提携し共同営業設計会社「日本シップヤード(NSY)」を設立済み / 時事通信 出典
今治造船のJMU株式取得、公正取引委員会が世界シェア基準で承認公正取引委員会は2025年11月18日、今治造船による同業2位JMUの子会社化(株式取得)を承認した。審査にあたっては国内シェアだけでなく世界シェアを基準に競争への影響を判断しており、大型商船市場ではグローバルな競合(中国・韓国大手)が十分に存在するとの整理で問題なしと結論づけられた。造船業のM&A審査が国内市場でなく世界市場を単位に行われた点は、競合プレイヤー・シェア分析上、 / みなと新聞(カジプレス) 出典
造船業界トップ10グループ売上高合計 10兆3300億円(2024年度)10.33兆円(トップ10グループ売上高合計)(2024)造船業界の世界売上高ランキング上位10グループの売上高合計は2024年度で10兆3300億円に達し、為替影響を除く実質ベースで前年比10%増となった。韓国大手3グループ(HD現代重工業・サムスン重工業・ハンファオーシャン系)が軒並み前期比20%以上の増収を記録し、日本の造船各社も売上規模を拡大させている。首位はHD韓国造船海洋(HD現代重工業グループの持株会社)、2位は中国船舶 / みなと新聞(カジプレス) 出典
造船・艦艇分野を含む広義の企業別世界市場シェアランキング14.04%(韓国造船海洋の広義シェア)(2024)商船に加え艦艇・防衛造船を含めた広義の集計では、韓国造船海洋(HD現代重工業グループ持株会社)が14.04%で首位、以下General Dynamics(米)11.59%、Huntington Ingalls Industries(米)9.35%、中国船舶集団(CSSC)8.51%、大宇造船海洋(韓国)7.10%、三菱造船(日本)5.25%、フィンカンティエリ(伊)5.14%、 / deallab(市場分析サイト、原典はMordor Intelligence等の集計) 出典
生産量シェアの多面的内訳(完成量・新規受注・手持ち工事量の3指標比較)74.1%(中国の2024年新規受注シェア)(2024)2024年の造船生産量シェアを完成量・新規受注量・手持ち工事量(バックログ)の3指標で見ると、中国は完成量55.7%・新規受注74.1%・手持ち工事量63.1%と、いずれの指標でも過半を占めるが、特に新規受注シェアが最も高く今後さらに完成量シェアが伸びる見通しを示唆する。韓国は生産量シェアで約28%、日本は約12%、欧州は約4%。中国・韓国・日本の3か国合計で世界の造船生産量の / Better Equation Research(note) 出典
世界造船竣工量の国別実数(UNCTAD統計、中韓の絶対量差)39118千総トン(中国2024年竣工量)(2024)UNCTAD統計(総トン数100トン以上の商船対象、内陸水路船・漁船・軍艦は除外)によると2024年の竣工量は中国39,118千総トン、韓国20,091千総トンで、中国は韓国の約1.95倍の絶対量を建造している。同統計は2003年から2024年までの時系列データを保持しており、中国が2000年代後半以降韓国・日本を逆転し差を拡大してきた長期トレンドを裏付ける一次統計として位置づ / GLOBAL NOTE(原典UNCTAD) 出典
ハイブリッド推進は欧米大手5社で6割超60%超(上位5社合計)(2025)alive_blocked船舶用ハイブリッド推進では、Wärtsilä、ABB Marine、Siemens Energy、MAN Energy Solutions、CaterpillarのTier 1五社が合計60%超を占める。各社はエンジン、蓄電池、推進機、エネルギー管理を一括提供し、フェリー、OSV、艦艇で優位に立つ。単品機器ではなく統合パッケージと世界的保守網が参入障壁であり、競争軸は初期価格か / Fortune Business Insights 出典
主要推進プレイヤー10社の競争地図10社(2025)alive_blocked公開市場調査が主要企業として挙げる上位層は、ABB、Wärtsilä、Siemens Energy、MAN Energy Solutions、Caterpillar、BAE Systems、GE、Nidec、Mitsubishi Heavy Industries、Rolls-Royceの10社。欧州勢が統合電気・ハイブリッド推進で厚く、米国勢は大型エンジン・艦艇、日本勢はMHI / Fortune Business Insights 出典
Wärtsiläのハイブリッド案件シェア26%26%(案件ベース)(2023)Wärtsiläは2023年11月の投資家資料で、エンジン・蓄電池ハイブリッド船舶プロジェクトの現行市場シェアを26%と開示した。同時点の受注・稼働実績は約81隻、搭載蓄電池は115MWhで、個社シェアと設置基盤を同時に確認できる希少な一次情報である。上位5社合算60%超という市場構造の中でも同社単独の比重は大きく、マルチ燃料エンジンと電池統合を束ねる能力が競争優位になっている / Wärtsilä 出典
Wärtsiläシェアは25%から26%へ25%(設置MWhベース)(2022)Wärtsiläは2022年通期決算資料で船舶ハイブリッド推進の市場シェアを設置済みMWhベース25%と開示し、2023年11月資料ではエンジン・蓄電池ハイブリッド案件ベース26%を示した。分母がMWhと案件数で異なるため厳密な同一系列ではないが、二つの一次開示はいずれも約4分の1の地位を裏づける。競合比較では、容量ベースと案件ベースのシェア定義を分離して評価する必要がある。 / Wärtsilä 出典
代替燃料船建造は上位10造船所に76%集中76%(上位10造船所)(2024)alive_blocked2015~2024年の代替燃料対応船建造は、世界上位10造船所で生産の76%を占める。OECDは主要拠点を韓国、中国、日本とし、韓国のHyundai Heavy IndustriesとSamsung Heavy Industriesを大型LNG船・超大型コンテナ船の代表例に挙げる。通常船より高度な燃料・エンジン統合、研究開発投資、機器メーカーとの関係が必要なため、脱炭素化が進ん / OECD 出典
代替燃料船受注簿は中韓で89%89%(中国・韓国合計、CGT)(2024)alive_blocked2024年9月時点の代替燃料対応船オーダーブックはCGTベースで中国47%、韓国42%、欧州6%、日本3%。中韓合計89%で、米国は主要区分として表示されないほど小さい。中国は全船種オーダーブック55%に対し代替燃料船47%だが、韓国は全体25%に対し代替燃料船42%と大幅に上振れる。量の中国、代替燃料船への特化度の韓国、推進機器に強い欧州という分業構造が明瞭である。 / OECD 出典
韓国は代替燃料船への特化度69%69%(韓国の引渡船)(2024)alive_blocked2024年に韓国で引き渡される船舶の69%が代替燃料対応で、2026年には約80%へ上昇する見通しである。対して欧州は2015年4.4%から2024年40%、中国は同1%から22.5%へ上昇したが、日本は調査期間を通じ10%未満。韓国はLNG対応船を軸に最も高い特化度を持ち、中国は絶対受注量で首位、日本はバルカー中心の船種構成が移行速度を抑えるという競争上の差がある。 / OECD 出典
代替燃料エンジン設計はMAN中心に欧州優位51%(ドイツ、搭載隻数ベース)(2024)alive_blocked既存船と受注船を合算した代替燃料対応船の搭載隻数ベースで、ドイツのエンジン設計者は51%を占め、その中心はMAN Energy Solutionsである。中国21%、フィンランド14.5%、日本4%、米国1.5%が続く。造船では中韓が89%を握る一方、船上推進の中核設計ではドイツ・フィンランドが優位であり、船体建造と知財・設計主導権が地域間で分離している。韓国は建造シェアに比し / OECD 出典
中国造船所のグリーン船受注シェア78.5%78.5%(2024年新規受注)(2024)alive_blocked中国造船所は2024年、代替燃料船などグリーン船の世界新規受注で78.5%を獲得した。同じ出典で全新造船受注は1億1,305万DWT、世界シェア74.1%であり、グリーン船シェアは全船種を4.4ポイント上回る。OECDの9月末オーダーブックCGTシェア47%とは、受注期間・単位・ストック対フローが異なるため直接比較できないが、足元の新規案件獲得で中国が急伸し、韓国の高付加価値領 / Seatrade Maritime News / CANSI 出典
アンモニア対応船受注は中国が韓国の約2.7倍400000CGT(中国)(2024)alive_blocked2024~2027年のアンモニア対応船オーダーブックは、中国約40万CGT、韓国約15万CGT、日本約5万CGT。中国は韓国の約2.7倍、日本の8倍で、バルカー、LPG船、原油タンカー、コンテナ船、タグまで船種が分散する。韓国はLPG船中心、日本はバルカー中心で、規模だけでなく用途多様性でも中国が先行する。次世代燃料船で韓国のLNG優位を中国が別燃料・複数船種から崩す構図が見え / OECD 出典
メタノール対応船受注は中国233隻で中韓日の競争差が拡大233隻(中国のメタノール対応船受注)(2025)alive_blockedOECDがClarksons WFRを基に集計した2025年7月25日時点のメタノール対応船オーダーブックは、中国233隻、韓国36隻、日本32隻で、中国は韓国の約6.5倍、日本の約7.3倍に達する。2024年9月時点には中国が韓国を上回る見通しとされていたが、翌年の実数では差が明確化した。一方、韓国はLNG・LPG対応船で優位を保ち、燃料別に中国の量的優位と韓国のガス船特化が / OECD 出典
中国の代替燃料船新規受注シェアは2024年68.5%68.5%(代替燃料船の2024年新規受注)(2024)alive_blockedOECDの2026年分析では、中国造船所は2024年の代替燃料船新規受注の68.5%を獲得した。既存レコードのCANSI由来78.5%とは集計定義が異なるため単純比較できないが、異なる一次・準一次集計でも中国が過半を大幅に超える点は一致する。さらに中国建造船は主要船種で価格優位を持ち、LNG船でも過去4年平均約5%安いとされ、韓国・欧州の高付加価値領域への破壊圧力が価格面にも及 / OECD 出典
Wärtsilä Marineの利益源は機器販売後のサービス売上22.22億ユーロ2222EUR million(Marineサービス売上)(2025)Wärtsilä Marineの2025年サービス売上は22.22億ユーロ(2024年20.50億ユーロ)。スペア部品、保守、アップグレード、性能契約など、搭載後の継続収益が大規模な利益プールを形成する。年次報告書はMarineの長期契約に、船舶稼働時間など運用指標連動の変動料金が含まれることも開示しており、稼働データと契約サービスが隠れた収益源となる。 / Wärtsilä 出典
サービスがWärtsilä全社売上の52%を占める52%(全社売上に占めるサービス)(2025)2025年の全社売上69.14億ユーロのうち52%がサービス関連。代替燃料エンジンの競争は新造船への初期搭載台数だけでなく、長期保守、改造、性能最適化契約を囲い込める設置基盤の規模で収益性が決まることを示す。 / Wärtsilä 出典
規制不透明化時のベアケースでは代替燃料船受注が47%減47%(代替燃料対応船受注の前年比減少率)(2025)2025年の代替燃料対応船受注は275隻で前年比47%減。DNVは、燃料インフラ・規制確実性・商業採算が揃う案件へ投資が集中し、資本コストに敏感なバルク・タンカーでは従来燃料が選好されたと説明する。したがって、世界共通規制の実装遅延、燃料供給網の未整備、資本コスト高止まりが同時継続することが、強気な競合評価の明示的な反証条件となる。 / DNV 出典
メタノール受注は149隻から61隻へ急減61隻(メタノール燃料船受注)(2025)メタノール燃料船の受注は2024年149隻から2025年61隻へ減少した。単年の燃料別シェアを構造的優位とみなす評価への反証であり、メタノール陣営のNO-GO判断では、燃料供給・顧客需要・規制支援が揃わない状態でこの受注縮小が継続するかを監視すべきである。 / DNV 出典
風力補助推進がエンジン燃料転換の代替投資先として商用導入24隻(WAPS搭載船の年間引渡し)(2025)2025年には風力補助推進システム搭載船24隻が引き渡され、帆63基が設置された。燃料種類を問わず消費量自体を下げるため、代替燃料エンジンへの全面更新を遅らせ、改造・効率化事業者へ投資を移す破壊要因となる。 / DNV 出典
IEA経路では2050年にアンモニアが船舶最終エネルギーの44%44%(船舶最終エネルギーに占めるアンモニア)(2050)IEAのネットゼロ経路では、船舶最終エネルギーに占めるアンモニア比率が2030年6%、2035年15%、2050年44%へ上昇する一方、メタノールは2050年でも3%。この燃料構成が実現すれば、現在のLNG・メタノール対応製品で優位な企業から、アンモニアエンジン、安全設備、燃料供給システムを持つ企業へ競争軸と利益プールが大きく移る。 / International Energy Agency 出典
IMOネットゼロ枠組みの採択審議が12カ月延期12カ月(採択審議の延期期間)(2025)IMOは2025年10月、燃料基準とGHG価格制度を含むネットゼロ枠組みの採択審議を1年間中断し、臨時会合を12カ月後に再開すると決定した。単なる不透明感ではなく制度化の実延期であり、先行投資を進める代替燃料船・エンジン企業には需要顕在化の遅延リスクとなる。 / International Maritime Organization 出典
代替燃料船需要の68%がコンテナ船に偏在68%(2025年の代替燃料船新規受注に占めるコンテナ船)(2025)2025年の代替燃料船新規受注は、隻数ベースで68%をコンテナ船が占めた。市場全体の普及ではなく、荷主の排出目標、燃料インフラ、商業採算が揃う船種への需要集中であり、バルカー・タンカー向けに広い製品構成を持つ企業ほど成長期待との乖離が生じる。 / DNV 出典
MRタンカーの代替燃料採用率は1%にとどまる1%(MRタンカー発注の代替燃料採用率)(2024)2024年発注における代替燃料採用率は、MRタンカーで1%、UltramaxおよびHandysizeで各4%だった。コンテナ船や自動車運搬船とは採用速度が桁違いであり、単一の市場成長率では捉えられない船種別の需要断層を示す。 / Clarksons Research 出典
メタノール船はエンジンより燃料供給が未成熟8TRL(原文レンジ8–9の下限)(2024)メタノール対応の2ストローク・4ストロークエンジン等は既に広く利用可能である一方、Power-to-Methanolは量産工業化前のTRL 8–9にある。競争上のボトルネックが推進機器から燃料生産・バンカリングへ移り、エンジンOEMの技術優位だけでは採用を支配できない構造を示す。 / Global Maritime Forum 出典
WinGDがメタノール大型エンジンで約100基の受注残を獲得100基弱(メタノールエンジン受注残)(2025)WinGDは2025年に初の大型メタノールエンジンX-DF-Mを納入し、その後約100基を受注した。既存のメタノール二元燃料エンジン優位に対し、実納入を伴う別設計プラットフォームが急速に受注を積み上げている。 / WinGD 出典
WinGDが船舶用2ストローク・アンモニア機関を先行実装30基超(追加アンモニアエンジン受注)(2025)WinGDは2025年7月、船舶に搭載された初のアンモニア燃料2ストローク機関を納入・設置し、さらに30基超を受注した。アンモニア対応が試験開発から実船搭載へ移ったことで、既存設計会社の将来シェアを侵食し得る先行者が具体化した。 / WinGD 出典
省エネ改修が1万360隻超へ拡大し、新造代替燃料船を迂回10360隻超(省エネ技術搭載船)(2024)プロペラダクト、空気潤滑、風力補助などの省エネ技術は1万360隻超に装備され、世界船腹の37%超を占める。既存船の燃料転換を待たずに規制対応効果を得られるため、新造代替燃料船・新型主機への設備投資を延期または部分代替する脅威となる。 / Clarksons Research 出典
規制・法制度30件
造船法(許可制・大型鋼船建造設備の参入規制)500総トン(500トン)または長さ50m以上の鋼船建造・修繕設備が許可対象(1950)造船法(昭和25年法律第129号)は、総トン数500トンまたは長さ50メートル以上の鋼船を建造・修繕できる設備(船台・ドック等)を新設・拡張・譲受・借受する際に国土交通大臣の許可を義務付ける、日本の造船業への参入・設備投資を直接規制する基盤法。許可基準は(1)建造・修繕能力が需給に照らして適正であること(2)造船業の健全な発展を阻害する過当競争を生じないこと(3)出願者が確実な / 国土交通省(法令:e-Gov法令検索) 出典
小型船造船業法(登録制・中小造船所の規制)小型船造船業法(昭和41年法律第119号)は、造船法の許可対象(500トン以上)に満たない小型鋼船・木船等を建造する事業者に都道府県知事への登録を義務付ける法律。造船法(許可制・大型船・国土交通大臣所管)と小型船造船業法(登録制・小型船・都道府県知事所管)の二層構造により、同じ「造船・船舶修繕」産業内でも規制所管と参入障壁の高さが企業規模で分岐する。今治造船・JMU・三菱重工系 / 国土交通省(法令:e-Gov法令検索) 出典
海事産業強化法(事業基盤強化計画の認定制度)33件(延べ51社)の事業基盤強化計画を認定(2024)「海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律」(海事産業強化法、2021年5月成立・同年8月20日施行)は、中国・韓国の公的補助を受けた造船業との国際競争激化とコロナ禍による市況悪化を背景に、生産性向上・事業再編に取り組む造船・舶用事業者の計画(事業基盤強化計画)を国土交通大臣が認定し、日本政策金融公庫の長期低利融資・税制優遇・計画策定費補助等を講じる制度。20 / 国土交通省 海事局 出典
認定事業基盤強化計画一覧(海事産業強化法の運用実績)国土交通省は海事産業強化法に基づき認定した事業基盤強化計画を一覧公表しており、造船・舶用工業各社の生産性向上・事業再編計画の認定状況を継続的に追跡できる。2021年の制度開始以降、複数回にわたり認定バッチが公表され(例: 株式会社ジャパンエンジンコーポレーションは2023年8月に認定取得を公表)、認定企業の裾野は大手から中堅舶用機器メーカーまで広がっている。この一覧は規制の実効 / 国土交通省 海事局 出典
特定技能「造船・舶用工業分野」(外国人材受入れ制度)出入国管理及び難民認定法上の在留資格「特定技能」(2019年4月創設)のうち「造船・舶用工業分野」は、現場技能者不足に対応するため国土交通省所管で運用される外国人材受入れ制度。2022年の制度見直しで業務区分が「造船」「舶用機械」「舶用電気電子機器」の3区分に再編された。受入れ企業は特定技能1号(通算5年上限・家族帯同不可)の労働者に日本人と同等以上の賃金・社会保険加入等を保証 / 国土交通省 海事局(所管制度) 出典
特定技能「造船・舶用工業分野」の出入国在留管理庁公式運用基準出入国在留管理庁は特定技能「造船・舶用工業分野」の技能試験区分・受入れ機関の基準・分野別運用要領を公式に公表しており、国土交通省(政策所管)と出入国在留管理庁(在留資格の審査・管理)の二省庁体制で本制度が運用されていることを示す。分野別運用要領は業務区分の見直し(2022年の3区分再編)のたびに改定され、造船・修繕現場の労働力供給という産業の生産能力に直結する規制の改定履歴を継 / 法務省 出入国在留管理庁 出典
WTO日韓造船補助金紛争(公的支援を巡る通商規制上の争点)36中国の世界建造シェア%(2017年竣工ベース、日本20%・韓国34%)(2018)日本政府は2018年11月、韓国政府による大宇造船海洋への約1兆2,000億円規模の公的金融支援や官民ファンドによる新造船購入補助が、造船業の過剰設備を市場原理に反して延命させ世界の造船市況の回復を妨げているとしてWTO協定違反を主張し、紛争解決手続に基づく二国間協議を要請した(2020年にも改めて協議を開催)。日本造船工業会は「過剰造船設備をいたずらに延命させ市場競争を歪曲す / 国土交通省(WTO協議に関する報道発表) 出典
IMO EEXI/CII規制(MARPOL附属書VI改正・既存船エネルギー効率規制)IMOは2021年6月のMEPC(海洋環境保護委員会)でMARPOL条約附属書VIを改正し、就航中船舶に燃費性能基準を課す既存船エネルギー効率指標(EEXI)と年次実燃費実績を格付けする炭素集約度指標(CII、A~Eの5段階)を導入、2023年1月1日に発効した。CII格付けでD評価が3年連続、またはE評価となった船舶は是正計画(SEEMP第3部)の策定が義務化され、性能不足の / 国際海事機関(IMO) 出典
IMO EEXI/CII 公式FAQ(規制詳細・対象船種)IMOが公表するEEXI/CIIに関する公式FAQは、対象船種(400総トン以上の国際航行船舶等)・算定方法・是正措置の詳細を定義しており、規制の実務適用範囲を確認できる一次情報源である。CIIは船種別(バルカー・タンカー・コンテナ船等)に異なる削減係数が設定されており、船種構成が異なる造船所ごとに規制対応コストの重さが変わる構造を持つ。 / 国際海事機関(IMO) 出典
IMOネットゼロフレームワーク(世界統一燃料規制+GHG課金制度)500USD/t(2035年時点の基準超過分の上限課金試算)(2025)IMOはMEPC83(2025年4月)で、総トン数5,000トン以上の外航船(国際海運のCO2排出量の85%を占める)を対象に、燃料のGHG含有量に上限を課す世界統一燃料規制と、基準超過分に価格を課す排出量取引類似の課金制度からなる「ネットゼロフレームワーク」草案を承認した。課金は2035年時点で基準超過1トンあたり最大500米ドルに達する試算があり、造船所には低・脱炭素燃料( / 国際海事機関(IMO) 出典
香港国際条約(船舶リサイクル条約・解撤規制)2030年(既存船へのIHM国際証書義務化期限、条約自体は2025年6月26日発効)(2025)2009年採択の「船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」は、バングラデシュとリベリアの締約から24か月後の2025年6月26日に発効した。締約国は日本・リベリア・マーシャル諸島等の主要船籍国に加え、世界の解撤(シップリサイクル)量の過半を担うバングラデシュ・インド・パキスタン・トルコを含み、世界商船船腹量の57.15%をカバーする。総トン数500トン以上の国際 / 国際海事機関(IMO) 出典
バラスト水管理条約(BWM条約・既存船の設備改造義務)2004年採択の「船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」(BWM条約)は、締約国数と合計船腹量の基準(30か国・世界商船船腹量35%以上)を満たしたフィンランドの加入(2016年9月8日)から12か月後の2017年9月8日に発効した。条約は既存船にバラスト水処理装置(BWMS)の搭載を段階的に義務付けており、IMO形式承認を得たBWMS(紫外線・電気分解方式等 / 国際海事機関(IMO) 出典
EU ETS海事分野拡大(排出量取引制度・段階的フェーズイン)100%(2026年に排出枠提出義務が完全適用、2024年40%→2025年70%→2026年100%)(2026)EUは排出量取引制度(EU ETS)を2024年1月1日から海事輸送(5,000総トン以上の大型船)に段階的に拡大し、2024年排出量の40%、2025年排出量の70%、2026年排出量の100%について排出枠の提出(サレンダー)を義務付けている。2027年からは5,000総トン以上のオフショア支援船も対象となる。船社は排出枠取得コストを燃費性能の低い既存船の運航コストとして負 / 欧州委員会(気候総局) 出典
EU FuelEU Maritime規則(燃料GHG原単位規制)80%(2050年までのGHG原単位削減目標、2025年時点は2%)(2050)EU域内港湾に寄港する大型船舶を対象とするFuelEU Maritime規則は、モニタリング計画に関する条項(第8・9条)を除き2025年1月1日から全面適用され、燃料のGHG原単位(ウェルトゥウェイク)を2025年に基準比2%削減、以降段階的に強化し2050年までに80%削減することを義務付ける。未達船舶にはペナルティが科され、複数船舶間でのプール(共同達成)や洋上電力供給( / 欧州委員会(運輸・モビリティ総局) 出典
米国ジョーンズ法(マーチャントマリン法1920・自国造船需要の囲い込み規制)1920年制定のマーチャントマリン法(通称ジョーンズ法)は、米国内の港湾間で貨物を輸送する船舶に「米国建造・米国籍・米国人乗組員」を要件とするカボタージュ規制で、外航船市場向け輸出型の日本の造船業とは対照的に、自国造船需要を法制度で完全に囲い込む保護主義モデルの代表例。米国内では同法が国内造船業の競争力低下(建造コストが海外の数倍)・船隊の高齢化を招いているとして撤廃・改革論争 / 米国議会(1920年制定・現行法) 出典
造船業構造不況対策・スクラップアンドビルド(特安法による設備処理)30%(1985年需要予測640万CGRTに対し保有設備980万CGRTの過剰率)(1978)1978年、運輸省(当時)は海運造船合理化審議会の答申を受け、特定不況産業安定臨時措置法(特安法)に基づき「総トン数5,000トン以上の船舶を建造できる船台・ドックを使用する船舶製造業」の安定基本計画を策定した。当時、1985年時点の需要予測(640万CGRT)に対し保有設備(980万CGRT)の約3割が構造的過剰と判定され、老朽・非効率設備の廃棄(スクラップ)と新鋭設備への集 / 国土交通省(法令:e-Gov法令検索、造船業基盤整備事業協会法) 出典
