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海洋

自律性・不可欠性を起点とした成長
所管海洋政策大臣検討体海洋WG(1月〜)
本レポートは esse-sense の ANSWER により 100% 構築されています
14未来洞察
5掲載企業
7政府審議
9大学・研究
7関連法令
結論 / GOVERNING THOUGHT
海洋の勝ち筋は資源そのものでなく、安全保障の公共調達を起点とする産業化で決まる

本分野の審議と洞察が示す論点は、海洋の経済性が未採掘資源そのものでなく、安全保障の公共調達を起点とする産業化で決まり、日本は深海技術を海洋無人機・海洋状況把握・海底資源開発の三本柱で立ち上げる点にある。

論拠資源そのものは未確定でも、安全保障の公共調達が確実な初期需要を生むため、それを起点に据えれば不確実な領域でも産業化の足場を築ける。
根拠=以降の各節見出し(Actionタイトル)/反証条件=集中フォーサイト解析の盲点マップ
結論を支える要点 / KEY FACTS

政府の目標・KPI

  1. EEZを活かす実証フェーズと海洋の安全保障(H1(2025-2028))
  2. 海洋資源の産業化と脱炭素海洋産業の立ち上がり(H2(2029-2040))
  3. 気候変動下の持続可能な海洋利用への転換(H3(2041-2050))

注目の投資機会(可能性 高)

  1. 海洋鉱物資源(レアアース泥・海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト)
  2. 海洋観測・自律探査(AUV・水中ドローン)
  3. スマート水産養殖(陸上・沖合・給餌AI)

見落としやすいリスク・盲点

深海採掘の環境影響評価の不十分さ:ISAは深海採掘許可前の環境基準を未確定のまま進行。採掘による堆積物プルーム、生物多様性喪失、音響汚染の長期影響は測定困難。規制枠組み完成前の商業化圧力が存在。
時系列シナリオ
H1(2025-2028)
EEZを活かす実証フェーズと海洋の安全保障
第4期海洋基本計画のもと、南鳥島レアアース泥の採鉱試験(2026年に初揚泥成功・2027年大規模試験・2028年度以降産業化目標)、海底熱水鉱床・メタンハイドレートの開発検討、ブルーカーボンのクレジット化、海洋観測のDXが進む。資源は『ポテ
H2(2029-2040)
海洋資源の産業化と脱炭素海洋産業の立ち上がり
レアアース泥・海底鉱物資源の段階的な商業化判断、海洋温度差発電(OTEC)や潮流・波力の地域実装、陸上・沖合の高度養殖が立ち上がる。国際海底機構(ISA)の採掘規則の帰趨と環境影響評価が、深海開発の速度と国際的正当性を左右する。日本の強み(
H3(2041-2050)
気候変動下の持続可能な海洋利用への転換
海洋酸性化・温暖化・海面上昇が水産と沿岸を圧迫する中、ブルーカーボン・洋上再生可能エネルギー・持続可能な養殖・海洋プラスチック対策を組み合わせた『青い経済(ブルーエコノミー)』への転換が進む。世界の海洋経済は2030年に3兆ドル超(OECD
競争の主軸は「EEZを活かす実証フェーズと海洋の安全保障」から「気候変動下の持続可能な海洋利用への転換」へ移る。 本分野の時系列シナリオ。近未来から長期へ段階で示す(出典=本DBの分野サマリー)。
投資機会(テーマ別)

投資機会は資源の埋蔵量でなく、海洋無人機・海洋状況把握・海底資源開発という三本柱の実装に集中する。

本分野でいま開かれている投資機会を、機会の大きさ(可能性)と実証の確からしさ(確度)の2軸で位置づける。右上=大きく確実なほど優先度が高い。下図に代表テーマを配置し、続けて要点と全テーマを示す。

投資機会 可能性×確度マトリクス確度(実証の確からしさ)→可能性(機会の大きさ)→12345
有望テーマを可能性×確度で5件配置。 投資テーマを「可能性(機会の大きさ)×確度(実証の確からしさ)」で配置(右上=太枠ほど有望)。マーカー形は射程(●近 ■中 ▲遠)。番号はテーマ名(下の凡例)。出典=本DBの投資機会テーマ(実データ)。
  1. 1海洋鉱物資源(レアアース泥・海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト)
  2. 2海洋観測・自律探査(AUV・水中ドローン)
  3. 3スマート水産養殖(陸上・沖合・給餌AI)
  4. 4ブルーカーボン・海洋環境クレジット
  5. 5海洋エネルギー(海洋温度差発電・波力・潮流)
  • 海洋鉱物資源(レアアース泥・海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト)(H1-H3(2025-2050)):深海の採鉱・揚鉱システム・分離精製・環境影響評価・資源量調査。レアアース泥は2026年に初揚泥、2028年度以降の産業化目標。経
  • 海洋観測・自律探査(AUV・水中ドローン)(H1-H2):自律航行・耐圧/防食・水中通信・海洋データAI・観測のサービス化(データ・アズ・ア・サービス)。資源・防災・安全保障の横断需要。
  • スマート水産養殖(陸上・沖合・給餌AI)(H1-H2):給餌AI・養殖センサー/衛星・陸上養殖装置/水処理・育種/ゲノム編集・代替飼料。食料安全保障と国内生産の必要が後押し。日本の養殖
全テーマの根拠・確度・射程・学術接地を開く代表5件+全10件
代表例 01海洋鉱物資源(レアアース泥・海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト)H1-H3(2025-2050)
南鳥島の世界3位規模のレアアース泥、JOGMECが世界初の連続揚鉱に成功した海底熱水鉱床、南鳥島海山のコバルトリッチクラスト。レアアース・コバルト・ニッケルの脱中国依存という経済安全保障の本丸だが、資源は『ポテンシャル(未採掘)』段階で、採掘・揚鉱・採算・環境影響が商業化の壁になる。
投資機会深海の採鉱・揚鉱システム・分離精製・環境影響評価・資源量調査。レアアース泥は2026年に初揚泥、2028年度以降の産業化目標。経済安全保障・GXの政策後押しが追い風。日本のEEZと深海技術が強み。
可能性・確度可能性:高(経済安全保障の要・世界6位のEEZ)/確度:低〜中(採算・環境・国際ルールが律速。商用化は2028年度以降)
代表例 02海洋観測・自律探査(AUV・水中ドローン)H1-H2
自律型無人探査機(AUV)・水中ドローン(ROV)・無人海洋観測艇(USV)で深海・広域を観測する技術。資源探査・防災・気候研究・安全保障の共通基盤で、海洋分野のあらゆる活動の出発点になる。FullDepth(国内)・Saildrone(海外)が先行。
投資機会自律航行・耐圧/防食・水中通信・海洋データAI・観測のサービス化(データ・アズ・ア・サービス)。資源・防災・安全保障の横断需要。日本の造船・ロボティクスが強み。
可能性・確度可能性:高(全用途の共通基盤)/確度:中(深海通信・自律性・運用コストが前提)
代表例 03ブルーカーボン・海洋環境クレジットH1-H2
藻場・海草・干潟がCO2を吸収するブルーカーボンを、Jブルークレジットとして取引する。日本は2024年に世界で初めて藻場・海草の吸収量を国連へ報告。脱炭素の新しい吸収源であり、藻場再生が水産資源も育てる多面的な利点を持つ。
投資機会藻場・海草の再生事業・CO2吸収量の計測技術(MRV)・クレジット組成/取引・磯焼け対策。企業の脱炭素需要が買い手を生む。海洋国家の日本に向く。
可能性・確度可能性:中〜高(脱炭素需要+水産再生)/確度:中(吸収量の計測精度がクレジットの信頼性を左右)
代表例 04海洋エネルギー(海洋温度差発電・波力・潮流)H2-H3
海面と深層の温度差で発電する海洋温度差発電(OTEC)、波力、潮流発電。天候に左右されにくい再生可能エネルギーとして離島で実証が進む。佐賀大学が50年研究するOTECは久米島モデルで地域産業も生む。エネルギー密度が低く採算立地に絞られる。
投資機会発電装置・耐波/防食・深層水の複合利用(養殖・化粧品・飲料)・離島の自立電源。佐賀大学・商船三井等の蓄積。地域のエネルギー自立と脱炭素を結ぶ。
可能性・確度可能性:中(離島・特定立地で有望)/確度:低〜中(設置・維持コスト・採算が前提)
代表例 05スマート水産養殖(陸上・沖合・給餌AI)H1-H2
AI・センサー・衛星で給餌・生育を最適化するスマート養殖、沖合の大型生簀、陸上の閉鎖循環式養殖(RAS)。漁獲の頭打ちと輸入依存に対し『育てる漁業』への転換を支える。ウミトロン・リージョナルフィッシュ・近大の蓄積が強み(⑧と重複)。
投資機会給餌AI・養殖センサー/衛星・陸上養殖装置/水処理・育種/ゲノム編集・代替飼料。食料安全保障と国内生産の必要が後押し。日本の養殖科学が世界先行。
可能性・確度可能性:高(食料安全保障・国内生産の必要)/確度:中(電力・初期投資・採算が前提)

投資機会テーマの全体(10件・一覧)

レアアース泥・深海鉱物資源開発中核(資源)海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト中核(資源)メタンハイドレート(海洋エネルギー資源)エネルギー資源自律型無人探査機(AUV)・水中ドローン(ROV)観測基盤海洋データ・観測プラットフォーム(USV・ブイ)観測基盤ブルーカーボン・藻場再生クレジット海洋環境海洋温度差発電(OTEC)・波力・潮流海洋エネルギースマート水産養殖(給餌AI・衛星)水産陸上養殖(RAS)・ゲノム編集水産水産海洋プラスチック対策(回収・代替素材・モニタリング)海洋環境・循環

本一覧はC章の技術ロードマップ(レアアース泥・海底熱水鉱床/コバルトリッチクラスト・メタンハイドレート・海洋観測/AUV・ブルーカーボン・海洋エネルギー/OTEC・スマート水産養殖・海洋プラスチック対策)と、日本の海洋戦略(第4期海洋基本計画・海洋エネルギー鉱物資源開発計画)・世界6位のEEZ・深海技術と養殖の蓄積・経済安全保障(脱中国依存)・脱炭素の必要に接地して導出。代表例は射程・確度と日本の強み、商用化時期の現実(多くは『ポテンシャル』段階)で抜粋。

市場・収益

海洋経済は2030年に3兆ドル超へ拡大するが、未採掘資源は確定した市場規模でなく未来の可能性として読むべきである。

世界の海洋経済は1995年の約1.3兆ドルから2020年に約2.6兆ドルへ実質倍増し、2030年には3兆ドルを超えると見込まれる。しかし海洋分野は、すでに巨大な水産・海運・造船という既存産業と、レアアース泥・海底熱水鉱床・メタンハイドレートというまだ採掘されていない資源ポテンシャルという、成熟度の異なる二つの世界に分かれている。では未採掘の資源を市場規模と未来の可能性のどちらとして読むべきか。本分野は、埋蔵量や需要年数で語られる資源量を確定した売上でなく可能性として扱い、OECD推計の海洋経済とJAMSTEC・東京大学・JOGMECの一次推計を分けて示す。

南鳥島レアアース泥の資源ポテンシャル — 世界年間需要の何年分か(有望海域・東京大学/JAMSTECの一次推計)
0150300450600イットリウム(Y)0–62ジスプロシウム(Dy・高性…0–56ユウロピウム(Eu)0–47テルビウム(Tb・磁石)0–32
Takaya, Yasukawa, Kato ほか(2018, Scientific Reports)は、南鳥島周辺EEZの有望海域(約2,500平方キロメートル)にレアアース酸化物 約120万トン(総資源量としては1,600万トン超とも報じられ世界3位規模)が存在し、世界年間需要のY 62年分・Dy 56年分・Eu 47年分・Tb 32年分に相当すると推計した。これは『未採掘のポテンシャル』であり、市場規模でも確定した可採埋蔵量でもない。2026年に初の揚泥に成功した段階で、商業生産は2028年度以降が目標。
世界の海洋経済(ブルーエコノミー)の推移(兆ドル・OECD)
$1.3B1995$1.5B2010世界GVAの約2.5%社$2.6B2020実質倍増社$3B2030BAU予測社
出典: OECD『The Ocean Economy in 2030』ほか。世界の海洋経済は1995年の約1.3兆ドルから2020年に約2.6兆ドルへ実質的に倍増し、業務継続(BAU)シナリオで2030年に3兆ドル超、雇用約4,000万人に達すると見込まれる。海洋養殖・洋上風力・水産加工・造船修繕が特に高成長。一方で海洋環境の悪化(酸性化・汚染・乱獲)が成長の前提を脅かすとOECDは警告する。
市場データ・図表の詳細を開くSECTION F

海洋分野の経済性は、成熟度の異なる二つの世界を分けて読む必要がある。一方には、すでに巨大な水産・海運・造船という既存の海洋産業があり、世界の海洋経済(ブルーエコノミー)は1995年の約1.3兆ドルから2020年に約2.6兆ドルへ実質倍増し、2030年に3兆ドル超になると見込まれる(OECD)。他方には、レアアース泥・海底熱水鉱床・メタンハイドレートといったまだ採掘されていない資源ポテンシャルがある。後者は『埋蔵量』『世界年間需要の何年分』といった指標で語られるが、これは未採掘の可能性であって市場規模・確定した売上ではない。ここでは①南鳥島レアアース泥の資源ポテンシャル(東京大学・JAMSTECの一次推計)②世界の海洋経済の推移(OECD)③海洋関連市場と日本の政策目標・投資を分けて示す。資源量はJAMSTEC・東大・JOGMECの一次推計、海洋経済はOECDの推計(二次的な見通しを含む)。

世界の海洋経済(ブルーエコノミー)※OECD推計

世界の海洋経済(実績) 1.3 兆ドルOECD(1995) ・ 出典 / 1995年実績(実質)
世界の海洋経済(実績) 2.6 兆ドルOECD(2020) ・ 出典 / 1995年から実質倍増
世界の海洋経済(BAU予測) 3 兆ドル超OECD(2030) ・ 出典 / 業務継続シナリオ。雇用約4,000万人

海洋資源のポテンシャル(未採掘)※JAMSTEC・東京大学・JOGMECの一次推計

南鳥島レアアース泥(有望海域の資源量) 16 百万トン超(レアアース酸化物は約120万トン)Takaya, Yasukawa, Kato ほか/JAMSTEC(2018) ・ 出典 / 世界3位規模。『ポテンシャル(未採掘)』であり市場規模ではない。商業化は2028年度以降が目標
海底熱水鉱床(沖縄・伊豆小笠原海域) 資源量調査中JOGMEC(2023) ・ 出典 / 2017年に世界初の連続揚鉱に成功。銅・亜鉛・金等。採算性が商業化の課題
メタンハイドレート(東部南海トラフ等) 資源量調査中JOGMEC/経産省(2023) ・ 出典 / 世界初の海洋産出試験に成功も、輸入LNGに対し採算が合わず商業化のめどは未確定

日本の海洋空間・EEZ ※一次情報

日本の領海+排他的経済水域(EEZ)面積 447 万平方キロメートル(世界6位・国土の約12倍)内閣府 総合海洋政策本部(2023) ・ 出典 / 国土面積は世界61位だが、EEZは世界6位、海の体積では世界4位
日本の国土面積 38 万平方キロメートル(世界61位)内閣府(2023) ・ 出典 / 陸の小国・海の大国というギャップ

日本の海洋開発・政策目標 ※政府一次情報

南鳥島レアアース泥 産業化目標時期 2028 年度以降(2026年に初揚泥・2027年に大規模試験)JAMSTEC/内閣府(2026) ・ 出典 / 2026年1〜2月に採鉱システム接続試験で初の揚泥に成功
海洋温度差発電(OTEC)久米島モデルの関連産業 2.5 十億円規模(年間・雇用約140人)笹川平和財団 海洋政策研究所(2024) ・ 出典 / 人口約7,000人の久米島で、発電後の深層水を養殖・化粧品に再利用
ブルーカーボン 国連インベントリ算入 2024 年(世界初)環境省/国土交通省(2024) ・ 出典 / 藻場・海草のCO2吸収量を世界で初めて国連へ報告

産業インテリジェンス — 20カテゴリの実データIIDB 識別子接続

産業インテリジェンスDB の「水上輸送・海運サービス」・「自動運航船・船舶DX」から、市場規模・産業構造・Porter 5 Forces・利益プール・人材・規制など 20 カテゴリの実データを引いた。全 616 件のうち出典の生存が確認できているのは 558 件。★この接続は接続元が宣言したものではなく、こちらで中身を読んで割り当てたものである(識別子照合ではない)。★検証状態は接続元の値をそのまま表示している(こちらで格上げしていない)。

M&A・資本提携・再編27件
商船三井フェリーとフェリーさんふらわあの合併、「商船三井さんふらわあ」誕生商船三井は2023年6月、グループ会社の商船三井フェリーと株式会社フェリーさんふらわあの事業統合(2023年10月1日合併)を決定し、新会社名を「商船三井さんふらわあ」に決定した。統合により定期航路6航路・運航船15隻を有する国内最大規模のフェリー・内航RORO船事業会社が誕生した。狙いは船隊・航路の一体運用によるコスト効率化と輸送需要変動への対応力強化(モーダルシフト受け皿拡 / 商船三井 出典
日本郵船、ENEOSグループの海運事業を取得しNYK Energy Ocean発足760億円(2025)日本郵船は2024年7月8日にENEOSオーシャンとの間で原油タンカーを除く海運事業(LPG船18隻・ケミカル/プロダクトタンカー18隻・貨物船11隻、計47隻)の取得に合意し、2025年4月1日付でNYK Energy Ocean株式会社(NEO社)の株式80%を取得(取得額約760億円)して子会社化した。既存保有LPG船16隻と合算し日本郵船グループは世界最大級のLPG船運 / 日本郵船 出典
栗林商船による鈴木商店(豆類・雑穀卸)の買収栗林商船は2025年7月1日、北海道北斗市の豆類・雑穀卸売業者、株式会社鈴木商店の株式を取得し子会社化した。栗林商船は内航船による海上運送を主力とする海陸一貫物流グループであり、本件は同社の物流ネットワークと鈴木商店の仕入・販売ネットワークを融合させる異業種(卸売業)統合型M&Aである。同社は2020年9月にも日本通運から北日本海運(青函フェリー運航)を買収しており、内航海運事 / 栗林商船 出典
伊藤忠エネクスによる関門海運の買収伊藤忠エネクスは2025年10月1日付で、山口県下関市の関門海運株式会社(博多港4隻・関門エリア2隻・大分港1隻の燃料油供給船を保有)の全株式を取得し子会社化した。狙いは九州地区における船舶燃料供給機能・ノウハウの取得による船舶燃料販売事業拡大であり、中期経営計画「ENEX2030 '25-'26」に基づく物流内製化・効率化の一環。商社(エネルギー卸)による海運周辺インフラ(船 / 伊藤忠エネクス 出典
コンテナ船アライアンス再編、Gemini CooperationとPremier Allianceが発足2025年2月、外航コンテナ船の三大アライアンス体制が再編された。従来「2M」を解消したMaerskはHapag-Lloydと新体制「Gemini Cooperation」を発足(ハブ&スポーク型・幹線29+シャトル29航路)。THE Allianceの残存メンバーであるONE・HMM・Yang Mingは「Premier Alliance」(5年契約・合計約380万TEU)を / Sea-Intelligence/業界専門メディア 出典
ONE(Ocean Network Express)の出資構成と外航3社の再編構図日本の外航海運大手3社(日本郵船38%・商船三井31%・川崎汽船31%、出資総額約3,000億円)は2016年に定期コンテナ船事業の統合を決定、2017年にOcean Network Express Pte. Ltd.を設立し2018年4月から事業を開始した。2025年時点でONEは船腹量約190万TEU・世界6位級の規模を持ち、3社合計での配当受取額は決算年度により変動する( / 日本経済新聞ほか(社史まとめ) 出典
MOL Chemical TankersによるFairfield Chemical Carriers買収400百万米ドル(2024)商船三井の完全子会社MOL Chemical Tankers(MOLCT)は2024年3月1日、シンガポールのFairfield Chemical Carriers(FCC)の全株式取得を完了した(取得額約4億米ドル、2023年9月末の株式譲渡契約に基づく)。MOLCT保有の多区画ステンレスタンク搭載ケミカルタンカー81隻とFCC保有36隻を統合し、世界最大級のステンレスタンク / 商船三井 出典
みちのりホールディングスによる佐渡汽船への出資・子会社化15億円(2022)陸上交通(バス・鉄道)持株会社のみちのりホールディングスは2022年2月7日、経営不振に陥っていた佐渡汽船に対し最大15億円を出資する経営支援契約を締結し、同年3月末の第三者割当増資引受により議決権66.7%を取得する筆頭株主(実質子会社化)となった。佐渡汽船はその後株式併合により上場廃止となった。地方フェリー会社の経営難に対し、海運業以外の交通事業者が資本参入して再建を主導す / みちのりホールディングス 出典
海事産業強化法による事業基盤強化計画・特定船舶導入計画の認定制度2021年5月成立の「海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律」(通称・海事産業強化法)は、造船・舶用工業事業者向けの「事業基盤強化計画」(生産性向上・事業再編を通じた基盤強化、登録免許税軽減)と、海運・造船事業者向けの「特定船舶導入計画」(環境性能に優れた船舶導入促進)の認定制度を創設した。産業競争力強化法の「事業再編計画認定制度」とも併用可能で、会社法特例 / 国土交通省 出典
造船業再生ロードマップ、造船事業者の1〜3グループ化検討国土交通省は造船業の国際競争力強化に向け「造船業再生ロードマップ」を公表し、2035年までに日本の年間建造能力を倍増させる目標を掲げるとともに、造船事業者を系列・地域を越えて1〜3グループ程度に集約する事業再編(縦横の連携・統合)を検討する方針を示した。造船と内航・外航海運は発注-受注・共同輸送体制で密接に連動する産業であり、造船側の集約シナリオは海運事業者の調達構造・新造船コ / 国土交通省/日本海事新聞 出典
内航海運事業者の集約進行(10年間の構造変化)18%(2024)国土交通省海事局の資料によれば、内航海運事業者数はこの10年間で約18%減少し、うちオーナー(船舶所有専業者)は約26%減と減少幅が大きい。特に保有隻数1隻の「一杯船主」は32%の大幅減少となった一方、保有隻数7隻以上の事業者数は17%増加しており、零細事業者の淘汰・撤退と中堅以上事業者への船腹集約が同時進行している。この構造変化は船員高齢化(50歳以上が約半数)・老朽船比率の / 国土交通省海事局 出典
コンテナ船市況反転と構造的供給過剰による再編圧力のシナリオ分岐2024年は紅海(フーシ派攻撃)迂回航路の常態化で実質輸送キャパシティが縮小し外航コンテナ船各社が異例の高収益を記録したが、その裏で高運賃期に発注された新造船が2024年に竣工量300万TEU超(過去最多)で市場投入され始めた。2025年は前年比運賃急落・新造船大量竣工・米関税政策による荷動き乱高下が重なり主要船社が軒並み2桁減益となり、2026年前半も構造的な供給過剰を背景に / HPS CONNECT(貿易コラム) 出典
KONGSBERGがRRCMを買収500百万英ポンド(企業価値)(2018)KONGSBERGは2018年、Rolls-Royce Commercial Marineを企業価値5億英ポンドで取得すると発表し、2019年4月に完了した。推進・甲板機器に加え、操船・自動化、船隊管理、サービス網を一体化する大型垂直統合である。買い手は統合パッケージのクロスセルと世界サービス網の規模化を狙い、年間5億ノルウェークローネ超のランレート・コストシナジーも提示。船舶 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
WärtsiläがTransasを買収210百万ユーロ(企業価値)(2018)Wärtsiläは2018年5月、航海システム大手Transasの買収を企業価値2.1億ユーロで完了した。Transasは電子海図、統合ブリッジ、訓練シミュレーター、船舶交通管制を持ち、年商は約1.4億ユーロ、従業員は約1,000人。買い手の狙いは、機関・推進の既存基盤に航海データと陸上管制を接続し、船・港を覆うSmart Marineエコシステムを早期構築すること。ハード大手 / Wärtsilä Corporation 出典
ABBがDTN Shippingを取得5000接続船数超(2024)ABBは2024年、DTNの船舶向け気象ルーティング事業を取得し、航路最適化、分析、レポート、陸上支援をMarine & Portsに統合した。約85人の専門人材とAPI・アルゴリズムを取り込み、ABBネットワークの接続船は5,000隻超となる。買い手は電動化・自動化・船上制御に気象予測を重ね、全船型・全デジタル化段階を覆う意図を明示。航路最適化は独立アプリより統合制御ポートフ / ABB Ltd 出典
DanelecがNautilus技術を取得32年間の買収件数(2023)Danelecは2023年11月、Nautilus LabsのAIベース技術プラットフォームを取得した。自社のVDR・船上データ収集基盤に、船舶性能分析と意思決定支援を重ね、データ取得から解析までのターンキー化を狙う。同社にとって2年間で3件目の買収で、KYMAの運航監視、MacGregorのVDR・MDE事業に続く連続ロールアップである。船上データの入口を押さえる企業が解析レ / Danelec Marine A/S 出典
ZeroNorthが性能モデルを獲得25000船舶燃費モデル超(2021)ZeroNorthは2021年、デジタル船舶性能企業Propulsion Dynamicsを買収した。対象会社のCASPERは実船スケールのデジタルツイン分析を手掛け、20年間に蓄積した2万5,000超の船舶燃費モデルを保有。ZeroNorthはこの履歴データをOptimiseへ投入し、買収により売上を15%押し上げる見込みを示した。モデル精度を左右する長期の実船データ資産は再 / ZeroNorth A/S 出典
ZeroNorthとAOTが経営統合ZeroNorthとAlpha Ori Technologiesは2023年10月、規制承認を前提に経営統合する計画を発表した。ZeroNorthのマルチサービス最適化基盤と、AOTの船上IoTセンサー・高頻度データ処理を結合する構想である。これは航海・燃費最適化ソフトが、取得品質の高いリアルタイム船上データを垂直統合する動き。独立系アプリが差別化を維持するには、船上接続、デー / ZeroNorth A/S 出典
VesonがQ88を買収20Q88の事業年数(2022)alive_blockedVeson Nauticalは2022年5月、船舶情報管理SaaSのQ88を買収した。Q88はタンカーを中心に船舶仕様、標準質問票、関係者間データ共有を担い、Vesonは運航・契約管理基盤へ標準化された船舶マスタと安全・審査ワークフローを接続する。直前にはFrancisco PartnersとPamlico Capitalから大型株式投資を受け、買収余力を確保していた。PE資本 / Veson Nautical LLC 出典
VesonがVesselsValueを買収81500収録船舶数超(2023)alive_blockedVeson Nauticalは2023年4月、船価・市場データ会社VesselsValueの取得を発表した。対象は8万1,500隻超のデータベース、日次自動船価、AIS由来分析、独自モデルを保有し、600社超・2,500ユーザーを持つ。VesonはQ88、Oceanbolt、運航契約データと結合し、用船前後の判断からCII指標までを単一基盤化する。ワークフローSaaSが評価・市 / Veson Nautical LLC 出典
造船大手HIIがSea Machinesへ出資15百万米ドル(調達額)(2020)alive_blocked自律運航システム企業Sea Machines Roboticsは2020年7月、1,500万米ドルの資金調達を完了し、米最大の軍用造船会社Huntington Ingalls Industriesが大きく参加した。Accompliceが主導し、Toyota AI VenturesやBrunswick系も参加。HIIにとっては造船ハードの外側にある自律制御・遠隔運航ソフトへの戦略 / Sea Machines Robotics, Inc. 出典
2032年へ認証資産の争奪が加速2032強制MASS Code発効予定年(2032)IMOは2026年に非強制MASS Codeを採択し、2030年7月までの強制コード採択、2032年1月の発効を予定する。コードは航海、接続、遠隔運航センター、サイバーセキュリティ、人的監督を横断して要求するため、再編は単機能アルゴリズムより、型式承認、船上機器、ROC運用、サイバー、実船データを持つ企業の獲得へ向かうと予測する。既存大手は認証期間を短縮できる実装済み資産を優先 / International Maritime Organization 出典
ABBがDTN Shippingを取得5000接続船数超(2024)ABBは2024年、DTNの船舶向け気象ルーティング事業を取得し、航路最適化、分析、レポート、陸上支援をMarine & Portsに統合した。約85人の専門人材とAPI・アルゴリズムを取り込み、ABBネットワークの接続船は5,000隻超となる。買い手は電動化・自動化・船上制御に気象予測を重ね、全船型・全デジタル化段階を覆う意図を明示。航路最適化は独立アプリより統合制御ポートフ / ABB Ltd 出典
DNVが船上サイバー監視のCyberOwlを買収DNVは2024年9月、船上システムのサイバーリスク監視・脅威管理を手掛けるCyberOwlを買収した。CyberOwlをDNVの海事リスク専門家3,500人、サイバー専門家500人のネットワークと接続し、オスロ、ロンドン、シンガポール、ハンブルク、ピレウスの5拠点で海事サイバー対応を提供する。規制強化と船内IT・制御系の接続拡大を背景に、船級・保証会社が監視、対応、復旧までを / DNV 出典
Lloyd’s RegisterがOneOceanを買収し海事ソフトを統合16000隻超(2022)Lloyd’s Register(LR)は2022年9月、航海コンプライアンス、安全・環境ソリューションのOneOcean買収を完了した。導入基盤は1万6,000隻超。LRは同社をHanseaticsoft、i4 Insight、C-MAP Commercial、Greensteamなど既存の船隊管理・性能最適化製品と統合し、船舶・航海性能を単一プラットフォームで可視化する。認 / Lloyd’s Register 出典
日本郵船がギリアと資本業務提携し自律運航AIを内製化日本郵船は2023年1月、AI企業ギリアへの出資参画と資本業務提携を発表した。協業範囲は自律運航船・避航操船、デジタルツイン、運航安全、共同開発サービスの国内外販売、データ・ノウハウの事業化までを含む。買い手は単なる外部ツール導入ではなく、深層強化学習やエッジAIの開発力を取り込み、実船データと海運知見を組み合わせたAIサービスを外販する構えであり、運航会社自身が技術供給者へ進 / 日本郵船 出典
再編軸は点製品買収から統合運航プラットフォームへ18000隻超(2024)NAVTORは2024年6月、IoT・AI開発会社Masterloopを買収し、直前のVoyager Worldwide買収に続いて開発力を補強した。NAVTOR製品は1万8,000隻超に搭載され、Masterloopの10人を約400人の組織へ統合する。航海電子海図、性能管理、デジタルログ、IoT、AIを一体化する動きは、単機能ベンダーが独立して競う構造から、搭載船基盤とデー / NAVTOR 出典
PESTLE マクロ環境27件
経済安全保障と日本籍船・日本人船員の計画的確保99.5%(輸出入貨物の海上輸送依存度)(2025)外航海運は日本の輸出入貨物の99.5%を輸送する国民生活の生命線であり、邦船社が国際海上輸送の約6割を担う。有事における安定的な海上輸送確保の観点から、国土交通省告示(令和5年3月31日)「日本船舶及び船員の確保に関する基本方針」で日本籍船・日本人船員の計画的増加が政策目標として位置付けられている。2012年の海上運送法改正で創設された準日本船舶制度は、有事に外国籍船を迅速に日 / 国土交通省 出典
紅海・ホルムズ海峡の地政学リスクによる航路混乱の長期化40.6隻/日(スエズ運河通航量)(2026)2023年後半以降のフーシ派による攻撃でスエズ運河通航が激減し、多くの海運会社が南アフリカ喜望峰迂回を継続している。2026年3月時点のスエズ運河通航量は日量平均40.6隻で、2025年通年平均38.2隻から大きな回復は見られない。喜望峰迂回は往復で通常のスエズ経由より20〜30日多く航海日数を要し、燃料費・人件費の増加と実質的な船腹供給の目減りをもたらし、運賃の下支え要因とな / 日本貿易振興機構(ジェトロ) 出典
コンテナ船市況反落による海運大手3社の業績下方修正(循環性)1900億円(日本郵船2026年3月期通期利益見通し)(2025)2025年11月6日、日本郵船・商船三井・川崎汽船の海運大手3社は揃って2026年3月期通期利益見通しを下方修正した(日本郵船1,900億円=8月時点から500億円下方修正、商船三井1,520億円=180億円下方修正、川崎汽船1,000億円=200億円下方修正)。要因は新造船大量就航による供給増と、米関税を巡る北米向け荷動きの下振れによるコンテナ船運賃市況の悪化。2024年度は / ニュースイッチ(日刊工業新聞社) 出典
日本商船隊の実質保有船腹量は世界3位(競合相対)240678千DWT(日本商船隊実質保有船腹量)(2025)2025年時点で日本の船社が実質支配・保有する船腹量は240,678千DWTで世界3位。1位はギリシャ397,650千DWT、2位は中国347,215千DWTであり、前年に比べ2位の中国との差は拡大傾向にある。日本商船隊は量的規模で上位に位置する一方、中国船腹の急速な拡大により相対的地位が徐々に低下しつつある構造変化が進行している。 / GLOBAL NOTE(UNCTAD/Clarksons等統計集計) 出典
内航海運の構造的低収益性(99.7%が中小事業者)99.7%(内航海運業者に占める中小事業者比率)(2025)内航海運業者の99.7%が中小事業者であり事業基盤が脆弱で、荷主に対して交渉力が弱く、対等な交渉で十分な運賃・用船料を収受できないため収益性が低いという構造的課題を抱える。国土交通省はこの利益構造の歪みに対応するため、運賃・用船料を構成する費目とその算出方法を整理した「標準的な考え方」を策定・公表し、算出用Excelシート等の導入支援ツールも提供して取引環境の改善を図っている。 / 国土交通省 出典
内航船員の高齢化と深刻な人手不足(時系列)4倍(船員有効求人倍率)(2025)内航船員数は昭和49年のピークから大幅に減少し、今後は若年労働力人口の減少見込みも重なり将来の海上労働力確保が課題となっている。50歳以上の船員が約5割を占める高齢化構造が続く一方、近年は若年船員がやや増加する兆しもある。船員の有効求人倍率は近年4倍を超えており、同時期の陸上労働者の有効求人倍率(約1.27倍)と比較して著しく高い需給ひっ迫状態にある。 / 国土交通省海事局 出典
物流2024年問題によるモーダルシフト機運と「みんなで創る内航」推進運動トラックドライバーの時間外労働規制強化(物流の2024年問題)を受け、トラック輸送から船舶輸送へのモーダルシフトの機運が高まっているほか、訪日外国人の増加(インバウンド)に伴う航空燃料の海上輸送需要増加も内航海運への期待を高めている。これらの需要増に対応しつつ安定的な海上輸送を確保するため、内航海運業者・荷主・国土交通省等の関係者連携による「みんなで創る内航」推進運動が令和6年 / 国土交通省 出典
MEGURI2040自動運航船が商業運航段階へ移行(破壊的技術)4隻(自動運航船認証取得数)(2026)日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」第2ステージで、2026年3月27日、実証船4隻すべてが国土交通省の船舶検査に自動運航船として合格し、商用運航下で自動運転レベル4を実現した。内航コンテナ船「げんぶ」(全長約134m・700TEU型、神戸-東京航路)は2026年1月28日に、離島航路の旅客船「おりんぴあどりーむせと」(旅客定員500名、岡山新岡山港-香川土 / 商船三井・日本財団 出典
アンモニア・水素燃料船の実証進展と脱炭素投資(技術ロードマップ)95%(重油比GHG削減率・アンモニア燃料タグボート実証)(2024)2024年8月に世界初の商用アンモニア燃料船(タグボート)が竣工し、同年11月末まで東京湾内で実証運航を実施、重油使用時と比較して最大約95%の温室効果ガス排出量削減を達成した。大型アンモニア燃料船は2026年より実証運航を開始し2028年までの商業運航実現を目指す。水素燃料船は2027年からの実証運航、2030年以降の商業運航が計画されている。国土交通省はゼロエミッション船の / NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構) 出典
IMO Net-Zero Framework採択と炭素価格付けの世界初導入(反証条件あり)85%(適用対象船が占める国際海運CO2排出割合)(2027)国際海事機関(IMO)は2050年ネットゼロを目指すNet-Zero Framework(NZF)を承認した。これは義務的な排出量規制と業界全体への温室効果ガス価格付けを組み合わせた世界初の枠組みで、年々のGHG原単位低減目標を課す燃料規格と、未達時のペナルティ収入を低・無排出燃料への転換支援や船員訓練、途上国支援に充てる経済的措置の二本柱からなる。総トン数5,000トン以上の / 国際海事機関(IMO) 出典
EU ETS(排出量取引制度)の海運への段階適用とコスト転嫁(利益構造への影響)1.8百万ユーロ/年(大型船1隻あたり炭素費用・完全適用時試算)(2026)EU域内排出量取引制度(EU ETS)は2024年1月から総トン数5,000トン以上の貨客船に適用が開始され、2025年からはオフショア船・一般貨物船(400トン以上)にも対象が拡大された。排出枠のサレンダー義務は2024年40%、2025年70%、2026年100%と段階的に引き上げられる設計。年間約5万トンのCO2を排出する大型外航船の場合、2024年の部分適用(約40%) / 欧州委員会(European Commission) 出典
内航海運業法等の改正による標準的運賃・取引環境改善の制度化少子高齢化による内航海運の担い手不足と、内航海運業者99.7%が中小事業者という脆弱な事業基盤を背景に、国土交通省は「令和の時代の内航海運に向けて」の中間とりまとめを踏まえ、内航海運業法等の改正を進め、船員の確保・育成、荷主との取引環境改善、生産性向上を制度的に後押ししている。具体策として運賃・用船料の構成費目と算出方法を整理した「標準的な考え方」を策定・公表し、荷主とオペレー / 国土交通省 出典
日本船舶及び船員の確保に関する基本方針(告示第280号)国土交通省告示第280号(令和5年3月31日付)「日本船舶及び船員の確保に関する基本方針」は、経済安全保障の観点から日本籍船・日本人船員を計画的に確保・育成する政策の法的裏付けとなっている。外航海運においては、日本商船隊の大半を占めるアジア人船員の確保・育成と並行して、有事対応の中核を担う日本人船員の計画的な確保・育成が求められるとされ、トン数標準税制の適用要件(日本籍船・日本 / 日本船主協会 出典
政治:IMOがMASS共通枠組みを採択2026採択年(2026)IMOは2026年5月、遠隔・自動運航の商船を対象とする非強制MASS Codeを採択し、7月1日に発効させた。接続性、遠隔運航センター、サイバーセキュリティ、捜索救難までを従来船と同等の安全・環境水準で扱う。国別ルールの分断を抑える一方、経験蓄積段階では旗国・船級ごとの承認実務に差が残るため、事業者には国際基準準拠の設計証跡と実証データの早期蓄積が競争条件となる。 / International Maritime Organization 出典
政治:義務化は2032年、移行期が商機2032強制コード発効予定年(2032)IMOロードマップは、2026年12月に経験蓄積フェーズの枠組みを開発し、2028年から強制コードとSOLAS新章を検討、2030年7月1日までの採択、2032年1月1日の発効を予定する。したがって今後約6年は、実船データを規則形成へ反映できる政策窓口である一方、義務化待ちによる大型投資の先送りも起こり得る。認証対応を後付けせず、非強制コード準拠を先行導入の調達要件にすることが / International Maritime Organization 出典
経済:自動運航船市場は年9.6%成長9.6% CAGR(2030)MarketsandMarketsは世界の自動運航船市場を2022年39億ドル、2030年82億ドル、年平均成長率9.6%と推計する。対象は完全自律、遠隔運航、部分自律を含み、一般AI市場ではない。市場規模が約2.1倍になる見通しは、船体販売だけでなくセンサー、航行判断、通信、陸上運航、改造の継続収益機会を示す。ただし軍用を含む集計のため、商船DXの事業計画では対象船種・新造/ / MarketsandMarkets 出典
経済:国内船の50%無人化を目標50%(国内航行船の目標比率)(2040)日本財団のMEGURI2040は、2040年に国内を航行する船舶の50%を無人運航船とする目標を掲げ、50社超の体制で完全自動運航が一部可能なレベル4相当を目指す。これは確定需要ではなく政策的・産業的目標だが、内航の多船種に共通利用できる自動操船、遠隔監視、陸上支援の標準化が成立すれば、単船受託から横展開型のサービス市場へ移る可能性がある。通信環境と導入資金が普及速度を左右する / 日本財団 出典
社会:船員求人倍率4.97倍が導入圧力4.97倍(有効求人倍率)(2025)国土交通省の2025年船員職業安定年報では、全船種の月間有効求人数3万8,251人に対し有効求職数7,692人、有効求人倍率は4.97倍で、前年4.78倍から上昇した。全商船等でも4.85倍である。人員不足は自動運航・陸上集中監視の需要を強めるが、無人化だけでなく、限られた熟練者が複数船を安全に支援できる業務設計が価値の中心となる。省人効果と同時に、異常時の負荷集中を評価すべき / 国土交通省 出典
社会:遠隔操船者の資格制度に空白IMOは、MASSに乗船する船員にはSTCW条約が適用される一方、陸上の遠隔運航センターにいる遠隔操船者や船長には現行STCWが適用されず、MASS Codeで訓練・資格・能力要件を扱う必要があると整理した。海技資格の単純な陸上移管では済まず、複数船監視、通信断、サイバー事案、有人船との協調を含む新職種設計が必要になる。人材供給、訓練シミュレータ、認証サービスが普及のボトルネッ / International Maritime Organization 出典
技術:実装単位は自動・遠隔・離着桟3コア技術領域(2018)国土交通省はフェーズII自動運航船を、陸上操船やAIの行動提案で最終意思決定者たる船員を支援する船と定義し、コア技術を自動操船、遠隔操船、自動離着桟の3つに分けて2018年度から実証した。この分解は、完全無人船を一括開発するより既存船へ段階導入しやすいことを示す。投資判断では技術精度だけでなく、船員への権限移譲、通信断時の縮退運転、港ごとの離着桟条件を別々に検証する必要がある。 / 国土交通省 出典