IMOの2050年ネットゼロ戦略20%(2008年比GHG削減、2030年下限)(2030)国際海事機関(IMO、執行主体は締約国の旗国・寄港国当局)は2023年7月、国際海運の船舶GHGを2008年比で2030年までに少なくとも20%(30%を努力目標)、2040年までに少なくとも70%(80%を努力目標)削減し、2050年頃までにネットゼロとする戦略を採択した。さらに2030年の船上エネルギーの5%以上(10%を努力目標)をゼロ・ニアゼロGHG燃料・技術にするため / International Maritime Organization 出典
既存船EEXI規制は400総トン以上400総トン以上(2023)MARPOL附属書VIの短期対策として、2023年1月1日から400総トン以上の既存船はEEXI(既存船エネルギー効率指標)の算定と要求値への適合が必要となった。所管はIMO、実船の検査・証書発給は各旗国主管庁または認定代行機関である。要求水準は新造船EEDIフェーズ2または3相当で、機関出力制限だけでなく、電動・ハイブリッド補助推進、主機換装など船上推進システム改修の投資判断 / International Maritime Organization 出典
CIIは5000総トン以上を毎年格付5000総トン以上(2023)IMOのCII(燃費実績格付)は5,000総トン以上の対象船に、2023年暦年から年間運航データによるA~E格付を課す。3年連続Dまたは1年Eの船は、承認済みSEEMPに是正計画を組み込む必要がある。所管はIMOと旗国主管庁で、要求CIIは2030年に向け段階的に厳格化されるため、LNG・メタノール等への燃料転換だけでなく、メタンスリップや実航海効率まで含めた推進系選定が中古価 / International Maritime Organization 出典
IMO燃料強度・炭素価格規制は未採択IMOは2025年4月に、船舶燃料のWell-to-Wake GHG強度基準と超過排出への価格付けから成るNet-Zero Framework案を承認したが、同年10月の臨時MEPCは採択せず12か月休会した。2026年4~5月のMEPC84は再開日を2026年12月4日(MEPC85確認条件)とした。所管はIMO・MEPC。したがって世界共通の代替燃料需要強制力と価格シグナル / International Maritime Organization 出典
FuelEUは船上GHG強度を段階削減80%(GHG強度削減)(2050)EU規則2023/1805(FuelEU Maritime)は欧州委員会と加盟国主管庁の下、EU港に寄港する5,000総トン超の船舶を中心に、船上使用エネルギーの年間平均Well-to-Wake GHG強度を基準91.16gCO2e/MJから2025年2%、2030年6%、2035年14.5%、2040年31%、2045年62%、2050年80%削減する。燃料単体でなく船ごとの / European Union (EUR-Lex) 出典
EU ETS海運は2026年に全量負担100%(排出枠償却対象)(2026)EU ETSは2024年1月から5,000総トン以上の貨物船・旅客船へ拡大し、EU域内航海・EU港内は排出量の100%、EU域外との航海は50%を算入する。排出枠償却対象は2024年排出の40%、2025年70%、2026年以降100%へ移行し、2026年からCO2に加えCH4・N2Oも対象となる。所管は欧州委員会と各加盟国のadministrating authorityであ / European Commission, Directorate-General for Climate Action 出典
IGFコードがLNG燃料船設計を拘束IMOのIGFコードは、IGCコード対象船を除くガスまたは低引火点燃料使用船について、機関・機器・燃料システムの配置、設置、制御、監視に強制基準を課す。所管はIMO海上安全委員会、実施はSOLAS締約国の旗国主管庁・船級代行機関である。現行の詳細規定は天然ガス中心で、従来油燃料船と同等の安全性・信頼性を要求するため、LNG二元燃料推進では燃料タンク、危険区域、換気・防火を含む船 / International Maritime Organization 出典
アンモニア燃料船は暫定安全指針段階IMO海上安全委員会は2024年12月、アンモニア燃料船の暫定安全ガイドラインMSC.1/Circ.1687を承認した。IGFコードにはアンモニアの詳細強制要件がまだなく、SOLAS II-1の代替設計承認を通じ旗国主管庁が同等安全性を個船審査する構造である。毒性、漏洩検知、隔離、換気などの設計適合が発注・承認のクリティカルパスとなり、LNGの成熟した強制コードに比べ、造船所・ / International Maritime Organization, GreenVoyage2050 出典
日本のアンモニア船は船舶安全法適合日本ではアンモニア燃料船が、船舶安全法体系の船舶設備規程第4条、船舶消防設備規則第3条、船舶機関規則第3条に基づき、2024年12月制定のIMOアンモニア燃料船安全ガイドラインへ適合する必要がある。所管は国土交通省海事局で、検査・承認を通じ実装される。アンモニアバンカー船は危険物船舶運送及び貯蔵規則にも従うため、燃料供給設備とのインターフェースを含む国内初号船では国際暫定指針と / 国土交通省海事局 出典
海事産業強化法が環境船導入を認定日本の海事産業強化法(海上運送法等改正)は、安全・環境性能等が一定以上の高品質船を「特定船舶」とし、海運事業者の特定船舶導入計画を国土交通大臣が認定する制度を創設した。供給側の造船・舶用事業者には事業基盤強化計画認定を組み合わせ、需要側と一体で新造船発注を促す。排出上限を課す直接規制ではないが、代替燃料対応・高効率推進船を政策支援へ接続する国内の主要制度であり、認定可否が資金調 / 国土交通省海事局 出典
内航船の省エネ性能を5段階格付5段階(星)(2020)国土交通省海事局は内航船省エネルギー格付制度を2017年7月に暫定開始し、評価手法を改めて2020年3月に本格運用した。申請船ごとに、省エネ・省CO2設備導入後のCO2削減率が基準値から何%改善したかを星1~5で評価し、取得船を公表する。法定排出上限ではない任意制度だが、電池・ハイブリッド推進、高効率主機等の性能を荷主・金融機関へ可視化し、改造時は再取得を求めるため、国内内航船 / 国土交通省海事局 出典
IMOネットゼロ枠組みの採択は2026年12月へ持越し4月日(2026)IMOの所管機関である海洋環境保護委員会(MEPC)は、船舶燃料のライフサイクルGHG強度基準と排出価格制度を含むMARPOL附属書VI改正案について、2025年10月の臨時会合を1年延期した。MEPC84は、MEPC85(2026年11月30日~12月3日)の確認を条件に、臨時会合を同年12月4日に再開すると決定。正式採択前であり、採択後も発効まで16か月を要するため、代替燃 / 国際海事機関(IMO) 出典
日本は海洋汚染防止法でMARPOL船舶排出規制を国内担保2004年(2004)日本では「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」と施行令・施行規則、船舶設備の技術基準省令・検査規則が、MARPOL改正を含む船舶の排ガス・設備規制を国内で担保する。主管は国土交通省総合政策局、設備・船舶検査は海事局、法執行等は海上保安庁、環境省も関与する。1967年の海水油濁防止法、1970年の海洋汚染防止法、2004年の現行法名への改正という時系列があり、代替燃料推進船 / 国土交通省 出典
米国はEPA・沿岸警備隊が船舶エンジンと燃料を二層規制130kW(2026)米国ではClean Air Actに基づくEPA国内基準と、Act to Prevent Pollution from ShipsによるMARPOL附属書VI執行が重なる。附属書VIは米国籍船に全海域で、外国籍船には米国水域で適用され、130kW超の主機・補機にNOx上限、燃料硫黄分上限を課す。米国籍船の対象エンジンにはEPA発行のEIAPP証書、一部船舶には米国沿岸警備隊発行 / 米国環境保護庁(EPA) 出典
財務・収益性ベンチマーク38件
名村造船所の営業利益率推移(2021年度→2025年度、赤字体質から高収益へ転換)17.7%(2025)国内造船大手・名村造船所(東証プライム7014)の連結営業利益率は、2021年度(2022年3月期)の▲11.4%(赤字)から、2022年度7.7%、2023年度12.2%、2024年度18.5%、2025年度(2026年3月期)17.7%へと急回復した。売上高も同期間に834億円から1,590億円へほぼ倍増しており、LNG燃料船・自動車専用船等の高付加価値船受注による船価上昇 / 株式会社名村造船所(公式IR) 出典
三井E&Sグループの営業利益率推移(2021年度→2025年度、開示値から算出)10.6%(2025)三井E&Sグループ(東証プライム7003、造船・エンジン・港湾機械を含む総合重工)の営業利益率は、公式開示の売上高・営業利益から算出すると2021年度は売上5,794億円に対し営業損失100億円(▲1.7%)、2022年度3.6%、2023年度6.5%、2024年度7.3%、2025年度10.6%(売上3,532億円・営業利益376億円)と5期連続で改善している。事業再編・不採 / 三井E&Sグループ(公式IR) 出典
造船サプライチェーン全体の平均営業利益率3.59%、Tier1は4.49%(2024年度、帝国データバンク調査)3.59%(2024)帝国データバンクの造船業界サプライチェーン分析によれば、2024年度における業界全体の平均営業利益率は3.59%。うち1次サプライヤー(Tier1)は4.49%と最も高く、新燃料対応船(LNG船等)や自動車専用船の建造案件を中心とした単価上昇と隻数増、防衛・沿岸警備向け艦艇受注増が寄与した。一方でTier2以下は原材料・外注費・労務費上昇の価格転嫁にラグが生じ収益性が抑制され、 / 株式会社帝国データバンク 出典
日本の上場造船大手のROIC、直近5年でマイナス10%前後(原価率100%超が構造的ボトルネック)-10%国際貿易・物流専門メディアLanesの造船業ROICツリー分析によれば、上場する三井E&Sホールディングス・名村造船所・内海造船の3社について直近5年間のROIC(投下資本利益率)は▲10%前後で推移し、投下資本に対して利益を創出できていない構造的状況にあると指摘される。要因として原価率が100%を超え、事業活動上のボトルネックとなっていることが挙げられている。造船は受注から竣 / Lanes(国際貿易・物流動向メディア) 出典
韓国HD現代重工業グループ(HD KSOE)、2025年営業利益率が日本平均を大きく上回る約13%13%(2025)韓国HD現代グループの造船持株会社HD韓国造船海洋(HD KSOE)は2025年、売上204.9億ドル(前年比+17.2%)、営業利益26.7億ドル(同+172.3%)を計上し、営業利益率は約13%に達した。傘下のHD現代重工業単体では売上17.58兆ウォン・営業利益2.38兆ウォン(同+188.9%)で利益率約13.5%。日本の造船サプライチェーン平均(3.59%、帝国データ / The Korea Herald 出典
サムスン重工業、2025年第3四半期営業利益率8.9%(前年同期比+3.9pt改善)8.9%(2025)サムスン重工業の2025年第3四半期は売上2.6兆ウォン(前年同期比+13%)、営業利益2,381億ウォン(同+99%)、営業利益率8.9%(前年同期比+3.9pt改善)。2025年1-9月累計では売上7,812.1億ウォン(前年同期比+8%)、営業利益565.98億ウォンで、低単価コンテナ船の減少と洋上プラント事業の増加による製品ミックス改善が寄与した。2025年通期目標は売 / Baird Maritime 出典
韓国ハンファオーシャン、営業利益率が通期2.21%から四半期9.58%へ急改善9.58%(2025)韓国ハンファオーシャン(旧大宇造船海洋)は2025年第2四半期に営業利益371.7億ウォン・純利益148.5億ウォン(前年同期27.4億ウォンの赤字から黒字転換)を計上し、直近四半期の営業利益率は9.58%まで改善(通期ベースでは2.21%からの改善途上)。第3四半期は連結売上高3.02兆ウォン(約22億ドル)。LNG船・防衛関連MRO(艦艇維持整備)事業への戦略シフトが高収益 / Baird Maritime 出典
中国船舶工業(600150)の研究開発費比率3.9%(2025年度、期間費用構造の内訳)3.9%(2025)中国最大手造船持株会社・中国船舶工業股份有限公司(上海証取600150、CSSCグループの上場主体)の2025年度決算では、売上総利益率12.6%(前年比+2.1pt)、売上純利益率6.9%(同+3.0pt)。期間費用率6.8%の内訳は販売費用率0.2%・管理費用率4.2%・研究開発費用率3.9%(前年比▲0.3pt)・財務費用率▲1.5%(同+0.4pt)。2026年第1四半 / 新浪財経(Sina Finance) 出典
名村造船所のCapEx(設備投資)対売上高比率、2021年度1.8%→2025年度4.35%へ拡大4.35%(2025)IR BANK集計の有価証券報告書データによれば、名村造船所の設備投資額は2021年度(2022年3月期)15.33億円(対売上高比1.8%)から、2024年度(2025年3月期)63.23億円(同3.97%)、2025年度(2026年3月期)69.10億円(同4.35%)へ拡大した。営業利益率が同期間に▲11.4%→17.7%へ回復したのと軌を一にしており、受注残の積み上がり / IR BANK(有価証券報告書集計データ) 出典
三井E&SグループのCapEx(設備投資)対売上高比率、2021-2025年度は2.3-3.4%のレンジで推移2.58%(2025)IR BANK集計データによれば、三井E&Sグループの設備投資額は2021年度(2022年3月期)89.80億円(対売上高比3.4%)、2022年度73.93億円(同2.4%)、2023年度72.08億円(同2.3%)、2024年度96.27億円(同3.06%)、2025年度90.96億円(同2.58%)で推移した。造船・エンジン事業への特化後、営業利益率改善(2025年度10 / IR BANK(有価証券報告書集計データ) 出典
国内主要造船7社、2019年度は6社が営業赤字(国土交通省資料、構造的損益ボラティリティ)85.7%(赤字計上企業割合)(2019)国土交通省「造船業の現状と課題」資料によれば、造船部門損益を四半期開示する国内主要7社(三井E&S造船・川崎重工業・住友重機械工業・ジャパンマリンユナイテッド・内海造船・名村造船所・サノヤス造船)の2019年度決算は、円高・資材費増加の影響で7社中6社(約85.7%)が赤字を計上した。2014-2019年度の売上高営業利益率グラフでは各社とも±10%超の乱高下を繰り返しており、 / 国土交通省 出典
日本造船工業会、官民1兆円・基金3,500億円の設備投資構想を表明(2025年、10年計画)3500億円(政府基金・10年間)(2025)日本経済新聞および海事プレスの報道によれば、今治造船など国内17社で構成する日本造船工業会は2025年、2035年までに建造量を現行比2倍(約1,800万総トン)へ引き上げる目標のもと、大型吊り上げクレーンやブロック建造設備など生産インフラ強化に官民で1兆円を投資する構想を表明し、政府はこのうち造船能力向上支援として3,500億円規模の10年間の基金創設を閣議決定した。個社ベー / 日本経済新聞/海事プレス/日本造船工業会 出典
日本の造船各社は研究開発費を独立開示せず、中国CSSCとの開示粒度の差が浮き彫りに名村造船所・三井E&Sグループの財務ハイライト、および国土交通省資料を確認した限り、日本の造船各社(名村造船所・三井E&S・ジャパンマリンユナイテッド等)は研究開発費を売上高比率として独立開示していない。国土交通省資料は「造船業界構造のシフトと技術開発力の停滞」として、重工系大手の事業規模縮小に伴い技術者数が減少し、技術のトリクルダウン(重工系→専業系→中小)のメカニズムが停止 / 国土交通省 出典
Wärtsiläの営業利益率は12.1%12.1%(2025)代替燃料対応エンジン、ハイブリッド推進、船舶エネルギー管理を中核に持つWärtsiläの2025年営業利益は8.33億ユーロ、営業利益率は12.1%で、前年11.1%から1.0ポイント改善した。比較可能営業利益率も10.8%から12.0%へ上昇。MarineとEnergyの増益が寄与しており、低排出推進の需要拡大を利益へ転換している。 / Wärtsilä Corporation 出典
WärtsiläのROCEは65.4%65.4%(2025)Wärtsiläの2025年ROCEは65.4%と前年37.1%から急上昇し、ROIも26.2%だった。会社はROCE上昇を営業利益増加と運転資本改善によるものと説明する。低排出船舶推進のような技術集約事業でも、前受金を含む負の運転資本とサービス収益を組み合わせれば、高い資本効率を実現できることを示す。ただし開示はMarine単独ではなく全社値である。 / Wärtsilä Corporation 出典
WärtsiläのCapEx率は2.2%2.2% of net sales(2025)Wärtsiläの2025年グロス設備投資は1.50億ユーロ、売上高比2.2%で、2024年の2.6%、2023年の2.5%を下回った。一方で営業利益率は上昇しており、代替燃料エンジンやハイブリッド推進の競争力構築が、大規模工場投資より既存製造基盤・知財・サービス網の活用に依存する収益モデルであることを示唆する。数値はMarineを含む全社開示である。 / Wärtsilä Corporation 出典
WärtsiläのR&D比率は4.8%4.8% of net sales(2025)Wärtsiläの2025年R&D支出は3.29億ユーロ、売上高比4.8%で、2024年4.6%、2023年4.3%から継続上昇した。CapEx率2.2%の2倍超であり、LNG・メタノール・アンモニア対応エンジンや電動・ハイブリッド統合の競争軸が物的設備より研究開発にあることを示す。開示範囲はMarine、Energy等を含む全社で、船舶向け単独比率ではない。 / Wärtsilä Corporation 出典
Kongsberg MaritimeのEBIT率13.3%13.3%(2024)dead船舶向け推進・ハンドリング、エネルギー・制御を統合提供するKongsberg Maritimeの2024年EBITは33.64億NOK、EBIT率は13.3%で、2023年9.0%から4.3ポイント改善した。会社は増収、好採算の案件ミックス、プロジェクト遂行改善を要因に挙げる。低排出推進案件では技術だけでなく案件選別と実行品質が利益率を大きく左右する。 / Kongsberg Maritime ASA 出典
推進部門EBIT率は18.0%18.1%(2024)deadKongsberg MaritimeのPropulsion & Handling部門は2024年、売上高137.17億NOK、EBIT24.77億NOKで、開示値から算出したEBIT率は18.1%だった。Energy & Control部門は売上高121.02億NOK、EBIT10.07億NOKで8.3%。プロペラ、スラスター、ウォータージェット等の推進機器は、制御・船舶設計よ / Kongsberg Maritime ASA 出典
Kongsberg MaritimeのR&D比率6.3%6.3% of revenue(2025)deadKongsberg Maritimeは2025年、製品開発・保守に17億NOKを支出した。同年売上高269.22億NOKに対する比率は算出上6.3%で、低排出対応を含む船上推進・エネルギー制御で高い技術投資負担を負う。Wärtsilä全社の4.8%を上回るが、Kongsbergの分子には製品保守が含まれるため、純粋な会計上R&D比率としての単純比較には注意が必要である。 / Kongsberg Maritime ASA 出典
Kongsberg MaritimeのCapEx率0.9%0.9% of revenue(2025)deadKongsberg Maritimeの2025年有形固定資産購入は2.37億NOKで、売上高269.22億NOKに対するCapEx率は算出上0.9%。資産計上した社内開発等2.08億NOKを加えても投資率は約1.7%にとどまる。R&D・製品保守比率6.3%との対比から、低排出推進システム供給は工場増設型より、設計・ソフトウェア・統合能力への投資が重い構造と読める。 / Kongsberg Maritime ASA 出典
Rolls-Royce Power Systemsは17.4%17.4%(2025)船舶向けディーゼル、ガス、ハイブリッド推進を含むRolls-Royce Power Systemsの2025年基礎営業利益は8.52億ポンド、営業利益率17.4%で、2024年13.1%から4.3ポイント改善した。ただし同部門には発電、政府向け、産業、BESSも含まれ、会社は改善の主因を発電・データセンターと政府向けとしているため、船舶推進単独のマージン上昇とは解釈できない。 / Rolls-Royce Holdings plc 出典
Power SystemsのR&D比率は3.4%3.4% of revenue(2025)Rolls-Royce Power Systemsの2025年R&D費は1.64億ポンド、基礎売上高48.92億ポンドで、R&D比率は算出上3.4%。前年は1.65億ポンド、売上高42.71億ポンドで約3.9%だったため、支出額をほぼ維持しながら増収で負担率を低下させた。船舶向けガス・ハイブリッド推進を含むが、R&D費は発電・産業・BESSも含む部門全体値である。 / Rolls-Royce Holdings plc 出典
主要3社平均比でWärtsiläは下位12.5% peer average(2024)比較可能な2024年営業利益率はWärtsilä 11.1%、Kongsberg Maritime 13.3%、Rolls-Royce Power Systems 13.1%で、単純平均は12.5%。Wärtsiläは平均を1.4ポイント下回り、Kongsbergは0.8ポイント、Rolls-Royceは0.6ポイント上回る。これは低排出船舶推進の純粋な業界統計ではなく、同テー / Wärtsilä Corporation / Kongsberg Maritime ASA / Rolls-Royce Holdings plc 出典
Kongsberg MaritimeのEBIT率13.5%(2024年、セグメント開示)13.5%(2024)コングスベルグ・マリタイム事業(推進・自動化・操船システム。低排出船対応の主力サプライヤー)の2024年12月期セグメント売上高はMNOK24,766、EBITはMNOK3,354でEBIT率13.5%。2023年はMNOK20,180/MNOK2,053で率10.2%相当であり前年から改善。売上の約6割をアフターマーケット(補修・部品・アップグレード)が占め、新造船市況の変動 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
Kongsberg MaritimeのR&D比率6.0%(2024年)6%(2024)コングスベルグ・マリタイムの2024年研究開発費はMNOK1,498、セグメント売上高MNOK24,766に対し比率6.0%。自律運航・遠隔操船システム、電動推進、低排出化技術への投資が中心で、SINTEF・ノルウェー科学技術大学・ホライズン・ヨーロッパ等の研究機関・プログラムと連携。既存記録(引用元PDF切れ)を公式年次報告書の一次データで置換。 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
Kongsberg MaritimeのCapEx比率0.8%(2024年、資本集約度が低い構造)0.8%(2024)コングスベルグ・マリタイムの2024年セグメント投資額(取得固定資産等)はMNOK195、売上高比0.8%。Wärtsilä(2.2%)やRolls-Royceグループ全体(4.9%)と比べ低水準であり、自社工場での大型製造よりシステムインテグレーション・アフターマーケットサービスに重心を置く収益構造を反映している。既存記録(引用元PDF切れ)を公式年次報告書の一次データで置換 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
MAN Energy Solutions(現Everllence)の営業利益率7.8%(2024年、最下位水準)7.8%(2024)フォルクスワーゲン・グループ傘下のパワーエンジニアリング事業(舶用大型二元燃料エンジン、メタノール・アンモニア対応含む。2025年に社名をEverllenceへ変更)の2024年売上高は43億ユーロ、営業利益は3.37億ユーロで営業利益率7.8%。政府命令によるMGTガスタービン新造事業からの撤退に伴う一時費用が収益性を押し下げ、同業のWärtsilä(12.1%)やKongs / Volkswagen Group 出典
Rolls-Royce Power Systemsの営業利益率が13.1%→17.4%へ4.5ポイント改善(2024→2025年)4.5pt(2025)舶用・発電用大型エンジン(水素・合成燃料対応含む)を担うパワーシステムズ部門のアンダーライング営業利益率は2024年13.1%から2025年17.4%へ4.5ポイント改善。部門売上高は48.92億ポンド(前年比19%成長)で、データセンター向け発電需要(発電収益+30%、うちデータセンター向け+35%)が牽引役となった点が舶用代替燃料市場単体の成長では説明できない非自明な収益源 / Rolls-Royce Holdings plc 出典