技術:自律化は人的事故要因を移転80~90%(人的過誤関与)(2021)alive_blockedReliability Engineering & System Safety掲載研究は、既往研究上、人的過誤が海難の80~90%に直接・間接に関与すると整理する一方、自動運航はソフトウェア、通信、センサー統合、陸上支援に新リスクを生むと指摘する。したがって安全価値は「人を除けば事故が消える」ことではなく、認知・判断ミスを機械故障や相互作用リスクへ移転し、全体リスクを下げられる / Reliability Engineering & System Safety 出典
環境:CIIが運航データDXを必須化40%(炭素強度削減目標)(2030)IMOのMARPOL附属書VI改正により、2023年からEEXI算定と年間運航炭素強度CIIのデータ収集・格付けが義務化された。CIIは5,000総トン以上が対象で、2030年までに2008年比で輸送当たりCO2を少なくとも40%削減する方向である。これにより船速、気象ルーティング、到着時刻、トリムを航海ごとに最適化し、監査可能なデータで効果を示す船舶DXが、燃料費削減策から規 / International Maritime Organization 出典
法:船級サイバー要件が新造船に適用2024適用開始年(2024)国際船級協会連合IACSの統一規則UR E26(船舶全体)とUR E27(船上システム・機器)は、2024年7月1日以降に建造契約する新造船へ改訂版を適用する。遠隔運航・常時接続船ではサイバー侵害が安全事故へ直結するため、後付けのIT対策ではなく、船舶設計、機器調達、ネットワーク分離、復旧性、船級検査を一体化する必要がある。適合証跡を持たない機器ベンダーは新造案件の採用障壁が高 / International Association of Classification Societies 出典
法:EU ETSが船別データ統制を強化100%(排出枠返納対象比率)(2026)EU ETSの海運適用は、排出枠返納比率を2024年排出分40%、2025年分70%、2026年分100%へ段階拡大し、2026年からCH4とN2Oも対象に加える。対象会社は承認済み監視計画を持ち、船別・会社別排出報告を検証機関の確認後に提出する必要がある。EU寄港船では、燃料・航海・寄港データの欠損が直接コストと法令リスクになるため、船陸データ連携と監査証跡の品質がDX投資の / European Commission Directorate-General for Climate Action 出典
社会:省人化は船員削減より技能の陸上再編を促す欧州海上保安機関(EMSA)の2023年調査は、短距離フィーダー船、RoPaxフェリー、長距離ばら積み船を対象に、遠隔運航センター(ROC)の業務モデルと運航者能力をSTCW表と比較した。自動化が進んでも人間の役割は残り、必要能力と訓練内容が変わると整理している。したがって省人化の受益は単純な人件費削減に限られず、船上職から陸上の監視・協調・例外処理職への再配置、訓練投資、複数 / European Maritime Safety Agency 出典
技術・法:遠隔支援は通信冗長化と証拠保全が参入条件国土交通省の自動運航船安全基準案は、陸上の遠隔支援施設について、不正アクセス防止、船陸通信の途絶・品質劣化を考慮した冗長性、送受信データの信頼性と改ざん防止保管を要求する方向を示す。競争軸は航行AI単体の精度から、通信回線、陸上設備、データ保全を束ねたシステム保証へ移る。これは通信事業者・サイバー事業者には収益機会だが、船主にはROCと冗長回線の固定費を生み、小規模船隊ほど投資 / 国土交通省 出典
技術:MASS化で攻撃面が船内から船陸ネットワークへ移るEUサイバーセキュリティ機関(ENISA)は、従来船からMASSへ移ると攻撃面の重点が、船内のパスワード管理やソーシャルエンジニアリングからネットワーク領域へ変化すると整理した。海事分野ではランサムウェアが主要脅威で、データ侵害が続くとの予備分析も示す。遠隔運航は船陸接続を安全性の単一障害点にし得るため、機器販売だけでなく継続監視、更新、インシデント対応を含むライフサイクル型収 / European Union Agency for Cybersecurity 出典
Porter 5 Forces23件
既存競合: 外航コンテナ船は上位15社で市場の89.5%を占める高集中構造89.5%(2024)日本郵船IRファクトブック(2024年4月末時点)によれば、世界のコンテナ船運航船腹量(TEUベース)は上位15社で89.5%(2,880万TEU中2,580万TEU)を占める。首位MSC20.1%、Maersk14.5%、CMA CGM12.7%、COSCO10.6%、Hapag-Lloyd7.1%と上位5社で65.0%、日本のONEは6位で6.3%。アライアンス再編(合従連 / 日本郵船(NYK Line) IRファクトブック2024 出典
既存競合: 紅海危機でSCFI(上海コンテナ運賃指数)が約3.5倍に急騰後、反落3674.86pt(SCFI)(2024)2023年10月のフーシ派による紅海・アデン湾商船攻撃を契機に、コンテナ船の多くがスエズ運河を避け喜望峰迂回に転換し航行距離・日数が増加、船舶・コンテナ供給が逼迫した。上海航運交易所発表のSCFIは2023年末の約1,000ポイント前後から2024年7月12日時点で3,674.86ポイントへ約3.5倍に急騰。その後、各社が船腹供給を積み増したことで運賃上昇は一服し、コロナ前平均 / 上海航運交易所(SCFI)/Lanes/ジェトロ 出典
既存競合: 内航海運は輸送量20年で3割超減少に対し船腹量は10年で8%増加、需給ミスマッチが過当競争を助長8%(船腹量10年増加率)(2024)製造業の海外移転等により国内海上輸送量はこの20年で3割以上減少した一方、船舶大型化が進み一般貨物船の船腹量は過去10年で8%増加した。輸送需要の縮小と供給能力の拡大が同時進行するミスマッチが内航海運の構造的な供給過剰・運賃低迷・過当競争の根因となっている。日本経済新聞は『船腹過剰、需要減は3割超』と報じている。利益構造(需給ギャップ)の厚み。 / 日本経済新聞/国土交通省 出典
新規参入の脅威: 内航海運業法は2004年に許可制から登録制へ緩和も、一杯船主800事業者・半数超の零細構造が固定化31%(一杯船主10年減少率)(2024)内航海運業法は2004年改正で新規参入規制を許可制から登録制に緩和し事業区分も廃止された。しかし保有隻数1隻の『一杯船主』は平成24年からの10年間で31%減少しながらも依然として約800事業者を数え、全体の半数を超える零細事業者構造が続いている。制度上の参入障壁は下がったが、船員確保難・資本力不足により実質的には新規の大規模参入より既存零細事業者の淘汰・統合が進む状況にあり、 / 国土交通省(内航未来創造プランの進捗状況) 出典
新規参入の脅威: 外航コンテナ船は資本集約性とアライアンス規律が実質的な参入障壁、日本3社はONEへ統合外航コンテナ船事業は巨大な船隊投資・燃料コスト・アライアンス運営体制を要する資本集約型産業であり、単独での規模の経済確保が困難なため、日本郵船・商船三井・川崎汽船は2017年にコンテナ船事業をOcean Network Express(ONE)へ統合した(コンテナ船運航規模で世界6位)。ONEはHMM・ヤンミン・ハパックロイドと『ザ・アライアンス』を組み、2024年には欧州航路 / 日本経済新聞 出典
代替品の脅威: トラック輸送の2024年問題により海運へのモーダルシフトが加速、代替脅威はむしろ低下100百万トン(2034年目標船舶輸送量)(2024)2024年4月からのトラックドライバー時間外労働上限規制(2024年問題)により長距離トラック輸送力が構造的に制約され、政府は今後10年で船舶輸送量を5,000万トンから1億トンへ、鉄道輸送量を1,800万トンから3,600万トンへそれぞれ倍増させる目標を掲げた。CO2排出量もトラック(営業用208g-CO2/トンキロ)に対し船舶は43g(約5分の1)、鉄道20g(約10分の1 / 日本経済新聞/国土交通省 出典
供給者交渉力: 日本の新造船受注シェアは2020年前後15-16%から2024年に8%へ半減、中国が世界建造量の5割・受注7割超を独占8%(日本の世界受注シェア2024年)(2024)国土交通省海事局資料によれば、世界の船舶受注量に占める日本のシェアは2020年にかけて15〜16%で推移していたが、2024年には8%まで下落した。一方、中国は2024年の世界建造量の約50%を建造し、受注量では世界の7割超を占め市場支配力を強めている。船価の約7割を鋼材等の材料費が占める構造のうえ、日中の船舶建造コストには約2割のギャップがあり、日本船主による中国造船所への発 / 国土交通省海事局(造船業の現況と造船業再生ロードマップ) 出典
供給者交渉力: 新造船価格指数(クラークソン)が2023年11月に177.08と約15年ぶり高値圏、供給者の価格決定力が強まる177.08pt(クラークソン新造船価格指数)(2023)英クラークソン・リサーチが公表する新造船価格指数(1988年1月=100)は2023年11月24日時点で177.08となり、約15年ぶりの高値圏に達した。背景には鋼材高・造船所の人手不足に加え、LNGタンカーやコンテナ船の発注急増がある。受注から竣工までのリードタイムが近年3〜4年に長期化しているため、船価確定後の物価上昇局面では発注者(海運会社)側が価格転嫁できず利益が圧迫さ / クラークソン・リサーチ/日本経済新聞 出典
供給者交渉力: 内航船員の有効求人倍率4.12倍(陸上産業全体1.29倍)、外航は外国人クルー依存で日本人船員は約2,100人に減少4.12倍(内航船員有効求人倍率)(2024)日本海事新聞によれば、最新の内航船員の有効求人倍率は4.12倍で、陸上産業全体の1.29倍を大幅に上回る逼迫状態にある。内航船員は2024年10月時点で21,586人、50歳以上が約45%を占め高齢化も進行。外航海運では大型船の乗組員の半数以上が外国人となっており、日本人船員は船長・機関長等の管理職ポストを中心に約2,100人規模まで減少し、近年横ばいで推移している。船員という / 日本海事新聞 出典
買い手交渉力: 電力・鉄鋼大口荷主は専用船建造を伴う長期輸送契約で船型・燃料仕様まで指定する交渉力を持つ石炭・鉄鉱石等のバルク貨物を扱う電力会社・鉄鋼会社は、専用船建造を伴う長期輸送契約を海運会社と締結する慣行があり、例えば日本郵船・商船三井・九州電力の3社は世界初のLNG燃料大型石炭専用船2隻について長期輸送契約の基本協定を締結、JFEスチール向けにはLNG燃料ケープサイズバルカーが長期連続航海傭船契約でオーストラリアからの鉄鉱石・石炭輸送に投入される。大口荷主は船型・燃料方式 / 日本郵船/商船三井/九州電力(共同発表) 出典
買い手交渉力: 内航海運は零細・多数の事業者構造ゆえ荷主(石油元売・鉄鋼メーカー等)優位の運賃形成が続く15%(内航海運業者数10年減少率)(2024)内航海運業者数は平成24年度からの10年間で約15%減少し、特に船舶貸渡業者(オーナー)は約21%と大幅に減少した。保有隻数1隻の一杯船主が全体の半数を超える零細構造が残存する一方、荷主(石油元売・鉄鋼メーカー等の大手製造業)は少数の大口需要家として運送を発注する立場にあり、事業者の乱立・過当競争と相まって荷主優位の運賃交渉構造が続いてきた。国土交通省は取引環境改善(内航海運業 / 国土交通省 出典
新規参入の脅威:中〜低5主要実現技術群(2024)alive_blocked自動運航ソフト単体の試作参入余地はある一方、商用化には船体・自律航法・状況認識・遠隔運航センター・通信/サイバー・機関システムを一体で安全認証へ通す能力が要る。2024年の学術研究も5つの主要実現技術を特定しており、海事実績、システム統合、船級対応、実船データを持つ既存舶用OEMへの障壁が厚い。局所用途の新興企業は参入できても、外航大型船への横展開は容易でない。 / Marine Policy (Elsevier) 出典
規制認証が参入障壁を長期固定2032強制MASS Code発効予定年(2032)新規参入の脅威は規制面でも抑制される。IMOの非強制MASS Codeは2026年7月発効だが、強制コードは2030年7月までの採択、2032年1月発効予定であり、移行期は各国・船級との個別安全立証が残る。コードは航海、接続性、遠隔運航、サイバー、捜索救助まで対象とし、船長の最終責任も維持する。認証ノウハウと長期開発資金を持たない参入者には大きな固定費となる。 / International Maritime Organization 出典
代替品の脅威:高完全無人船に対する最大の代替は、既存の有人船へ認知支援、航路最適化、機関監視などを段階導入する部分自動化である。IMOは、自動化機能を積むだけではMASSに該当せず、当面は有人船とMASSが併存し、まず乗組員を残した一部機能の遠隔・自律化から進むと明記する。買い手は船体更新や全面的な運航責任再設計を避け、低リスクなレトロフィットで便益の多くを得られるため、完全自律化の価格上限を / International Maritime Organization 出典
外航MASS不在が既存運航を温存0商用国際航海SOLAS貨物船(2026)IMOによれば、商業運航中で国際航海を行うSOLAS対象貨物船のうち、自律または遠隔制御で運航する船は現時点で存在しない。これは従来の有人運航が単なる旧技術ではなく、規制適合、保険、港湾受入れ、異常時対応を束ねた実績ある代替サービスであることを示す。実証成功だけでは置換が進まず、完全自律ベンダーは有人運航対比で安全性と総保有コストを同時に立証する必要があるため、代替圧力は高い。 / International Maritime Organization 出典
供給者交渉力:高2024改訂要件適用開始年(2024)自律船ではセンサー、統合ブリッジ、制御装置、通信、ROCが安全クリティカルな連鎖を形成する。IACSのUR E26/E27は船全体と船上システム・機器のサイバー耐性を標準化し、2024年7月以降に建造契約する新造船へ改訂要件を適用した。船級適合済み機器と証跡を供給できるベンダーへの切替は再設計・再試験を伴うため、認証済み舶用OEMやサイバー機器供給者の交渉力は高い。 / International Association of Classification Societies 出典
異種冗長化が部材切替を困難化alive_blockedMASSの安全性は単一センサーでは成立せず、GPS/GNSS妨害、通信障害、マルウェア、船上制御侵入を前提に、診断・予知と同種/異種冗長化が求められる。査読研究はセンサー故障を重大リスクとし、異種冗長がセンサー種別への依存を除けるため、より信頼性が高いと指摘する。複数センサーの校正、融合、型式承認まで握る統合供給者は代替しにくく、単品価格よりシステム保証を軸に強い交渉力を持つ。 / Sustainability (MDPI) 出典
買い手交渉力:高5実証コンソーシアム(2026)買い手である船社・荷主は、量産品ではなく航路、船型、港湾設備、乗組員配置に合わせた個別案件として調達でき、採用延期という強い選択肢も持つ。IMOが国際商用MASSをゼロとする一方、日本の実証は5コンソーシアムなど政策支援型で進んでおり、供給者側は少数の実船案件を巡って安全立証とカスタマイズを負担する。結果として初期市場では、実証航路を提供するアンカー顧客が仕様・価格・知財条件を / 国土交通省 出典
安全評価負担を買い手が転嫁2調査対象の自律運航類型(2020)EMSAはMASSの異なる自律度が生む新規リスクと規制ギャップを調べるSAFEMASSを実施し、低配員・無人船についてHAZID、故障木解析、リスク低減策まで要求した。買い手はこの評価を入札・船級承認・保険条件へ組み込み、供給者にケース別の安全証拠を求められる。標準品の比較購買よりも検証責任の転嫁が強く働き、受注前エンジニアリング費用を負担するベンダーに対して買い手の交渉力は高 / European Maritime Safety Agency 出典
既存競合:高・上位集中65.7%(上位5社市場シェア)(2025)2025年の自動運航船市場ではKongsberg Maritimeが19.9%超、上位5社が65.7%を占めたと市場調査機関は推計する。競争は分散したソフト市場ではなく、Kongsberg、現代重工、Rolls-Royce Marine、Samsung Heavy Industries、Wärtsiläなど、舶用機器・造船・船社接点を持つ大手中心である。高成長期待の一方、統合案 / Global Market Insights 出典
実運航資産が競争優位を複利化3ROC運航ポートフォリオ隻数(2024)deadKongsbergとWilhelmsenの合弁Massterlyは2024年に遠隔運航センターを開設し、Yara BirkelandとASKOのMS Marit、MS Thereseの3隻をポートフォリオに持つ。競争軸は自律航法ソフトの性能だけでなく、複数船監視、例外処理、ROC要員訓練、保守データを実運航で蓄積できるかへ移る。運航実績が次の認証・受注を呼ぶため、先行統合事業者 / Kongsberg Gruppen 出典
実運航資産が競争優位を複利化3ROC運航ポートフォリオ隻数(2024)unverifiedKongsbergとWilhelmsenの合弁Massterlyは2024年に遠隔運航センターを開設し、Yara BirkelandとASKOのMS Marit、MS Thereseの3隻をポートフォリオに持つ。競争軸は自律航法ソフトの性能だけでなく、複数船監視、例外処理、ROC要員訓練、保守データを実運航で蓄積できるかへ移る。運航実績が次の認証・受注を呼ぶため、先行統合事業者 / Kongsberg Gruppen 出典
実運航資産が競争優位を複利化(到達可能URL補完)3公式案件ページで確認できる対象船数(2026)既存競合は自律航法ソフト単体ではなく、認証・船舶管理・遠隔運航を束ねた実運航能力で差別化する。Massterlyの公式案件一覧では、同社がYara Birkelandを運航し、ASKO向けには受領済みの電池推進Ro-Ro船2隻を無人化試験後に同社の遠隔運航センターから監視すると説明する。計3隻で得る例外処理、当局承認、船陸連携の知見は次案件の安全立証へ再利用でき、後発企業が機能 / Massterly 出典
エコシステム指標51件
海技研(NMRI)、全国15大学と産学連携協定—オープンラボ・連携大学院で共同研究を恒常化15大学(協定締結数)(2026)国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所傘下の海上技術安全研究所(海技研/NMRI)は、東京大学・東京海洋大学・大阪大学・九州大学・広島大学・神戸大学・横浜国立大学・鹿児島大学・工学院大学・東京電機大学・法政大学・大阪公立大学・流通経済大学など全国15大学と協定を締結し、共同研究・受託研究・連携大学院制度・インターンシップを通じた産学連携を継続している。石油天然ガス・金属鉱物 / 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(NMRI) 出典
無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」— 日本財団主導、51社が参画するオールジャパン産学官型コンソーシアム51社(DFFAS+コンソーシアム参画数)(2023)日本財団が主導する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、2040年までに国内航行船舶の50%を無人運航化する目標を掲げる。第2ステージ(2022年10月〜2026年3月)では「Designing the Future of Full Autonomous Ships Plus(DFFAS+)」コンソーシアムが結成され、日本海洋科学を中心に商船三井・日本無線・古野電気 / 日本財団 MEGURI2040 / BEMAC株式会社(東京データラボ) 出典
船体構造分野の特許総合力ランキング、三菱造船が首位225件—公的研究機関の海技研も4位に浮上225件(首位企業の有効特許数)(2021)特許分析会社パテント・リザルトが2021年8月5日までに日本国特許庁で公開された特許を対象に集計した「船体構造」分野の特許総合力ランキングでは、三菱造船が総合力スコア1,088.2・有効特許225件で首位、三井E&S造船が637.4・168件で2位、大宇造船海洋(韓国)が574.6・57件で3位となった。注目すべきは、民間企業でなく国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所が5 / パテント・リザルト株式会社 出典
MEGURI2040実証船4隻、国土交通省の自動運航船認証を取得—研究開発から商用運航への技術移転を実証4隻(自動運航船認証取得数)(2026)MEGURI2040第2ステージの実証船4隻が、2025年12月から2026年3月にかけて相次いで国土交通省の自動運航船認証を取得した。旅客船「おりんぴあどりーむせと」(2025年12月5日、国内初の自動運航船として船舶検査合格)、内航コンテナ船「げんぶ」(鈴与海運運航、2026年1月28日)、RORO船「第二ほくれん丸」(川崎近海汽船運航、2026年2月9日)、内航コンテナ船 / 日本無線株式会社 出典
日本郵船グループの技術移転機能「株式会社MTI」— 旧輸送技術研究所を改組し20年超運営74名(従業員数)(2026)日本郵船は2004年4月1日、グループの技術研究開発機能を一元化するため、従来の「株式会社NYK輸送技術研究所」を発展的に改組し100%子会社「株式会社MTI(Monohakobi Technology Institute)」を設立した。資本金9,900万円、従業員74名(2026年4月1日現在)で、環境・省エネ技術、自動運航船、船陸間通信・サイバーセキュリティ等の研究開発を担 / 株式会社MTI 出典
自動運航船スタートアップ「エイトノット」、ボートメーカーMarine Xからカーブアウトし設立7.6億円(累計調達額、融資含む)(2024)自律航行技術を開発する株式会社エイトノットは、ラグジュアリーボート開発を手掛ける株式会社Marine Xからカーブアウトする形で2021年3月8日に設立された、海運・水上輸送領域における代表的なスピンオフ企業である。大阪府堺市を拠点に小型船舶向け自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」を開発し、既存船舶へのレトロフィット事業と舶用エンジンメーカー・造船所向 / 株式会社エイトノット 出典
商船三井のCVC「MOL PLUS」、設立3年半で23社に投資—海運発スタートアップ・エコシステムの中核23社(出資先スタートアップ数、2024年10月時点)(2024)商船三井は2021年4月、出資枠40億円のコーポレートベンチャーキャピタル「株式会社MOL PLUS」を設立した。設立から1年足らずで国内外スタートアップ5社への投資を達成し、2024年10月時点では23社のスタートアップと6件のVCファンドへの投資を実施、4年間で20〜25件の投資を目標に掲げる。出資先には再使用型ロケットを開発する将来宇宙輸送システム株式会社への追加出資も含 / 株式会社MOL PLUS(商船三井グループ) 出典
Maerskの段階別EBIT配分—Ocean 47.43億ドル、Terminals 13.29億ドル、Logistics & Services 5.38億ドル4.743十億米ドル(Ocean EBIT)(2024)2024年EBITはOcean 4,743百万ドル、Terminals 1,329百万ドル、Logistics & Services 538百万ドル。売上高ではOceanが最大だが、港湾ターミナルも物流サービスの約2.5倍のEBITを生む。船腹だけでなく、参入制約と拠点性を持つターミナルが重要な利益源であることを示す。単位は原表のUSD millionと照合済み。2026-07 / A.P. Moller - Maersk 出典
Maerskの利益率格差—Ocean EBITマージン12.7%に対しLogistics & Servicesは3.6%12.7%(Ocean EBITマージン)(2024)同一企業・同一年度の比較で、OceanのEBITマージンは12.7%、Logistics & Servicesは3.6%。統合物流は成長軸でも、現時点の利益率は海上輸送を大幅に下回る。利益プール評価では「統合サービス化=即時の高収益化」と置かず、規模拡大と収益化を分けて検証する必要がある。2026-07-19取得。 / A.P. Moller - Maersk 出典
港湾・ターミナルを核とするDP World、調整後EBITDAマージン27.2%27.2%(調整後EBITDAマージン)(2024)DP Worldの2024年売上高は200億ドル、調整後EBITDAは55億ドル、調整後EBITDAマージンは27.2%。港湾・ターミナル、海運関連サービス、統合物流を束ねるモデルが厚いキャッシュ創出源になり得ることを示す。ただし全社値であり、港湾単体マージンとは解釈しない。2026-07-19取得。 / DP World 出典
海運利益予測の撤退基準—運賃100ドル/FFE下振れで年間EBIT13億ドル減1.3十億米ドル(年間EBIT感応度、運賃±100米ドル/FFE当たり)(2025)Maerskの2025年感応度では、コンテナ運賃が100ドル/FFE変動すると年間EBITが13億ドル変動する。したがって強気評価の反証条件は、想定運賃が100ドル/FFE以上持続的に下振れし、同規模のEBIT毀損を吸収できない場合。運賃前提を明示しない利益予測はNO-GOとする根拠になる。2026-07-19取得。 / A.P. Moller - Maersk 出典
自動運航船2030年予測は82億~134.1億ドルに分散—単一市場予測への依存はNO-GO8.2十億米ドル(MarketsandMarketsによる2030年市場予測)(2030)MarketsandMarketsは2030年82億ドル、Grand View Researchは同年134.1億ドルを予測しており、同一テーマ・同一年でも52.1億ドルの開きがある。自動運航を成長前提に組み込む場合、82億ドルの低位ケースでも投資採算が成立しない案件はNO-GOとする。値は各社掲載値を個別照合し、差額はその2値からの算術差。2026-07-19取得。 / MarketsandMarkets 出典
自動運航船2030年予測の高位ケースは134.1億ドル13.41十億米ドル(2030年市場予測)(2030)Grand View Researchは世界の自動運航船市場を2030年134.1億ドル、2024~2030年CAGR 13.5%と予測。一方、同社自身が厳格な規制環境を参入障壁として挙げる。商用化規制が整わず、実装が遠隔・部分自動化に留まる場合、この高位成長シナリオは反証される。2026-07-19取得。 / Grand View Research 出典
新造船の約50%が代替燃料対応設計—既存化石燃料船の資産価値を脅かす更新波50%(発注残総トン数に占める代替燃料対応設計、約)(2024)UNCTADによると、2024年初頭の発注残総トン数の約50%は代替燃料を使用できる設計で、14%超は代替燃料ready。既存船社には二重の脅威がある。新造船との燃料・規制性能差による競争力低下と、燃料選択を誤った場合の座礁資産化である。2026-07-19取得。 / United Nations Conference on Trade and Development(UNCTAD) 出典