Rolls-Royceグループ全体のROIC18.9%・CapEx比率4.9%(2025年、参考値)18.9%(2025)Power Systems部門単独のROIC・CapEx開示はないが、Rolls-Royceグループ全体の2025年投下資本利益率(ROIC)は18.9%、設備投資額は9.78億ポンド(売上高200.59億ポンドの4.9%)。ただしグループ業績は民間航空エンジン事業の寄与が大きく、舶用推進事業単体の資本効率とは直接比較できない点に留意が必要(部門別ROIC非開示という業界共通の / Rolls-Royce Holdings plc 出典
低排出船舶推進4社の営業利益率格差は最大9.7ポイント、技術力より収益構造の質が左右2024年時点の営業利益率を並べるとKongsberg Maritime13.5%、Wärtsilä12.1%、MAN Energy Solutions(現Everllence)7.8%、Rolls-Royce Power Systemsは翌2025年17.4%(2024年13.1%)。最大9.7ポイントの差を生む要因は代替燃料対応技術そのものの優劣ではなく、アフターマーケット / 複数一次資料(Kongsberg Gruppen/Wärtsilä/Volkswagen Group/Rolls-Royce Holdings)の横断比較 出典
Kongsberg MaritimeのEBIT率は2024年約13.5%(推定)13.5%(2024)KONGSBERGの2024年開示では、Kongsberg Maritimeの営業収益がMNOK24,766、同部門EBITがMNOK3,354。両数値からEBIT率は約13.5%となり、同社グループのEBIT率13.3%(前年比11.3%)の改善方向と整合する。受注拡大に合わせ、推進/海事案件の利益構造が回復していることを示す。 / KONGSBERG 出典
KONGSBERGのROACE(2024)は46.8%で、前年30.3%から上昇46.8%(2024)2024年度のKONGSBERGはROACEが46.8%(2023年30.3%)と高水準。配当余力を確保しつつ事業拡張を行う体制が見られる一方、受注の集中増で投資サイクル次第では2025年以降に短期的な圧迫リスクが残る。 / KONGSBERG 出典
KONGSBERGの開発投資比率は売上の約10.0%10%(2024)KONGSBERGは『The group spends about 10 per cent of its operating revenues on product development over time』と開示。自己資金・顧客共同開発を含む開発費はMNOK2,745で、代替燃料対応推進システムの更新速度に効く持続投資方針と読み取れる。LNG・電動化を取り込む製品寿命更新局 / KONGSBERG 出典
KONGSBERGのCapEx率は約3.7%(2024)3.7%(2024)2024年の設備投資関連支出で最も代表的な支出は、PPE/生産拠点等に対する約MNOK1,787(投資活動キャッシュアウト)。同社の営業収益48,872に対する比率は約3.7%で、収益に対して過大な設備集中ではなく、既存生産能力の拡張と受注対応を両立する中程度の資本配分。 / KONGSBERG 出典
HD Hyundai Marine Solutionの2024年営業利益率は15.6%15.6%(2024)2024年に韓国HD Hyundai Marine Solution(HD現代マリンソリューション、2024年5月新規上場)は売上高1兆7,455億ウォン(前年比22%増)・営業利益2,717億ウォン(同34.8%増)を計上し、営業利益率は約15.6%。同社は舶用エンジン部品・アフターマーケットサービスに加え、メタノール・アンモニア対応の代替燃料転換(レトロフィット)キットや排 / HD Hyundai Marine Solution / Hellenic Shipping News 出典
Everllence(旧MAN Energy Solutions)株式51%をベインキャピタルへ約74億ユーロで売却、EV/売上高倍率は約3.0倍3EV/売上高倍率(2026)フォルクスワーゲングループは2026年6月、舶用大型ディーゼルエンジン最大手Everllence(旧MAN Energy Solutions、2025年6月改称)の株式51%をベインキャピタルへ売却するレバレッジド・バイアウト契約を締結し、VW側の手取り額は約74億ユーロ(米ドル換算84億ドル)。Everllenceの売上高は約49億ユーロ・従業員約16,000人。取引額から逆 / Volkswagen Group / Megaproject (Riviera Maritime Media) 出典
低排出船舶推進5社で営業利益率と企業価値評価が逆転、市場は技術オプション価値を先取りWärtsilä(12.1%)・Kongsberg Maritime(13.5%)・Rolls-Royce Power Systems(17.4%)・HD Hyundai Marine Solution(15.6%)・Everllence(7.8%)の5社を比較すると、足元の営業利益率が最も低いEverllenceに対し、2026年のベインキャピタル買収案件ではEV/売上高倍率 / Volkswagen Group / Megaproject (Riviera Maritime Media) 出典
顧客セグメント・需要ドライバー38件
官公庁船(防衛省・海保等)が基盤需要、造船所別に専門特化日本の艦艇・巡視船はすべて国内造船所で建造・修繕されており、地方自治体の練習船、漁業取締船、資源調査船等を含む官公庁船の需要は、市況変動の大きい一般商船と異なり造船業の下支えとなる基盤的需要として機能している。拠点別の専門特化構造も明確で、三菱重工業長崎は護衛艦(DD/DDG/FFM)、同神戸は潜水艦、JMU磯子は護衛艦(DD/DDH/DDG)、JMU鶴見は機雷艦艇・補助艦艇を / 笹川平和財団 国際情報ネットワークIINA 出典
外航海運(大手海運会社)と内航・地方中小造船所の二極構造外航海運(商船三井・日本郵船・川崎汽船等)は国際競争の激しいLNG船等の大型・高付加価値船を発注する一方、内航海運向けの貨物船・タンカーは瀬戸内地域(愛媛県・岡山県・広島県)に集積する中小造船所群が主要な供給者となっている。造船サプライチェーンの取引額でも瀬戸内地域は東京都・兵庫県・大阪府に次ぐ有力な集積地として確認される。 / 帝国データバンク 出典
船舶建造・修理市場のエンドユーザーはトランスポート企業セグメントが最大グローバルな船舶建造・修理市場において、エンドユーザー区分ではトランスポート企業(海運会社)セグメントが市場の最大部分を占める。加えて主要企業はスーパーヨットサービスなど、高級・パーソナライズされたマリンサービス需要にも応える方向で事業を展開しており、商業船主に加えて富裕層向け特殊船セグメントも顧客層として存在する。 / The Business Research Company (GII経由) 出典
新造船受注残3.5年分・LNG船発注が高水準(直近時点データ)2936万総トン(2026)2026年3月末時点で日本造船業の手持ち工事量(受注残)は605隻・2,936万総トン(1,328万CGT)で、約3.5年分に相当する。船種別ではLNG船の新造発注が高水準となる見通しで、今年のLNG船新造発注は少なくとも80隻規模になると予測されている。受注残の厚みそのものが需要の先行指標として機能しており、船種構成の変化(LNG船比率上昇)が需要ドライバーの質的変化を示して / 海事プレス 出典
政府「造船業再生ロードマップ」による建造量倍増目標(2035年)1800万総トン(2035)国土交通省は「造船業再生ロードマップ」で、年間建造量を現状の約900万総トンから2035年までに1,800万総トンへ倍増させる目標を掲げた。日本船主の需要は年間約1,800万総トンと推計されており、この目標達成により世界シェアは現状の13%から約20%へ拡大する見込み。約3,500億円規模の政府基金を含む官民合計1兆円規模の投資支援も計画されており、政策的需要創出が単なる市況変 / 海事プレス / 国土交通省 出典
IMO環境規制(EEXI/CII)が老朽船代替・改造需要を誘発2026年(対象比率100%到達)(2026)2023年から発効した既存船燃費性能規制(EEXI)と燃費実績格付け制度(CII)により、船主は減速航行やエンジン出力制限(EPL)等の技術的改造、あるいは非効率船の早期代替建造かの判断を迫られている。排出量取引制度(EU-ETS等)の対象比率も2024年40%→2025年50%→2026年以降100%へと段階的に引き上げられ、2026年以降はN2O・CH4も対象となる予定であ / 川崎汽船 出典
法定検査サイクルに紐づく非裁量的・景気非連動の修繕需要5年(定期検査周期)(2026)船舶安全法に基づき新造後初回検査、以後5年ごとに定期検査、その中間に中間検査が義務付けられ、船齢15年超は入渠のうえ船体外板厚計測が必要となる。実務上タンカーは通常2年半ごとに修繕ドックへ入渠し定期点検・船底検査・修理を実施する。この法定サイクルにより、船舶修繕需要は新造船需要と異なり景気循環に左右されにくい構造的需要としての性格を持つ。 / 日本小型船舶検査機構 / 出光タンカー 出典
複数造船所からの相見積り+本社比較検討による選定プロセス2.5年(修繕ドック入渠周期)(2026)出光タンカーの実例では、ドック実施の2航海前までに入渠工事仕様書(ドックオーダー)を作成し、複数の造船所へ費用見積りを依頼・取得したうえで各社の見積りを本社で検討し、最適な造船所へドック工事を発注するプロセスが取られている。価格に加えてスロット確保(納期)や実績が選定の主要基準となっており、単純な最低価格入札ではなく比較検討型の購買決定構造である。 / 出光タンカー 出典
船級協会承認済み溶接資格・設備能力が発注の一次ゲート要件船級協会自体は修繕先の造船所を選定しないが、造船所側が該当材料等級・溶接姿勢について船級承認済みの溶接士資格(IACS UR Z13準拠)と設備能力を保持していることの確認が発注の前提条件となる。すなわち価格交渉以前に技術適合性(class approval)が一次スクリーニング基準として機能し、これを満たさない造船所は購買検討の対象から外れる。 / Ships Business 出典
取引適正化ガイドラインによるコスト転嫁協議の制度化11項目(禁止行為数)(2026)国土交通省「船舶産業取引適正化ガイドライン」は、労務費・原材料価格・エネルギーコスト等の上昇分を取引価格に反映するか発注者・受注者間で価格交渉の場で協議することを求め、協議なき価格据え置きは「買いたたき」に該当し得ると明記している。海運事業者(発注者)と造船事業者間の取引についても、両者協議のもとコストを適切に反映した適正な船価設定に努めるべき旨が記載されており、発注側の交渉力 / 国土交通省海事局 出典
オフハイヤー(稼働停止)による逸失収益が最大の切替障壁90%(定期修繕比率)(2026)商業船は入渠期間中に貨物輸送を行えず用船料(hire)を稼げないため、修繕契約は船主・オペレーターにとって大きな財務的負債となる。ドック待ちのスロット確保状況や造船所変更に伴う工程遅延・ロジスティクスの複雑化は、稼働停止(off-hire)長期化という重大な財務リスクを伴い、実績あるドックスケジュールから離れて新規造船所へ切替えることへの抑制要因となっている。定期修繕は全体の約 / Maritime Executive 出典
重層下請サプライチェーン構造による取引関係の固定性18766社(2026)造船サプライチェーンは全国18,766社・年間最大3兆3,335億円規模の取引で構成され、ティア1(直接サプライヤー)5,816社/取引額3兆137億円、ティア2は11,400社/3,051億円、ティア3以降は1,550社/146億円という重層構造を持つ。長年の取引関係と技術検証済みの下請ネットワークに依存しているため、元請・下請いずれのレベルでも新規発注先への切替は品質保証・ / 帝国データバンク 出典
地理的集積による代替造船所の選択肢限定10054億円(東京都取引額)(2026)造船サプライヤーの取引額は東京都(1兆54億円)を筆頭に兵庫県(4,028億円)・大阪府(3,763億円)、および瀬戸内地域(愛媛・岡山・広島県)に集中している。大型入渠設備は全国に均等分布しておらず、船主が地理的に近接した代替造船所へ切替える選択肢自体が限定的であり、回航に伴う追加の時間・燃料コストも切替コストの一部を構成する。 / 帝国データバンク 出典
コンテナ船が代替燃料需要を牽引69% of container ship orders(2024)顧客セグメントは外航コンテナ船社。2024年のコンテナ船発注の69%が代替燃料対応で、選択燃料の67%はLNGだった。需要は荷主・消費者からの脱炭素要請と老齢船更新が同時に押し上げる。購買では燃料供給網、既存運航との互換性、将来の低炭素燃料への移行余地が重要で、デュアルフューエル仕様が燃料価格・規制の不確実性を抑える。 / DNV 出典
コンテナ・自動車船へ需要集中62% of alternative-fuel vessel orders(2024)顧客はコンテナ船社とPCTC・自動車船運航会社で、両セグメントが2024年の代替燃料船発注の62%を占めた。大量定期輸送では大手荷主のScope 3削減要求を運賃商品へ転嫁しやすく、新造船ブームも採用を後押しする。一方、購買判断は航路上のバンカリング可用性と長期用船・荷主契約によるコスト回収確度に左右され、スポット市況依存船種より先行しやすい。 / DNV 出典
バルク・タンカーは資本コストに敏感顧客セグメントはバルク船、原油タンカー、油・ケミカル船の船主。2025年は代替燃料船発注が前年比で大きく減り、DNVは市況循環と資本コスト感応度、燃料のライフサイクル排出・規制インセンティブの不透明さを背景に従来燃料を選好したと分析する。購買の決定要因は環境価値より投資回収の確実性であり、燃料柔軟性と後付け可能な省エネ策が待機戦略を支える。 / DNV 出典
自動車船の発注波は急反転-90% year-on-year orders(2025)顧客はPCTC・自動車船運航会社。数年の新造ブーム後、2025年の自動車船発注は前年比90%減となり、代替燃料推進需要も船腹投資サイクルに強く左右されることが示された。したがってエンジン・燃料供給者は規制だけで需要を見込まず、OEM輸出台数、用船契約、既存船齢、造船所スロットを合わせて判断する必要がある。船主側の購買では余剰船腹リスクが燃料選択より先に立つ。 / DNV 出典
電池船は短距離フェリーが中核顧客セグメントは短距離の自動車・旅客フェリー、タグ、沿岸作業船。EMSAは現行BESSの低いエネルギー密度から、短距離・低自律性サービスに適し、搭載数は自動車・旅客フェリー等で最大とする。購買決定では航続距離、寄港頻度、充電時間、船内重量・容積、陸電利用可能性が一体となる。深海貨物船では純電動への切替コストが大きく、補助電源・ハイブリッドからの段階導入が合理的である。 / European Maritime Safety Agency 出典
オフショア支援船は用船者が牽引15% minimum fuel saving (range 15-25%)顧客はオフショア支援船の船主・運航会社だが、実質的な需要形成者はEquinorやShell等の用船者で、用船契約に船上電池を要求する。実証ではハイブリッド電池により燃料を15〜25%削減した。購買では燃費、停泊中の発電機停止、瞬時出力による安全性、陸電対応が評価軸となる。既存発電機・配電・制御系との統合や稼働停止が切替コストだが、用船獲得力が投資回収を補強する。 / DNV 出典
燃料選好は船種ごとに分化138methanol-capable vessel orders(2023)2023年のメタノール対応発注138隻の内訳はコンテナ106、バルク13、自動車船10で、LNG対応130隻ではコンテナ48、自動車船40、タンカー30だった。顧客船種ごとに航路、燃料搭載容積、荷主要求、バンカー供給が異なり、単一燃料の一律提案は効きにくい。購買では燃料価格だけでなく、寄港地での供給確度、貨物容量への影響、主機実績、将来改造性を組み合わせる必要がある。 / DNV 出典
FuelEUがEU寄港大型船を選別5000gross tonnage threshold(2025)顧客はEU港に寄港する5,000GT超の貨客船運航会社で、旗国を問わない。FuelEU Maritimeは船上エネルギーの年平均GHG強度を2025年に2020年比2%低減、2050年に80%低減させる。対象船は全船の55%だが海運CO2の90%を占め、外航大型船の主機・燃料選択へ需要を集中させる。購買ではWell-to-Wake排出、EU航路比率、プーリング等の柔軟措置がTC / European Commission, DG MOVE 出典
IMO目標が全外航船の需要下限に5% minimum energy uptake(2030)顧客は国際航海に従事する船主・運航会社。IMOの2023年GHG戦略は2030年にゼロ・ニアゼロ排出技術・燃料・エネルギーを国際海運使用エネルギーの最低5%、努力目標10%とし、輸送仕事当たりCO2を2008年比40%以上削減する。これが代替燃料主機、ハイブリッド、省エネ統合の共通需要下限となる。購買では燃料のWell-to-Wake評価と2050年前後までの資産適合性が決定要 / International Maritime Organization 出典
TCOは燃料価格と炭素価格で決まる5500TEU case-study vessel(2024)顧客はメタノール対応コンテナ船を検討する船主。DNVの5,500TEU船TCO分析は、CIIを運航燃料構成の主要ドライバーとし、VLSFO・MGOとe/bioメタノールの価格差、CO2価格を主要シナリオ変数に置く。したがって購買は主機CAPEX単独でなく、生涯燃料費、炭素費、貨物容量を含む航路別TCOで決まる。燃料タンク配置やデュアルフューエル化後の専用設備は将来の切替・再改造 / DNV 出典
大型船改造は船体・制御まで波及15000TEU vessel capacity (approx.)(2025)顧客は既存大型コンテナ船を保有する船社。約15,000TEUのMaersk Halifaxはメタノール二元燃料化で船体を切断・延長してタンク空間を確保し、主機の分解・更新に加えて制御系も刷新した。これは切替コストがエンジン価格だけでなく、入渠停止、船体工事、貨物配置、認証、乗員訓練まで及ぶことを示す。購買では定期入渠との同期、残存耐用年数、同型船への横展開性が投資判断を左右する / Everllence 出典
船上機器より陸上燃料供給網に投資プールが偏る30USD billion per year minimum for onshore fuel supply chains (range: 30–90)(2050)DNVの脱炭素シナリオでは、2022~2050年の年間投資必要額は船上技術が80億~280億米ドル、陸上燃料供給網が300億~900億米ドル。最大値同士では陸上側が船上側の約3.2倍であり、燃料製造・貯蔵・バンカリングがより大きな収益プールになり得る。 / DNV 出典
舶用機器メーカーの売上はアフターマーケットが過半52% of operating revenue from aftermarket deliveries(2025)Kongsberg Maritimeでは2025年のアフターマーケット納入が営業収益の約52%を占めた。代替燃料船の新造需要だけでなく、長期の部品交換、保守、改修、運航支援が継続収益源になることを示す。 / Kongsberg Maritime ASA 出典
Wärtsilä Marineでもサービス売上が機器売上の約2倍2050EUR million Marine service net sales(2024)Wärtsilä Marineの2024年売上はサービス20.50億ユーロ、機器10.02億ユーロで、サービスが約67%を占める。セグメントの比較可能営業利益率は11.8%。推進機器の設置ベースを起点とするライフサイクル収益が主要な利益源である。 / Wärtsilä Corporation 出典
燃料勝者を単一予測できないこと自体がNO-GO条件24decarbonization scenarios examined(2022)DNVは、バイオマス、再生可能電力、CCS付き化石燃料の供給条件などを変えた24シナリオを検討し、価格と供給可能性の不確実性から近い将来の単一勝者を特定できないとした。単一燃料専用船への投資は、対象燃料の長期供給契約・寄港地バンカリング・規制適格性のいずれかが確保できない場合をNO-GOとすべき根拠になる。 / DNV 出典
IEAのアンモニア44%経路は大規模供給立上げを前提とする44% of shipping final energy consumption(2050)IEAのネットゼロ経路では、海運最終エネルギーに占めるアンモニア比率が2030年6%、2035年15%、2050年44%へ上昇する。したがって2030年代に供給比率が6~15%へ達しない場合、アンモニア船需要の強気評価を見直す明示的なベアケース指標となる。 / International Energy Agency 出典
燃料オプション装備の価格プレミアムが需要を抑制10% minimum newbuild price premium (range: 10–15%)(2025)OECDによれば、LNG・メタノール対応船の新造価格プレミアムは通常約10~15%で、明確な低下傾向も確認されない。燃料価格差に加えて船価差が残るため、炭素価格・補助金・グリーンプレミアム運賃が不足すれば、通常燃料船や後日改造可能設計への需要回帰が起こり得る。 / OECD 出典
代替燃料改造は修繕市場の1%未満にとどまる1% of retrofit and repair market (less than)(2024)代替燃料転換件数は2020年以降倍増したが、OECDによれば改造・修繕市場全体の1%未満。既存船需要が大規模な燃料転換ではなく、省エネ技術、船体・プロペラ改善、運航最適化へ流れる可能性を示し、改造需要を前提とする事業者への破壊要因となる。 / OECD 出典
アンモニアは機関成熟より環境規制整備がボトルネックIMO GreenVoyage2050の規制マッピングでは、アンモニア燃料の流出・排水管理と逃散アンモニアは低い規制準備度にあり、N2OもMARPOL Annex VIで未規制。安全ガイドラインの進展だけでは商用普及を保証せず、環境規則の追加が後発的な設備改修や運航制約を生む可能性がある。 / International Maritime Organization GreenVoyage2050 出典
IMO世界規制の採択遅延を需要予測の撤退基準に設定12months adjournment(2025)IMOは2025年10月、Net-Zero Frameworkの採択審議を1年間延期し、臨時会合を12カ月後に再開すると決定した。世界共通の燃料基準・GHG価格制度を前提とする代替燃料船の需要予測は、2026年の再会合でも採択または拘束的な実施日程が確定しない場合をNO-GO/ベアケースとすべきである。 / International Maritime Organization 出典
低GHG燃料案件のFID到達率4%が船舶需要の実現上限を規定4% of hydrogen-derived projects reaching final investment decision(2025)DNVによれば、水素由来燃料プロジェクトのうち最終投資決定に到達した案件は4%、稼働済みは1%にすぎない。発注済み代替燃料船が想定燃料で運航する需要予測は、FID率が上昇せず供給設備の建設が確定しない場合に外れる。燃料対応船数ではなく、航路別の確定供給量を投資ゲートにすべきである。 / DNV 出典
2030年低GHG燃料供給予測には30 Mtoeの幅70Mtoe minimum of 2030 projected capacity range (70–100 Mtoe)(2030)DNVの2030年世界生産能力予測は、全需要部門・バイオディーゼル込みで70~100 Mtoeと30 Mtoeの幅がある。一方、海運は航空・陸運・産業とも燃料を競合する。したがって上限値に依存する船舶需要評価は避け、70 Mtoe側かつ海運への配分が限定されるケースでも成立することを投資条件とする。 / DNV 出典
船上CO2回収が低GHG燃料25 Mtoe/年を代替し得る25Mtoe low-GHG fuel use per year equivalent(2030)DNVのモデルでは、主要20港にCO2荷揚げ設備を設置し、十分な船舶をOCCS対応へ改造すれば、IMOの2030年基本目標への寄与は低GHG燃料25 Mtoe/年の使用に相当する。IMO規則とLCAガイドラインにOCCSが組み込まれれば、従来燃料船の延命が進み、新造代替燃料船と燃料需要を直接侵食する破壊要因となる。 / DNV 出典
省エネ技術だけで2030年燃料需要を最大16%削減16% maximum fuel-consumption reduction (range: 4–16%)(2030)DNVは運航・技術的な省エネ策により、2030年までに燃料消費を4~16%削減できると推計する。代替燃料の不足・高価格局面では、船主が燃料転換より先に風力補助、空気潤滑、廃熱回収などを選ぶため、代替燃料船と燃料供給設備の需要量を下押しする。 / DNV 出典
風力補助推進は新造専用市場ではなく改造市場から侵食75% of wind-assisted propulsion installations that are retrofits(2025)DNVによれば、2025年8月時点の現代的な風力補助推進搭載船64隻のうち75%がレトロフィットで、さらに84隻が発注済みである。有効性が実証されれば、特にバルカー・タンカーでは既存船改造による燃料削減が先行し、代替燃料対応の新造推進システム需要を代替する可能性がある。 / DNV 出典

産業テーマ 深掘り — 有識者・現状診断・各国動向ITT 統制語彙接続

産業テーマDB から、この分野の有識者・現状診断・産業議論・事例・各国動向・未来洞察と、国際機関や省庁の権威レポートを引いた。★この接続は統制された語彙(産業のL1名・レポート系統コード)によるもので、産業IDでは結べない(接続先のIDは別の産業を指す)。

事例10件
成功事例1: 日本財団のMEGURI2040の一環で、三菱造船と新日本海フェリーは大型カーフェリー「SOLEIL」による完全自動運航システムの実証を完了した。乗組員不足とヒューマンエラー低減に対し、既存フェリー事業者・造船会社・公益財団が共全長222mのフェリーで実証2022年 / 三菱重工業 出典
成功事例1: SOLEIL実証では、新門司から伊予灘までの約240kmを約7時間、最大26ノットで航行し、自動離着桟・自動避航・遠隔機関監視・サイバーセキュリティを組み合わせた。自動運航は単一機能ではなく、港内操船、外洋航行、監視、通信保護約240km、約7時間、最大26ノット2022年 / 三菱重工業 出典
成功事例1: MEGURI2040では2020年2月から5コンソーシアムを支援し、2022年1〜3月に各コンソーシアムが完全自動運航コンセプトの実証を行う枠組みだった。個社単独開発ではなく、複数ユースケースを同時に検証する公益主導型の実証ポ5コンソーシアム、実証期間2022年1〜3月2020-2022年 / 三菱重工業 出典
成功事例1: SOLEILは赤外線カメラによる他船検知、SUPER BRIDGE-Xの自動避航、遠隔機関監視などを搭載した。内航海運の省人化では、船員代替そのものよりも夜間・狭水域・機関異常など高リスク局面を補完する機能から実装が進む可能性2022年 / 三菱重工業 出典
成功事例2: 日本郵船とIHI原動機はClassNKの協力を得て、アンモニア燃料タグボート「魁」を完成させ、東京湾で3か月の実証運航に入った。商用利用を前提にした世界初のアンモニア燃料船として、港湾内作業船から社会実装を始める現実的な導入順商用利用向け世界初、実証運航3か月2024年 / 日本郵船 出典
成功事例2: 「魁」は2015年に日本初のLNG燃料船として竣工した同名タグボートを、京浜ドックでアンモニア燃料船へ改造した案件である。新造だけでなく既存船改造を使うことで、代替燃料技術の学習サイクルを早められることを示す。2015年LNG燃料船竣工、2024年アンモニア燃料へ改造完了2015-2024年 / 日本郵船 出典
成功事例2: 国土交通省のGI基金「次世代船舶の開発」では、アンモニア燃料船について2028年までのできるだけ早期の商業運航、水素燃料船について2030年までの実証運航完了を目標にしている。個別船の成功を産業化するには、燃料供給体制や国産エアンモニア燃料船は2028年までのできるだけ早期、水素燃料船は2030年まで2021-2030年 / 国土交通省 出典
失敗事例1: 知床遊覧船KAZUⅠは2022年4月23日、知床半島西側カシュニの滝沖で沈没し、旅客18人、船長、甲板員が死亡、旅客6人が行方不明となった。小型旅客船事業では、観光需要よりも安全管理、通信、気象判断、船体保守を優先する統治が不死亡20人、行方不明6人2022年 / 運輸安全委員会 出典
失敗事例1: 事故調査報告書は、船首甲板部ハッチ蓋が確実に閉鎖されていない状態で出航し、波が打ち込んだことで船首区画から倉庫区画、機関室、舵機室へ浸水が拡大したと分析している。ハッチ部品の劣化や緩み、隔壁の水密性欠如など、地味な保守不備が致2023年 / 運輸安全委員会 出典
失敗事例1: KAZUⅠは運航基準と異なり、気象・海象悪化が想定される中でも途中で引き返す前提で出航し、事務所との有効な通信手段もなかったとされた。失敗の本質は船体単体ではなく、運航基準を遵守しない企業文化と実質的な運航管理の不在にある。2023年 / 運輸安全委員会 出典
各国動向9件
世界の海上貿易は2023年に12.3十億トンへ回復し、前年比2.4%増となった。UNCTADは2024年を2.0%増、2029年まで年平均2.4%増と見込んでおり、主要国の海運・港湾投資は需要回復を前提に再加速している。12.3十億トン、前年比+2.4%、2024年予測+2.0%、2029年まで年平均+2.4%2023-2029 / UNCTAD 出典
紅海・スエズ運河とパナマ運河の混乱により、アジア発着航路の迂回が常態化し、船腹需要と運航コストが上振れしている。2024年半ばにはアデン湾通航トン数が76%減、スエズ運河通航トン数が70%減、喜望峰到着が89%増となった。アデン湾トン数-76%、スエズ運河トン数-70%、喜望峰到着+89%2024 / UNCTAD 出典
造船供給は中国・日本・韓国に極度に集中しており、2023年の世界建造量の95%を3カ国が占めた。中国は同年に世界建造能力の過半を初めて引き渡し、日本造船は中韓との規模競争と脱炭素船への転換を同時に迫られている。中国・日本・韓国で世界建造量95%、中国が世界能力の過半を引渡し2023 / UNCTAD 出典
米国は中国の海事・物流・造船分野での産業政策を通商上のリスクと位置づけ、Section 301調査で中国の世界造船シェア拡大を問題視した。USTRは、中国の造船シェアが1999年の5%未満から2023年には50%超へ上昇し、2024年1月時世界造船シェア: 1999年5%未満→2023年50%超、商船船隊保有19%超1999-2024 / Office of the United States Trade Representative 出典
米国は中国関連船舶・中国建造船・外国建造自動車運搬船などに対するサービスフィーや、米国LNG輸送に関する制限をSection 301措置として提示した。これは造船・港湾機器・海運サービスを安全保障と産業基盤の論点として扱う政策転換である。2025 / Office of the United States Trade Representative 出典
EUは2024年1月からEU港に寄港する5,000総トン以上の大型船をEU ETSの対象に加え、域外航海は排出量の50%、EU域内航海と港内排出は100%を対象とした。排出枠の償却は段階導入で、2025年に2024年排出の40%、2026年対象船舶5,000総トン以上、償却割合40%→70%→100%2024-2027 / European Commission 出典
EUのFuelEU Maritimeは2025年1月から本格適用され、EU港に寄港する5,000総トン超の船舶に燃料のGHG強度低減を求める。削減率は2025年2%、2030年6%、2050年80%で、旅客船・コンテナ船には2030年以降のGHG強度削減: 2025年-2%、2030年-6%、2050年-80%2025-2050 / European Commission 出典
IMO加盟国は2023年GHG削減戦略で、国際海運のGHG排出を2050年頃までにネットゼロへ近づける目標を採択した。2030年には総排出量を2008年比で少なくとも20%削減、ゼロまたはニアゼロ燃料等の利用を最低5%まで引き上げる方向で、2030年排出削減20%以上、ゼロ/ニアゼロ燃料等5%以上、2050年頃ネットゼロ2023-2050 / International Maritime Organization 出典
日本はi-Shipping production補助金で開発された造船DX・生産性向上技術の横展開を進めている。国土交通省は成果活用・導入手引書を配布し、造船・舶用工業事業者の研究開発や技術導入の参考資料として利用を促している。2024 / 国土交通省 出典
有識者10件
官民有識者による造船業再生ロードマップは、日本造船業の課題を一時的な市況悪化ではなく、建造量縮小、設備投資リスク、人材不足、競合国との規模差が重なった構造問題として整理している。2035年に日本船主の需要を国内で受け止める能力を確保すること建造量は2019年1,600万総トンから2024年900万総トンへ減少、2035年目標1,800万総トン2025年 / 国土交通省・内閣府 出典
同ロードマップは、造船再生には単発補助ではなく、複数年度にわたる作業ライン全体の整備とステージゲート型の投資管理が必要だとみている。自動化・標準化・企業間連携を組み合わせ、個社ごとの受注・設計・製造仕様の不統一を解くことが焦点である。2035年までに官民で1兆円規模の投資実現を目指す2025年 / 国土交通省・内閣府 出典
造船業再生ロードマップの基礎資料は、中国の受注・建造拡大を日本造船の競争環境悪化として明示している。日本の受注シェア低下に加え、日本船主の中国造船所発注増が進み、国内建造能力の維持が取引慣行だけでは担保されない状況になっている。日本の世界受注シェアは2024年8%、中国は2024年に世界受注の7割超、2022年以降の日本船主による中国発注は全体の3-4割程度2024年 / 国土交通省海事局 出典
大阪大学の造船ワーキンググループ資料は、造船人材の不足を単なる採用広報の問題ではなく、大学側の学生定員・教員数・研究設備の制約として捉えている。学生は給与・勤務地・業務内容を比較して進路選択するため、地方立地や配属不確実性も人材獲得上のハー大阪大学の修士学生母数は27名程度、日本で造船関係を主力で扱う分野を持つ大学は8大学2026年 / 大阪大学大学院工学研究科 出典
同資料は、造船人材確保には大学と業界の継続的インタラクションが必要だとし、企業技術者の講義参加、共同研究テーマ設定、社会人学生受入れ、造船所見学の教育組込みを提案している。人材供給の拡大は、教育インフラ投資と産学連携を同時に進めないと限界が副専攻プログラム「造船造機AIデジタル専攻(仮称)」を構想2026年 / 大阪大学大学院工学研究科 出典
内航海運の専門家資料は、内航を石油・石灰石・鉄鋼など産業基礎物資輸送の代替困難な生命線と位置づけている。安定輸送の当面課題は船員の維持・確保と船舶の代替建造であり、物流効率だけでなく供給継続リスクとして扱われている。内航貨物の約9割が産業基礎物資、国内貨物輸送分担率約4割2024年 / 日本内航海運組合総連合会 出典
内航海運では、若年船員が増えていても人手不足は解消しておらず、働き方改革と全産業的な労働力不足で採用需要が高止まりしている。公的養成機関だけでは採用需要に届かないため、転職者、自衛隊OB、水産高校など複線的な供給ルートの開拓が論点になってい30歳未満の内航貨物船員割合は2014年13.0%から2023年19.1%、内航採用数800-1000人/年に対しJMETS校の養成力に制約2024年 / 日本内航海運組合総連合会 出典
内航船の代替建造について、専門家資料は船価高騰と貨物需要減少で投資が見合わず、船舶高齢化が限界に近いと指摘している。荷主の理解、共有建造制度、税制、中小造船所の建造・修繕体制維持を一体で扱う必要がある。中小造船所の内航船年間建造実績は80-90隻程度2024年 / 日本内航海運組合総連合会 出典
日本船主協会は、国際海運の脱炭素制度は世界単一市場に合う合理的・現実的な内容であるべきだとし、IMO中期対策、EU-ETS、FuelEU Maritimeへの対応を重点課題に置いている。ゼロエミ船導入には、規制対応だけでなくGX経済移行債なIMOは2050年頃GHGネットゼロ、EU-ETSは2024年以降、FuelEU Maritimeは2025年以降適用2025年 / 一般社団法人日本船主協会 出典
日本造船工業会は、ゼロエミッション船への対応とスマートファクトリー化を同時に進める必要があるとしている。新燃料船の標準化、燃料タンク・機関室のモジュール化、設計・生産DX、自動運航・遠隔操船の技術開発を、競争力維持と人材不足対策の共通解に位2025年度事業計画の重点項目2025年 / 一般社団法人日本造船工業会 出典
未来洞察10件
国際海運は2030年代前半に代替燃料への転換圧力が強まる確度が高い。IMOの中期対策が採択・発効しない、またはゼロエミッション燃料船への経済的インセンティブが燃料価格差を埋めない場合は、このシナリオは反証される。IMOは2050年頃までにGHG排出ゼロ、2025年4月MEPC83で条約改正案に合意2025年-2030年代前半 / 国土交通省海事局 出典
内航海運の脱炭素は、単なる省エネではなく船隊更新・燃料転換を伴う投資テーマになる確度が高い。省エネ船の年間建造、バイオ燃料利用、代替燃料船建造が目標ペースを下回り続ける場合は、2040年目標から逆算した3-10年の投資加速シナリオは崩れる。2030年度GHG削減目標は2013年度比181万トン、2040年度は同387万トン、省エネ船年間70隻、バイオ燃料10%相当、代替燃料船2040年までに160隻2025年-2040年度 / 国土交通省海事局 出典
アンモニア・水素燃料船は2020年代後半から実証・初期商用化に入り、2030年代の新造船競争力を左右する可能性が高い。大型アンモニア船の2026年実証、2028年早期商用運航、水素船の2027年実証・2030年以降商用運航が遅延すれば、普及大型アンモニア燃料船は2026年実証運航開始、2028年までのできるだけ早期に商業運航開始、水素燃料船は2027年実証、2030年以降商業運航予定2026年-2030年以降 / 国土交通省海事局 出典
自動運航船は2030年頃の本格商用化を目指す政策・国際ルール形成が進み、事故低減と船員労働環境改善の両面で実装テーマになる。2026年予定のIMO非義務的規則の最終化や国内制度整備が遅れ、保険・責任分担・港湾側運用が固まらない場合は、普及はIMO MSC111で2026年に非義務的規則を最終化予定、2030年頃までの本格的商用運航を目標2026年-2030年頃 / 国土交通省海事局 出典
日本の船舶産業は2030年に次世代船舶の受注量トップシェアを狙うが、達成にはDX・自動化と企業間連携による生産性改善が前提になる。中国・韓国の大規模造船所がロット発注対応と価格競争力を維持し、日本側の事業基盤強化が受注増に結びつかない場合は2030年に次世代船舶受注量トップシェアを目標、2025年度にDXオートメーション技術の開発・実証7件を支援2025年度-2030年 / 国土交通省海事局 出典
船舶用機関・ソナー・プロペラは経済安全保障上の重要物資として、国内供給能力維持が3-10年の政策支援対象になり続ける可能性が高い。認定済み供給確保計画が設備能力・納期・価格競争力の改善に結びつかない場合、国内サプライチェーン強靱化の実効性は船舶用機関、航海用具ソナー、推進器プロペラを特定重要物資に指定、2025年5月末までに11件の供給確保計画を認定2025年-2030年代前半 / 国土交通省海事局 出典
洋上風力の拡大は、SEP船、調査船、保守船など海事産業の隣接需要を押し上げる中期シナリオである。国内の洋上風力案件形成、EEZ内浮体式開発、港湾・作業船投資が遅れる場合は、船舶需要への波及は限定的になる。洋上風力導入目標は2030年までに10GW、2040年までに30-45GW、2040年の世界投資見込み120兆円超2030年-2040年 / 国土交通省海事局 出典
海技人材不足は、脱炭素船・自動運航船の普及時期を左右する制約条件になる。求人倍率の低下、若手定着率の改善、新燃料・自動運航対応教育の拡充が確認できなければ、技術実装より人材制約が先に表面化する。船員の有効求人倍率は直近4倍超、新燃料船と自動運航船に対応可能な海技人材が課題2025年-2030年代前半 / 国土交通省海事局 出典
内航海運は物流2024年問題を背景にモーダルシフトの受け皿になる一方、国内需要縮小と船隊更新負担が上限を作る。荷主が長期契約・適正運賃・用船料で更新投資を支えず、輸送量減少が続く場合は、環境優位だけでは成長シナリオにならない。国内貨物輸送約4割、産業基礎物資輸送約8割、1991年度ピーク比約38%減、中小企業比率99.7%2025年-2030年代前半 / 国土交通省海事局 出典
旅客船・離島航路では安全規制強化と公的支援の両方が続き、事業者の退出・統合や公設民営化が進む可能性がある。規制対応後も重大事故が減らない、または補助対象航路の収支改善が見えない場合は、安全投資と航路維持の両立シナリオは弱まる。2025年4月から改良型救命いかだ等の搭載義務化、2025年度予算約70.5億円、補助対象127航路2025年度-2030年代前半 / 国土交通省海事局 出典
現状診断10件
日本の貿易量はトン数ベースでほぼ海上輸送に依存しており、外航海運は国民生活と経済安全保障の基盤である。海上貿易量の過半は日本商船隊が担うが、日本籍船は非常時の物資輸送を担う中核として位置づけられている。海上輸送比率99.5%、日本商船隊輸送比率59.8%2024年 / 国土交通省海事局 出典
日本の海事クラスターは外航・内航、造船・舶用、船員を含む広い産業集積だが、国際競争、国際情勢の不透明化、脱炭素、人手不足が同時に圧力となっている。クラスター内の一部が欠けると循環が途切れるため、海運・船舶産業・船員を一体で強靱化する必要があ外航産業規模6.3兆円、内航産業規模1.48兆円2023年度 / 国土交通省海事局 出典
内航海運は国内貨物輸送と産業基礎物資輸送を支える基幹インフラだが、人口減少や国内需要縮小で長期的な輸送量低下に直面している。さらに、事業者の大半が中小企業で荷主との専属化・系列化が固定化しており、適正運賃・用船料の収受と取引環境改善が主要論国内貨物輸送約4割、産業基礎物資輸送約8割、1991年度ピーク比約38%減、中小企業比率99.7%2025年 / 国土交通省海事局 出典
内航船員は若年層がやや増えている一方で、50歳以上がなお4割超を占め、人材の年齢構成は高齢側に偏っている。若手船員の定着率低下も課題とされ、働き方改革と職場環境改善が供給制約の緩和に直結する。50歳以上43.6%、30歳未満20.2%、30歳未満船員数5,794人2024年 / 国土交通省海事局 出典
海技人材は求人需給が逼迫しており、新燃料船や自動運航船の普及を見据えた人材像も変化している。船員養成機関では応募者減少、教員・練習船乗組員不足、練習船・施設の老朽化が課題として整理されている。船員の有効求人倍率は直近4倍超2025年 / 国土交通省海事局 出典
離島航路は住民生活と観光・物流を支える不可欠な公共交通だが、人口減少と輸送人員減少で維持が難しくなっている。国は赤字航路への運航費補助や公設民営化支援を続けており、航路維持は政策支援依存の色彩が強い。輸送人員は約20年で約2割減、2025年度予算約70.5億円、補助対象127航路2025年度 / 国土交通省海事局 出典
造船業は海上輸送、防衛、海上保安を支える重要産業であり、国内・地方圏に生産拠点を維持している点が特徴である。地方生産比率と部品国内調達率が高く、地域雇用と経済安全保障の両面で戦略性が高い。地域生産比率94%、国内生産比率78%、部品国内調達率95%2023年 / 国土交通省海事局 出典
造船・舶用工業は裾野の広い国内産業だが、国際競争の中で生産基盤とサプライチェーンの維持が課題になっている。船舶用機関、推進器、ソナーは経済安全保障推進法上の特定重要物資に指定され、設備投資支援の対象になっている。造船業従業員7.0万人、造船業産業規模3.0兆円、造船業約900事業者、舶用工業従業員4.6万人、舶用工業産業規模1.0兆円、舶用工業約800事業者2023年-2024年 / 国土交通省海事局 出典
内航海運の脱炭素は、運輸部門排出削減とモーダルシフトの双方に関わる論点である。内航海運は陸上輸送より環境負荷が低い一方、2030年度・2040年度の削減目標が設定され、非化石エネルギー転換や運航効率化が求められている。内航海運CO2排出量約973万トン、運輸部門排出量の約5%、2030年度GHG削減目標2013年度比181万トン、2040年度同387万トン2023年度-2040年度 / 国土交通省海事局 出典
旅客船安全では、知床遊覧船事故を契機に事業者の安全管理、船員資質、船舶安全基準、監査・処分の強化が進んでいる。2025年4月から改良型救命いかだ等の搭載義務化や安全統括管理者・運航管理者の資格試験が開始され、安全規制の実装段階に入った。知床遊覧船事故の死者・行方不明者26名2022年-2025年 / 国土交通省海事局 出典
産業議論11件
国土交通省は、海運・造船・舶用・船員・金融・教育機関等が有機的に集積する海事クラスターの強靱化を政策論点としている。国際競争の激化、脱炭素化、人手不足に対し、個別企業ではなくクラスター全体の連携を競争力の源泉と位置づけている。外航産業規模6.3兆円、内航1.48兆円、造船業3.0兆円、舶用工業1.0兆円2025年 / 国土交通省海事局 出典
海事クラスター4団体は、造船再生を経済安全保障と地方経済の問題として提起している。輸出入の大宗を海上輸送に依存し、その相当部分を日本商船隊が担う構造を背景に、国内造船・舶用基盤の維持を求めている。輸出入の99.5%を海上輸送、日本商船隊が60%を輸送2025年 / 日本船主協会・日本造船工業会・日本中小型造船工業会・日本舶用工業会 出典
同4団体は、日本造船業の世界建造受注シェア低下を、自助努力だけでは存続が危ぶまれる水準として議論している。2035年の建造能力確保に向け、基金、税制、DX・ロボット投資、水平・垂直連携を一体で要望している。世界建造受注量シェアは近年15-20%程度から2024年8%へ低下、2035年1,800万総トン建造能力、国主導で1兆円以上の投資を可能とする基金2025年 / 日本船主協会・日本造船工業会・日本中小型造船工業会・日本舶用工業会 出典
造船再生の業界要望では、船価差の要因として鋼材内外価格差が明示されている。造船コスト構造に踏み込み、競争相手国との価格差解消支援を求める議論になっている。中国比で日本の船価は2割程度高い、鋼材は建造コストの3割程度2025年 / 日本船主協会・日本造船工業会・日本中小型造船工業会・日本舶用工業会 出典
日本造船工業会は、海運市況回復で仕事量は確保されつつある一方、資機材・燃料・人件費上昇と人材不足を経営基盤上の課題としている。競合国の政府支援拡充に対し、国としての対抗措置、GX経済移行債、業界内連携、海事クラスター間協業を重点化している。2025年度重点項目2025年 / 一般社団法人日本造船工業会 出典
日本造船工業会は、ゼロエミッション船の早期普及とスマートファクトリー化を一体の産業議論としている。新燃料船の設計・生産の標準化、燃料タンクや機関室のモジュール化、ロボット化・自動化を、人材不足対策と国際競争力強化の双方に結びつけている。スマートゼロシップ、スマートファクトリー2025年 / 一般社団法人日本造船工業会 出典
日本船主協会は、IMOのGHG中期対策とEU-ETS・FuelEU Maritimeへの対応を主要課題に掲げ、世界単一市場である国際海運に適した合理的な制度設計を求めている。海運業界の論点は、脱炭素規制への適合だけでなく、ゼロエミ船導入支援IMO 2050年頃GHGネットゼロ、EU-ETSは2024年以降、FuelEU Maritimeは2025年以降適用2025年 / 一般社団法人日本船主協会 出典
日本船主協会は、紅海・中東海域やウクライナ情勢など地政学リスクを、船舶・船員の安全確保と会員向け情報発信の課題として扱っている。国際海運では危機管理情報の迅速な把握と共有が、事業継続上の業界横断テーマになっている。2024年から危機管理情報ソース利用開始2025年 / 一般社団法人日本船主協会 出典
内航総連は、内航海運を国内産業基礎物資の生命線と位置づけ、安定輸送の確保を最大論点にしている。内航はトンキロベースで国内貨物輸送の約4割を担い、石油・石灰石・鉄鋼等の基礎物資輸送に代替困難性がある。内航従事者8.6万人、売上高1.2兆円、国内貨物輸送分担率約40%、内航貨物の約9割が産業基礎物資2024年 / 日本内航海運組合総連合会 出典
内航総連は、船員確保を内航海運の最大課題としている。若年船員は増えているものの高齢化は残り、採用需要に対して公的養成機関だけでは供給が足りないため、転職市場や多様な養成ルートを含めた制度見直しが論点になっている。30歳未満の内航貨物船員割合は2014年13.0%から2023年19.1%、内航採用数800-1000人/年に対しJMETS校の養成は400人程度2024年 / 日本内航海運組合総連合会 出典
内航総連は、船舶の代替建造と修繕体制の維持を、荷主理解と中小造船所の供給能力の問題として整理している。貨物需要減少と船価高騰で投資が先送りされ、船舶高齢化が限界に近いとの認識が示されている。中小造船所の内航船年間建造実績は80-90隻程度2024年 / 日本内航海運組合総連合会 出典
権威レポート20件