IMOの2030年燃料転換閾値—ゼロ・準ゼロGHGエネルギー最低5%、努力目標10%5%(2030年のゼロ・準ゼロGHGエネルギー最低導入比率)(2030)IMOの2023年GHG戦略は、2030年までに国際海運の使用エネルギーの最低5%、努力目標10%をゼロ・準ゼロGHG技術・燃料・エネルギー源とする。加えて輸送仕事当たりCO2を2008年比で最低40%削減する。規制がこの軌道で具体化すれば、従来燃料船、燃料供給網、保守能力の既存構造を同時に陳腐化させる破壊要因となる。2026-07-19取得。 / International Maritime Organization(IMO) 出典
中欧越境道路輸送が海運のリードタイム優位を侵食—3週間対30~40日3週間(中国-トルコ間TIR道路輸送所要時間。海運は30~40日)(2025)代替技術・輸送モード軸。IRUによると、2024年開始のTrans-Caspian実証を経て中国事業者が定期商用運行へ移行し、リチウムイオン電池を中国からトルコまで3週間で輸送した。海上輸送の通常30~40日より短く、高価値・時間制約貨物では海運から道路・複合輸送へ荷量が移る現実的な脅威となる。 / International Road Transport Union(IRU) 出典
荷主プラットフォーマーAmazonがNVOCC・海上フォワーダー機能を内製化新規参入者軸。米連邦海事委員会の登録更新はAmazon LogisticsをNVO(非船舶運航海上運送人)兼OFF(Ocean Freight Forwarder)として掲載している。巨大荷主が船腹を持たずに海上輸送の手配・統合機能へ垂直参入しており、既存フォワーダーの顧客接点、データ、仲介マージンを内製化する脅威である。掲載内容はQI変更・法人情報変更であり、2026年の新規 / United States Federal Maritime Commission(FMC) 出典
IMOネットゼロ枠組みの採択が12カ月延期—燃料投資前提が政治合意で反転12カ月(IMO Net-Zero Framework採択審議の延期期間)(2025)規制反転軸。IMOは2025年10月、世界燃料基準とGHG価格メカニズムを含むMARPOL附属書VI改正案の採択審議を12カ月延期した。既に承認済みだった制度でも加盟国間合意により導入時期・設計が変わり得るため、船主には代替燃料船の先行投資が座礁するリスクと、従来燃料船の延命余地が同時に生じる。 / International Maritime Organization(IMO) 出典
世界石炭貿易が成長局面から5%減へ—ドライバルク貨物基盤の構造転換1468百万トン(世界石炭貿易量、前年比5%減の予測)(2025)需要構造転換軸。IEAは世界石炭貿易が長年の成長後、2025年に5%減少して14億6,800万トンになると予測した。石炭は重量物海上輸送の主要貨物であり、この反転は燃料転換による船舶側コストだけでなく、バルカーの基礎貨物量そのものが縮小する脅威を示す。原文の1,468 Mtを14億6,800万トンと検算した。 / International Energy Agency(IEA) 出典
自律運航は2026年に任意コード段階—強制化は2032年予定2032年(IMOの強制MASS Code発効予定年)(2032)技術成熟・TRL代理軸。IMOのMASS Codeは2026年7月に発効したが任意適用であり、完全無人・遠隔運航船はなお限定的である。経験蓄積を経た強制コードは2030年までの採択、2032年1月発効予定。したがって商用化は実証から制度標準化へ進んだ一方、既存有人船を直ちに全面代替する成熟度には未到達であり、2032年前後が競争構造転換の制度的ゲートとなる。 / International Maritime Organization(IMO) 出典
自律海事特許は5,987件へ蓄積5987特許件数(2024)alive_blockedOcean & Coastal Management掲載の2025年研究は、2010〜2024年の自律海事システム特許5,987件を分析した。20技術領域・7クラスターに整理され、センサー統合がネットワーク中心性で最重要、領域の65%が成長期と判定された。単純な出願総数だけでなく、知財競争の重心が単体機器から認知・統合・安全技術の結合へ移っていることを示す。 / Ocean & Coastal Management(Elsevier) 出典
自律船特許群は航行機能に集中246特許文献(2021)alive_blockedTransportation Research Procediaの自動運航船特許研究は、関連発明を3群に分類し、第1群14サブグループ246文献、第2群12サブグループ164文献、第3群4サブグループ26文献を確認した。最大群だけで246件を占める構造は、エコシステム参加者が個別要素をばらばらに開発するより、航行・制御・安全を機能群として押さえる知財戦略の重要性を示唆する。 / Transportation Research Procedia(Elsevier) 出典
MEGURI2040は5連合で実証5コンソーシアム(2022)日本財団のMEGURI2040第1段階では、5つのコンソーシアムが異なる船型・航路で2022年3月までに無人運航を実証した。大型内航フェリー、コンテナ船、小型観光旅客船、水陸両用船などを分担し、単一技術の検証ではなく複数の運航条件を並行してカバーした点が特徴である。船型別の連合形成は、共通基盤と用途固有機能を分けて社会実装する日本型エコシステムを示す。 / 日本財団 出典
MEGURI参画は40組織超に拡張40超の企業・団体(2022)MEGURI2040の5コンソーシアムには、造船・海運・舶用の既存海事クラスターに加え、商社、AI、通信など異分野を含む40以上の企業・団体が参加した。自動運航船の実装には船体・機器だけでなく、通信、陸上支援、保険・安全評価、データ処理を横断する補完関係が必要であることを定量的に示す。競争単位が単独企業ではなく、多業種連合へ移っている。 / 日本財団 出典
DFFASは国内30社の開発連合30社(2022)MEGURI2040のDFFAS系コンテナ船プロジェクトでは、国内30社が無人運航システムを共同開発した。日本海洋科学を代表に、NYK・MTI、通信3社、舶用機器、造船、保険、気象、AI企業までを束ね、幕張に緊急時の陸上支援センターも構築した。海上自律機能だけで完結せず、遠隔介入・通信・リスク移転まで同じ連合内に置く統合能力が参入障壁となる。 / 日本財団 出典
蘭JIPは17者の産学官連携17パートナーオランダのAutonomous Shipping共同産業プロジェクトは、2年間の応用研究に17パートナーを集めた。海運・水先、Damen等の造船、Bosch Rexroth等の技術供給、MARIN・TNO・デルフト工科大学、船級協会、海事教育機関、政府が参加し、安全航行と陸上からの障害対処を研究した。実船運用者・認証・教育まで含むため、研究成果を制度と人材へ同時移転できる構成で / MARIN 出典
SFI AutoShipは20者超・8年20超のパートナー(2020)NTNU主導のSFI AutoShipは2020年12月開始の8年間の研究・イノベーション拠点で、ノルウェー海事産業から20超のパートナーが参加する。構成は利用者、製品・サービス供給者、研究機関、大学、政府に及び、状況認識、自律制御、デジタル基盤、陸上管制、リスク・責任を一体研究する。長期共同研究により、要素技術と運航制度の成熟速度を揃える設計である。 / Norwegian University of Science and Technology(NTNU) 出典
Autoseaは実験資産を企業共有4参画組織NTNUのAutoseaは、大学とDNV GL、KONGSBERG、Maritime Roboticsの4組織で、自動運航船の誘導・航法、特に衝突回避を共同研究した。企業側は各社の水上艇、センサー、航法技術、制御システム、ノウハウを提供し、ノルウェーとオランダで実船規模の完全衝突回避を実証した。現物資産を共有する産学連携が、研究から船上統合への谷を縮めている。 / Norwegian University of Science and Technology(NTNU) 出典
自律フェリー技術をZeabuzが商用化NTNUのAutoferryプロジェクトで開発・実証された都市水路向け自律フェリー技術は、大学発スピンオフZeabuzが商用化を担う。NTNU公式記録では、両者が世界初の実物大自律フェリーのデモを共同実施した。研究成果を論文で終わらせず、大学が実証基盤を維持し、スピンオフが製品化・顧客開拓を担う役割分担は、自動運航技術移転の具体的な経路である。 / Norwegian University of Science and Technology(NTNU) 出典
Zeabuzは自律フェリー大学発企業1スピンオフ企業(2021)ZeabuzはNTNUの自律フェリー研究を起点とするスピンオフ企業で、大学との共同デモを通じて都市水路向け無人旅客輸送の商用化を進めた。NTNU AMOSは2013〜2023年に8社のスピンオフを生み、その一覧にZeabuzを明記している。ただし8社には海中・航空系も含まれるため、本レコードの対象件数は自動運航船に直接該当するZeabuzの1社に限定した。 / Norwegian University of Science and Technology(NTNU) 出典
NTNU AMOSは自律海事研究から特許5件を創出5件(2023)NTNUの自律海事運航・システム研究拠点AMOSは、2013~2023年のイノベーション活動として特許5件を公表した。世界全体の自律船特許件数ではなく、単一の産学連携拠点が研究成果を知財化した実績である点が重要で、同拠点の商用化・検証・ライセンス4件、スピンオフ8社と併読すると、研究から権利化、移転、起業へ至る転換経路を定量的に追える。なお、同ページは産業界との協働を最重要のイ / Norwegian University of Science and Technology (NTNU) 出典
AMOSの商用化・検証・ライセンス案件は4件4件(2023)NTNU AMOSは2013~2023年に、技術の商用化・検証プロジェクトおよびライセンス契約を合計4件創出した。単なる共同研究参加数ではなく、研究成果が市場導入前の検証または知財ライセンスへ進んだ件数を示す技術移転指標である。特許5件に対し移転・商用化関連4件という同一拠点内の実績は、知財蓄積だけでなく活用経路も形成されていることを示す。NTNU Technology Tra / Norwegian University of Science and Technology (NTNU) 出典
NTNU AMOS発スピンオフは8社8社(2023)NTNU AMOSは2013~2023年の活動実績としてスピンオフ企業8社を報告し、2013~2021年の社名一覧も掲載している。自律フェリーを商用化するZeabuzだけでなく、海洋ロボティクス、センシング、点検など周辺技術を担う企業群が大学研究から派生した。単一企業の事例では捉えにくい、海事自律化を支える起業エコシステムの厚みを示す定量指標である。同拠点は産業界との協働を最重 / Norwegian University of Science and Technology (NTNU) 出典
SFI AutoShipの商用化候補研究成果は51件51件(2025)自動運航船に特化した産学官拠点SFI AutoShipは、2025年年次報告で「商用ポテンシャルを持つ研究成果」のポートフォリオを51件とした。自律航行、意思決定支援、デジタルツインを中心に、概念段階から機能プロトタイプへ進展した成果が多いと報告する。参加組織数だけでなく、共同研究が将来の製品・サービス候補へ変換されるパイプラインの規模を測る指標となる。51件をTRLとイノベー / SFI AutoShip / NTNU 出典
EU AUTOSHIPの総事業費は2,955万ユーロ29.5462百万ユーロ(2023)EUの自動運航船実証AUTOSHIPは15参加者で構成され、総事業費2,954万6,161.25ユーロ、EU拠出2,010万9,109.13ユーロで2019~2023年に実施された。2隻と陸上遠隔管制基盤をTRL7超まで実証する資本集約型の産学連携であり、単なるコンソーシアム人数では見えない、実船・通信・サイバーセキュリティ統合に必要な公的リスクマネーの規模を示す。EU拠出は総 / European Commission CORDIS 出典
Kongsberg Maritime売上の54%はアフターマーケット54売上高比率(%)(2025)2025年通期売上の約54%をアフターマーケットが占めた。新造船向け機器の一過性売上より、既存船へのサービス・更新・改造が収益基盤の過半を形成しており、自動運航・船舶DXでも導入後の保守・アップグレードが主要利益源になる構造を示す。 / KONGSBERG 出典
Kongsberg Maritimeのアフターマーケット売上は新造船売上を上回る52営業収益比率(%)(2025)上場目論見書によると、2025年の営業収益は269億2,200万NOKで、アフターマーケットが約52%を占めた。船舶機器・DX事業の利益プールは新造船建造時だけでなく、就航後のサービス、部品、改造・機能更新側に厚い。 / Kongsberg Maritime ASA 出典
Kongsberg Maritimeの16.6% EBITマージンには事業売却益が混在1205百万NOK(事業売却益)(2025)2025年EBITは46億6,000万NOK、EBITマージンは16.6%だったが、改善要因には12億500万NOKの事業売却益が含まれる。表面マージンを自動運航・船舶DXの恒常的な製品・サービス採算とみなすと過大評価になる。 / Kongsberg Maritime ASA 出典
Wärtsiläではサービス売上が機器売上を上回る3575百万ユーロ(サービス売上)(2025)Wärtsilä全社の2025年サービス売上は35億7,500万ユーロ、機器売上は33億3,800万ユーロだった。Marine単独値ではない点に留意が必要だが、船舶DX大手のライフサイクル型モデルでは、保守・契約・改造を含むサービスが機器販売を上回る規模の継続収益源になっている。 / Wärtsilä Corporation 出典
2030年市場予測の強気値は134.1億ドル13.41十億米ドル(2030)Grand View Researchは自動運航船市場を2030年に134.1億ドル、2024~2030年CAGRを13.5%と予測する。システム・ソフトウェアが2023年最大セグメントとされ、価値獲得が船体より制御・データ層へ移る強気ケースである。 / Grand View Research 出典
別予測の2030年市場規模は82億ドルにとどまる8.2十億米ドル(2030)MarketsandMarketsは2030年の自動運航船市場を82億ドル、2022~2030年CAGRを9.6%と予測する。Grand View Researchの134.1億ドルとは同じ2030年でも大幅な開きがあり、市場定義・対象ソリューション次第で評価が変わる。投資判断では単一予測への依存をNO-GOとすべき数値分散である。 / MarketsandMarkets 出典
国際的な強制適用は2032年まで後ろ倒しになり得る2032強制MASS Code発効予定年(2032)IMOの現行ロードマップでは、2026年発効のMASS Codeは非強制で、強制コードの採択予定は2030年7月1日まで、発効予定は2032年1月1日である。旗国横断の強制ルールを前提とする外航フル自律案件は、2032年以前の収益化を基本ケースに置かないことが明示的な撤退基準となる。 / International Maritime Organization 出典
船長責任を陸上化できなければ無人化便益は限定IMOのMASS Codeは人間による監督を重視し、船長が船上にいない場合も船長に全体責任を残す。遠隔運航センター、責任分界、保険・認証コストを含めても乗組員削減便益が残らない案件はNO-GOとなる。 / International Maritime Organization 出典
陸上設備・冗長化・認証費が乗組員削減益を相殺し得るSINTEFは、自動運航船の事業性は自明でないと評価する。無人化には乗組員費と船体構造の削減効果がある一方、高価な陸上インフラ、追加冗長化、より高価な燃料、認証費用が必要になるため、これらの増分費用が削減便益を上回ることが案件別NO-GO条件となる。 / SINTEF 出典
VDESの制度化が既存AIS中心の船舶DXを置換2028VDES関連規則発効予定年(2028)IMOはAISの代替となるVDESを規制枠組みに導入し、2028年1月1日の発効を予定する。VDESは認証機能を加え、より多くのデータを高速・安全に交換するため、AIS機器だけを基盤とする追跡・データサービスには更新需要と同時に技術陳腐化リスクが生じる。 / International Maritime Organization 出典
大手が航海制御事業を売却し水平分業が進行Wärtsiläは2025年にAutomation, Navigation & Control Systems事業をSolix Groupへ売却した。統合エンジン大手でさえ航海・制御資産を切り離しており、自動運航エコシステムが総合機器メーカーの垂直統合から、専業ソフトウェア・制御事業者を含む水平分業へ再編される可能性を示す。 / Wärtsilä Corporation 出典
商用実船でも自律運航認証が当初計画から後ずれ2026自律運航試験の完了見込み年(2026)Yara Birkelandの自律運航試験は当初2024年末までに完了する計画だったが、堅牢な技術解の開発と規制対応に想定以上の時間を要し、完了見込みは2026年初頭へ後退した。したがって、実船で技術の堅牢性・信頼性を規制当局へ立証できず認証時期が再延期されることを、商用展開予測の明示的NO-GO条件と置ける。取得日: 2026-07-20。 / Yara International ASA 出典
175航海を重ねても規制上3人の乗船監視が残存3船上監視要員(人)(2024)Yara Birkelandは2022年の商用運航開始後、175航海・21,826コンテナの輸送実績を積んだ時点でも、規制上の理由から安全監視要員3人を船上に配置していた。反証基準は、航海実績を蓄積しても船上要員をゼロにできない場合、完全無人化を前提とする人件費削減・遠隔集中運航の評価を棄却すること。取得日: 2026-07-20。 / Yara International ASA 出典
遠隔運航センター障害が船団全体の停止条件になり得るEMSAのSAFEMASS研究は、遠隔運航センターの監督能力が低下・喪失した場合に備え、全船についてMinimum Risk Conditionを定義し、1隻の重大事象が他船の同状態移行を自動的に起動する対策を提示する。単一ROC障害が複数船の同時退避・停止を生む設計なら、1人対多船による規模の経済が相関障害リスクで相殺されるためNO-GOとなる。取得日: 2026-07-20 / European Maritime Safety Agency(EMSA) 出典
陸上側の行動監視AIが船体完全自律化を迂回15近リアルタイム警報時間(約・分以内)(2026)EMSAのAutomated Behaviour Monitoringは船位報告を解析し、異常行動を約15分以内に検知・通知する。2015年から運用され、加盟国、EU機関、国際機関を支援している。既存船の位置データと陸上分析だけで監視負荷削減・早期警戒を実現するため、高価な完全自律船への更新を待たずに船舶DXの便益を取り込む代替経路となる。取得日: 2026-07-20。 / European Maritime Safety Agency(EMSA) 出典
完全無人船より既存船への部分自律機能実装が先行し得るKONGSBERGは、標準船で高度な自動化が広がり、安全性・効率性・信頼性を高める自律機能が海事オペレーション全般へ実装されるとの方向性を示している。これは船体更新や完全無人化を必要としないため、投資需要がセンサー、衝突回避、監視、意思決定支援へ分散し、専用の完全自律船エコシステムを侵食する破壊要因となる。取得日: 2026-07-20。 / KONGSBERG 出典
バリューチェーン構造39件
バリューチェーンの3層構造:荷主→フォワーダー/NVOCC(利用運送)→実運送人(船社)→港湾運送・検数→荷受人水上輸送・海運サービスのバリューチェーンは大きく3層に分かれる。川上側には自ら船舶を運航せず荷主から運送を引き受けて実運送人(船社)に取り次ぐ非船舶運航業者(NVOCC)・フォワーダー・仲介業者が位置し、荷主にとっての実質的な窓口となって書類作成・混載・通関手配を担う。中核には自ら船舶を所有・運航して発地港から着地港までの実輸送を担う船会社(実運送人)があり、川下側には海上輸送 / NVOCC協会(NVOCC CLUB) 出典
外航海運:日本郵船・商船三井・川崎汽船の3大グループ寡占体制とコンテナ船事業のONE統合(2018年)2018統合年(2018)日本の外航海運は一部の素材メーカー系列船社を除き、日本郵船グループ・商船三井グループ・川崎汽船グループの3大グループによる寡占が続いてきた。2017年に3社はコンテナ船事業を統合することで合意し、2018年4月からOcean Network Express(ONE)として営業を開始、各社は不採算だったコンテナ船事業を切り離し、ばら積み船・自動車船・エネルギー輸送など高収益分野に / 川崎汽船 出典
世界コンテナ船社シェア(2025年):上位5社で64.9%、MSC19.9%・Maersk14.6%・CMA CGM12.7%・COSCO10.8%・Hapag-Lloyd7.0%64.9%(上位5社シェア)(2025)2025年時点の世界コンテナ船腹シェアはMSCが19.9%で首位、Maersk14.6%、CMA CGM12.7%、COSCO10.8%、Hapag-Lloyd7.0%と続き、上位5社で世界コンテナ船腹の64.9%を占める寡占構造にある。日本発のONEはこの上位5社には入らず、Ocean Alliance(COSCO・OOCL・CMA CGM・Evergreen)、THE Al / Alphaliner(集計) 出典
内航海運の系列構造:荷主-オペレーター-オーナーの寡占的系列化、事業者の99.6%が中小零細99.6%(中小事業者比率)(2024)内航海運業界は大手荷主(鉄鋼・石油・セメント等)-運航を担うオペレーター-船舶を保有するオーナーという3層が系列・専属関係で固定化した構造となっている。登録事業者の資本金規模別では92.8%が資本金3億円未満の法人または個人であり、うち81.8%は資本金5,000万円未満という零細性が際立つ。登録事業者の過半数(50%超)が保有船舶1隻以下というオーナー中心の零細構造で、運賃交 / 国土交通省 海事局 出典
内航海運のボトルネック:老朽船(法定耐用年数14年超)が全体の70%、50歳以上船員が過半数という二重の高齢化70%(船齢14年超の比率)(2024)内航海運業界は船舶と労働力の双方で構造的な高齢化というボトルネックを抱える。法定耐用年数とされる船齢14年以上の老朽船が全体の約70%を占め、代替建造が追いついていない一方、乗組員についても50歳以上が過半数を占め若年層の入職が細っている。零細事業者が大半を占める資本構造(資本金5,000万円未満81.8%)のもとでは老朽船の更新投資余力が乏しく、この船齢構成と船員年齢構成の二 / 国土交通省 海事局 出典
内航海運は国内貨物輸送(トンキロベース)の約4割を分担、年間輸送量3億404万トン・平均輸送距離503km40%(トンキロシェア)(2023)令和5年度実績で、内航海運は国内貨物輸送量(トンキロベース)の約4割を占め、自動車(約5割)に次ぐ国内物流の基幹モードである。年間輸送量は3億404万トン、平均輸送距離は503kmで自動車の約8倍に及び、鉄鋼・セメント・石油等の産業基礎資材や食料品・日用品といった大量・長距離輸送に特化した位置づけにある。トラックドライバーの時間外労働規制強化に伴う「物流の2024年問題」で陸上 / 日本内航海運組合総連合会 出典
日本商船隊:外航船約2,000隻規模、日本籍船は世界の3%にとどまるが便宜置籍船を含め実質世界最大級の海運国3%(日本籍船の世界シェア)(2024)日本の船会社が運航する外航船(日本商船隊)は約2,000隻に及ぶが、このうち日本籍船は約100隻・総トン数約1,300万トン(世界の3%)に過ぎず、大半はパナマ等の便宜置籍国に登録した船舶を実質的に支配・運航する形をとっている。日本籍船のみで見れば世界シェアは小さいが、実質支配船腹まで含めると日本は実質的に世界最大級の海運国とされる。この「船籍と実質支配の乖離」構造は、税制・船 / 日本船主協会 出典
川上の造船業:世界シェアは中国が受注ベース7割・建造ベース5割超を占め、日本は13%まで低下53%(中国の建造ベース世界シェア)(2024)海運業の川上に位置する造船業は、2024年の新造船受注(66百万CGT・2,040億ドル、17年ぶり高水準)のうち中国が46.45百万CGT・約7割を獲得し圧倒的首位に立った。建造ベース(CGT)でも中国53%・韓国17%・日本13%という順で、日本の造船業は1990年代に世界シェア約4割を占めていたが、中国・韓国の設備拡張と価格競争力に押され現在は13%前後まで低下している。 / Hellenic Shipping News(造船受注統計) 出典
日本造船再編:今治造船がジャパンマリンユナイテッド(JMU)を子会社化し建造能力で世界4位相当に集約60%(今治造船のJMU出資比率)(2026)国内首位の今治造船は2021年にJMU(国内2位)と資本業務提携し共同設計会社「日本シップヤード」を設立していたが、2026年1月にJMUの出資比率を60%まで引き上げ子会社化することで合意した(残り20%ずつをJFEホールディングス・IHIが保有)。両社の建造量を単純合算すると世界4位相当、国内シェアでは約半分に達する規模となり、中国・韓国勢の規模拡大に対抗するための国内再編 / 今治造船株式会社 出典
世界的な船員(職員)不足というボトルネック:2026年に外航職員3.91万人不足、2030年までの必要増員は毎年2.0%39100人(2026年職員不足数)(2026)BIMCOと国際海運会議所(ICS)による最新のSeafarer Workforce Report(2026)は、世界の商船隊を運航するために2030年までに追加で113,735人の職員が必要になると試算し、2026年時点でSTCW資格職員が3.91万人不足する一方、下級船員(ratings)は5.69万人の供給過剰になると予測している。必要な増員ペースは職員で毎年2.0%・下 / BIMCO / International Chamber of Shipping 出典
港湾(川下)のボトルネック:東京港コンテナターミナルの搬出入待機時間可視化の取組と混雑構造15%(GPS搭載トラックの搬出入車両比率)(2024)川下の港湾運送工程では、コンテナターミナルへのトラック搬出入時の待機時間が慢性的なボトルネックとなっており、東京港ではGPS端末を搭載したトラック約1,500台(搬出入従事車両の約15%相当)の位置情報を用いてターミナル別・時間帯別の待機時間を毎月10日に公表し、翌日の待機時間予測も前日15時以降に提供する「見える化システム」を運用している。あわせて2023年度には京浜港等でコ / 東京都港湾局/東京港埠頭株式会社 出典