★20 件のうち所見を抽出済みなのは 1 件。残りは題名と出典のみで、本文の所見はまだ取り出していない。★「所見が無い」ではなく「未抽出」である。

Review of Maritime Transport 2025: Staying the course in turbulent waters所見 未抽出UN Trade and Development (UNCTAD)(International) 2025-09 出典
海事レポート2025所見 未抽出国土交通省海事局(日本) 2025 出典
数字で見る海事2025所見 未抽出国土交通省海事局(日本) 2025 出典
Review of Maritime Transport 2024: Navigating maritime chokepoints所見 未抽出UN Trade and Development (UNCTAD)(International) 2024-10 出典
ICS Maritime Barometer Report 2023-2024所見 未抽出International Chamber of Shipping(United Kingdom) 2024-09 出典
海事レポート2024所見 未抽出国土交通省海事局(日本) 2024 出典
Maritime Administration Strategic Plan FY 2022-2026: Navigating a Stronger Future所見 未抽出U.S. Maritime Administration(United States) 2024 出典
2023 IMO Strategy on Reduction of GHG Emissions from Ships所見 未抽出International Maritime Organization(International) 2023-07 出典
Performance of Maritime Logistics所見 未抽出International Transport Forum / OECD(International) 2022-07 出典
国際海運の2050年カーボンニュートラルに向けて所見 未抽出国土交通省海事局(日本) 2022 出典
A Pathway to Decarbonise the Shipping Sector by 2050所見 未抽出International Renewable Energy Agency(International) 2021-10 出典
Charting a Course for Decarbonizing Maritime Transport: Summary for Policymakers and Industry所見 未抽出World Bank(International) 2021-04 出典
The Potential of Zero-Carbon Bunker Fuels in Developing Countries所見 未抽出World Bank(International) 2021-04 出典
The Role of LNG in the Transition Toward Low- and Zero-Carbon Shipping所見 未抽出World Bank(International) 2021-04 出典
European Maritime Transport Environmental Report 2021所見 未抽出European Maritime Safety Agency; European Environment Agency(European Union) 2021 出典
Future Maritime Trade Flows: Summary and Conclusions所見 未抽出International Transport Forum / OECD(International) 2020-06 出典
国際海運のゼロエミッションに向けたロードマップ所見 未抽出国土交通省(日本) 2020-03 出典
Fourth IMO Greenhouse Gas Study 2020International Maritime Organization(International) 2020 出典
Clean maritime plan: Maritime 2050 environment route map所見 未抽出Department for Transport; Maritime and Coastguard Agency(United Kingdom) 2019-07 出典
Maritime 2050: navigating the future所見 未抽出Department for Transport(United Kingdom) 2019-01 出典

掲載企業の研究領域 — 全社ベースCLR 法人番号接続

上の企業一覧に載る上場企業について、有価証券報告書の研究開発活動から抽出した全社の研究領域を引いた。★これは会社全体の研究であって、本分野に限った研究ではない。(例: 造船の企業でも、水素ガスタービンや原子炉が並ぶ。本分野の研究と読み替えないこと。)★法人番号での接続だが、その法人番号自体は社名の一致で当てたものであり、同定の強さは社名一致に留まる。

三菱重工業6件
水素ガスタービンstrongCO2を排出しない水素ガスタービン、運搬や貯蔵に優れたアンモニアを燃料とするアンモニアガスタービンの開発 出典
次世代水素製造技術strong水電解に加えメタンガス熱分解等の次世代水素製造技術の開発 出典
革新軽水炉strong世界最高水準の安全性を実現する革新軽水炉「SRZ-1200」と、将来における社会の多様化ニーズを見据えた高温ガス炉 出典
CO2回収技術strong国内外に設置した各産業分野のCO2回収パイロットプラントでのCO2回収技術の実証 出典
複合材構造strong次世代民間機への複合材構造の適用拡大を目指した軽量化・生産高レート化・複雑形状化技術の開発 出典
サイバーセキュリティ技術strong重要インフラの制御システム向けなどのサイバーセキュリティ技術の開発 出典
集中フォーサイト解析 — 最先端ロードマップと盲点

2026年から2055年の三期を通じて、基金立ち上げから次世代船舶市場の獲得、海事産業群の自律性確立へと段階的に進む。RMP 技術ロードマップDB 接地

中長期的に海上輸送量が増加し、アンモニア・水素燃料で走るゼロエミッション船など次世代船舶の建造需要が拡大する見込みである。一方で大幅なコスト上昇・工数増・高技能設計者の不足・長期間多額の設備投資が立ちはだかる。この機会を、いつ・どの順序で日本は捉えられるのか。2026年から2029年の基金立ち上げと体制整備、2030年から2036年の次世代船舶市場の獲得、2037年から2055年の海事産業群の自律性確立へと段階的に進む射程が描かれる。

① 技術ロードマップ — 射程×実現年のマイルストーン
技術ロードマップ(射程×実現年)近 〜3年1234567中 3-10年8910111213141516遠 10-30年1718202620292032203520382041204420472050
マイルストーンは近7・中13・遠2件、2026〜2050年に分布。 実現マイルストーンを射程(近/中/遠)レーン × 実現(予測)年で配置。番号は下の凡例(年・内容・TRL遷移)。
  1. 12026造船施設等の拡充・刷新 フェーズ1 着手(自動化・省力化設備が中心)
  2. 22026AI・ヒューマノイドロボット技術開発およびグループ体制の検討に着手
  3. 32026LNG運搬船のサプライチェーンにおける将来のコミットメントの在り方に
  4. 42026LNG燃料船のメタンスリップ削減率 60%以上を実現
  5. 52027育成就労制度の運用開始(造船分野の外国人材受入れ)
  6. 62028アンモニア燃料船の商業運航をできるだけ早期に実現
  7. 72028フェーズ1 完了(2026〜2028)
  8. 82029造船施設等の拡充・刷新 フェーズ2 着手(施設の新設・拡大)
  9. 92030水素燃料船の実証運航を完了
  10. 102030AIを活用した次世代型造船ロボットの研究開発(150億円)
  11. 112030国際海運の CO2 排出原単位を 2008年比で少なくとも 40%
  12. 122030ゼロ/ニアゼロ GHG 技術・燃料が国際海運のエネルギーの少なくとも
  13. 132031フェーズ2 完了(2029〜2031)
  14. 142032造船施設等の拡充・刷新 フェーズ3 着手(増強したドック・クレーンの
  15. 152034フェーズ3 完了(2032〜2034)
  16. 162035建造量 1,800万総トン(日本船主の船舶建造需要予測量)に対応する
  17. 172040国際海運の総 GHG 排出量を 2008年比で少なくとも 70%(s
  18. 182050国際海運の GHG 排出を 2050年頃までにネットゼロへ
全マイルストーンの一覧(TRL遷移・反証条件・一次出典)を開く22件
射程実現年TRLマイルストーン
近(〜3年)2026造船施設等の拡充・刷新 フェーズ1 着手(自動化・省力化設備が中心)。造船業再生基金 1,200億円 出典
近(〜3年)2026AI・ヒューマノイドロボット技術開発およびグループ体制の検討に着手 出典
近(〜3年)2026LNG運搬船のサプライチェーンにおける将来のコミットメントの在り方について結論(令和8年春頃目途) 出典
近(〜3年)2026LNG燃料船のメタンスリップ削減率 60%以上を実現 出典
近(〜3年)2027育成就労制度の運用開始(造船分野の外国人材受入れ) 出典
近(〜3年)2028アンモニア燃料船の商業運航をできるだけ早期に実現 出典
近(〜3年)2028フェーズ1 完了(2026〜2028) 出典
中(3〜10年)2029造船施設等の拡充・刷新 フェーズ2 着手(施設の新設・拡大) 出典
中(3〜10年)2030水素燃料船の実証運航を完了 出典
中(3〜10年)2030AIを活用した次世代型造船ロボットの研究開発(150億円) 出典
中(3〜10年)2030国際海運の CO2 排出原単位を 2008年比で少なくとも 40% 削減反証条件: IMO の指標的チェックポイント。総排出量ベースでは 2008年比 少なくとも20%(striving for 30%)削減 出典
中(3〜10年)2030ゼロ/ニアゼロ GHG 技術・燃料が国際海運のエネルギーの少なくとも 5%(striving for 10%)を占める 出典
中(3〜10年)2031フェーズ2 完了(2029〜2031) 出典
中(3〜10年)2032造船施設等の拡充・刷新 フェーズ3 着手(増強したドック・クレーンの稼働) 出典
中(3〜10年)2034フェーズ3 完了(2032〜2034) 出典
中(3〜10年)2035建造量 1,800万総トン(日本船主の船舶建造需要予測量)に対応する国内建造能力を確保反証条件: 2024年の建造量は900万総トン・建造能力は907万総トン。約2倍への到達可否が反証点 出典
中(3〜10年)2035ゼロエミッション船など次世代船舶の建造技術で世界を主導し、国際社会における我が国造船業の役割を確立 出典
中(3〜10年)2035官民で1兆円規模の投資を実現 出典
中(3〜10年)2035国内建造を主要1〜3グループ体制へ集約し、次世代船舶の設計体制を集約化 出典
中(3〜10年)2035建造能力 約50%向上・生産性 約25%向上・コスト 10%削減 出典
遠(10〜30年)2040国際海運の総 GHG 排出量を 2008年比で少なくとも 70%(striving for 80%)削減反証条件: IMO の指標的チェックポイントであり義務ではない 出典
遠(10〜30年)2050国際海運の GHG 排出を 2050年頃までにネットゼロへ反証条件: 原文は by or around, i.e. close to, 2050 であり期限を断定していない 出典
② 定量予測(機関別・目標年つき)
主要機関の予測(機関×目標年)202620272028MIT Technolog1.0rankingIEEE95.0%EU European C100.0%1.0%90.0%Gartner Hype 62.0%18.0vendorsForrester68.0%文部科学省 (MEXT)180.0$BDARPA / DOE (1200.0$MNEDO35.0$BIMO100.0%IDC2.8M units
予測年は2026〜2028年に分散(機関間で見解差)。 主要機関(縦軸)の予測を目標年(横軸)に配置。点の右は予測値(単位混在のため軸でなくラベル表記)。確度の幅は原データに無いため、帯は機関間の予測年レンジを示す(代理表示)。予測本文は下の一覧に。
予測の本文一覧(機関・目標年・出典)を開く14件
  • MIT Technology Review〔2026年〕 1.0ranking:MIT Technology Review identifies additive manufacturing in top 10 breakthrough technologies by 2026 出典
  • IEEE〔2026年〕 95.0%:Hydrogen safety standards (ISO/IEC) will achieve 95%+ compliance by 2026 出典
  • EU European Commission〔2026年〕 100.0%:EU will ban single-use plastics in maritime operations by 2026 per directive 出典
  • Gartner Hype Cycle〔2027年〕 62.0%:Adoption of in-situ quality monitoring in AM reaches 62% of industrial facilities by 2027 出典
  • Gartner Hype Cycle〔2027年〕 18.0vendors:Gartner Magic Quadrant positions 18 vendors as Leaders in AM/3D printing by 2027 出典
  • Forrester〔2027年〕 68.0%:Industry 4.0 MES (Manufacturing Execution System) adoption in developed markets reaches 68% by 2027 出典
  • 文部科学省 (MEXT)〔2027年〕 180.0$B:Japan's MEXT allocates 180 billion yen annually for advanced manufacturing R&D by 2027 出典
  • DARPA / DOE (US)〔2027年〕 1200.0$M:US DARPA and DOE funding for additive manufacturing reaches $1.2 billion annually by 2027 出典
  • EU European Commission〔2027年〕 1.0%:EU regulations requiring traceability and sustainability reporting in manufacturing finalized by 2027 出典
  • NEDO〔2027年〕 35.0$B:NEDO (Japan) advances nano-manufacturing capabilities with 35 billion yen investment by 2027 出典
  • EU European Commission〔2027年〕 90.0%:International submarine cable installations will require environmental impact assessments by law in 90% of cases by 2027 出典
  • IMO〔2027年〕 100.0%:Noise pollution standards for maritime shipping will be mandated internationally by 2027 出典
③ 盲点・反証(クリティカルビュー — 楽観を疑う論点)
失敗事例
重大在家AM装置の品質管理破綻
懐疑・限界
重大AM造形品の内部欠陥検査技術が検出率不十分
重大金属AM信頼性未成熟
倫理・安全
重大ロボット協働化で労働安全性が未検証
重大粉末AM環境汚染:吸入粒子の長期健康影響未評価
重大バイオプリント(バイオインク)の市販製品が治療効果未実証
重大医療用骨AM製品の生体適合性が単体試験のみ
重大デジタルファクトリーセキュリティ脆弱
重大サプライチェーン分散化の脅威
重大な盲点12件を含む計12件の反証論点。 盲点を論点タイプ別に整理し、重大度(重大・赤/高・濃赤/中・橙)を色で示す。各盲点の根拠・反証基準・出典は下の折りたたみに。
各盲点の根拠・反証基準・出典を開く12件
  • 重大ロボット協働化で労働安全性が未検証:協働ロボットは『安全』と謳うが、実装現場では不具合時の予期しない動作で軽傷事故が多発。ISO/TS 15066の速度制限が守られない工場が40%超。反証基準: 協働ロボット導入後12ヶ月の労働災害件数が導入前同期比で増加しないことを統計実証 出典
  • 重大粉末AM環境汚染:吸入粒子の長期健康影響未評価:EOS粉末工場では作業者が微粉を吸入。5~10μm粒子の肺沈着メカニズム未解明。労働環境基準が各国でばらばらで、WHO/ILO勧告なし。反証基準: AM粉末作業者の10年追跡調査で肺機能低下が非曝露者と同等であることを統計実証 出典
  • 重大AM造形品の内部欠陥検査技術が検出率不十分:X線CT、超音波検査は2mm以下の孔隙検出が困難。金属AM部品で1mm未満欠陥見逃しが多発。100%品質保証は現技術では不可能。反証基準: AM造形品内部の0.5mm以下欠陥を検査技術で90%以上検出することを実装例で実証 出典
  • 重大バイオプリント(バイオインク)の市販製品が治療効果未実証:Organovo, L&W Biotech等のバイオプリント製品は動物実験段階。ヒト臨床試験での安全性・有効性データなし。FDA認可パス不明確。反証基準: バイオプリント医療製品がFDA/PMDA承認を取得し、市販されること 出典
  • 重大医療用骨AM製品の生体適合性が単体試験のみ:Zimmer Biomet, Stratasys Medical の骨代替物は材料単体でのBiocompatibility試験実施。実装後の感染・拒絶反応リスク評価が不十分。反証基準: AM骨製品の臨床試験で10年以上の長期安全性データが公開されること 出典
  • 重大金属AM信頼性未成熟:航空宇宙部品での金属3D印刷品は内部欠陥(気孔、層状分離)が多く、疲労寿命予測が困難。NDT検査技術も確立されていない。量産化の信頼性基準が未達成。反証基準: 金属AM部品が従来鋳造品と同一の疲労寿命を持つことを統計的に証明可能か 出典
  • 重大デジタルファクトリーセキュリティ脆弱:IoT/クラウド接続されたAM装置はサイバー攻撃に脆弱。設計データ盗難、無許可改造、生産停止のリスク。セキュリティ標準が産業ごとに異なり、統一基準なし。反証基準: AM装置のセキュリティ侵害が報告される確率が年1%未満になるか 出典
  • 重大在家AM装置の品質管理破綻:医療(人工関節、歯科補綴物)や銃部品など、規制が緩い領域での在宅3D印刷。品質保証なしに身体埋植物や武器が製造され、医療事故と犯罪のリスク増加。反証基準: 無許可3D印刷医療機器の感染症・不具合報告がゼロに達するか 出典
  • 重大サプライチェーン分散化の脅威:AM により製造分散化進行時、品質管理・知財保護が困難化。DfAM設計ファイルの盗難、無許可複製、偽造品流通のリスク増。国家規制の空白地帯形成。反証基準: 3D印刷製品の偽造品・不正複製を法執行で0%に削減できるか 出典
  • 重大軍事転用・デュアルユース懸念:民間AM技術の軍事兵器化(無人機、小型爆発物、銃部品)への転用が容易。エクスポートコントロール・検査体制が整備途上で、規制回避がほぼ可能。反証基準: AM 設計ファイルの軍事転用を技術的・法的に完全に阻止できるか 出典
注目スタートアップ — 非自明な大学発ディープテック

造船は大企業と中小が結ぶ海事産業群が主役であり、単独企業でなく産業クラスター全体での技術革新が問われる。JPS 国内スタートアップDB 接地

国内スタートアップ正本(法人番号主キー)から、大学発・具体技術・資金調達をシグナルに非自明性スコアで選別した(著名な大手は減点し、見落とされがちな深い技術を前面に)。各社の中核技術・大学/研究室・直近調達(額・リード投資家)・上場状況を実データで示す。

株式会社エイトノット
2024年設立
船舶の自動運転技術を開発するスタートアップ。小型船舶向け自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」を提供し、既存船舶へのレトロフィット事業とソフトウェアソリューション事業を展開。
直近調達: 5.7億円(プレA)/2024年
2023年設立
船舶管理プラットフォーム「MARITIME 7」を開発・運営する企業。船員労務管理、運航管理、受発注管理など海事産業全体のDXを推進している。
直近調達: 3.9億円(シリーズA)/2024年
投資判断 — 規制ロードマップ

IMOとEUの脱炭素規制が次世代船舶の需要を前倒しし、規制対応とルール策定の主導が投資判断の起点となる。

国際海運の脱炭素は、IMOの2023年GHG削減戦略で2050年頃のネットゼロが掲げられた。IMOのネットゼロ・フレームワークやEEXI・CII、EUのEU ETS・FuelEU Maritimeが相次いで運用され、脱炭素船への切り替え圧力が強まっている。これらの規制は日本造船にとって脅威なのか機会なのか。規制が次世代船舶の需要を前倒しするため、IMOでの国際ルール策定を主導できるかが投資判断の分かれ目となる。

運用中
国際(IMO)EEXI(既存船エネルギー効率指標)・CII(炭素強度格付)毎年強化(2026年に見直し)
EUEU ETS(排出量取引制度)の海運適用2026年に100%適用
継続・移行期
EUFuelEU Maritime(船舶燃料のGHG強度規制)2050年に最大80%減
日本経済安全保障の観点からの海事産業基盤確保
予定・将来
国際(IMO)2023 IMO GHG削減戦略(改定版)2050年頃 ネットゼロ
国際(IMO)IMO ネットゼロ・フレームワーク(GHG燃料基準+排出課金)2027年以降 発効想定
日本造船業再生ロードマップ/造船業への設備投資支援基金(3段階)2035年 建造能力1,800万総トン
運用中2・移行2・予定3件で構成。 規制・制度を進捗(運用中→移行期→予定・将来)で整理し、所管(国・機関)をタグで示す。全項目・出典は下の折りたたみに。
規制ロードマップの全項目を開く7件
国際(IMO)2023 IMO GHG削減戦略(改定版)二次情報
所管 国際海事機関(IMO)海洋環境保護委員会(MEPC) ・ 状態 採択済・運用へ移行 ・ 時期 2050年頃 ネットゼロ
国際海運のGHGを2050年頃にネットゼロ。チェックポイントは2030年に少なくとも20%・努力目標30%、2040年に少なくとも70%・努力目標80%削減(2008年比)。低・ゼロGHG燃料を2030年に5%・努力目標10%。次世代燃料船の最大の需要駆動力。 出典
国際(IMO)IMO ネットゼロ・フレームワーク(GHG燃料基準+排出課金)二次情報
所管 IMO(MEPC) ・ 状態 合意・制度設計中 ・ 時期 2027年以降 発効想定
燃料のGHG強度基準と、基準超過分への課金(経済的手段)を組み合わせる世界初の海運向け枠組み。脱炭素船・代替燃料への切替を加速させる。 出典
国際(IMO)EEXI(既存船エネルギー効率指標)・CII(炭素強度格付)二次情報
所管 IMO(MARPOL附属書VI/MEPC.328(76)) ・ 状態 運用中(2023年〜) ・ 時期 毎年強化(2026年に見直し)
既存船にエネルギー効率(EEXI)と運航時の炭素強度(CII A-Eの格付)を義務化。基準は毎年厳しくなり、省エネ改修・代替燃料・運航最適化を促す。 出典
EUEU ETS(排出量取引制度)の海運適用二次情報
所管 欧州委員会(気候総局) ・ 状態 運用中(2024年1月〜) ・ 時期 2026年に100%適用
5,000総トン以上の大型船のEU寄港に伴うCO2排出をEU ETS対象に。段階適用(2024年40%・2025年70%・2026年100%)。海運に炭素コストを課す。 出典
EUFuelEU Maritime(船舶燃料のGHG強度規制)二次情報
所管 欧州委員会(移動・運輸総局) ・ 状態 全面適用(2025年1月〜) ・ 時期 2050年に最大80%減
船上で使う燃料のGHG強度に上限を設定。2025年に2%減から5年ごとに強化し2050年に最大80%減。再生可能・低炭素燃料の採用を後押し。 出典
日本造船業再生ロードマップ/造船業への設備投資支援基金(3段階)二次情報
所管 国土交通省・内閣府 ・ 状態 策定済(2024年12月)・実施中 ・ 時期 2035年 建造能力1,800万総トン
年間建造能力を約900万総トンから2035年に倍増(1,800万総トン)へ。3段階で総額約3,500億円規模の基金で設備投資を支援。脱炭素転換・人材確保・安定需要・同盟国連携を5本柱とする。 出典
日本経済安全保障の観点からの海事産業基盤確保二次情報
所管 内閣官房・国土交通省 ・ 状態 推進中 ・ 時期 継続
海上輸送が貿易量の99%超を担う不可欠基盤であることを踏まえ、造船・舶用工業の国内基盤を経済安全保障上の重要課題として位置づけ、能力確保・人材・技術流出防止を講じる。 出典
連携研究者 — 日本人研究者と研究テーマ

海上技術安全研究所を中核に、阪大・東大などの船舶海洋工学が脱炭素と自律運航の技術基盤を支える。RID 研究者DB(正規)接地

研究者正本(RID / 31.1万人版・本体23.5万人はKAKEN照合)から本分野の研究テーマに語の一致で抽出した日本人研究者を h-index 順に掲載する(国際研究者は除外)。★抽出は語の一致であって、この分野の研究者であることの同定ではない。★件数は全17領域で300名に固定されており、適合の閾値ではなく定員である。 ★無作為標本 30 名(乱数種 20260831・判定基準を抽出前に固定)で構成を実測した。判定基準は「ゼロエミッション船建造に直接資する研究か(海事全般と区別する)」。広義(造船・海事・海運・海洋工学・舶用・操船・海事法制)では無関係 0/30。狭義(ゼロエミ船建造)で明確に遠いものが 3/30 = 10%(95%CI 3.5-25.6%)。ゼロエミ系の語を持つのは 300 件中 11 件(3.7%)。判定は Claude(単独判定・二重判定なし)。

  • 宮田 秀明h-index 5(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:船舶燃費最適化と海上物流の効率化
    宮田秀明氏の研究は、海上物流の変化に対応し効率的に貨物を運ぶ方法を探るものです。コンテナの動きを細かくシミュレーションし物流の流れを合理的に見直す技術を開発しています。また、船の燃料消費を実際の波や風の影響も考慮して最適化し、船の寿命全体での燃費を良くする設計方法を研究しています。さらに、海の環境問題にも取り組み、海に溶ける二酸化炭素の動きを詳しく調べて環境
  • 梅田 直哉h-index 4(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:船舶転覆リスク評価と自動運航安全の革新
    梅田直哉氏の研究は、船が波の中で転覆するリスクを数学モデルと実験で科学的に計算し、安全な航行基準の策定を目指しています。自動運航技術と人の操船の違いも調べ、省エネルギーと安全性を両立させる船の性能評価法も開発。さらに、船の騒音が海の動物に与える影響も調査し、船の安全性向上と環境保護を両立させる研究です。
  • 大久保 雅章h-index 3大阪公立大学 ・ 教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:プラズマ技術で実現する船舶排ガスの完全浄化
    大久保雅章教授の研究は、船舶のディーゼルエンジンから出る有害なガス(窒素酸化物や硫黄酸化物、微粒子)を、特殊なプラズマを使って効率よく取り除く技術の開発に取り組んでいます。従来の方法では、硫黄が触媒を壊してしまう問題がありましたが、この研究では触媒を使わずにプラズマの力で複数の有害物質を同時に処理します。また、排出される二酸化炭素を燃料に変える技術も研究して
  • 北原 辰巳h-index 3九州大学 ・ 准教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:船舶用燃料電池の耐久性向上と異常診断技術の開発
    北原辰巳准教授の研究は、船で使う燃料電池の性能を高め、安全に長く使えるようにすることに焦点を当てています。燃料電池は水素を燃料にして発電し、排出物は水だけなので環境に優しいですが、船の運転環境では水の管理や塩水の混入で性能が落ちやすい問題があります。そこで、水の流れを調整する材料設計や故障を早く見つける技術を開発しています。さらに、別のタイプの燃料電池の新し
  • 谷口 智之h-index 2国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 ・ 主任研究員研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:機械学習で造船組立手順の効率化を目指す
    谷口智之氏の研究は、造船業での製品の組み立て方をコンピューターの学習技術(機械学習)で自動的に決める方法の開発に取り組んでいます。これにより、今まで人の経験に頼っていた作業を効率化し、製品の作り方を早く正確に決められるようにします。また、船の中で起こる振動や騒音を減らすために、周りのエネルギーを使って自分で電気を作りながら振動を抑える装置(自己給電型動吸振器
  • 小林 寛h-index 2国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 ・ 上席研究員研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:港湾内の船舶運動を予測する安全航行技術
    小林寛氏の研究は、港湾や水路内での船舶の動きを、風や波、潮の流れなどの自然の影響を正確に再現するコンピューターシミュレーション技術の開発に取り組んでいます。特に、水中の流れと空気の流れを別々に計算し、それらの力を合わせて船の動きを予測する方法を確立しました。また、船の推進に使われるプロペラ周りの複雑な流れも高精度に解析し、効率や安全性の向上を目指しています。
  • 西川 栄一h-index 2(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:船舶工学で挑む安全と振動制御の革新
    西川栄一氏の研究は、船のエンジンから出る熱を再利用する装置で起こる「スートファイア」という事故の原因を調べ、安全に使う方法を見つけることに力を入れています。また、船の後ろにあるプロペラの周りで起こる気泡(キャビテーション)や空気が混ざる現象(空気吸込み)が船の振動や騒音にどう影響するかを実際の船で調べています。これらの研究は、船をより安全で環境にやさしく動か
  • 林田 和宏h-index 2北見工業大学 ・ 教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:ナノ構造解析で挑む船舶排ガス浄化
    林田和宏教授は、船舶のディーゼルエンジンから出るすす粒子(小さな黒い粒)が環境や健康に与える影響を減らすため、その粒子の性質やでき方を詳しく調べています。特に、水素を混ぜて燃やす方法や燃料に含まれる硫黄の量が、すす粒子の大きさや内部の細かい構造(ナノ構造)にどう影響するかを研究しています。レーザーを使った特殊な測定方法で、火の中でのすす粒子の成長や変化を観察
  • 福地 信義h-index 1(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:金属ヒューム解析で造船労働環境の安全改善
    福地信義氏の研究は、造船工場で発生する微細な金属粒子(ヒューム)が工場内の空気を汚染し、労働者の健康に悪影響を与える問題に取り組んでいます。粒子の動きを実験と計算で調べ、効率的な換気システムの設計を目指します。暑い環境での作業による熱中症リスクも評価し、対策を検討しています。さらに、船舶の運航中に起こる人のミスを防ぐため、心理や行動を分析し安全なシステム設計
  • 柿野 欽吾(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:中小企業経営と造船業の再生戦略
    柿野欽吾氏の研究は、日本の造船業の中でも特に小さな会社がどのように変わってきたかを調べています。戦後、日本の造船業は世界一になりましたが、1970年代の石油ショックや海外の競争で苦しくなりました。大きな会社は合併や新しい事業で生き残りましたが、小さな会社はお金が足りなかったり、漁船の注文が減ったりして経営が難しくなりました。この研究は、そうした小さな造船会社
  • 加藤 寛之法政大学 ・ 教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:造船産業の競争戦略で伝統産業再生を目指す
    加藤寛之教授は、長い歴史を持つ造船産業を研究し、これまでの産業の成長や衰退を説明する理論が今の状況に合わなくなっている問題に取り組んでいます。特に、日本、韓国、中国の造船会社がどのように競争し、成長しているかを調べています。教授は、会社の戦い方や人の使い方、部品を作る仕組みの変化などを詳しく分析し、伝統的な産業が新しい時代でも強く生き残る方法を探しています。
  • 大和 裕幸(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:情報技術で支える造船設計と歴史資料活用
    大和裕幸氏の研究は、歴史資料や造船設計に関する情報をコンピューターで整理し、誰でも使いやすい形にすることを目指しています。特に「意味を持つウェブ技術」を使い、資料や設計の情報に意味を持たせて、複数の人が同時に調べたり比べたりできるようにしています。造船設計では、設計の手順や知識をコンピューターに記録し、新人でもベテランと同じように設計できるように支援していま
  • 田中 太氏九州大学 ・ 准教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:AI技術で造船作業の安全と効率を改善
    田中太氏の研究は、造船所の作業を安全かつ効率的にするために、AIの一種であるディープラーニングを使い、作業の様子を自動で認識する技術を開発しています。これにより、経験に頼っていた作業の進み具合や安全状態をカメラ映像から正確に数字で把握できます。また、作業者が歩く場所の床の形や間隔が安全に歩けるかを調べ、転倒事故を減らす方法も研究しています。これらの技術は造船
  • 出口 晶子(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:木造船文化と伝統技術継承で地域活性化を目指す
    出口晶子氏の研究は、日本の伝統的な木で作られた船(木造船)と、それを作る職人(船大工)の技術を守りながら、地域の祭りや船の遊覧を通じて地域を元気にすることを目指しています。全国の船祭りや船遊覧の情報を集めて整理し、地域の文化を詳しく調べています。特に、職人の高齢化で技術が失われそうな問題に注目し、どうすれば伝統を続けられるかを考えています。地域の人たちが参加
  • 奥本 泰久(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:造船のデジタル化で安全と効率を実現
    奥本泰久氏の研究は、船を作る工場の仕事をコンピューターで管理し、効率よく安全に進める方法を探るものです。3Dの設計図や身につけるコンピューター、タグを使った情報管理などを使い、作業の流れをシミュレーションします。溶接で起こる金属の変形を予測し、正確に組み立てる技術も研究しています。さらに、作業者の体にかかる負担を調べて、働きやすい環境づくりも目指しています。
  • 山田 綾乃独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 ・ アソシエイトフェロー研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:古代エジプトの木造船技術と葬祭儀礼の復元研究
    山田綾乃さんの研究は、古代エジプトのクフ王のピラミッドのそばに埋められた木でできた船についてです。この船はたくさんの部品に分かれていて、どのように作られ、どんな順番で組み立てられたのか、またなぜ葬式の儀式で使われたのかがわかっていません。山田さんは、船の部品に書かれた文字や形を調べて、昔の人たちがどんな方法で船を作り、どんな意味で使ったのかを科学的に明らかに
  • 岸 光男(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:新造船オプションで造船市場の価格競争を抑制
    岸光男氏の研究は、船を作る会社が価格をめぐって激しく競争しすぎる問題を解決するために、新しい市場の仕組みを考えています。この仕組みでは、「新造船オプション」という、特定の船を特定の会社で決まった期間内に注文できる権利を売買します。これにより、価格が安くなりすぎるのを防ぎ、船を作る会社が安定して仕事を続けられるようにします。また、この仕組みの効果を確かめるため
  • 満行 泰河横浜国立大学 ・ 准教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:確率論とデジタル技術で船舶運航と造船革新
    満行泰河准教授の研究は、船舶の自動運航や遠隔操船を実現するために、波の影響を受ける船の動きを確率的に正確に表す操縦運動モデルの開発に取り組んでいます。また、造船の現場では計画と実際の作業にズレが生じやすいため、過去の作業データを活用してデジタルツイン(現実の造船工程をコンピューター上で再現する技術)を作り、計画の精度を高めています。さらに、複数の工場が連携し
関連 大学・研究機関施策

海技研と主要大学が代替燃料・自律運航・省エネ船型の研究で、次世代造船の技術基盤を形成する。

日本の船舶研究は海上技術安全研究所を中核に、阪大・横国大・九大・東大などが担ってきた。次世代燃料・自律運航・省エネ船型といった高付加価値領域では、技術と設計の優位を保てるかが問われる。大学・研究機関はこの転換にどう貢献するのか。海技研の代替燃料・自律運航の安全評価と各大学の船舶海洋工学が連携し、DTUやMITなど海外拠点とも並走しながら次世代造船の技術基盤を形成する。

大学・研究機関施策の一覧を開く大学・研究機関 7

国内 大学・研究機関施策(5機関)

国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(海技研/NMRI)
省エネ船型や代替燃料船、自律運航船の安全評価を担う日本の船舶研究の中核機関。大型水槽での流体性能試験や動力系評価を強みとし、脱炭素と自律化に向けた基盤研究を進める。
流体性能評価・環境・動力系・自律運航 等 / 省エネ船型・水槽試験・代替燃料・自律運航船の安全評価。日本の船舶研究の中核機関 ・ 出典
大阪大学
工学研究科の地球総合工学専攻で、船舶流体力学や構造、船舶設計、海洋工学を研究する。船舶海洋分野の伝統校として、流体や構造の理論研究と人材育成を担う。
工学研究科 地球総合工学専攻(船舶海洋) / 船舶流体力学・構造・船舶設計・海洋工学 ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
一ノ瀬 康雄(特任准教授(常勤)) — 機械学習で拓く省エネ船舶設計の未来 研究者詳細▸
横浜国立大学
大学院工学研究院で船舶海洋工学を研究し、船の耐航性や構造、流体性能を扱う。海洋空間のシステムデザインの視点から、船舶設計と安全性の研究を進める。
大学院工学研究院(海洋空間のシステムデザイン) / 船舶海洋工学・耐航性・構造・流体 ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
韓 佳琳(助教) — 船舶の揺れを抑え海上作業の安全を高める技術 研究者詳細▸
満行 泰河(准教授) — 確率論とデジタル技術で船舶運航と造船革新 研究者詳細▸
高木 洋平(准教授) — 乱流制御で船舶の水の抵抗を減らす技術 研究者詳細▸
九州大学
工学研究院の海洋システム工学部門で、船舶の推進や流体、海洋工学を研究する。船舶海洋工学に加え、海洋再生エネルギーなど海を活かす技術も扱う拠点。
工学研究院 海洋システム工学部門 / 船舶海洋工学・推進・流体・海洋再生エネルギー ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
北原 辰巳(准教授) h3 — 船舶用燃料電池の耐久性向上と異常診断技術の開発 研究者詳細▸
田中 太氏(准教授) — AI技術で造船作業の安全と効率を改善 研究者詳細▸
東京大学
工学系研究科のシステム創成学専攻で船舶海洋工学を研究し、自律運航や脱炭素海運システムを扱う。海運全体をシステムとして捉える設計研究を進める。
工学系研究科 システム創成学専攻(海洋) / 船舶海洋工学・自律運航・脱炭素海運システム ・ 出典

海外 大学・研究機関施策(2機関)

DTU(デンマーク工科大学)/ Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping
代替燃料や脱炭素海運システム、ライフサイクル評価を研究する国際拠点。Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shippingを擁し、ゼロカーボン海運の実現に向けた研究を世界的に主導する。
ゼロカーボン海運研究 / 代替燃料・脱炭素海運システム・ライフサイクル評価の国際研究拠点 ・ 出典
MIT / NTNU(ノルウェー科学技術大学)等
自律運航船や船舶設計、海洋再生エネルギーを研究する欧米の有力工科大学群。海洋工学と自律技術の融合で先端的な研究を行う。
海洋工学・自律運航 / 自律運航船・船舶設計・海洋再生エネルギー ・ 出典
日本政府の方針