脱炭素バリューチェーンの垂直統合:商船三井によるアンモニア生産→貯蔵供給→海上輸送→貯蔵供給→使用の一気通貫モデル商船三井はアンモニアを燃料輸送の両面で扱うバリューチェーン(生産→貯蔵供給→海上輸送→貯蔵供給→使用)を構築し、アンモニア燃料船の開発・運航とアンモニア輸送船事業を組み合わせることで、単なる実運送人から脱炭素インフラの担い手へと事業領域を川上・川下双方に拡張している。これは伝統的な「荷主から運送を受託するだけの実運送人」というポジションから一歩踏み出し、燃料供給網そのものに出資 / 商船三井 出典
利益プールは船社本体より港湾ターミナルに安定偏在16.1%(Terminals ROIC)(2025)Maerskの2025年実績ではOceanのEBITマージンが4.0%、Logistics & Servicesが4.8%だった一方、Terminalsの投下資本利益率(ROIC)は16.1%で目標9%を大幅に上回った。運賃下落に晒される海上輸送より、港湾インフラ・荷役というボトルネック資産が高収益源になっている。 / A.P. Møller - Mærsk A/S 出典
フォワーダーの海上物流はアセットライトでも粗利の41.1%をEBIT化41.1%(EBIT/売上総利益)(2024)Kuehne+NagelのSea Logisticsは2024年に売上総利益20.73億CHFからEBIT8.51億CHFを創出し、EBIT/売上総利益の転換率は41.1%。温度管理、医薬品、eコマース、プロジェクト貨物など高サービス密度の貨物ミックスと運用効率が、船腹を保有しない仲介層の利益源となる。 / Kuehne+Nagel International AG 出典
港湾・物流統合モデルは26.3%の調整後EBITDAマージン26.3%(調整後EBITDAマージン)(2025)DP Worldは2025年に売上244億USD、調整後EBITDA64億USD、同マージン26.3%を計上。Ports & Terminalsの改善に加え、貨物フォワーディング、契約物流、海事サービスを統合することで、荷役料以外の収益を内部化している。 / DP World 出典
船社利益評価の反証閾値:運賃100 USD/FFEでEBITが7億USD変動0.7十億USD(EBIT感応度/運賃±100 USD/FFE)(2025)Maerskの2025年感応度分析では、他条件一定でコンテナ運賃が100 USD/FFE変動すると残存年度EBITが7億USD変動する。したがって船社利益の強気評価は、想定運賃が100 USD/FFE以上下振れした時点で再評価、EBIT余力が7億USD未満ならNO-GOとする明示的な撤退基準を置ける。 / A.P. Møller - Mærsk A/S 出典
需要ベアケースの幅:世界コンテナ市場成長率は当初−1%まで想定5パーセントポイント(当初予測レンジ幅)(2025)Maerskは2025年の世界コンテナ市場成長率レンジを当初−1~4%としていたが、2025年8月に2~4%へ改定した。評価時には一点予測ではなく5ポイント幅を保持し、需要成長が−1%へ接近する場合を船腹増強・新造船投資のベアケース/延期条件とする。 / A.P. Møller - Mærsk A/S 出典
脱炭素利益プールの反証条件:IMO世界制度は採択が1年延期12か月(採択審議の延期期間)(2025)IMOは2025年10月、世界燃料基準とGHG価格制度を含むNet-Zero Frameworkの採択審議を12か月延期した。低炭素燃料プレミアムや排出クレジット収益を前提とする案件は、法的採択が再度延期・否決された場合をNO-GO条件とすべきである。 / International Maritime Organization 出典
燃料転換の二重構造:新造船の過半が代替燃料対応、現役船の90%超は従来燃料90%超(従来燃料を使う現役船腹トン数比率)(2025)UNCTADによれば、代替燃料対応船は新規発注トン数の過半を占める一方、現役船腹トン数の90%超は依然として従来燃料を使用する。これは既存船の座礁資産化リスクと、二元燃料船・燃料供給設備・認証データに新たな利益プールが移る構造転換を示す。 / UN Trade and Development 出典
EU ETSの完全適用で燃料・航路・船型選択の経済性が反転100%(対象排出量の排出枠提出義務)(2026)EU ETSでは海運会社の排出枠提出義務が段階的に拡大し、2026年排出分から対象排出量の100%となる。EU域内航海・寄港を多く持つ従来燃料船のコスト優位が失われ、低炭素船、燃費改善、航路再編への利益移転を促す規制ショックである。 / European Commission 出典
自律運航は2032年に強制規格化予定、船上労務から遠隔運航センターへ機能移転2032年(強制MASS Code発効予定)(2032)IMOは2026年5月に非強制のMASS Codeを採択し、強制コードを2030年7月までに採択、2032年1月に発効させるロードマップを示した。船上人員を直ちに代替する成熟段階ではないが、遠隔運航センター、接続性、サイバーセキュリティ、システム認証へ付加価値が移る規制・技術上の転換点となる。 / International Maritime Organization 出典
中欧鉄道は海運の半分前後の所要時間となり、時間価値の高い貨物を選択的に代替15日(中国―欧州鉄道の所要日数レンジ下限、原文15~20日)(2023)UNECEによると、中国―欧州間の鉄道輸送は15~20日で、海上輸送の30~40日より大幅に短い。全面的な海運代替ではないが、電子機器・部品・季節商品など時間価値の高い貨物では、港湾・船社・海上フォワーダーの取り分を内陸鉄道・ドライポート・鉄道フォワーダーへ移す脅威となる。さらに統一運送法制の整備は、鉄道の非物理的参入障壁を低下させる。 / United Nations Economic Commission for Europe 出典
荷主プラットフォームがNVOCC・海上フォワーダー機能へ垂直参入米国Federal Maritime Commissionの公示はAmazon Logistics, Inc.をNVOCC兼Ocean Freight Forwarderとして掲載している。巨大荷主が予約、混載、通関・書類、顧客接点を内製化すれば、従来フォワーダーは荷主情報と運賃マージンを失い、船社には大口購買力を持つ直接顧客が出現する。なお公示上の申請種別はQI変更であり、こ / Federal Maritime Commission 出典
対中船舶制裁の1年停止が、造船所・船籍選択への政策シグナルを反転1年(Section 301対抗措置の停止期間)(2025)USTRは、中国の海運・物流・造船支配を対象としたSection 301の対抗措置を2025年11月10日から1年間停止した。中国建造船への追加コストを前提に船隊・発注先を組み替える誘因が一時消失し、中国以外の造船所への需要移転や米国造船再建の速度が政策交渉で反転し得ることを示す。規制を恒久的な利益プールとして織り込むことへの明確な反証である。 / Office of the United States Trade Representative 出典
一般炭海上荷動きは2030年936Mtへ縮小し、ドライバルクの基幹貨物が構造減936Mt(2030年の世界一般炭貿易量)(2030)IEAは世界の一般炭貿易が2024年の1,176Mtから2030年に936Mtへ低下すると予測している。2024年時点で石炭貿易の90%超が海上輸送であるため、再エネ・原子力・LNGとの競争や中国・インドの国内生産拡大は、炭鉱だけでなくバルカー船主、積出港、荷役、船舶金融の利用量を同時に減らす。コンテナ需要とは独立したドライバルク側の需要構造転換である。 / International Energy Agency 出典
ゼロ排出燃料は成熟度が分岐:メタノールは低炭素運航段階、アンモニアは実証段階40組織(調査対象、原文over 40)(2025)Global Maritime Forumの約40組織への調査では、メタノールは低炭素運航に利用可能な段階へ進んだ一方、アンモニアはパイロット実証が可能な段階にとどまる。代替燃料を一括して成熟技術と扱うことはできず、メタノールでは燃料供給・バンカリングが先行して収益化し得る一方、アンモニアでは安全性、船上設備、供給網の実証主体が当面の価値を握る。燃料選択を誤った船主には座礁資産 / Global Maritime Forum 出典
国内バリューチェーンは三機能を核に分業3コア機能(2018)国内の川上はレーダー・カメラ・測位・通信・機関制御等の舶用機器、次に自動操船・遠隔操船・自動離着桟の三機能と船上統合、造船所での搭載、実船試験・船級評価、船社運航へ続く。国交省の初期実証では自動操船を大島造船所・MHIマリンエンジニアリング、遠隔操船をMTIほか15社、自動離着桟を三井E&S造船ほか3者が担い、単独製品より異業種統合が競争単位となる。 / 国土交通省 出典
国内遠隔操船は16者の補完連合16参画組織(2018)遠隔操船工程ではMTI・日本郵船が運航知見とシステム開発、日本海事協会が妥当性・リスク評価、日本海洋科学が操船・安全知見、京浜ドック・三菱造船が船体統合、新潟原動機・渦潮電機・東京計器・日本無線・古野電気が機関・電装・航海機器、スカパーJSAT・NTT・NTTドコモが船陸通信を補完する。国内勢は水平分業であり、船上系と通信・陸上系を束ねる統合責任が要衝である。 / ClassNK 出典
陸上FOCが運航サービスの中核30参画企業(2021)船上システムの下流には、船内情報と陸上情報を収集し、運航状態を監視・分析、平時は支援し緊急時は遠隔操作するフリートオペレーションセンター(FOC)が位置する。日本郵船・日本海洋科学・MTI・近海郵船を含む国内30社のDFFASは、この陸上設備を実証用に整備した。ハード販売後の価値は、複数船監視、例外対応、保守・運航支援という継続サービスへ移る構造である。 / 日本郵船 出典
機関自動化も船級・造船・機器の共同開発5中核開発組織(2021)航海だけでなく機関運転の自動化も独立した供給鎖を持つ。MTIが故障原因推定・遠隔機関監視、ナブテスコが復旧判断、日本シップヤードが実船搭載、日本郵船が運航知見、BEMACが監視システム、日本海事協会が評価を担う。陸上で複数隻を監視するには、機関データを故障診断と復旧判断へ変換する必要があり、単なるデータ伝送では完結しない。機関OEM知識と船級評価の結合が参入障壁となる。 / ClassNK 出典
国内商用化は実証船から型式横展開4実証船(2025)MEGURI2040第2フェーズは、離島航路船、内航コンテナ船、RO-RO船など異なる運航条件を持つ4隻を対象に、50社超の体制で船上自動運航、陸上支援、通信、制度・社会受容を同時検証する。これは完成品を一括量産する供給鎖ではなく、航路・船種ごとにシステム安全性を証明し、その成果を共通機能へ戻して横展開する実証主導型の構造を示す。初期市場では実証データと認証対応力が受注資産にな / 日本財団 出典
検査・認証が商用運航へのゲート1国内初証書交付(2025)船上機器の調達・統合だけでは売上化せず、安全基準への適合、船舶検査、証書交付を経て初めて商用運航に接続する。国交省はMEGURI2040の自動運航システムを搭載した旅客フェリーを検査し、2025年12月5日に国内初の船舶検査証書を交付、一定条件下の自動化運航を開始させた。したがって船級・行政との早期設計協議、試験証跡、シミュレータ検証を管理できる認証エンジニアリングがボトルネッ / 国土交通省 出典
最大の技術ボトルネックは統合安全保証自動・遠隔運航のボトルネックは個別センサーの性能より、船上機械の信頼性、必須ソフトウェアの安定性とサイバーセキュリティ、船陸通信、国際・国内規則を一体で保証することにある。DNVは導入前の課題をこの範囲で明示し、設計・建造・運航の全ライフサイクルを対象に助言・船級サービスを提供する。故障時に人が即応しにくいため、冗長設計、フォールバック、ROCとの責任分界を横断評価できる船級・ / DNV 出典
海外は統合技術と運航を垂直連携2親会社海外の代表例では、Kongsberg Maritimeがセンサー、制御、通信、電気推進を船上統合し、Wilhelmsenとの合弁Massterlyが設計検討、建造支援、船舶管理、遠隔運航を担う。Yara BirkelandではKongsbergが新規船上技術を供給し、Massterlyが運航とHortenのROC監視を担当する。国内の多数企業コンソーシアム型に対し、海外は統合製 / Massterly 出典
海外商用化は限定航路・有人移行型2移行試験年数(2022)海外の下流実装は、閉じた短距離物流で有人運航から段階移行する。Yara Birkelandは2022年4月に運航を始め、限定乗員で約2年間、船上自律機能と自動係船・充電・荷役を含む陸側インフラを試験した後、無人化してROC監視へ移る計画である。船だけでなく港湾側設備まで協調させる必要があるため、一般外航より荷主が貨物・航路・港を制御できる専用物流が先行市場となり、港湾インターフ / Massterly 出典
シミュレータが開発と認証を短絡自律航行アルゴリズムは実海域だけでは危険・希少事象を十分に再現できないため、高精度デジタルツインとセンサーモデルを用いるシミュレータが、開発後半の検証工程を担う。WärtsiläのR&D Simulatorは自動運航船・航法アルゴリズムの試験に特化し、港湾・航路設計、制限水域、係船、事故調査まで扱う。船社・造船所・機器メーカーと船級の間で、再現可能な試験シナリオと証跡を供給でき / Wärtsilä 出典
サイバー適合が船内機器から船級検査までを束ねる調達ゲート2統一規則(2024)IACSの統一規則UR E26「船舶のサイバーレジリエンス」とUR E27「船上システム・機器のサイバーレジリエンス」は、2024年1月1日から新造船に適用された。前者は船全体の設計・統合、後者は搭載システム・機器を対象とし、造船所、システムインテグレーター、舶用機器メーカー、船級協会を同一の適合連鎖に置く。IACSが適用範囲と検査の標準化を継続しているため、自動運航の川上機器 / International Association of Classification Societies (IACS) 出典
港湾インターフェースは自動運航の最終下流ゲート1同時点の責任船長数(2024)IMOのFAL委員会はMASSを船内航行だけでなく船舶―港湾インターフェースの制度課題として扱い、FAL条約の改正・解釈を検討する工程を設定した。同時に、運航モードや自律度を問わず人間の船長を置き、必要時に介入手段を持たせ、同時点で責任を負う船長を一人にする原則へ合意している。したがって川下は船主・遠隔運航センターで終わらず、港湾当局、入出港手続、船長責任まで連結する。複数船を / International Maritime Organization (IMO) 出典
非強制コードから強制化までの時間差が商用展開を段階化2032年(強制コード発効予定)(2032)IMOは2026年5月に非強制のMASS Codeを採択し、設計、承認、運航を一体で規律する枠組みに航行、通信接続、遠隔運航、サイバーセキュリティ、Remote Operations Centreを組み込んだ。一方、強制コードは2030年7月までの採択、2032年1月の発効が想定される。このため海外バリューチェーンでは、技術供給者と運航者が先行案件で経験を蓄積する段階と、旗国・ / International Maritime Organization (IMO) 出典
人材・労働市場・スキル26件
内航船員の有効求人倍率の急伸(2001→2022年)3.18倍(2022)国土交通省海事局「船員職業安定年報」に基づく内航船員の有効求人倍率は、2001年の0.22倍(新規求人2,626人・新規求職5,814人)から一貫して上昇し、2013年に初めて1倍(1.25倍)を突破、2022年には3.18倍(新規求人8,547人・新規求職2,325人・成立603人)に達した。同時期の陸上労働者全体の有効求人倍率は概ね1.0〜1.3倍で推移しており、内航船員の / 日本内航海運組合総連合会 出典
内航船員 直近の有効求人倍率(4.12倍)と陸上労働市場との比較4.12倍日本海事新聞の報道(「人手不足 陸・海・空 荒波の先」特集)によれば、内航船員の有効求人倍率は4.12倍まで上昇しており、陸上労働市場全体の1.29倍を大幅に上回る水準にある。同紙は2024年4月からのトラックドライバー時間外労働規制強化(物流の2024年問題)により、鉄道・内航海運へのモーダルシフト需要が加わることで、内航船員の需給逼迫がさらに深刻化する懸念があると指摘してい / 日本海事新聞電子版 出典
内航船員数の長期減少と高齢化構造(供給不足の構造要因)28097人(2022)国土交通省海事局「海事レポート」による内航船員数(旅客船員含む)は、1977年度の65,156人をピークに一貫して減少し、2013年度に26,854人(ピーク比約41%)まで落ち込んだ後、微増に転じて2022年度は28,097人となった。年齢構成は50歳以上が44.4%、60歳以上が22.8%を占める(2022年度)。内航総連の集計でも内航貨物船員21,092人(2022年度) / 日本内航海運組合総連合会/国土交通省海事局 出典
内航貨物船員の職階別月給(2023年6月調査)554290円/月(船長)(2023)国土交通省総合政策局「船員労働統計調査」2023年6月調査による内航貨物船員の1人1か月平均給与(きまって支給する給与)は、船長554,290円(基本給401,946円・年齢56.9歳・月間総労働時間165時間、年間賞与等705,673円)、一等航海士481,917円、機関長500,101円、一等機関士471,860円、部員では甲板長426,534円、操機長385,800円など / 国土交通省総合政策局(出典データ集約:日本内航海運組合総連合会) 出典
内航油送船員(タンカー)の職階別月給(2023年6月調査)531862円/月(船長)(2023)同「船員労働統計調査」2023年6月調査による内航油送船員(タンカー)の1人1か月平均給与は、船長531,862円、一等航海士486,249円、機関長515,561円、通信長477,078円などで、内航貨物船員と比べ一等航海士・機関長クラスでやや高い水準にある。油送船特有の職種として通信長が存在する点も貨物船との構造的な違いである。 / 国土交通省総合政策局(出典データ集約:日本内航海運組合総連合会) 出典
内航船員給与の伸び鈍化(2016〜2022年、陸上労働者比較)3.5%(2016→2022年上昇率)(2022)国土交通省海事局「海事レポート・数字で見る海事」によれば、内航船員の6月時点の給与月額は2016年463,928円から2022年480,421円へと6年間で3.5%の上昇にとどまった。同期間、外航船員の給与は内航船員を上回る水準で推移(2018年前後に一時急伸した後、変動を伴いながら高止まり)している。有効求人倍率が急伸する一方で賃金の伸びが鈍いことは、需給逼迫が賃金へ十分に転 / 国土交通省海事局(出典データ集約:日本内航海運組合総連合会) 出典
外航日本人船員の激減と外国人船員化(供給構造の転換)2174人(日本人船員数)(2019)国土交通省「外航海運の現状と外航海運政策」によれば、日本人船員数は1974年の56,833人をピークに一貫して減少し、2019年時点で2,174人(ピーク比約3.8%)まで縮小した。日本商船隊に乗り組む船員全体(2018年時点55,408人)のうち日本人船員はわずか3.8%にとどまり、外国人船員のうちフィリピン人船員が71.5%を占め大きく依存している。1999年の承認船員制度 / 国土交通省海事局 出典
必要スキル: 海技士資格制度と段階的キャリアパス船舶に船員として乗り組むには、航行区域・船舶の大きさ・推進機関の出力等に応じた「海技士」免許(国家資格)の取得が必須となる。一般的に外航職員になろうとする者には3級海技士、内航では4級・6級海技士が入職時の目安とされ、外航では職員として3〜5年乗船して2級を取得し、さらに3〜5年で1級を取得したうえで40歳前後に船長・機関長へ登用されるキャリアパスが典型である。内航では部員とし / 国土交通省海事局 出典
必要スキル: STCW条約に基づく国際基準の安全技能要件国際条約STCW(船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する条約)は、全ての船員に対し「船体放棄等の非常時における最小限の生存技術」および「防火と消火」を含む基本安全訓練について、5年ごとに知識・技能の基準維持を証明することを義務付けている。資格証明の方法は試験・海上履歴の確認・訓練修了のいずれかによって行われ、日本の海技資格制度もこの国際基準に整合させて運用されている。外 / 国土交通省総合政策局 出典
必要スキル: 自動運航船・ゼロエミッション化による新技能ニーズ(破壊要因)国土交通省海事局は2028年までのゼロエミッション船商業運航を含むロードマップを策定するとともに、自動運航船の実用化に向けた取り組みを進めている。2019年9月には外航海運事業者が陸上オフィスからの遠隔支援により船上乗組員の操船業務を支える「有人自律運航船」の安全航行・労働負荷削減の実証実験に成功した。日本海事協会はシップデータセンターを設立し、船舶運航データを活用したイノベー / 国土交通省海事局 出典
船員教育機関卒業生数の推移(2007→2022年度)547人(2022年度合計)(2022)国土交通省海事局「船員教育機関卒業生の求人・就職状況等について」によれば、船員教育機関の卒業生数は、商船系大学(東京海洋大学・神戸大学の乗船実習科進学者、2校)89人→83人、商船系高専(富山・鳥羽・大島・広島・弓削の5校)137人→184人、海上技術学校(4校)・海上技術短期大学校(3校)341人→270人、海技大学校15人→10人(2007年度→2022年度)で推移し、教育 / 国土交通省海事局(出典データ集約:日本内航海運組合総連合会) 出典
大学等からの輩出構造の違い(商船系大学は外航・非船員志向、海上技術学校系は内航就職に直結)359人(2022年度内航船員新規就職者数)(2022)船員教育機関卒業生のうち内航船員として新規就職した者は2022年度359人で、その大半(2007〜2022年度平均で7〜8割)が海上技術学校(4校)・海上技術短期大学校(3校)の卒業生である。他方、3級海技士養成課程を置く船員教育機関(商船系大学・商船系高専・水産系大学・海技大学校)全体の新卒者の就職状況を見ると、直近3年間(平成29〜令和元年度、卒業者393〜421人)では各 / 国土交通省海事局(出典データ集約:日本内航海運組合総連合会) 出典
内航海運企業の利益構造と処遇改善投資余力の乏しさ(賃金停滞の一因)1.8%(内航オペレーター営業利益率2020年度)(2020)国土交通省の内航オペレーター・オーナーの一社平均経営状況調査によれば、内航オペレーターの2020年度営業利益率は1.8%、自己資本比率は26.9%にとどまり、オーナー(船主)はさらに脆弱で営業利益率-0.7%、自己資本比率3.7%である。2010年度の営業利益率2.3%からの改善は限定的で、有効求人倍率が高止まりする一方、船員給与が2016〜2022年で3.5%の上昇にとどまっ / 国土交通省海事局(出典データ集約:日本内航海運組合総連合会) 出典
認証船員は2026年に3.91万人不足39100人(2026)alive_blockedBIMCO/ICSの2026年版船員労働力調査は、世界商船85,148隻を支える船員を257万人と推計し、STCW認証を持つ職員は2026年時点で39,100人不足するとした。自動運航は船上要員を減らし得る一方、IMOは遠隔船長・遠隔オペレータにも訓練・能力要件を求める方向であり、既存の有資格職員を陸上ROCへ振り向けるだけでは人材制約を解消しにくい。2030年まで毎年22,7 / International Chamber of Shipping / BIMCO 出典
2030年の追加職員需要は11.4万人113735人(2030)alive_blockedBIMCO/ICSは、世界商船隊を運航するため2030年までに追加で113,735人のSTCW認証職員が必要と予測する。2021年比で職員需要は23.1%増えており、自動運航・遠隔運航の導入局面でも、航海実務と安全責任を担える人材の需給は逼迫する。船社の採用戦略では、単純な省人化人数ではなく、船上職員の確保とROC要員への転換教育を一体で設計する必要がある。 / International Chamber of Shipping / BIMCO 出典
自律船システム技術者の年収レンジ130000USD/年(下限、上限210000)(2026)alive_blocked自律海洋システムの実装企業Oceanusは、Marine Systems Engineerの求人で年収13万~21万米ドルを提示した。業務は船上ハードウェアのアーキテクチャ、統合、試験を一貫して担い、FEA・CFD等のモデル/シミュレーション経験も求める。一般IT給与ではなく、自律海洋システムを船へ実装する職種の実額であり、機械・電気・ソフトを横断して実船検証まで担える人材に高 / Oceanus 出典
無人艇パイロット年収7.5万ドルから75000USD/年(下限、上限100000)(2026)dead自律型水上艇を運用するSeasatsのASV Pilot求人は、年収75,000~100,000米ドルに株式・401(k)等を加える条件を提示した。職務は自律艇の運航、試験手順・ツール・オペレータ業務フローの改善である。遠隔運航職は従来船員の監視業務だけでなく、試験・プロダクト改善へ現場知を還流する役割を含むため、船舶操縦経験と技術開発組織での改善能力を併せ持つ人材が採用対象と / Seasats 出典
ROC要員はSTCWの適用空白にあるIMO海上安全委員会は、MASSに乗船する船員にはSTCW条約が適用される一方、陸上の遠隔オペレータとROC勤務の船長にはSTCWが適用されないとの共通見解を示した。そのためMASS Code側で訓練、証明、能力要件を定め、STCWを基礎として考慮する必要がある。採用上は既存海技免状だけで職務適格性を判定できず、企業内認定やシミュレータ評価を先行整備する余地が大きい。 / International Maritime Organization 出典
遠隔運航者の能力要件を実船知で定量化1年(研究期間)(2024)海技教育機構と東京海洋大学はMEGURI2040安全性評価の一環として、2023年6月19日~2024年7月1日の1年間、「船員スキル定量化事業フェーズ2・遠隔オペレータに必要な能力要件の構築」を実施した。これはROC採用をIT技能だけで設計せず、船員の状況認識、判断、操船技能を測定可能な要件へ変換する動きである。自動運航事業者には、海技とシステム監視を統合した評価体系が必要と / 独立行政法人 海技教育機構 出典
遠隔運航者に求める複合スキル英国政府が公開したMASS Remote Operatorの役割記述は、遠隔オペレータを船舶システムを制御する中核職と位置づける。必要能力は、航行状況とシステム状態の継続監視、運航限界内での判断、通信、異常・緊急時対応、他のROC要員との協働を横断する。採用母集団は純粋なソフトウェア人材だけでは足りず、航海・操船、安全管理、人間機械協調をシミュレータで検証できる訓練設計が要る。 / UK Department for Transport 出典