政府は造船業再生ロードマップと設備投資支援基金で、2035年の建造能力倍増と次世代船舶の主導を目指す。

内閣官房 日本成長戦略本部の方針と、各審議会の議事に基づく公式一次情報(捏造ゼロ)。担当体制・主要目標(KPI)を要約し、有識者名簿・審議内容の原文は折りたたみに格納する。

類型
自律性・不可欠性を起点とした成長
担当大臣
国交大臣、経済安全保障大臣
検討体制
造船WG(有識者7名)
関係府省
NISS、内閣府(科技)、入管、外務、文科、経産、環境、装備庁
ロードマップ
官民投資ロードマップ(例)①次世代船舶【概要】を提示

目標 主要目標・KPI

  • 2035年に建造需要の6割程度に拡大すると見込まれるゼロエミッション船等の次世代船舶
  • 我が国において1,800万総トン(市場規模約5兆円)を建造(2035年)※2024年比倍増
政府版 未来洞察・シナリオ(技術ロードマップ × 政府目標に接地)
3つの時間軸 — 重点テーマと主要マイルストーン
H1(2025-2028)規制対応と次世代燃料船の量産立ち上げH2(2029-2035)建造能力倍増(1,800万総トン)とゼロエミ船のH3(2036-2050)国際海運ネットゼロと脱炭素船の世界供給20262030203720452055IMO 2023 GHG戦略(…EU ETS海運適用・造船業再…FuelEU Maritime…国際海運GHG≥20%削減目標国内建造能力1,800万総トン…国際海運ネットゼロ(IMO)
帯=ホライズン別の重点テーマ。点=主要マイルストーン(年は接地データ)。
政府版シナリオの確度
基本線中(0.45)上振れ中(0.25-0.3)下振れ中(0.15)
確度は技術ロードマップDBのシナリオ由来の確率配分。各シナリオの反証条件は下記参照。
推進要因
  • 中長期的に海上輸送量増加で建造需要が拡大し、アンモニア・水素燃料で走るゼロエミッション船等の次世代船舶建造量が増大する。政府は2035年に建造需要の6割程度が次世代船舶になると見込み、これをゲームチェンジの機会と位置づける。日本の舶用メーカーは世界に先駆けアンモニア・水素舶用エンジン開発に成功している。
  • 日本の建造シェアは10%台前後に低下し消滅の危機にある一方、中国が世界の7割超を受注。困難の最大要因は競合国の不公正な政府助成(韓国過去1.2兆円・中国14兆円)とされる。世界市場は2030年代に8000万~1億総トンへ拡大する見込みで、シェア奪回の好機と再生のラストチャンスが同時に存在する。
  • 造船900社・舶用機械1000社の大半が地方中小企業で、鉄から構成機器まで全て国産という海事産業群クラスターは日本固有の強み。船舶修繕は外航船の9割以上を外国依存しており、安全運航・輸送能力・安全保障に直結する。対米関係で日本が不可欠な存在となる経済安全保障の文脈が投資を駆動する。
  • 大幅なコスト上昇・複雑で工数増・高技能設計技能者不足・長期間多額の設備投資が課題。大型クレーン導入によるブロック搭載工程の効率化やAIを活用した次世代型造船ロボットの研究開発が、中韓に対抗する生産体制整備の鍵となる。AM・MES等の隣接製造技術の進展が間接的に効く。
3つの時間軸(ホライズン別)
H1
令和7年度補正予算の造船業再生基金を立ち上げ、官民1兆円規模の投資を10年先を見据えた複数年度基金で後押しする。生産体制整備・技術開発実証・IMO国際ルール策定の主導が並行して進む。隣接製造ではISO 24149(金属AM)等の標準採用が進む射程だが、大型クレーン導入は早くても7年後と納期が長い。
H2
世界市場が2030年代に8000万~1億総トンへ拡大する中、政府は2035年に1800万総トン(2024年比倍増・市場規模約5兆円)を目標とする。ゼロエミッション船等の生産体制が整い、日本にしか造れない高付加価値船への集中が問われる。設備投資の回収と建造能力倍増の達成度が分岐点。確度は中。
H3
次世代燃料(水素・アンモニア)のサプライチェーン成熟と船舶修繕の国内自律化が進む射程。洋上再生可能エネルギー・自律海上インフラといった青色経済の拡大が造船需要を底上げし得る。一方、燃料コストや国際ルールの帰趨次第で次世代船舶市場の立ち上がりが遅延するリスクも残る。射程は広く確度は低い。
シナリオ
基本線中(0.45) 再生基金と複数年度支援により建造能力増強が進むが、中韓の政府助成と価格競争は続き、日本は高付加価値次世代船舶に絞った差別化で部分的にシェアを回復する。2035年1800万総トン目標には接近しつつも、汎用船での価格競争は回避し続ける漸進シナリオ。反証条件: 2035年時点で建造量が2024年比倍増(1800万総トン)に届かず、次世代船舶の建造需要シェアが6割に達しない場合、基本線は下方修正される。
上振れ中(0.25-0.3) アンモニア・水素舶用エンジンの先行優位と次世代型造船ロボット・AI活用が実を結び、ゼロエミッション船で日本がトッププレーヤーに。洋上再エネ等の青色経済需要も加わり、海事産業群クラスター全体が構造不況業種から脱却して市場規模5兆円超を獲得する楽観シナリオ。反証条件: 2030年代後半までに日本がゼロエミッション船で世界上位の受注シェアを得られず、次世代燃料サプライチェーンが商用規模で立ち上がらない場合、上振れは棄却される。
下振れ中(0.15) 中韓の助成・量産攻勢が続き、大型クレーン等の設備投資の長納期と高技能人材不足が解消されず、建造能力倍増が遅延。古い設計の汎用船市場での消耗を避けられず、日本の建造シェアが10%台からさらに低下し海事産業群が縮小する悲観シナリオ。反証条件: 造船業再生基金の執行後も2030年代前半に建造能力倍増の見通しが立たず、地方中小の舶用メーカー廃業が加速すれば下振れの蓋然性が高まる。逆に基金で能力増強が実現すれば棄却。
決定的な不確実性
次世代燃料の選択と国際ルールの帰趨 アンモニア・水素・eフューエル等いずれの次世代燃料が主流化するか、IMOにおける国際ルール策定を日本が主導できるかが、5兆円市場と建造シェアの前提を左右する決定的不確実性。燃料選択の誤りは設備投資全体を陳腐化させ得る。/反証: 2030年代前半にゼロエミッション船の主流燃料が日本の先行領域(アンモニア・水素)以外に収束し、IMOルールが日本の技術に不利に確定した場合、次世代船舶主導シナリオは棄却される。
建造能力倍増の実現可能性 2035年1800万総トン(2024年比倍増)は大型クレーン7年超の納期・3500億円規模の自己資金負担・高技能人材確保に依存する。設備投資と人材育成のいずれかが滞れば目標未達となる、量的政府目標(KPI)に直結した不確実性軸。/反証: 造船業再生基金と税制支援の投入後も2030年までに大型クレーン導入・人材育成計画の進捗が目標線を下回れば、建造量倍増シナリオは棄却される。
ウォッチ信号
造船業再生基金の立ち上げ・執行状況、官民1兆円規模投資の進捗、アンモニア・水素舶用エンジンの商用実証、IMO国際ルール策定での日本の主導状況が近接シグナル。隣接製造ではISO 24149(金属AM)採用や産業ロボット市場(2030年700億ドル相当規模予測)の動向も観測点。
大型クレーン導入(早くて7年後)の発注・着工、3500億円規模の業界自己資金投資の執行、船舶修繕の国内回転率向上が近接シグナル。世界市場の2030年代8000万~1億総トンへの拡大ペースと中国の受注シェア推移が、2035年1800万総トン目標の現実性を測る観測点となる。
有識者リスト(7名)
氏名・職所属研究テーマ
村山 英晶
教授(副座長)
東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻source_grounded
大橋 弘
教授
東京大学大学院経済学研究科source_grounded
鎌倉 夏来
准教授
東京大学大学院総合文化研究科地域未来社会連携研究機構source_grounded
清水 悦郎
教授
東京海洋大学海洋工学部海洋電子機械工学科source_grounded
鈴木 一人
教授
東京大学公共政策大学院source_grounded
二村 真理子
教授
東京女子大学現代教養学部経済経営学科source_grounded
吉本 陽子
主席研究員
三菱UFJリサーチ&コンサルティングsource_grounded

出典: https://www.mlit.go.jp/maritime/content/001982891.pdf

審議内容(17件・委員/大臣の発言・論点・決定)
[各社言及] 長澤仁志氏(日本船主協会会長) 「我が国造船業再生に向けて」と題し、四方を海に囲まれた日本にとって造船・海運の強靱化は死活的に重要で、造船・海運などの関連業界が強く結びつき海事産業群を形成しているのは日本だけで強みになると説明。船舶を他国に依存せず質の高い船を安定確保できるかは切実で、現在建造できていないLNG輸送船も含め支援を要請。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ 議事要旨
[各社言及] 檜垣幸人氏(日本造船工業会会長) 世界の造船市場は今後拡大し2030年代に8000万〜1億総トンに達する見込みだが、昨年中国が世界の7割超を受注、日本は10%台前後にシェアを落とし消滅の危機にあると指摘。困難の最大要因は競合国の不公正な政府助成で、韓国は過去1.2兆円、中国は14兆円の支援を実施。ブロック搭載工程に大型クレーン導入で中韓を凌駕でき、業界は過去にない3500億円の自己資金負担で建造能力倍増に邁進すると説明。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ KPI 2030年代8000万〜1億総トン/中国シェア7割超/日本10%台/韓国支援1.2兆円・中国14兆円/自己資金3500億円 ・ 議事要旨
[KPI] 檜垣幸人氏(日本造船工業会会長) 2035年の1800万総トン建造能力確保のため大規模な設備投資が必要で、特に大型クレーン導入は早くても7年後とメーカーから聞いており、長い納期に対応可能な大規模かつ中長期的な支援スキームの創設と即時償却等の税制面支援が必要と要請。10年後の建造量倍増を目指し「日本の船は日本で造り、日本で持つ」をモットーとする。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ KPI 2035年1800万総トン建造能力/大型クレーン導入7年後/10年後建造量倍増 ・ 議事要旨
[論点] 檜垣幸人氏(日本造船工業会会長) 造船のみならず日本の舶用メーカーは技術力・品質ともに世界トップレベルで、世界に先駆けてアンモニアや水素舶用エンジンの開発に成功したと言及。日本の海運・造船・舶用工業の総力を結集し次世代船舶の市場を勝ち取りにいくとした。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ 議事要旨
[発言] 鈴木一人委員(東京大学公共政策大学院教授) 造船はアメリカとの関係において日本は不可欠な存在でなければならない状況になっていると、経済安全保障の不可欠性の観点から言及。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ 議事要旨
[発言] 平野未来委員(株式会社シナモン代表取締役社長CEO) 造船ではAIやロボットを活用し、アンモニア・水素などの次世代燃料船でトッププレーヤーを目指しながら建造能力を倍増させることが重要と、AIとの相性が良くROIが高い分野の例として言及した。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ 議事要旨
[決定] 小野田紀美内閣府特命担当大臣(経済安全保障担当) 造船・船主業界からの中長期の民間投資コミットメントを受け、民間の予見性を高め国の方向性を示すため、10年先を見据えた複数年度の支出が可能な基金を創設し、官民1兆円規模の投資を実現することが必要とした。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ KPI 官民1兆円規模/10年先複数年度基金 ・ 議事要旨
[決定] 金子恭之国土交通大臣 造船について業界から示された力強い覚悟を受け止め、国として造船業再興の取組を支援するための今後10年間にわたる支援のコミットメントを示すことが必要とした。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ KPI 今後10年間の支援コミットメント ・ 議事要旨
[発言] 小林健委員(日本商工会議所会頭) 実業界で30年造船・海運に携わった立場から、造船・海運はオールメイドインジャパンで鉄から船の構成機器・機材・舶用機械まで全て国産と言及。造船900社、舶用機械1,000社はほとんどが地方の中小企業で、構造不況業種から脱し安全保障に貢献する最後のチャンスとした。日本成長戦略会議 2025-11-10 ・ KPI 造船900社/舶用機械1,000社 ・ 議事要旨
[決定] 高市早苗内閣総理大臣 本年度補正予算で造船能力の抜本的向上を目指す10年間の基金の創設をはじめとする複数年度の予算支援などの予算措置を講じたとした。日本成長戦略会議 2025-12-24 ・ KPI 10年間基金 ・ 議事要旨
[決定] 国土交通省海事局次長 河野順 造船分野は官民挙げて造船業再生に向けた取組を推進すべく、国土交通省と内閣府が関係省庁と連携し昨年末に造船業再生ロードマップを策定。令和7年度補正予算で措置された造船業再生基金を速やかに立ち上げ民間投資を後押しするとともに、造船WGで造船業再生ロードマップの具体化を図り、船舶修繕や造船人材の確保・育成についてさらに検討を進め官民投資ロードマップ策定につなげる。戦略分野分科会 2026-01-22 ・ 議事要旨
[KPI] 国土交通省海事局長 新垣慶太 造船分野では主要技術・製品等として次世代船舶と船舶修繕の2つを挙げ、先行して次世代船舶を検討。日本の造船業の建造量は減少しているが世界的には需要拡大で、特にアンモニア燃料・水素燃料で走るゼロエミッション船などの次世代船舶建造量は増大の見込み。課題はコスト上昇・工数の多さ・高度な設計技術者の必要性。目指すべき姿として2035年に1,800万総トン(2024年比倍増)。ゼロエミッション船等の生産体制整備支援、AI活用次世代型造船ロボットの研究開発支援で世界をリードする。戦略分野分科会 2026-03-09 ・ KPI 2035年 1,800万総トン(2024年比倍増) ・ 議事要旨
[論点] 平野未来委員(株式会社シナモン代表取締役社長CEO) 先日造船所を見学し造船は建造力と技術力の2つの両輪で回ると理解したと述べ、第1回会議で掲げた2035年に建造量を現在の2倍にする目標について、古い設計の船を大量に造る設備を整えても中国・韓国には勝てず、日本にしか造れない高付加価値な次世代船舶をAIを活用しながら集中的に造るべきと主張した。日本成長戦略会議 2026-03-10 ・ KPI 2035年建造量2倍 ・ 議事要旨
[論点] 橋本英二委員(日本製鉄株式会社代表取締役会長兼CEO) 造船のように既に基盤があり戦略的に競争力を復活させる案件は国が目的を明確に定めて民間をサポートする形になるとし、官民連携の在り方を案件ごとに適切かつメリハリ効かせるべきと主張した。日本成長戦略会議 2026-03-10 ・ 議事要旨
[決定] 小野田紀美内閣府特命担当大臣(経済安全保障) 造船分野では今後増大する次世代船舶の需要の先行獲得を勝ち筋とし、今年度補正予算で措置した造船業再生基金を活用した生産体制の増強、技術開発、国際ルール策定の主導等を推進するとした。日本成長戦略会議 2026-03-10 ・ 議事要旨
[決定] 金子恭之国土交通大臣 国土交通省として造船と港湾ロジスティクスのロードマップ策定に取り組んでいると述べ、造船では今後ゼロエミッション船をはじめとする次世代船舶の需要が増大すると見込まれ、造船能力の抜本的向上に資する設備投資やAIを活用した次世代型造船ロボットの研究開発等の官民投資を着実に実行するとした。日本成長戦略会議 2026-03-10 ・ 議事要旨
[論点] 国土交通省海事局長 新垣慶太 船舶修繕について。船の修繕は安全運航のためであり、減退すると輸送能力も落ち安全保障に直結。修繕から得られるデータは次の船の開発やライフサイクルコストの価値向上につながる。現状、国内修繕リソースは内航船で逼迫し、海上保安庁・海上自衛隊の艦船増による追加負荷への懸念、外航船は約9割以上が外国依存。修繕能力の回転率向上、ドック等設備の拡張、データ共有化、AI・ロボット化、人材育成で特定国に依存しない自律的な修繕体制を構築する。戦略分野分科会 2026-04-16 ・ KPI 外航船の修繕 約9割以上が外国依存 ・ 議事要旨
各国の政策・各機関シナリオ・統合

中国の量産と韓国の高付加価値船に挟まれる日本は、規制が生む脱炭素船需要に勝機を見いだす。

世界の造船市場は中国がシェア約54.6%・新規受注シェア約70%を握り、韓国が高付加価値船で世界2位につける。中国の国有大手による量産と韓国の次世代燃料船が、日本のシェア低下を構造的に押し下げてきた。量産で勝てない日本に、どのシナリオで勝機があるのか。IMO GHG戦略やEU ETS・FuelEU Maritimeが脱炭素船需要を生む一方で供給制約が阻むなか、ゼロエミッション船・次世代燃料エンジン・省エネ設計に集中する差別化に勝ち筋を見いだす。

International (IMO)
2023 IMO GHG削減戦略(改定版)
規制枠組み(予算でなく国際合意)。
International (IMO)
IMO ネットゼロ・フレームワーク(GHG燃料基準・課金メカニズム)/EEXI・CII
規制枠組み。
EU
EU ETS(排出量取引制度)の海運適用
規制(カーボン価格)。
EU
FuelEU Maritime(燃料のGHG強度規制)
規制。
韓国
K-造船(造船産業 競争力強化・脱炭素支援)
民間主導(HD現代・サムスン重工・韓華オーシャン)に政府が研究開発・人材・金融を支援。
中国
造船産業政策(国有大手中心の量産・受注拡大)
国有の中国船舶集団(CSSC)を軸に大規模な建造能力と金融支援。
日本を含む7か国の旗艦政策と投資規模を対比。 主要国の旗艦政策と投資規模を国別に対比(日本を強調)。各国の詳細・出典は下の折りたたみに。
シナリオの時系列(統合シナリオ・機関予測)
シナリオの時系列(統合シナリオ・機関予測)統合シナリオ機関の予測202420262028203020322034日本の勝ち筋=次世代船×技術設計…2025-2035規制が需要を生み、供給制約が阻む2025-2035代替燃料船 受注見通し2024-2025ゼロエミ燃料(メタノール・アンモ…2024-20302035年 国内建造能力 確保シ…2025-2035
5本のシナリオを2024〜2035年の時間軸で対比。 統合シナリオ=赤・機関の予測=淡赤を時間軸の帯で配置。帯の長さが想定期間。各シナリオの中身(要旨・出典)は下の折りたたみに。
各国の戦略・統合シナリオの詳細を開くSECTION B

各国 各国の政策一覧

日本造船業再生ロードマップ(船舶産業の変革ロードマップ)/造船業への設備投資支援基金出典確認
2024 ・ 2035年に向けて3段階で総額約3,500億円規模の基金により設備投資を支援。建造能力倍増で官民あわせて約1兆円規模の投資を呼び込む構想。
国土交通省が2024年12月に策定。年間建造能力を現在の約900万総トンから2035年に1,800万総トン(倍増)へ。5本柱(基盤強靱化/人材確保・育成/脱炭素と競争力転換/安定需要の確保/同盟国・グローバルサウスとの連携)。次世代船舶でゲームチェンジを狙う。 出典
International (IMO)2023 IMO GHG削減戦略(改定版)出典(要再確認)
2023 ・ 規制枠組み(予算でなく国際合意)。
国際海運の温室効果ガスを2050年頃にネットゼロ。指標的チェックポイントとして2030年に少なくとも20%・努力目標30%、2040年に少なくとも70%・努力目標80%削減(2008年比)。低・ゼロGHG燃料を2030年に5%・努力目標10%。次世代燃料船需要の最大の駆動力。 出典
International (IMO)IMO ネットゼロ・フレームワーク(GHG燃料基準・課金メカニズム)/EEXI・CII出典(要再確認)
2025 ・ 規制枠組み。
MEPCで合意されたGHG燃料強度基準と排出への課金を組み合わせる枠組み。既存船にはEEXI(エネルギー効率指標)とCII(炭素強度格付)が適用済み。脱炭素対応が新造・改修需要を生む。 出典
European UnionEU ETS(排出量取引制度)の海運適用出典(要再確認)
2024 ・ 規制(カーボン価格)。
2024年1月から5,000総トン以上の大型船のEU寄港に伴うCO2排出をEU ETSの対象に。段階適用(2024年40%・2025年70%・2026年100%)。海運に炭素コストを課し脱炭素船への切替を促す。 出典
European UnionFuelEU Maritime(燃料のGHG強度規制)出典(要再確認)
2025 ・ 規制。
2025年1月から全面適用。船上で使う燃料のGHG強度に上限を設け、2025年に2%減から2050年に最大80%減へ段階的に強化。再生可能・低炭素燃料の採用を後押し。 出典
韓国K-造船(造船産業 競争力強化・脱炭素支援)出典(要再確認)
2024 ・ 民間主導(HD現代・サムスン重工・韓華オーシャン)に政府が研究開発・人材・金融を支援。
高付加価値船(LNG・メタノール・アンモニア燃料船)と防衛艦艇を軸に世界2位。次世代燃料船で日本と競合する最大のライバル。 出典
China造船産業政策(国有大手中心の量産・受注拡大)出典(要再確認)
2024 ・ 国有の中国船舶集団(CSSC)を軸に大規模な建造能力と金融支援。
2024年に世界建造量シェア約54.6%、新規受注シェア約70%。標準船型の量産で圧倒し、近年は高付加価値・次世代燃料船にも進出。日本にとって最大の構造的脅威。 出典