海洋大の関連学部供給は年160人枠160人/年(入学定員)(2026)東京海洋大学の2026年度案内では、越中島キャンパスの入学定員は計160人で、海事システム工学科59人、海洋電子機械工学科59人、流通情報工学科42人である。自動運航支援、船舶運航、電子制御、AI・データサイエンスに接続する国内中核の供給源だが、関連3学科を全て含めても年160人枠にとどまり、卒業者全員が自動運航・船舶DXへ進むわけではないため、実際の専門人材供給はこれを下回る / 東京海洋大学 出典
海事サイバー人材育成へ2438万円2.4383e+07円(助成額)(2024)日本財団の2024年度事業報告では、広島商船高等専門学校による「MEGURI2040を支える船舶の高度な自動化を開発運用できる人材育成プロジェクト(海事サイバーセキュリティ)」に24,383,000円を助成し、事業費総額は30,479,044円だった。自動運航の人材投資が一般的なサイバー教育ではなく、船舶の高度自動化を開発・運用する専門課程へ明示的に配分されている点が重要である / 日本財団 出典
MASS向け専任助教を新設採用1人(公募ポスト)(2026)東京海洋大学は次世代船舶運用技術開発センターの「自動運航船/船舶DX化グループ」助教を公募した。担当領域は新技術の検証・改善、安全運用技術とルール形成、次世代船舶を運用する人材育成手法であり、研究・制度・教育を一職種で横断する。企業側でもアルゴリズム開発者だけでなく、実船検証、国際ルール、人間要因、教育設計を橋渡しできる人材が希少なボトルネックになることを示す。 / 東京海洋大学 出典
海洋工学部の実輩出は年134人、うち乗船実習科進学37人134人(2024)東京海洋大学の令和6年度実績では、海洋工学部の卒業者は134人(男性96人、女性38人)。内訳は大学院進学27人、乗船実習科進学37人、就職65人、その他5人だった。自動運航を担う海事システム・船舶機関・情報系の母集団は定員160人に対し実卒業134人で、さらに実船運航資格へ直結する乗船実習科への移行は37人に限られる。採用側は一般IT人材だけでなく、この限定的な海事実務人材を / 東京海洋大学 出典
自律運航統合の上級技術者報酬は年22.8万~34.2万ドル228000USD/年(下限、上限342000)(2026)Shield AIのAutonomous Pilot Integration上級技術者求人は、年俸22.8万~34.2万ドルに賞与・福利厚生・株式を加える。職務は無人プラットフォーム向け自律コードを、シミュレーション、HIL、実機、海上を含む現場試験まで一貫して統合するもの。既存セルの自律船システム技術者13万ドルと比べ、上限は約2.6倍であり、海事知識だけでなく認知・制御、セ / Shield AI 出典
英国がMASS遠隔運航者の訓練・認証を標準化する試行枠組みを開始1枠組み(2025)英国海事沿岸警備庁(MCA)は2025年6月、MASSの当直を担う遠隔運航者向けに自主的な訓練・認証パイロット枠組みを公表した。役割記述、認証、51ページの訓練記述、運航・管理レベル別能力表、訓練記録簿まで一式化し、産業界・大学が共通の能力・経験水準を採用できる初期ベンチマークとした。企業独自OJT中心だった人材形成から、第三者認証可能な標準カリキュラムへ移る制度的転換である。 / UK Maritime and Coastguard Agency 出典
価値移行・BMの変化48件
Maersk、統合ロジスティクス戦略でOcean依存から利益源を多様化54billion USD(2025年通期売上高)(2025)alive_blockedMaerskは2025年通期売上高540億ドル。外航コンテナ船(Ocean)事業は運賃サイクルの影響を受けやすい一方、Logistics & Services(陸上輸送・倉庫・通関・サプライチェーンサービス)とTerminals事業の収益貢献が拡大している。同社は船舶・港湾・陸送・倉庫・通関・航空貨物・サプライチェーンサービスを一体化させ、顧客との関係を深めスイッチングコストを / Logistics Viewpoints 出典
日本郵船、物流事業をコンテナ船事業に代わる成長エンジンに位置付けM&Aに1400億円140billion yen(物流中心M&A投資枠)(2026)日本郵船は2023〜2026年度中期経営計画で、4年間の総投資額1.2兆円のうち物流事業を中心とするM&A枠に1400億円を計画。既存中核事業(LNG船3000億円・ドライバルク船1200億円等)に加え新規事業(洋上風力430億円・水素アンモニア320億円・自動車物流170億円等)にも投資し、コンテナ船市況への依存度低減と事業多角化を進める。物流事業は投資回収に10〜15年を想 / 日本海事新聞 出典
商船三井、BLUE ACTION 2035で安定収益型事業のアセット比率を6割へ引き上げ60%(2035年度 安定収益型事業アセット比率目標)(2035)商船三井は2023年策定の中期経営計画『BLUE ACTION 2035』(2026年3月にPhase 2始動)で、海運市況に左右されにくい安定収益型事業のアセット比率を6割へ高める目標を掲げている。2022年に不動産デベロッパー『ダイビル』を完全子会社化して中核に据え、フェリー・RORO船・不動産等を束ねる『ウェルビーイングライフ事業』を非海運の成長領域として拡大している。コ / 株式会社商船三井 出典
海運大手2社の非海運事業戦略、日本郵船『物流一体型』と商船三井『多角化型』に分岐業界最大手の日本郵船と2位の商船三井は、同じ『アセットライト化による利益移行』でも異なる経路を選んでいる。日本郵船はコンテナ船事業との連携を保ちながら物流事業(フォワーディング・倉庫等)を『総合物流・安定収益型』として拡張し市況変動へのリスクヘッジに位置づける一方、商船三井は不動産・フェリー・RORO船・金融・人材事業まで手を広げる『多角化・事業変革型』を志向し、非海運の収益柱 / ダイヤモンド編集部 出典
船舶リース(セール&リースバック)市場が急拡大、銀行融資からアセットライト調達への構造転換68.76billion USD(2035年市場規模予測)(2035)船舶リース市場は2025年の168.5億ドルから2035年に687.6億ドルへ、年平均成長率15.1%で拡大すると予測される。背景には欧州銀行がBasel IV(バーゼル4)の自己資本規制強化により伝統的な船舶融資から後退したことがあり、船主は保有船を一旦売却し即座にリースバックする『セール&リースバック』取引で資金を確保しつつ運航を継続する調達手法へ移行している。中国系リース / Astute Analytica 出典
デジタル貨物予約プラットフォームFreightos、GBVが売上高を上回る速度で急拡大しプラットフォーム型BMを実証29.5million USD(2025年通期売上高)(2025)Nasdaq上場のFreightos(CRGO)は、荷主・フォワーダー・船社・航空会社を仲介する中立のデジタル貨物予約プラットフォームを運営。2025年通期の売上高は2,950万ドル(前年比24%増)にとどまる一方、プラットフォーム上でキャリア・フォワーダーが得た取引総額(GBV)は12.9億ドル(前年比44%増)、取引件数は約160万件(前年比26%増)、通期IFRS粗利率は / Freightos Limited(Nasdaq: CRGO) 出典
Flexport、AIを活用したオープン物流プラットフォームへ転換し自社フォワーディング以外の貨物も可視化16trade lanes(AI自動化対象航路数)(2025)Flexportは2025年2月に20種類以上のAI機能を投入し、自然言語で問い合わせ可能な『Flexport Intelligence』や、Flexportが取り扱わない貨物も含め物流全体を一元管理できる『Control Tower』を発表した。同社の国際輸送管理システムは、荷主がFlexport経由でもFlexport以外のフォワーダー・船社経由でも同じマイルストーン可視化 / Flexport, Inc. 出典
コンテナリース仲介、月額サブスクリプション型SaaSプランへ移行(Container xChange)399USD/month(Leasing Basicプラン月額)(2025)世界最大級のコンテナ売買・リース仲介デジタルマーケットプレイスContainer xChangeは、単発取引手数料モデルに加え月額固定料金のサブスクリプション型プランを提供している。『Leasing Basic』は月額399ドル(年払い)でコンテナ最大10本の管理・市場価格閲覧・見積受領・オンライン交渉が可能、『Premium』は月額649ドルでコンテナ最大100本の管理・独自 / Container xChange 出典
船舶運航最適化SaaS ZeroNorth、ARR約4,000万ドルで黒字化しB2B SaaS型サービス化を実証40million USD(2024年ARR)(2024)デンマーク発の海事テック企業ZeroNorthは、燃料消費・航路・船体性能・排出量をデータで最適化するB2B SaaSプラットフォームを提供し、200社以上の船主・オペレーター・用船者、5,500隻以上の船舶をカバーする。2024年12月に月次EBITDA黒字化を達成し年間経常収益(ARR)は約4,000万ドルに到達、2025年2月には追加で2,000万ドルの負債性資金を調達( / ZeroNorth(Tech.eu報道) 出典
デジタルフォワーディング市場が急拡大、2033年に4,055億ドル規模へ405.56billion USD(2033年市場規模予測)(2033)世界のデジタル貨物フォワーディング(オンライン予約・仲介プラットフォーム経由の混載・輸送手配)市場は2024年時点で540.4億ドル、2025年に676.1億ドルへ拡大し、2033年には4,055.6億ドルに達すると予測されている。伝統的な対面・電話・FAXベースの人手仲介型フォワーディングから、デジタルプラットフォーム経由の予約・可視化・決済への置き換えが進み、外航・内航双方 / SkyQuest Technology Consulting 出典
Hapag-Lloyd、ターミナル・インフラが船社の高収益な隣接利益プールに152million USD(Terminal & Infrastructure部門EBITDA)(2025)2025年のTerminal & Infrastructure部門は売上高5.14億USDに対してEBITDA 1.52億USD、EBIT 0.66億USD。Liner Shipping部門は売上高206.35億USD、EBITDA 34.50億USD、EBIT 10.07億USDだった。港湾権益と補完物流サービスが、海上運賃とは異なる利益源として既に独立セグメント化されている / Hapag-Lloyd AG 出典
Maersk、物流部門の利益率改善を倉庫・フルフィルメントが牽引5.5%(Logistics & Services部門 profitability、2025年Q3)(2025)2025年第3四半期のLogistics & Services部門の収益性指標は5.5%へ上昇し、前四半期の4.8%を上回った。Maerskはコスト管理とFulfilled by Maersk、とりわけWarehousingの業績を改善要因として明示。同部門EBITは2.18億USDだった。利益源が海上輸送から倉庫・履行サービスへ移る実証となる。 / A.P. Moller - Maersk 出典
Maersk、ターミナルEBITが約6倍の売上を持つOcean部門を上回る571million USD(Terminals部門EBIT、2025年Q3)(2025)2025年第3四半期はTerminals部門が売上高14.48億USD、EBIT 5.71億USDを計上し、Ocean部門の売上高91.77億USD、EBIT 5.67億USDを上回った。原資料はターミナル稼働率89%と過去最高の収益・利益も報告しており、港湾ノードが売上規模に比して大きな利益を生む構造を示す。 / A.P. Moller - Maersk 出典
Wärtsilä、売上の過半を船舶等のライフサイクルサービスが占有52%(サービス売上高比率)(2025)2025年の全社売上高69.14億EURのうち52%がサービス関連。Marine事業は機器販売に加えて性能連動契約、ライフサイクルソリューション、アップグレード、脱炭素サービスを提供しており、就航後の設置基盤から継続収益を回収する利益プールが機器販売と同規模以上に成長している。 / Wärtsilä Corporation 出典
Kongsberg Maritime、売上の54%をアフターマーケットから獲得54%(Kongsberg Maritime年間売上に占めるアフターマーケット比率)(2025)2025年のKongsberg Maritime売上高は271.23億NOKで、その54%をアフターマーケット納入が占めた。新造船向け受注に加え、既存船への保守・更新・高効率化ソリューションが過半の売上を形成しており、造船サイクル後も収益化できるライフサイクル型BMが確立している。 / KONGSBERG Gruppen ASA 出典
Wärtsilä Marine、補修部品中心から契約型サービスへ顧客を移行60%(Marineサービス売上に占めるトランザクショナルサービス平均比率)(2023)Marineサービス売上の平均60%はスペアパーツ・フィールドサービス等のトランザクショナルサービス。既存顧客をサービス契約へ移す方針で、トップライン成長の約30%が契約から発生すると説明している。単発補修を継続契約へ転換する『サービス価値階段』が、設置済み船舶からの隠れた利益源となる。 / Wärtsilä Corporation 出典
紅海正常化は船腹需要を5~6%押し下げ、隣接サービス拡大の追い風を反転させる-5%(2025年、紅海航路復帰シナリオにおける船腹需要変化の下限)(2025)UNCTADが引用するBIMCOの2025年シナリオでは、船舶が紅海航路へ復帰する場合、船腹需要は5~6%減少する一方、迂回継続なら3.5~4.5%増加する。したがって、喜望峰迂回で生じた高運賃・追加船腹・運航最適化需要を恒久的な価値移行とみなすべきではない。NO-GO条件は紅海航路の安定再開であり、その場合は迂回依存の船腹投資や周辺サービス能力増強を撤回・縮小する必要がある。 / UN Trade and Development(UNCTAD、BIMCO予測を引用) 出典
海上貿易の成長鈍化は統合物流・デジタル仲介の成長前提を弱める0.5%(2025年世界海上貿易量成長率予測)(2025)UNCTADは世界海上貿易の伸びが2024年の2.2%から2025年には0.5%へ減速し、2026~2030年も年平均2%にとどまると予測する。統合物流、予約プラットフォーム、船舶リースの成長率が海上荷動きから大幅に上振れるという評価の反証条件は、低い荷動き成長下で顧客単価・利用率・クロスセル率も伸びないこと。0.5%近辺の数量成長が継続する場合、需要拡大を前提とする大型M&A / UN Trade and Development(UNCTAD) 出典
IMO炭素価格制度の採択延期が、脱炭素サービスへの価値移行を遅延させる12months(IMO Net-Zero Framework採択審議の延期期間)(2025)IMOは2025年10月、世界燃料基準とGHG価格メカニズムを含むNet-Zero Frameworkの採択審議を12か月延期した。これは規制反転・遅延が、代替燃料供給、対応船、燃料契約、排出管理サービスへの先行投資の収益化時期を後ずれさせる実例である。撤退基準は再開会合でも制度が採択されない、または価格メカニズムが実質的に弱体化する場合であり、規制プレミアムだけに依存する案件 / International Maritime Organization(IMO) 出典
代替燃料船の新造比率が過半に達し、従来燃料向け船舶・保守網の陳腐化リスクが顕在化90%超(2025年、従来燃料で運航する現役船隊の比率)(2025)UNCTADによれば、代替燃料対応船は新造船受注トン数の過半を占める一方、現役船隊の90%以上は依然として従来燃料で運航する。この受注・現役船隊間の非対称性は、燃料供給、エンジン保守、船舶金融、残存価値評価の利益プールが新燃料側へ移る破壊要因となる。代替燃料の供給インフラと安全基準が成熟すれば、従来燃料専用船・部品在庫・サービス拠点には座礁資産化リスクがある。 / UN Trade and Development(UNCTAD) 出典
ゼロ・近ゼロ燃料普及目標には5~10%の幅があり、燃料サービス市場の立ち上がり速度は二倍に分散5%(2030年、国際海運エネルギーに占めるゼロ・近ゼロ排出技術・燃料等の最低普及目標)(2030)IMOの2030年目標は、国際海運の使用エネルギーに占めるゼロ・近ゼロ排出技術・燃料・エネルギー源を最低5%、努力目標10%としている。上下限が二倍異なるため、燃料供給設備、長期オフテイク、改造サービスの需要予測には大きな制度内分散がある。2030年時点で普及率が最低線の5%にとどまる場合、10%到達を前提にした設備能力・船隊改造計画は未稼働化し得るため、段階投資の撤退判定点と / International Maritime Organization(IMO) 出典
遠隔・自動運航を運航代行で提供Kongsberg Maritimeは子会社Massterlyを通じ、遠隔・自動運航(R&A)をOperations as a Serviceとして提供する。船主が自前の遠隔運航能力へ投資できない場合でも、Kongsbergが技術、配乗、資産管理を担い、Massterlyが実運航を管理する。価値は自律航行機器の売切りから、運航責任を束ねた継続サービスへ移り、船主の初期投資・専門 / Kongsberg Maritime 出典
航行機器保守が年額船単位課金へ1295USD/年/隻(2019)Wärtsiläの航行機器向けAnnual Support Agreementは、1隻当たり年1,295米ドルのサブスクリプションとして、仮想サービスエンジニア、ソフト更新、優先支援を束ねる。訪船時の工賃と予備品は各10%割引であり、従来の故障時訪船・都度部品販売から、接続を前提とした予防保守の継続収入へ利益源を移す具体的な価格設計である。 / Wärtsilä 出典
船隊一括SaaS契約への移行750契約接続船(超)(2022)Kongsberg DigitalのVessel Insightは、2022年に新規45船社を接続し、契約接続船は750隻超となった。最大案件はMSCの約500隻で、同社は契約単位が個船から船隊全体へ移っていると明記する。船舶データ基盤を船隊横断で標準化することで、販売単価と継続課金対象を同時に拡大し、個別機器販売より解約・他社切替が難しい基盤収益へ価値が移る。 / KONGSBERG 出典
船舶SaaSが第三者市場を内包deadKongsbergのKognifai Maritime Ecosystemは、船からクラウドへのデータ基盤に加え、第三者アプリを含むマーケットプレイスを提供する。利用権はサブスクリプション期間に限定され、終了時に失効する。自社アプリのライセンス収入だけでなく、船主と外部ソフト企業を仲介する流通層を押さえる設計であり、価値獲得点が船載機器からデータ接続・アプリ選定のゲートウェイへ / Kongsberg Maritime 出典
船級が海事デジタル市場へ拡張50000接続船(超)(2026)DNVのVeracityは、5万隻超と30万人の利用者をつなぎ、データセット、API、アプリ、知見を交換する海事向けデータ基盤・デジタル市場へ成長した。船級協会の価値獲得が定期検査・認証だけでなく、船舶データ接続、排出報告、外部サービス購入の常設接点へ広がる。規模が増すほど供給アプリと需要船社が相互に増えるため、認証上の信頼をプラットフォーム優位へ転換できる。 / DNV 出典
運航データ権益を共通基盤化IoS-OPは、船社などデータ提供者の利益を損なわず、運航データの利用権を造船所・機器メーカー・サービス企業へ提供する共通基盤である。データ所有者と利用者のルールを標準化し、個社間の都度連携を多者間流通へ変える。これにより船社はデータを囲い込むだけでなく安全・効率サービスの原料として統制提供でき、メーカー側も納入後データを用いた継続サービスに参入できる。 / ClassNK 出典
船社データが外部サービス基盤へ180隻(約)(2021)商船三井はFOCUS対象の運航船約180隻のデータをIoS-OPで共有することに合意した。自社内の性能・燃料分析に閉じず、造船所、メーカー、サービス事業者が共通基盤経由で利用できる状態に移すことで、船社の運航ノウハウと実海域データが外部イノベーションの基盤資産になる。価値創出主体も単独船社から、データ提供者と複数サービス企業のエコシステムへ広がる。 / Mitsui O.S.K. Lines / Ship Data Center 出典
運航支援センターをサービス化ABBとWallenius MarineのOVERSEAは、船隊支援センターと高度分析を一体化し、海運会社の規模を問わず利用できる「as a service」として提供される。船主が分析人材・陸上支援組織を自前保有するモデルから、環境・技術・航海性能の専門判断を外部調達するモデルへの転換である。機器ベンダーはハード納入後も運航意思決定に関与し、継続的に価値を回収できる。 / ABB 出典
保守契約が15年のデータ関係へ15年(2023)ABBとCarnivalの契約は、Azipod推進器の保守、予備品、遠隔診断、状態監視を15年間束ねる。24時間遠隔支援と蓄積性能データで保守・入渠を予測可能にし、単発修理と部品売上を長期サービス収入へ置き換える。船主には保守費と予備品計画の予見性、ABBにはデジタル接続を伴う長期顧客関係が生じ、機器販売後のライフサイクル利益プールが厚くなる。 / ABB 出典
成果保証型でリスク・利益を共有Wärtsiläの船舶Lifecycle Agreementは、稼働率、信頼性、燃料消費、排出量、整備期間などの定量目標を顧客と設定し、達成・維持を保証する。Carnivalとの事例では、予備品・追加保守を固定価格に含めた。利益源は作業量や部品点数ではなく運航成果へ移り、予知保全で故障と燃料を減らすほど供給者にも余地が生まれる、リスク・報酬共有型のサービス化である。 / Wärtsilä 出典
船隊一括SaaS契約への移行750契約接続船(超)(2022)unverifiedKongsberg DigitalのVessel Insightは、2022年に新規45船社を接続し、契約接続船は750隻超となった。最大案件はMSCの約500隻で、同社は契約単位が個船から船隊全体へ移っていると明記する。船舶データ基盤を船隊横断で標準化することで、販売単価と継続課金対象を同時に拡大し、個別機器販売より解約・他社切替が難しい基盤収益へ価値が移る。 / KONGSBERG 出典
船社データが外部サービス基盤へ180隻(約)(2021)unverified商船三井はFOCUS対象の運航船約180隻のデータをIoS-OPで共有することに合意した。自社内の性能・燃料分析に閉じず、造船所、メーカー、サービス事業者が共通基盤経由で利用できる状態に移すことで、船社の運航ノウハウと実海域データが外部イノベーションの基盤資産になる。価値創出主体も単独船社から、データ提供者と複数サービス企業のエコシステムへ広がる。 / Mitsui O.S.K. Lines / Ship Data Center 出典
成果保証契約が取引型サービスの2~5倍支出へ2倍(下限、上限5倍)(2024)Wärtsiläは、船舶機器の単発修理・部品販売から、予知保全・最適化を組み込む長期サービス契約へ利益源を移している。2024年時点で、契約・成果保証型契約の顧客支出(EUR/kW)は取引型サービスの2~5倍で、4ストローク機関の設備容量の約30%がサービス契約下にある。成果指標に稼働率、燃費、排出量を置き、供給者が顧客とリスク・報酬を共有するため、売切り型からデータ継続収益・ / Wärtsilä 出典
船舶通信がサブスク型データ・サイバー基盤へ99.9%ネットワーク可用性(2023)alive_blockedInmarsatのFleet Xpressは、船舶向け衛星通信を機器販売ではなく、柔軟なサブスクリプション、24時間365日の運用支援、SLA、単一請求による予測可能な費用を束ねたフルマネージドサービスとして提供する。99.9%のKa/L-bandネットワーク可用性に加え、第三者業務アプリ向け帯域、Fleet Data、エンドツーエンド防御と専用SOCを同一基盤に内包。通信回線 / Inmarsat Maritime 出典
船舶技術売上の過半を就航後市場が獲得54%(売上高に占めるアフターマーケット)(2025)Kongsberg Maritimeの2025年売上27,123百万NOKのうち、アフターマーケットが約54%。新造時の機器販売だけでなく、就航後のサービス・部品・改修が最大の売上プールになっている。 / KONGSBERG 出典
Marine売上は機器よりライフサイクルサービスへ偏在2222百万EUR(Marineサービス売上)(2025)Wärtsilä Marineの2025年サービス売上は2,222百万EURで、機器売上1,272百万EURを大幅に上回る。利益率の段階別開示はないため利益額の直接配賦はできないが、船舶DXを含むライフサイクル接点がMarine売上プールの中心であることを示す。 / Wärtsilä 出典
Marine機器販売はサービス売上を下回る1272百万EUR(Marine機器売上)(2025)Wärtsilä Marineの2025年機器売上は1,272百万EUR。サービス売上2,222百万EURとの対比から、価値獲得が新造船への一回販売より、部品・保守・アップグレード・契約型サービスへ移っている構造が確認できる。 / Wärtsilä 出典
Marine利益プールは4.43億EUR・営業利益率12.7%443百万EUR(Marine比較可能営業利益)(2025)Wärtsilä Marineは2025年に比較可能営業利益443百万EUR、売上高比12.7%を計上。サービス主体の売上構成と併読すると、船舶の導入後ライフサイクルを押さえる統合OEMに相当規模の利益が帰属している。ただし会社はサービス単独の利益率を開示していないため、その内訳は推定しない。 / Wärtsilä 出典
新造案件は受注残、就航後サービスは当期売上を支配27.9十億NOK(年末受注残)(2025)Kongsberg Maritimeの2025年末受注残は279億NOKで、主として新造船市場に紐づく。一方、当期売上はアフターマーケットが約半分以上を占めるため、将来売上の入口は新造案件、継続的な価値回収は就航後市場という二層の利益プール構造が確認できる。 / KONGSBERG 出典
2030年市場予測の強気側は134.1億USD13.41十億USD(2030年市場予測)(2030)Grand View Researchは2030年の世界自動運航船市場を134.1億USDと予測。一方、MarketsandMarketsは82億USDであり、同一年の予測でも評価が大きく割れる。事業計画では単一のTAM予測を採用せず、82億USD側をベアケースとして投資回収を検証すべきである。 / Grand View Research 出典
2030年市場予測のベアケースは82億USD8.2十億USD(2030年市場予測)(2030)alive_blockedMarketsandMarketsの2030年予測は82億USD、2022~2030年CAGRは9.6%。Grand View Researchの134.1億USDを大幅に下回るため、82億USDでも成立しない固定費・船隊投資はNO-GOとするのが妥当。ページは検索結果で値を確認できたが、直接取得は文字コードエラーで遮断された。 / MarketsandMarkets 出典
強制MASSコード発効前の世界展開は規制NO-GO2032年(強制MASSコード発効予定)(2032)IMOの最新ロードマップでは、強制MASSコードは2030年7月までの採択、2032年1月1日の発効予定。それまでは2026年発効のコードも非強制であり、国際的な制度統一を前提にした無人運航代行の世界一斉展開はベアケースでは2032年以降となる。 / International Maritime Organization 出典
国際航行の商用完全自律船は現時点でゼロ0隻(商業運航中の国際航行SOLAS自律・遠隔貨物船)(2026)IMOは、商業運航中かつ国際航行するSOLAS貨物船で、自律または遠隔制御運航する船は現時点で存在しないと明記。試験成功を量産採用と同一視できず、国際商用実績の出現、保険引受、旗国・港湾国承認が揃わない段階では完全無人BMへの大型投資をNO-GOとする根拠になる。 / International Maritime Organization 出典
完全無人化より人間監督型が売上の77.1%を占有77.1%(半自律セグメント売上シェア)(2023)2023年は半自律セグメントが売上の77.1%を占めた。技術成熟の実像は完全無人化ではなく、人間が例外処理を担う協調型である。したがって、完全無人による船員費消滅を前提とするBMは、遠隔監督・船上介入・訓練サービスを残すBMに代替されるリスクが高い。 / Grand View Research 出典
船長責任が残り「無人化=人的責任消滅」を否定IMO MASSコードは、船長が船上にいなくても常時、船の全体責任を保持すると定め、遠隔運航センターにも認証と安全管理システムを要求する。これは船員コストを単純にゼロ化するBMを破壊し、価値を遠隔船長、認証済みROC、訓練、安全管理へ移す。 / International Maritime Organization 出典
サイバー船級要件が汎用SaaS参入を阻む90%超(IACS規則・基準がカバーする世界貨物輸送トン数)(2024)IACSのUR E26/E27は、2024年7月1日以降に建造契約される対象新造船へ適用される。IACS基準は世界の貨物輸送トン数の90%超をカバーするため、船級適合を持たない汎用IT・SaaS参入者には障壁となり、価値を認証可能な船級、造船所、機器メーカー側へ戻す破壊要因になる。 / International Association of Classification Societies 出典
業界標準eBLが囲い込み型データ市場を代替100%(加盟船社のeBL発行目標)(2030)DCSA加盟船社は船荷証券の50%を5年以内、100%を2030年までに電子発行することを約束した。標準化されたeBLが普及すれば、独自書式や閉鎖的な船社別ワークフローを囲い込むDX事業の価値は低下し、相互運用API、本人確認、金融・保険連携へ利益プールが移る。 / Digital Container Shipping Association 出典
利益プール分析20件
内航海運のバリューチェーン別コスト構造(オペレーター/オーナー/船舶管理業者)41%(2023)国土交通省海事局が令和5年度実績(内航海運業報告規則に基づく調査、内航収益が全体の70%以上の会社のみ集計)で示すコスト構成によれば、荷主から運賃を受け取るオペレーターのコストは用船料等(オーナーへの支払い)が約41%、燃料費が約16%を占め、オペレーターの取り分の多くがオーナーへの用船料支払いに吸収される構造。用船料を受け取るオーナー側は船員費が約40%、船舶減価償却費が約1 / 国土交通省海事局 出典
船舶管理業は船員費が7割を占め構造的薄利=保守・運航管理は隠れた利益源になりにくい70%(2023)同じ国交省令和5年度データで、船舶管理業者(オペレーターとの兼業を除く専業)のコスト内訳は船員費が約70%と突出し、用船料等・一般管理費・その他運航費・燃料費・港費・貨物費・船舶減価償却費が残り約30%を分け合う。一般に「保守・管理サービス」は本体輸送より利益率が高い隠れた収益源になりやすい業種が多いが、内航海運の船舶管理業は労働集約性が極めて高く、コスト構造上、利益を厚く積み / 国土交通省海事局 出典
外航コンテナ船社のEBITマージンは市況で2.6%→57.4%→13.7%へ極端に振れる13.7%(2025)Xenetaの分析によれば、EBIT報告を行う世界大手9社のコンテナ船社の平均EBITマージンは、コロナ前の低迷期である2020年第1四半期の約2.6%から、コロナ禍・港湾混雑による歴史的活況の2022年第1四半期には57.4%まで急騰し、2021年通期では業界全体の営業利益が1,100億ドルに達した。その後市況は反落したが、2025年は紅海(スエズ運河)迂回による喜望峰回りの / Xeneta 出典
2025年度コンテナ船社は全社2桁減益、2026年も供給過剰で減収減益予想(反証条件=中東情勢再燃)貿易実務専門メディアHPS CONNECTの分析(2025年決算まとめ)によれば、世界主要コンテナ船社は2025年4〜12月期にいずれも最終減益となり、日本の海運大手3社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)も同様に減益。要因は(1)新造船の大量竣工による構造的な船腹供給過剰でスポット運賃が急落、(2)2024年が紅海(スエズ運河)混乱による異常な高収益だった反動、(3)トランプ関税 / HPS CONNECT(貿易コラム) 出典
日本コンテナ船3社統合会社ONEの出資比率38%/31%/31%による利益配分と2024年3月期の反動減11倍水準38%(2024)日本郵船・商船三井・川崎汽船は2017年にコンテナ船事業を統合し共同出資会社ONE(オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)を設立、出資比率は日本郵船38%、商船三井31%、川崎汽船31%で、ONEが上げた利益はこの比率に応じて機械的に配分される(例:ONEが1,000億円の利益を出せば日本郵船380億円・商船三井/川崎汽船各310億円)。2024年3月期にはONEから3社合計 / 日本経済新聞/The社史 出典
隠れた利益源(1): フォワーダーはキャリアが赤字でも構造的に3%純利益を確保する3%(2025)GoFreightの業界分析によれば、フォワーダー(利用運送事業者)のビジネスモデルは、キャリアとの間で交渉した買値運賃(buy rate)と荷主に提示する売値運賃(sell rate)のスプレッド、付帯手数料・取扱料、通関業務、倉庫・保険・コンサルなどの付加価値サービスの4本柱で収益化しており、粗利率は売値と買値の差で10〜20%が一般的、規模の大きいグローバルフォワーダーは / GoFreight 出典
隠れた利益源(2): 港湾コンテナターミナル運営は資本集約型で25〜37.5%の高EBITDAマージンを維持35.6%(2024)海運最大手A.P.モラー・マースクの港湾運営子会社APMターミナルズは2024年通期売上高45億ドル(前年比16%増)、EBITDA16億ドル(前年13億ドルから増加)で、EBITDAマージンは約35.6%に達し、四半期ベースでは2024年第2四半期に37.5%を記録する「過去最高水準」の実績を上げた。業界平均でもAPMやDPワールドなど大手ターミナルオペレーターのEBITDA / A.P. Moller-Maersk / WorldCargo News 出典
隠れた利益源(3): 船舶仲介(ブローカレッジ)手数料1.25%が輸送本体とは独立した安定収益層を形成1.25%(2025)海運専門情報サイトMarine Insightによれば、船舶ブローカー(仲介業者)は運賃・空荷運賃・滞船料・用船料・バラストボーナスの価額に対して長年の慣行として1.25%の手数料(コミッション)を受け取る。単一のブローカーに業務を専属委託(exclusive)する場合は1%に軽減される一方、内航・沿岸輸送(coastal trades)は取扱運賃単価が小さいため2.5%と高め / Marine Insight 出典
隠れた利益源(4)だが薄利: 船体保険(Hull&Machinery)市場は2026年約37.5億ドル・CAGR5%で緩やかな成長も損害率上昇で採算圧迫3.75十億USドル(2026)調査会社Coherent Market Insightsによれば、船体保険(Marine Hull Insurance)の世界市場規模は2026年に37.5億ドル、2033年には52.7億ドルに拡大する見通し(CAGR5.0%、2026-2033年)で、世界の船腹量拡大(2024年に10.6万隻超・UNCTAD統計)と新造船価格の上昇が保険料収入の裏付けとなっている。ただし引受 / Coherent Market Insights / International Group of P&I Clubs 出典
利益プール総額は2030年134億ドル13.41USD billion(2030)alive_blocked自動運航船市場は2023年60.4億ドルから2030年134.1億ドルへ拡大し、2024~2030年CAGRは13.5%。対象は自律運航に必要なシステム・ソフトウェアと船体構造を含む。新造船体だけでなく、航行判断、センサーフュージョン、サイバー防御を束ねるシステム層が最大区分であり、利益獲得の主戦場は造船量よりも統合制御・ソフトウェアへ寄る。 / Grand View Research 出典
当面の収益中心は半自律化77.1% revenue share(2023)alive_blocked半自律船は2023年に市場売上の77.1%を占めた。完全無人化を待つより、有人監督を残した衝突回避、航路最適化、機関監視、意思決定支援に既存船主の支出が集中している。したがって短中期の利益プールは、完全自律船の船体販売ではなく、既存ブリッジへ組み込める支援ソフト、センサー統合、訓練・検証・保守の組合せにある。 / Grand View Research 出典
ハードが現在の最大取り分57.96% market share(2026)alive_blocked自動運航船市場のハードウェアは2026年に57.96%を占める見込みで、センサー、GPS、 自動航行装置、推進・補機が初期導入費の最大部分を取る。一方、ソフトウェアは予測期間でより高成長とされる。現在の売上プールは機器・統合が厚いが、更新可能な航行ソフトや解析機能を抱き合わせ、納入後のライセンス収益へ移す余地が大きい。 / Fortune Business Insights 出典
新造搭載が8割、改造は未開拓80.34% market share(2026)alive_blocked自動運航技術のline fitは2026年に80.34%を占める見込みで、現時点の売上は新造時の大型一括発注へ強く偏る。裏返すとretrofitは約2割にとどまるが、規制対応、近代化、既存船の寿命延長で高成長が見込まれる。造船所経由の価格競争を避け、船主へ直接販売できる改造設計、工事、再認証、継続保守が隠れた利益源となる。 / Fortune Business Insights 出典
遠隔運航が最大の自律度別プール51.4% market share(2026)alive_blocked遠隔運航セグメントは2026年に51.40%で自律度別最大となる見込み。完全自律より先に、人が陸上から監視・介入する方式が商用化されるため、船上機器だけでなくRemote Operations Centre、通信回線、操船席、シミュレータ、要員訓練、24時間運用が一体の利益プールになる。単発売切りより、船隊単位の遠隔監視・運航契約が継続収益化しやすい。 / Fortune Business Insights 出典
ソフト収益は年13.65%成長13.65% CAGR(2031)2025年はハードウェアが64.41%を占める一方、ソフトウェアは2031年まで年13.65%成長の見通し。デジタルツイン、予知保全ダッシュボード、サイバー脅威分析は、既設センサーからデータを取り込み、入渠なしで追加販売できる。機器設置を顧客獲得コストとみなし、その後の船舶別・船隊別ライセンスを積み上げるモデルが利益率を押し上げる。 / Mordor Intelligence 出典
Kongsbergは売上54%がアフター市場54% of revenue(2025)Kongsberg Maritimeの2025年売上271.23億NOKのうち、アフターマーケットが通期54%を占めた。対象は3万隻超の搭載基盤に対する部品、保守、更新、retrofit、ライフサイクル支援で、会社自身も新造より安定的な反復収益と位置づける。自動・遠隔運航の勝者は初期システム価格だけでなく、長期搭載基盤を囲い込む保守網で利益を回収する構造が明瞭である。 / Kongsberg Gruppen 出典
3万隻の搭載基盤が保守利益を防御30000vessels(2025)Kongsberg Maritimeは自動化、推進などを搭載する3万隻超のinstalled baseを持ち、アフター市場の顧客は主に船主・運航者である。新造時は造船所が買い手となり価格圧力を受けるが、運航開始後は安全性・稼働率を守る純正部品、ソフト更新、遠隔支援、改造を船主へ継続販売できる。設置台数と世界サービス網が、デジタル新規参入者に対する利益防衛線となる。 / Kongsberg Maritime 出典
Wärtsilä Marineのサービス売上20.5億ユーロ2050EUR million service sales(2024)Wärtsilä Marineの2024年サービス売上は20.50億ユーロで、Marine全売上34.09億ユーロに対して過半を占める。部品・フィールドサービス、性能サービス、航海デジタル、プロジェクト支援を船舶ライフサイクル全体で提供する構造である。自動運航・船舶DXでも、機器初販より長期間の保守、性能最適化、ソフト更新が累積利益の中心になり得ることを示す。 / Wärtsilä 出典
成果連動型の5年契約が利益源37vessels(2024)Wärtsiläは2024年、Royal Caribbeanのクルーズ船37隻を対象に5年間のライフサイクル契約を締結した。最適運航・保守で生じた便益を顧客とWärtsiläが分けるperformance-based modelで、単なる工数課金ではなく、燃費・稼働率改善の価値を収益化する。船舶データを握る事業者は監視、予知保全、改善提案を束ね、成果報酬と更新契約を同時に獲得で / Wärtsilä 出典
Marineサービス売上は8.4%増、継続収益化が進展2222百万ユーロ(2025)Wärtsilä Marineの2025年サービス売上は22.22億ユーロで、2024年の20.50億ユーロから8.4%増加した。機器の単発売切りだけでなく、保守、スペアパーツ、改造・アップグレード、性能連動型契約、Fleet Optimisation等のデジタル運航支援が継続収益を形成する。同社全体でもサービスは売上の52%を占め、船舶DXベンダーの利益プールが搭載時の機器販 / Wärtsilä Corporation 出典
市場規模・成長42件
世界の海上貨物輸送市場規模(TAM)とCAGR(2026-2031年)632.36billion USD(2026)世界の海上貨物輸送(Maritime Freight Transport)市場規模は2025年に5,997.8億ドル、2026年には6,323.6億ドルに達し、2031年には8,235.7億ドルへ拡大する見通しである。2026-2031年のCAGRは5.43%と試算されている。成長ドライバーとしては、南南間・域内アジア貿易回廊の拡大(CAGR寄与+1.2pt)、スエズ運河迂回と / Mordor Intelligence 出典
世界の海上貨物輸送市場の2031年将来予測値823.57billion USD(2031)世界の海上貨物輸送市場は2031年に8,235.7億ドルに達すると予測されている。2025年(5,997.8億ドル)対比で約1.37倍の規模拡大となり、6年間で年平均5%台の成長を続ける計算となる。市場のリーダー企業としてはMSC(コンテナ船腹量630万TEU)、Maersk、COSCO、Hapag-Lloyd、日本発の統合コンテナ船社ONE(Ocean Network Exp / Mordor Intelligence 出典
世界海上貨物輸送市場の貨物種類別セグメント(ドライバルク28.65%)28.65percent share(2025)2025年時点で世界海上貨物輸送市場における貨物種類別セグメントでは、ドライバルク(鉄鉱石・石炭・穀物等)が28.65%と最大シェアを占める。一方、液体バルク(原油・石油製品・液化ガス等)セグメントは2031年までCAGR4.02%で成長すると見込まれ、ドライバルクの構成比縮小・液体バルクの相対的な伸長という産業内シフトが起きている。この非自明な構造変化は、脱炭素化に伴う石炭需 / Mordor Intelligence 出典
世界海上貨物輸送市場の地域別セグメント(アジア太平洋37.65%・最大かつ最速成長)37.65percent share(2025)2025年時点でアジア太平洋地域は世界海上貨物輸送市場の37.65%を占め最大の地域シェアを持ち、2031年までCAGR5.02%と全世界平均(5.43%)に匹敵する高成長を続ける見通しである。この成長は域内貿易依存度57%という高い水準に支えられており、中国・インド・東南アジア諸国の工業化・輸出主導型経済成長が牽引役とされる。日本の海運会社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)がア / Mordor Intelligence 出典
世界海上貨物輸送市場の用途(荷主業種)別セグメント(製造業・消費財27.55%が最大)27.55percent share(2025)2025年時点で世界海上貨物輸送市場を荷主業種別(用途別)にみると、製造業・消費財セグメントが27.55%で最大シェアを占める。一方、医薬品・ヘルスケアセグメントは2031年までCAGR5.49%と全セグメント中最速の成長が見込まれており、コールドチェーン輸送やバイオ医薬品のグローバルサプライチェーン再編が背景にあるとみられる。市場規模の絶対値だけでなく、荷主業種構成の変化率ま / Mordor Intelligence 出典
日本の海事物流市場規模とCAGR(2024→2033年)11.21billion USD(2024)日本の海事物流(Maritime Logistics)市場規模は2024年に112.1億ドル(USD 11.21 Billion)であり、2033年には180.9億ドル(USD 18.09 Billion)に達すると予測されている。2025-2033年のCAGRは4.90%であり、世界平均の海上貨物輸送市場CAGR(5.43%)をやや下回るものの、成熟した先進国市場としては底堅 / IMARC Group 出典
日本の内航海運 事業者数・営業収入の長期時系列(1984-2023年)と構造的縮小トレンド2999事業者数(社)(2023)日本内航海運組合総連合会の統計によれば、内航海運事業者数(登録運送・登録貸渡・届出運送・届出貸渡の合計)は1984年の8,765社から一貫して減少を続け、2023年には2,999社まで落ち込んだ。これは2000年比でほぼ半減、1984年比では3分の1強の水準である。特にオーナー(貸渡事業者)のうち一隻のみを保有する一杯船主は2023年時点で2000年比36.4%、1985年比2 / 日本内航海運組合総連合会(企画調査部) 出典
内航海運オペレーター・オーナーの利益構造(営業利益率1.8-4.5%の薄利構造)1.8percent(営業利益率)(2020)国土交通省が取りまとめる内航オペレーターの一社平均経営指標によれば、2020年度の内航海運業収益は12億7,600万円(百万円単位1,276)で、営業利益率は1995年度2.2%、2000年度2.5%、2005年度3.4%、2010年度2.3%、2015年度4.2%、2020年度1.8%と、一貫して薄利の水準で推移している。経常利益率も同様に1.1-4.5%のレンジにとどまり、 / 日本内航海運組合総連合会/国土交通省海事局 出典
日本の外航海運大手3社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)売上・利益の急伸と急減益予測(2024-2026年3月期)12186億円(経常利益・3社合計)(2025)日本格付研究所(JCR)によれば、外航海運大手3社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)の2025年3月期(2024年度)決算は3社合計売上高5兆4,121億円(前期比8.8%増)、経常利益1兆2,186億円(前期比86.6%増)と、2022年3月期・2023年3月期に次ぐ歴史的高水準を記録した。これは3社が共同出資するコンテナ船事業会社ONE(Ocean Network Expre / 日本格付研究所(JCR) 出典
日本の内航フェリー・RORO船セグメントの事業規模(2019-2022年実績)124隻(RORO船・中長距離フェリー)(2019)国土交通省港湾局の資料によれば、2019年3月末時点でRORO船または中長距離フェリーを運航する事業者は30事業者・56航路・124隻である。輸送実績としては2022年11月単月の内航自動車航送船(フェリー)による車両航送台数が186千台、貨物輸送量が2,036千トンであった。フェリー・ROROセグメントはトラックドライバーの時間外労働規制(物流の2024年問題)を受けたモーダ / 国土交通省港湾局 出典
世界のコンテナ輸送(海運)市場規模とCAGR(隣接セグメント・2025-2031年)123.14billion USD(2026)世界のコンテナ船輸送(Container Shipping)市場規模は2025年に1,196.5億ドル、2026年に1,231.4億ドルとなり、2031年には1,420.7億ドルに達する見通しで、2026-2031年のCAGRは2.92%と試算されている。これは海上貨物輸送市場全体のCAGR(5.43%)を下回っており、コンテナ船腹の供給過剰(2025年1月以降、船腹供給の過剰 / Mordor Intelligence 出典
自動運航船TAMは2030年134億ドル13.41USD billion(2030)alive_blocked世界の自動運航船市場は2023年60.4億ドル、2024年推計62.6億ドルから2030年134.1億ドルへ拡大し、2024〜2030年CAGRは13.5%。対象は半自律・完全自律船のシステム/ソフトウェアと船体構造で、商用・防衛用途を含む。約6年で2倍超となる予測であり、船舶DXの中でも自律航行関連は二桁成長の中核TAMと位置づけられる。 / Grand View Research 出典
自動運航船は半自律が77.1%77.1% revenue share(2023)alive_blocked自律度別では、半自律船が2023年の世界市場売上の77.1%を占めた。航行、衝突回避、システム監視を自動化しつつ、複雑・予期せぬ局面では人が介入する構成が現時点の主流である。一方、完全自律セグメントは予測期間中に最も速く成長するとされる。したがって短中期SAMは既存船への段階的自動化、長期の成長オプションは完全無人化と分けて評価すべきである。 / Grand View Research 出典
アジア太平洋が自動運航船の33.9%33.9% revenue share(2023)alive_blocked地域別ではアジア太平洋が2023年に世界の自動運航船市場売上の33.9%を占め最大。中国、日本、韓国、シンガポールを含む主要航路・港湾の集積と貨物量が、運航効率化・安全性向上への需要を支える。一方、予測期間中のCAGRは欧州が最速とされる。現在の最大SAMはアジア太平洋、増分成長を狙う市場は欧州という地域ポートフォリオが示唆される。 / Grand View Research 出典
自動運航船はシステム・ソフトが最大alive_blockedソリューション別ではシステム&ソフトウェアが2023年の自動運航船市場で最大売上セグメント。自律航行のセンサー統合、意思決定、制御に加え、通信・船内ネットワークを守るサイバー対策が含まれる。船体構造セグメントは予測期間中に最速成長し、乗員区画削減、貨物容量・流体性能・燃費の最適化が需要を押す。収益機会は当面ソフト中心だが、完全自律化に伴い船体再設計へ波及する。 / Grand View Research 出典
商用船が最大、防衛は成長用途alive_blocked用途別では商用が2023年の自動運航船市場で最大売上セグメント。航路・速度最適化、連続運航、乗員削減により輸送時間、燃料・労務費、配送信頼性を改善する需要が基盤となる。防衛は予測期間中に顕著な成長が見込まれ、機雷海域、監視・偵察、対潜任務など危険業務で人員曝露を減らす。量の中心は商船、早期の高付加価値案件は防衛という用途差がある。 / Grand View Research 出典
海事サイバー市場は2033年90億ドル9.01USD billion(2033)alive_blocked世界の海事サイバーセキュリティ市場は2024年31.9億ドル、2025年35.1億ドルから2033年90.1億ドルへ成長し、2025〜2033年CAGRは12.5%。対象は船舶・港湾のIT/OT、航海・通信ネットワーク、クラウド物流基盤を守るソリューションとサービス。自律化・遠隔監視で攻撃面が広がるため、サイバー支出は付随費ではなく船舶DX普及に連動する独立TAMとなる。 / Grand View Research 出典
海事サイバーはソリューションが68.65%68.65% revenue share(2024)alive_blockedコンポーネント別ではソリューションが2024年の海事サイバー市場売上の68.65%を占めた。対象は侵入検知、暗号化、ID・アクセス管理、リスク評価、規制対応など、船舶・陸上をまたぐ統合防御基盤。残余は導入・監視・対応等のサービスである。最大の収益プールが製品側にある一方、分散する船隊の常時監視やインシデント対応需要は継続課金型サービスの拡大余地を示す。 / Grand View Research 出典
ネットワーク防御が海事サイバーの33.17%33.17% revenue share(2024)alive_blockedセキュリティ種別ではネットワークセキュリティが2024年売上の33.17%で最大。衛星通信、船陸間リンク、船内ネットワーク、港湾OTが接続されるほど、セグメンテーション、暗号化、リアルタイム脅威検知の需要が増える。自動運航・遠隔運航では通信経路の可用性と完全性が安全運航に直結するため、汎用IT対策よりも船舶ネットワークとOTを一体で保護する製品が中核SAMとなる。 / Grand View Research 出典
商用海運が海事サイバー需要の42.19%42.19% revenue share(2024)alive_blockedエンドユーザー別では商用海運が2024年の海事サイバー市場売上の42.19%で最大。世界に分散する船隊、航海・機関・貨物データ、船陸通信を抱え、ランサムウェア、GNSS妨害、遠隔アクセス侵害への露出が大きい。海軍・防衛は2025〜2033年に12.9%の最速CAGRが予測される。足元のSAMは商船、成長率と案件単価を狙う隣接市場は防衛と整理できる。 / Grand View Research 出典