各機関 各機関のシナリオ

Lloyd's Register(LR)出典(要再確認) 代替燃料船の受注は2024年に約50%増。2025年上半期はメタノール40隻・アンモニア3隻を含み、前年同期比約78%増の1,980万総トンへ。脱炭素船の需要が現実化している。代替燃料船 受注見通し ・ 2024-2025 ・ 出典
Global Maritime Forum出典(要再確認) メタノールは低炭素運用、アンモニアはパイロット段階で「準備が整った」と評価。2030年に向けた本格普及には供給網の拡張が課題。ゼロエミ燃料(メタノール・アンモニア)の成熟 ・ 2024-2030 ・ 出典
国土交通省(造船ワーキンググループ)出典確認 現在の年間約900万総トンを2035年に1,800万総トンへ。3段階の設備投資支援、人材確保、脱炭素転換、安定需要、同盟国連携で達成を目指す。2035年 国内建造能力 確保シナリオ ・ 2025-2035 ・ 出典
統合版シナリオ(各国・各機関を俯瞰したまとめ)
日本の勝ち筋=次世代船×技術設計力 2025-2035
量産競争では中国に勝てないが、ゼロエミッション船・次世代燃料エンジン・省エネ設計・自律運航といった高付加価値領域で技術と設計の優位を発揮できるか。海運(日本郵船等)・舶用エンジン・鉄鋼との垂直連携が分岐点。
規制が需要を生み、供給制約が阻む 2025-2035
IMO GHG戦略・EU ETS・FuelEU Maritimeが脱炭素船の需要を前倒しする一方、建造コスト・技能者と設計者の不足・設備投資負担が国内供給能力の制約となる。需要の追い風を国内建造能力に取り込めるかが鍵。
分野横断

この分野とつながる成長分野

本分野は他の成長分野と技術ロードマップ・スタートアップを共有している。下記は実データ(共通の技術テーマ・共通の企業)で結ばれた関連分野で、投資・連携の波及はこの隣接関係に沿って広がる。

技術・学術の詳細レポート — 参考文献・学術的裏付けこの DB の特徴

以降は専門家向けの深掘り(参考文献つき)。技術ロードマップ・学術分野レンズ・シナリオ検証と盲点・産業相互影響・シグナル/リスクを、技術知と社会科学の学術知で裏打ちする。各小節末に著者・年・出典つきの参考文献を一覧。

技術・学術の詳細レポート(参考文献つき)を開くこの DB の特徴
この章は本DBの特徴です。各国政策やシナリオの背後にある技術と学術の知(物理・材料・経済学・イノベーション論・歴史学)で、政府・各国の見立てを裏打ちし、盲点を補います。本文は読みやすく噛み砕いて示し、学術的な裏付けは著者・年・出典つきで折りたたみに一覧できます。

① 技術ロードマップ詳細(学術知接地)

①-1 ゼロエミッション船と代替燃料の選択

国際海運の脱炭素は、重油を燃やす従来船から、炭素を出さない(あるいは出にくい)燃料で動く「次世代船」への置き換えで進む。だが本命となる燃料はまだ一つに定まっていない。

船は長く重油(重油=粘り気の強い石油)を燃やして動いてきたが、これがCO2と大気汚染の主因になる。脱炭素の鍵は、燃やしてもCO2を出さないアンモニア・水素、あるいはCO2の少ないメタノール・LNG(液化天然ガス)などの代替燃料へ切り替えることにある。問題は、どの燃料が本命かがまだ決まっていない点だ。アンモニアと水素は燃焼時にCO2を出さないが、毒性や着火の難しさという扱いにくさがある。メタノールは扱いやすく既に商用船が増えているが、製造時に再生可能な原料を使わなければ脱炭素効果が限られる。LNGは当面の移行燃料と位置づけられる。日本の造船業はこの「燃料が定まらない時代」に、複数の燃料に対応できる設計力で勝負することになる。

①-2 アンモニア・水素 — 無炭素燃料の本命候補

燃やしてもCO2を出さないアンモニアと水素が、脱炭素船の本命候補とされる。ただし毒性・貯蔵・燃焼の難しさという壁があり、舶用エンジンの実用化はこれからが正念場である。

アンモニア(NH3)と水素(H2)は、燃やしても炭素を含まないためCO2を出さない。とりわけアンモニアは、水素より貯蔵・輸送がしやすいため、外航の大型船で本命候補とされる。試験では、エンジンの燃焼で出る排出(タンク・トゥ・ウェイク)を最大で約95%削減できるとの結果も示されている。一方で、アンモニアは毒性があり扱いに高い安全管理を要し、水素は極低温・高圧での貯蔵が難しい。アンモニアは着火しにくいため、点火を助ける別の燃料と混ぜる二元燃料エンジンが現実解となる。2025年には最初のアンモニア舶用エンジンが納入され始め、量産船はこれから立ち上がる段階にある。日本のエンジン・機器メーカーがこの無炭素エンジンで存在感を出せるかが論点だ。

①-3 メタノール・LNG — 先行する移行の燃料

メタノール燃料船はすでに発注が急増し、LNG燃料船とともに脱炭素への移行を先導している。完全な無炭素ではないが、扱いやすさと実績で先行する。

アンモニア・水素が量産前夜にある一方、いま実際に増えているのはメタノールとLNGの燃料船である。メタノールは常温で液体のため扱いやすく、既存の燃料供給の仕組みを応用しやすい。2025年上半期にはメタノール燃料船が40隻規模で発注されるなど、海運大手が先行採用を進める。ただし化石原料由来のメタノールでは脱炭素効果が限られ、再生可能な原料から作る「グリーンメタノール」の供給拡大が課題になる。LNGは重油よりCO2が少なく、二元燃料エンジンの実績も厚いため、当面の移行燃料として広く採用される。これらの「先に走る燃料」で建造実績を積みつつ、本命のアンモニア・水素へ橋渡しできるかが、造船各社の戦略を分ける。

①-4 風力アシスト推進・省エネ船型

燃料を替えるだけでなく、風の力を借りる帆や、水の抵抗を減らす船の形で消費燃料そのものを減らす省エネ技術も、脱炭素の重要な一手である。

脱炭素は燃料の置き換えだけでは進まない。そもそも使う燃料を減らす省エネも欠かせない。回転する円柱で揚力を生むローター帆、硬い翼のような帆、凧(カイト)を使う風力アシスト推進は、追い風を推進力に変えて燃料を節約する。船底から泡を出して水の抵抗を減らす空気潤滑、抵抗の少ない船型の設計、推進効率を高める付加物(省エネデバイス)も効く。これらは新造船だけでなく、既存船の改修にも適用でき、IMOの炭素強度格付(CII)への対応として需要が大きい。日本の造船・舶用メーカーは流体力学にもとづく省エネ船型と装置で蓄積があり、燃料が定まらない時代の確実な需要として狙える領域である。

①-5 自律運航船と造船DX・建造ロボット

船員不足を背景に自律運航船の実証が進み、建造現場では生産性を上げる造船DXとロボット化が、建造能力倍増という政府目標の鍵を握る。

脱炭素と並ぶもう一つの軸が、デジタルと自動化である。船員の不足と安全向上を背景に、人の判断を支援し、いずれは遠隔・自律で運航する自律運航船(MASS)の実証が国内外で進む。一方、造船の現場側では、溶接・塗装・組立を担うロボット化と、3次元設計・デジタルツイン(仮想空間に船を再現する技術)による設計・生産のデジタル化が進む。政府が掲げる「2035年に建造能力を倍増(1,800万総トン)」という目標は、人手を増やすだけでは達成できず、造船DXとロボットによる工数の圧縮が不可欠だ。技能者不足という構造的制約を、デジタルと自動化でどこまで補えるかが、日本の造船再生の成否を実質的に決める。

  • IMO(2023)「2023 IMO Strategy on Reduction of GHG Emissions from Ships」 International Maritime Organization ・ 出典
  • Global Maritime Forum(2024)「Zero-emission shipping fuels: A guide to methanol and ammonia」 Global Maritime Forum ・ 出典
  • 国土交通省(2024)「2035年に必要な我が国の船舶建造能力確保を目指します ~「造船業再生ロードマップ」の策定~」 国土交通省 報道発表 ・ 出典
  • Global Maritime Forum(2024)「Methanol and ammonia progressing rapidly as zero-emission shipping fuels, but extra push needed to scale」 Global Maritime Forum ・ 出典
  • Lloyd's Register(2024)「Alternative-fuelled ship orders grow 50% in 2024」 Lloyd's Register ・ 出典
  • Lloyd's Register(2025)「Alternative-fuelled ship orders remain significant in 2025」 Lloyd's Register ・ 出典
  • Global Maritime Forum(2024)「Methanol and ammonia progressing rapidly as zero-emission shipping fuels」 Global Maritime Forum ・ 出典
  • 国土交通省(2024)「船舶産業の変革ロードマップに基づく取組」 国土交通省 海事局 ・ 出典
  • IMO(2023)「EEXI and CII - ship carbon intensity and rating system (MEPC.328(76))」 Britannia P&I (regulatory overview) ・ 出典
  • 国土交通省(2024)「造船業再生ロードマップ(建造能力 1,800万総トン・人材確保・脱炭素転換)」 国土交通省 報道発表 ・ 出典
  • 国土交通省 海事局(2024)「海事:造船ワーキンググループ」 国土交通省 ・ 出典

② 学術分野レンズ詳細

②-1 船舶流体力学 — 抵抗と推進の科学

船がどれだけ燃料を食うかは、水の抵抗をどう減らし、推進力をどう効率よく生むかという流体力学で決まる。省エネ船型はこの科学の上に成り立つ。

船の燃費は、船体が水を押しのける際の抵抗と、プロペラが水をかいて生む推進力の効率で決まる。これを扱うのが船舶流体力学である。抵抗には、水面に波を立てることで失う造波抵抗、船体表面の摩擦抵抗などがあり、船の形(船型)を最適化することでこれらを減らせる。かつては水槽で模型を引っ張って測っていたが、いまはコンピュータで水の流れを計算する数値流体力学(CFD)が設計の中心になった。省エネ船型や省エネデバイスは、この流体力学の蓄積の上に成り立つ。日本の造船・大学・海技研は船型設計に長い実績を持ち、燃料が定まらない脱炭素時代でも、抵抗を減らす設計力は普遍的に効く強みである。

②-2 燃料の燃焼科学 — 無炭素燃料を燃やす難しさ

アンモニアや水素を船のエンジンで安定して燃やすのは、重油とは別の難しさがある。着火・燃焼速度・有害物質の制御という燃焼科学が、無炭素エンジンの実用化を左右する。

代替燃料を船で使うには、その燃料を安全かつ効率よく燃やすエンジンが要る。ここで効くのが燃焼科学である。アンモニアは着火しにくく燃焼が遅いため、点火を助ける燃料(パイロット燃料)と混ぜる必要があり、燃やし方を誤ると未燃のアンモニアや、強い温室効果を持つ亜酸化窒素(N2O)が出てしまう。水素は燃えやすすぎて異常燃焼を起こしやすい。メタノールは比較的扱いやすいが熱量が低い。これらをどの圧力・温度・混合比で燃やすかを詰めるのが、無炭素エンジン開発の核心だ。舶用エンジンは日本・欧州・韓国の数社が握っており、燃焼制御と排出抑制の技術が、次世代燃料船の競争力を決める基盤になる。

②-3 脱炭素のライフサイクル評価 — 「本当に減るのか」を測る

ある燃料が脱炭素になるかは、船の上で燃やす段階だけでなく、燃料を作る段階まで含めて評価しないと判断できない。この『井戸から航跡まで』の視点が燃料選択を左右する。

「アンモニアはCO2を出さないから脱炭素だ」と単純には言えない。アンモニアを天然ガスから作れば製造段階でCO2が出るし、再生可能エネルギーで作れば排出はほぼゼロになる。燃料の本当の効果は、原料の採取・製造(井戸=ウェル)から船での燃焼(航跡=ウェイク)までを通して測る「ウェル・トゥ・ウェイク」のライフサイクル評価で判断する。FuelEU MaritimeやIMOの枠組みも、この全体での排出を基準にし始めている。だからこそ、グリーンな原料からの燃料供給網が整わなければ、いくら無炭素エンジンを積んでも脱炭素は達成されない。船の設計・燃料・供給網を一体で見る視点が、造船の意思決定には不可欠である。

②-4 船舶設計と生産工学 — 一品生産から量産の論理へ

船は一隻ごとに設計する『一品生産』の色が濃いが、建造能力を倍増させるには、設計を標準化し生産を効率化する生産工学の論理が要る。

船は建物に近く、一隻ごとに用途・寸法が異なる「一品生産」の性格が強い。だが政府が掲げる建造能力の倍増を、設備と人を増やすだけで達成するのは難しい。ここで効くのが、設計の標準化(モジュール化)と、組立工程を効率化する生産工学である。共通化できる部分を部品(ブロック)として標準化し、3次元設計とデジタルツインで現場の手戻りを減らし、溶接・塗装をロボット化する。これは自動車や半導体後工程で蓄積された「設計と製造の最適化」の論理を、船という巨大な構造物に持ち込む試みでもある。設計力の優位(省エネ船型)と、生産工学による効率化を結びつけられるかが、日本の造船が量産競争で生き残る筋道になる。

  • ITTC (International Towing Tank Conference)(2021)「Recommended Procedures and Guidelines — Resistance and Propulsion / CFD」 ITTC ・ 出典
  • Larsson, L. & Raven, H. C.(2010)「Ship Resistance and Flow (Principles of Naval Architecture)」 SNAME ・ 出典
  • Kobayashi, H. et al.(2019)「Science and technology of ammonia combustion」 Proceedings of the Combustion Institute, 37(1) ・ 出典
  • Global Maritime Forum(2024)「Zero-emission shipping fuels: A guide to methanol and ammonia (tank-to-wake emissions)」 Global Maritime Forum ・ 出典
  • European Commission(2025)「FuelEU Maritime — well-to-wake GHG intensity of marine fuels」 European Commission (DG MOVE) ・ 出典
  • IMO(2024)「Lifecycle GHG / Carbon Intensity Guidelines for marine fuels」 International Maritime Organization ・ 出典
  • 国土交通省(2024)「船舶産業の変革ロードマップ(設計標準化・生産性向上)」 国土交通省 海事局 ・ 出典
  • 日本造船工業会(2025)「日本成長戦略会議 ご説明資料(資料6)」 内閣官房 日本成長戦略会議 ・ 出典

③ 日本政府・各国シナリオの検証と盲点補填

③-1 技能者と設計者の不足 — 量産の最大の制約

建造能力を倍増させても、溶接などの技能者と船を設計する技術者が足りなければ船は作れない。人材の細りこそが政府目標の最大の制約である。

報道は基金や設備投資の額に集まりがちだが、造船再生の最大の制約は人である。長く続いた建造量の縮小で、溶接・塗装・艤装といった現場の技能者と、船を設計する技術者の層が細った。設備を増やしても、それを動かす熟練の手と、次世代燃料船という新しい船を設計できる人材がいなければ、能力は実質的に増えない。造船再生ロードマップが「人材確保・育成」を5本柱の一つに据えたのはこのためだ。外国人材の活用、ロボット化による省人化、若手の育成と処遇改善を同時に進められるかが、補助金や基金の額だけでは測れない現実の壁になる。

③-2 設備投資負担と建造コスト

建造能力を倍増させるには巨額の設備投資が要り、人件費や鋼材の高い日本では建造コストが課題になる。3,500億円規模の基金はその負担を分担する仕組みである。

造船は、ドック・クレーン・自動化ラインといった巨大な設備を要する装置産業である。建造能力を倍増させるには各社が長期の設備投資を背負う必要があるが、需要の波が大きい造船業では、投資の回収が読みにくい。加えて、人件費や鋼材価格の高い日本は、中国・韓国に比べて建造コストで不利を抱える。政府が3段階で総額約3,500億円規模の基金を組み、官民あわせて約1兆円規模の投資を呼び込もうとするのは、この投資負担を企業だけに負わせない仕組みだ。基金が呼び水となって民間投資を引き出し、コスト競争力を確保できるかが、能力倍増という目標の現実性を左右する。

③-3 燃料供給網という前提条件

次世代燃料船を作っても、世界の港でその燃料を補給できなければ船は走れない。脱炭素船の普及は、船単体でなく燃料の供給網が整うかにかかっている。

脱炭素船の議論はとかく「どんな船を作るか」に集まりがちだが、見落とされやすいのが燃料の供給網である。アンモニアやグリーンメタノールを積める船を作っても、寄港する世界各地の港でその燃料を安全に補給できなければ、船は本来の航路を走れない。これは造船業だけでは解決できず、燃料を作るエネルギー産業、港湾を整備する各国政府、運ぶ海運業の協調が要る「鶏と卵」の問題だ。船と燃料供給は同時に立ち上がらなければ普及しない。日本が次世代船の設計・建造で先んじても、燃料供給網の整備が遅れれば需要は伸びない。造船を、エネルギー・港湾・海運を含む海事クラスタ全体の問題として捉える視点が、この分野の盲点を埋める。

  • 国土交通省(2024)「造船業再生ロードマップ(人材確保・育成を5本柱の一つに)」 国土交通省 報道発表 ・ 出典
  • 日本経済新聞(2025)「国内造船業、能力増強を3段階で支援 政府が2035年へ行程表」 日本経済新聞 ・ 出典
  • 国土交通省(2024)「造船業再生ロードマップ(設備投資支援基金・約3,500億円規模)」 国土交通省 海事局 ・ 出典
  • Global Maritime Forum(2024)「Methanol and ammonia progressing rapidly ... extra push needed to scale (fuel supply)」 Global Maritime Forum ・ 出典
  • European Commission(2025)「FuelEU Maritime — renewable and low-carbon fuel uptake」 European Commission (DG MOVE) ・ 出典

④ 産業創造 — 関連分野との相互影響予測

④-1 海運・物流との両輪 — 需要をつくる側

船を作る造船業と、船を使う海運・物流は表裏一体である。海運大手が次世代船を発注するかどうかが、造船業の脱炭素転換の速度を決める。

造船業は単独では成り立たず、船を発注し使う海運・物流業と一体である。海運大手がIMO規制やEU ETSの炭素コストを見越して次世代燃料船を発注すれば、造船業はその設計・建造で応える。逆に、海運側が「どの燃料が本命か分からない」と発注を控えれば、造船業も脱炭素転換を進められない。日本郵船をはじめとする海運大手が、オールジャパンで次世代船の開発・基本設計を集約する動きを進めているのは、この両輪を回す試みである。海運の脱炭素需要と造船の建造能力を結びつけ、設計を共有して効率化できるかが、日本の海事産業全体の競争力を左右する。

④-2 鉄鋼・舶用エンジン・機器への波及

造船は鋼材を大量に使い、エンジンや機器を多数積む裾野の広い産業である。建造能力の倍増は、鉄鋼・舶用エンジン・機器産業へ需要を波及させる。

1隻の船には大量の鋼材と、エンジン・推進装置・航海機器・電装品など膨大な部品が積まれる。造船は裾野の広い「組み立て産業」であり、建造能力の倍増は、鉄鋼業・舶用エンジン業・舶用機器業へ需要を波及させる。とりわけ次世代燃料エンジンや風力推進装置、自律運航のためのセンサ・通信機器は、日本のメーカーが強みを持つ領域だ。造船を一社や一産業の問題でなく、鉄鋼から機器までを含む「海事クラスタ」として捉えると、その経済波及は大きい。逆に言えば、造船の評価は建造量だけでなく、川上・川下の産業へどれだけ需要と技術を波及させるかで測るべきである。

  • 日本郵船(2026)「オールジャパンで日本造船業の国際競争力復活へ 次世代船の開発・基本設計を集約、MILESに出資」 日本郵船 BVTL Magazine ・ 出典
  • 国土交通省(2024)「造船業再生ロードマップ(安定需要の確保)」 国土交通省 報道発表 ・ 出典
  • 日本造船工業会(2025)「日本成長戦略会議 ご説明資料(資料6・海事クラスタの裾野)」 内閣官房 日本成長戦略会議 ・ 出典
  • Lloyd's Register(2025)「Alternative-fuelled ship orders remain significant in 2025(エンジン・機器需要)」 Lloyd's Register ・ 出典

⑤ 総合シグナル・リスク

⑤-1 中国・韓国の建造シェアと国家支援

世界の新造船建造は中国・韓国に集中し、特に中国は受注の約7割を握る。この圧倒的なシェアと国家支援が、日本の造船再生にとって最大の構造的脅威である。

造船で日本が直面する最大の現実は、中国・韓国の圧倒的なシェアである。2024年の世界建造量は中国が約54.6%を占め、新規受注では約7割に達した。韓国は高付加価値船で世界2位を維持する。中国は国有の中国船舶集団(CSSC)を軸に、巨大な建造能力と金融支援を背景に標準船型を量産し、近年は次世代燃料船にも進出している。日本がかつての首位から大きく後退した背景には、この国家規模の支援と量産能力がある。日本が量産で正面から戦うのは難しく、次世代船・高付加価値船という土俵で技術と設計の優位を発揮できるかが、現実的な勝ち筋を分ける。シェアの動きは継続して監視すべき最重要シグナルである。

⑤-2 規制の不確実性と船価・需要の波

脱炭素規制の強弱や本命燃料の行方が定まらず、船価と発注のタイミングは大きく揺れる。需要の波が大きい造船業では、この不確実性が投資判断の最大のリスクである。

造船業はもともと、世界経済と海上荷動きに左右される需要の波が大きい産業である。ここに脱炭素規制の不確実性が重なる。IMOの規制やEUの制度が予定どおり強化されれば次世代船の需要は前倒しになるが、政治情勢で規制が緩めば発注は遅れる。さらに、本命燃料がアンモニアになるかメタノールになるかが定まらないため、海運側が「待ち」に入ると船価と発注が揺れる。設備投資を先に背負う造船業にとって、この需要と規制の波は最大のリスクだ。規制の動向と燃料技術の成熟、船価の推移を継続的に監視し、複数の燃料に対応できる柔軟性を保つことが、この分野のリスク管理の要になる。

  • iMarine News(2024)「China Dominates Global Shipbuilding: 70% Market Share in 2024」 iMarine News ・ 出典
  • 日本経済新聞(2025)「日本の造船、35年に建造量2倍の政府目標 建造コスト課題」 日本経済新聞 ・ 出典
  • European Commission(2024)「Reducing emissions from the shipping sector (EU ETS phase-in)」 European Commission (Climate Action) ・ 出典
  • Lloyd's Register(2025)「Alternative-fuelled ship orders remain significant in 2025(本命燃料の不確実性)」 Lloyd's Register ・ 出典
お問い合わせ

日本成長戦略 17分野DB に関するお問い合わせ。送信内容は info@esse-sense.com 宛に送られます。

プライバシー: いただいた情報はお問い合わせ対応の目的にのみ使用します。