アジア太平洋の海事サイバー成長率13.1%13.1% CAGR(2033)alive_blocked地域別では北米が2024年に海事サイバー市場の24.37%を占め最大だが、アジア太平洋は2025〜2033年CAGR13.1%で最速成長。中国、シンガポール、韓国、日本のスマート港湾、船舶接続、OTデジタル化が需要を押す。既存売上基盤は北米、増分需要はアジア太平洋に偏るため、船級・規制対応と現地港湾/船社チャネルを組み合わせた地域戦略が重要となる。 / Grand View Research 出典
海事ソフト市場は2028年29億ドル2.9USD billion(2028)Strategy&/PwCは、船舶運航に使う世界の海事ソフト市場を2018年約10億ドル、2023年約18億ドル、2028年約29億ドルと推計。2018〜2023年は年率約12%、2023〜2028年は約10%で成長する。航海・船隊追跡・燃費、保守運用、HSEQ・乗員管理、商務・貨物、接続、データ分析を含み、一般的な造船所DXではなく運航デジタル化の収益プールを示す。 / Strategy& / PwC 出典
海事ソフト最大層は航海・船隊・燃費400USD million approximately(2023)Strategy&/PwCの2023年セグメント推計では、航海・船隊追跡・燃費性能ソフトが約4億ドル、2023〜2025年予想CAGR8〜10%で最大級。保守・運用は約2.5億ドル・約10%、HSEQ・乗員・管理は4〜5億ドル・8〜10%、商務航海・貨物管理は1.5〜2億ドル・20%超。規模は航行・運航管理、伸び率は商務データ活用が優位という二層構造を示す。 / Strategy& / PwC 出典
自動運航船市場は2023年60.4億ドル、2030年134.1億ドルへ13.5% CAGR(2030)alive_blockedGrand View Researchは世界の自動運航船市場を2023年60.4億ドル、2030年134.1億ドルと推計し、2024~2030年のCAGRを13.5%とする。既存セルの2030年TAMに基準年と成長率を接続でき、市場は7年で約2.2倍になる見通し。半自律77.1%、アジア太平洋33.9%という既存内訳と合わせると、足元の収益基盤は完全無人船ではなく既存船向け段階 / Grand View Research 出典
最新予測では自動運航船市場2030年112.2億ドル、CAGR6.5%11.22十億米ドル(2030)Research and Markets掲載の2026年版は、世界の自動運航船市場を2025年82.4億ドル、2026年87.4億ドル、2030年112.2億ドル、2026~2030年CAGR6.5%とする。既存の2030年134.1億ドル・CAGR13.5%予測より低く、調査会社間で終点は約22億ドル、成長率は7ポイント乖離する。市場境界・基準年・更新時点に敏感なため、単一予 / Research and Markets 出典
海事ソフト市場は2023~2028年CAGR約10%10% CAGR(2028)Strategy&/PwCは世界の海事ソフト市場を2023年約18億ドルから2028年約29億ドルへ、年率約10%で拡大すると推計する。2018年約10億ドルから2023年までの年率約12%に比べ成長は2ポイント減速するが二桁を維持。対象は航海・船隊追跡・燃費、保守運用、HSEQ・船員管理、商用航海・貨物管理、接続、データ分析等で、同社は市場の未成熟・分散と統合余地も指摘する。 / Strategy& / PwC 出典
Kongsberg Maritime売上の54%はアフターマーケット54% of revenue(2025)2025年通期売上271.23億NOKのうち、アフターマーケットが54%を占めた。新造船向け機器だけでなく、既存船への保守・更新・改修が過半を形成するため、自動運航・DXでも設置後収益が主要利益源になり得る。 / Kongsberg Gruppen 出典
海事機器・DX供給者の実証利益率はEBIT12.7%12.7% EBIT margin(2025)Kongsberg Maritimeの2025年売上は271.23億NOK、EBITは34.57億NOK、EBITマージンは12.7%。自動運航・航海制御・シミュレーションを含む統合海事技術供給層について、TAMではなく実際の収益性を示すベンチマークとなる。 / Kongsberg Gruppen 出典
Wärtsiläのサービス受注は37.40億ユーロ3.74EUR billion service order intake(2025)Wärtsiläの2025年サービス受注は37.40億ユーロ、全社受注は81.02億ユーロ。船舶DXの利益プール評価では、初期システム販売に加え、長期サービス契約、性能最適化、部品・保守を独立した収益層として扱う必要がある。 / Wärtsilä 出典
海事デジタル事業だけで移管前売上6億NOK超600NOK million, more than(2024)Kongsberg Digitalの海事ポートフォリオは2025年にKongsberg Maritimeへ移管された。同事業の2024年売上は6億NOK超、移管人員は約500人。ハードウェア企業内でもソフトウェア、シミュレーション、データ活用が独立した収益・人材プールへ成長している。 / Kongsberg Gruppen 出典
2030年予測の上振れ値は165億ドル16.5USD billion(2030)Research and Marketsの別調査は2030年市場を165億ドル、2024~2030年CAGRを8.0%と予測する。既存の112.2億ドル、134.1億ドル予測と同じ2030年でも差が大きく、単一TAMを投資判断に使う前提は反証される。NO-GO基準は、案件採算が低位予測でも成立するかに置くべきである。 / Research and Markets 出典
別予測では2030年82億ドルにとどまる8.2USD billion(2030)alive_blockedMarketsandMarketsは2022年39億ドルから2030年82億ドル、CAGR9.6%を予測する。既存予測および165億ドル予測との分散は、調査ごとの市場定義・対象システム範囲がTAMを大きく左右することを示す。低位82億ドルでも必要シェアと回収期間を満たさなければNO-GOとするのが妥当。 / MarketsandMarkets 出典
国際強制規制は2032年まで発効しない2032mandatory-code entry-into-force year(2032)IMOの2026年MASS Codeは非強制で、強制コードは2030年7月までの採択、2032年1月1日の発効予定。したがって、2030年以前の世界一律商用化を前提とする予測は規制面で反証可能。強制コードの採択遅延、主要旗国・保険者の承認停滞を市場投入延期・撤退基準に設定できる。 / International Maritime Organization 出典
無人化は船体を80mから20mへ縮小し得る20metres, reduced vessel length example(2025)DNVは、乗員区画と関連設備を除けば80m級船を20mへ縮小し得るとの設計例を示す。これは単なる航海ソフト追加ではなく、居住区、空調、救命・生活設備を含む従来の造船・舶用品需要を構造的に代替する破壊要因である。 / DNV 出典
造船所能力がDX・自動運航の新造船普及を制約Kongsbergは、老朽船更新需要があっても造船所能力が新造船数を制限し、船隊更新には時間がかかると明記した。新造船搭載を中心とする事業モデルに対する需要実現リスクであり、利益プールが新造から既存船レトロフィットへ移る可能性を高める。 / Kongsberg Gruppen 出典
低付加価値ハードからデジタルへの事業ポートフォリオ転換950NOK million approximately, divested business revenue(2024)Kongsberg Maritimeは2025年に、2024年売上約9.5億NOKの操舵機・舵事業を売却する一方、売上6億NOK超の海事デジタル事業を統合した。主要供給者自身が機械部品からデジタル・シミュレーションへ資本と人材を移しており、既存舶用機器メーカーへの構造的脅威を示す。 / Kongsberg Gruppen 出典
海事DXはROIを定量実証できなければ導入が止まる48% of survey respondents citing measurable ROI as a barrierLloyd’s Registerの海事事業者調査では、デジタル技術導入の最大障壁は測定可能なROIの欠如48%。ほかにパイロット費用40%、競合する事業優先課題37%が挙がった。したがって、省人化・事故削減・燃費改善を金額換算できない案件はNO-GOとなる。 / Lloyd's Register 出典
国際商用の完全自動運航は依然ゼロ0commercially operating internationally trading SOLAS cargo ships operating autonomously or remotely(2026)IMOは2026年時点で、自律・遠隔制御により商業運航する国際航海SOLAS貨物船は存在しないと明記。市場予測が大型外航船の本格普及を織り込む場合、認証取得後の商用就航実績が現れない状態は明確なベアケースとなる。 / International Maritime Organization 出典
自動化装置の搭載だけではMASS市場に算入できないIMOによれば、単なる高度自動化はMASSに該当せず、承認手続を完了して有効なMASS Safety Certificateを保有する必要がある。認証を通過しない自動化案件をTAMへ算入する予測は過大評価となる。 / International Maritime Organization 出典
運航限界外では自律継続できないことが制度上のNO-GOMASS Codeは、安全運航可能な限界として風速、海況、視程、水深、悪天候、昼夜条件を定義し、限界外へ移行した際の措置を要求する。対象航路でこれらの運航設計領域を安定確保できない場合、無人・遠隔運航の常用化はNO-GOとなる。 / International Maritime Organization 出典
現行AIS中心の船舶DXは認証付きVDESへ置換され得る2028expected regulation entry-into-force year(2028)IMOはVDESを現行AIS船位追跡システムの代替として制度へ導入する決議を採択。VDESは認証機能によりスプーフィングリスクを抑え、より大量のデータを高速・安全に交換する。AIS専用機器・解析基盤には更新需要と同時に陳腐化リスクが生じる。 / International Maritime Organization 出典
500GT境界が大型外航向けと小型船向けの制度市場を分断500gross tonnage threshold, generally over(2026)2026年の非強制MASS CodeはSOLAS Chapter I対象貨物船、一般に国際航海を行う500GT超を適用中心とする。500GT未満への適用は加盟国への推奨にとどまるため、小型沿岸船市場では各国制度・認証の分断が続き、単一の世界TAMとして扱いにくい。 / International Maritime Organization 出典
技術ロードマップ・破壊的脅威25件
IMO 2023 GHG戦略:国際海運の脱炭素タイムライン(H2-H3)2050年(ネットゼロ目標年)(2023)IMOは2023年7月改定のGHG戦略で、国際海運の温室効果ガス排出を2050年前後にネットゼロとする目標を設定。中間目標として2030年に2008年比20%(努力目標30%)、2040年に70%(努力目標80%)削減を掲げ、2030年時点でゼロ・ニアゼロエミッション燃料・技術のエネルギー使用比率を5%(努力目標10%)とすることを求める。炭素強度(輸送単位あたりCO2)は20 / IMO(国際海事機関) 出典
IMO Net-Zero Framework(燃料規制+課金制度)採択延期という反証条件57賛成票数(反対49・1年延期採決)(2025)IMOはMEPC83(2025年4月)で世界初となる海運全体への強制的燃料規制(GFI:GHG燃料原単位規制)と排出課金の枠組み「Net-Zero Framework」を承認し、2025年10月の臨時会合で正式採択予定だった。しかし同臨時会合(MEPC ES.2、2025年10月14-17日)でサウジアラビア主導の手続き動議により採決は57対49で1年延期(次回議論はMEPC8 / Global Maritime Forum / IMO 出典
代替燃料新造船2025年動向:LNG優位・メタノール急減速・アンモニア限定的275隻(2025年代替燃料船受注数)(2025)DNVによると2025年の代替燃料船新造船受注は275隻(前年比47%減、新造船市場全体も4,405隻→2,403隻へ縮小する中での落ち込み)。燃料別ではLNG燃料船が188隻・総トン数の31%を占めて首位を維持した一方、メタノール燃料船は2024年の149隻から2025年は61隻へ急減、アンモニア・LPGは受注が限定的にとどまった。コンテナ船セクターが547隻の新規受注(全代 / DNV 出典
DNV Maritime Forecast to 2050:燃料・技術別TRL(技術成熟度)マップDNVのMaritime Forecast to 2050は、船上エネルギー変換技術(内燃機関・燃料電池)ごとにTRL(技術成熟度レベル)4(実証済み)からTRL9(複数メーカーから商用調達可能)までの成熟度と、2020年代後半~2030年代半ばにかけての成熟時期見通しを提示する。LNG・メタノール仕様エンジンはTRL9で既に複数メーカーから商用調達可能(H1)であるのに対し、 / DNV 出典
代替燃料の供給インフラが船隊の燃焼能力に追いつかない需給ギャップ(反証条件)50百万トン(石油換算、2030年時点の船隊燃焼可能能力)(2030)DNVの分析では、2030年までに代替燃料対応船隊が年間最大5,000万トン(石油換算=Mtoe)相当の低GHG燃料を燃焼できる能力を持つに至る一方、2025年時点の実際の低GHG燃料消費量はわずか年間約100万トン(Mtoe)にとどまる。つまり船体側(ハードウェア)の対応能力は先行して整いつつあるが、グリーンアンモニア・グリーンメタノール等の生産・供給インフラが著しく立ち遅れ / DNV 出典
日本のゼロエミッション船ロードマップ:アンモニア2028年・水素2030年以降の商業運航目標2028年(アンモニア燃料船商業運航目標年)(2020)国土交通省は2020年3月に「国際海運のゼロエミッションに向けたロードマップ」を策定し、2028年までに温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション船」の商業運航開始を目指す。具体的にはアンモニア燃料船は2026年から実証運航・2028年までの商業運航、水素燃料船は2027年からの実証運航・2030年以降の商業運航を計画。2022年7月には技術開発に10年間で総額350億円の財政 / 国土交通省 海事局 出典
世界初の商用アンモニア燃料船(タグボート)竣工とGHG95%削減実証(日本)95%(重油比GHG削減率)(2024)NEDOグリーンイノベーション基金「次世代船舶の開発」プロジェクトの一環として、2023年4月に4ストロークエンジンとして世界初の商用実機アンモニア燃料試験を開始、2024年8月23日に世界初となる商用アンモニア燃料船(タグボート)が竣工した。同年11月末まで東京湾内で実証運航を実施し、重油使用時と比較して最大約95%の温室効果ガス排出量削減を達成。この結果は日本の舶用エンジン / NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構) 出典
自動運航船MEGURI2040 第2ステージ:商用運航下で自動運転レベル4相当を実現(2026年)4隻(自動運航船認証取得数)(2026)日本財団が2020年より推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の第2ステージで、新造内航コンテナ船「げんぶ」(2026年1月28日に国の船舶検査合格)、内航RORO船「第二ほくれん丸」(2026年2月9日合格)、既存内航コンテナ船「みかげ」(2026年3月25日合格)を含む実証船4隻すべてが国土交通省の自動運航船認証を取得し、商用運航下で自動運転レベル4相当を実 / 商船三井(MOL)/日本財団 出典
風力推進(ローターセイル等)の燃費改善効果5-30%、日本発Wind Challenger含む実装拡大30%(燃費改善効果の上限目安)(2025)風力アシスト推進(ローターセイル・硬翼帆)は、Norsepower等の実績で燃費改善5-30%(複数セイル搭載で20%超の事例も)が報告される、既に商用化段階(TRL9)にある省燃費技術。日本では商船三井が独自開発した硬翼帆「ウィンドチャレンジャー」を実装済み。2025年6月には中国SWS造船が世界初の風力アシスト装備アフラマックスタンカー(114,000重量トン)を引き渡し、 / 商船三井(MOL)/DNV/Lloyd's Register 出典
CII/EEXI規制強化:2026年に船隊の最大50%がD-E格付けに転落する見通し(既存船への破壊的圧力)50%(2026年時点でD-E格付けとなる船隊比率の上限見通し)(2026)Clarksons Researchの分析によれば、EEXI(既存船エネルギー効率指標、2023年発効・400総トン以上対象)は大半の船舶が減速航行や一部省エネ技術(EST)導入という軽微な改修で適合可能である一方、CII(炭素強度格付け、5,000総トン以上対象、A-E評価)は年々基準が厳格化しており、現状の運航方法を継続した場合、船隊の約3分の1が既にD-E格付けとなってお / Clarksons Research 出典
紅海・スエズ運河危機による地政学的破壊的脅威:通航量7割減とトンマイル急増70%(スエズ運河通航量の2023年比減少率、2025年5月時点)(2025)UNCTAD「Review of Maritime Transport 2025」によれば、フーシ派による商船攻撃(2023年11月以降、100件超・60カ国以上の船舶に影響)を受け、スエズ運河の通航量は2025年5月時点で2023年平均比で約70%減少。多くの船舶が喜望峰迂回(スエズ経由より片道約1万1千海里・10日長い航路)を余儀なくされ、世界全体のトンマイル(輸送量×距離 / UNCTAD(国連貿易開発会議) 出典
紅海危機の継続的不確実性:2026年に入っても攻撃再開リスクが残存(反証条件)alive_blocked米海事局(MARAD)の航行警報によれば、フーシ派は2025年10月のイスラエル・ハマス停戦後に攻撃を一時停止したものの、2026年2月28日には米国・イスラエルによるイラン攻撃への対抗として攻撃再開・エスカレーションを示唆する声明を出しており、2026年5月時点でも紅海・バブエルマンデブ海峡の通航量は危機前水準を大幅に下回ったままである。すなわち「危機が沈静化し航路が正常化す / 米国海事局(MARAD) 出典
港湾自動化市場の拡大:2026年120億ドル規模、自動化率は主要ターミナルの9%にとどまる12.1十億米ドル(2026年自動化コンテナターミナル市場規模推計)(2026)市場調査によれば自動化コンテナターミナル市場は2026年時点で約120億ドル規模と推計され、2035年には224億ドルへ拡大する見通し。一方で自動化が導入済みのコンテナターミナルは世界の主要施設の9.0%(76ターミナル)にとどまり、普及余地は大きい。中国は52の「無人化ロボット港湾」を運用し、ロッテルダム港は1シフトあたり10-15人という少人数体制で年間1,400万個のコン / Research Nester(市場調査)/業界レポート 出典
内航海運の構造的脅威:船員高齢化と2030年度輸送力不足34%見通し、対策で7-25%まで改善34%(2030年度輸送力不足の当初推計)(2025)国土交通省「内航海運の現状と課題」(令和7年9月)によれば、内航船員数は昭和49年のピーク以降長期的に減少し2万人前後で横ばいだが50歳以上比率が高く高齢化が深刻で、若年層の新規参入は限定的。当初推計では2030年度に34%の輸送力不足が見込まれていたが、官民の取組(自動運航船・省人化技術の実装、船舶大型化)や需要減少を反映した最新の検証では、不足分は平均7%・最大でも25%ま / 国土交通省 海事局 出典
モーダルシフト倍増政策:鉄道・内航フェリー/RORO船の輸送分担率を今後10年で倍増目標国土交通省は「物流の2030年問題」(トラックドライバー不足)への対応として、鉄道コンテナ貨物と内航フェリー・RORO船の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増させる目標を掲げ、モーダルシフト推進の取組状況を継続的に検証・公表している。これはトラック輸送からの代替需要を取り込む形で内航海運(特にフェリー・RORO)の輸送量拡大を政策的に後押しするものであり、技術面での省人化・ / 国土交通省 出典
有人監督型の自動操船が短期本命2025実用化目標年(2025)主要技術はレーダー・AIS・カメラ等のセンサー統合、経路計画、衝突回避と船員への行動提案。国交省がフェーズIIを2025年実用化目標とし実船実証を進めたため、TRL7~8(推定)、H1(0~3年)の商用展開領域とみる。破壊的脅威は、認証・保険コストが省人化便益を上回り従来型の操船支援に収斂すること。反証条件は、複数船型・混雑海域で安全性優位と投資回収が継続実証されない場合。 / 国土交通省 出典
遠隔運航センターが運航資産化2026非強制コード発効年(2026)主要技術は船陸通信、遠隔監視・操船、権限移譲、異常時フォールバックを束ねるRemote Operations Centre。IMO MASS CodeがROC統合、接続性、サイバー、リスク評価を明示したためTRL6~7(推定)、H1で限定航路・少人数監督から普及するとみる。破壊的脅威は通信断・遅延や一拠点侵害による同時多船障害。反証条件は、通信冗長化後も有人船同等の安全水準を認 / International Maritime Organization 出典
自動離着桟は限定環境から先行2018実証開始年度(2018)主要技術は岸壁認識、低速精密制御、推進・舵・スラスター統合、係留支援。国交省が2018年度から自動離着桟をコア3技術の一つとして実証しており、限定港ではTRL7~8(推定)、H1、未知港・強風潮流までの汎化はH2とみる。破壊的脅威は港ごとの設備・運用差が標準化を阻み個別SI化すること。反証条件は、追加港湾設備なしで複数港・複数船型の再現性が得られない場合。 / 国土交通省 出典
港湾連携が自律航行の次の壁1実証寄港件(2026)主要技術は船側自律運航システムと港湾側の入出港・交通管理システム間のデータ連携。日本郵船は2026年4月29日、Elder Leaderのシンガポール初寄港でMPA等と連携可能性を実証した。現状TRL7(推定)、H1は個別港連携、標準APIによる多港展開はH2。破壊的脅威は港ごとの仕様分断とデータ責任境界。反証条件は、主要港間で相互運用仕様と責任分担が成立しない場合。 / 日本郵船株式会社 出典
予知保全が無人機関室を補完2024実証船導入想定年以降(2024)主要技術は主機・補機の状態監視、異常検知、故障予測を行うCondition Based Maintenance。IMOシンポジウムではKorean Registerが2024年以降の実証船向け設計・コミッショニングを展望したため、TRL6~7(推定)、H1~H2の技術。破壊的脅威は船ごとの少量故障データと誤警報で整備負荷が増えること。反証条件は、実船で計画外停止・保守費を従来方 / International Maritime Organization 出典
船舶サイバー要件が設計標準化2024適用開始年(2024)主要技術は船全体のネットワーク分離、アクセス制御、復旧設計と、搭載機器単位のセキュア開発・更新。IACS UR E26/E27改訂版は2024年7月1日以降に建造契約する新造船へ適用され、対象領域ではTRL9、H1の調達必須条件となる。破壊的脅威は対応費が小型・非定型船のDX導入を遅らせること。反証条件は、適用船の重大インシデント率が非適用船より改善しない場合。 / International Association of Classification Societies 出典
耐スプーフィング測位が必須化7評価対象サブシステム数(2026)alive_blocked主要技術はGPS、INS、ソナー、深度、オートパイロット間の整合性検証とKalman融合による異常測位の検出。2026年の研究は船舶航法へのGPS spoofing、センサー改ざん、制御干渉を模擬評価しており、現状TRL4~5(推定)、H1後半~H2。破壊的脅威は複数センサー同時侵害や敵対的データで相互検証自体が破られること。反証条件は、実海域・複合攻撃で検知性能が再現しない場 / Computers & Security 出典
VDES認証がAIS代替を加速2028規則発効予定年(2028)主要技術はAISより大容量・高速で認証機能を備えるVHF Data Exchange System。IMOはVDESを規制枠組みに導入し、関連規則を2028年1月1日発効予定としたためTRL8(推定)、H1末~H2初頭の搭載更新波とみる。破壊的脅威は既存AISとの長期併存、端末更新費、認証鍵管理の集中障害。反証条件は、主要旗国・港湾で搭載義務化や運用採用が進まずAIS依存が残る / International Maritime Organization 出典
説明可能なCOLREG判断が難所3アルゴリズム系統(2026)主要技術はCOLREGを組み込む経路計画・衝突回避と、判断根拠を説明できる船舶特化AI。2026年レビューは古典探索、リアルタイム反応、学習型を比較し、信頼性・説明可能性・完全準拠を未解決課題とするためTRL4~5(推定)、H2。破壊的脅威は確率的AIの挙動が検査・事故責任と両立せず、決定論的支援へ後退すること。反証条件は、複雑な多船遭遇で監査可能な完全準拠を実船証明できない場 / Cambridge University Press / The Journal of Navigation 出典
完全無人化は2032規制が分水嶺2032強制コード発効予定年(2032)外洋の完全無人運航は、自律航法だけでなく火災、救難、保守、通信断、船長責任まで統合するシステム技術。IMOは強制MASS Codeを2030年7月1日までに採択し2032年1月1日発効予定としており、現状TRL5~6(推定)、商用主流化はH2、全面普及はH3。破壊的脅威は規制遅延、事故時責任、保険料、遠隔要員を含む総コストで省人化価値が消えること。反証条件は、強制コード発効延期 / International Maritime Organization 出典
政策・予算・産業戦略27件
日本:海事局予算 令和7年度概算要求9,926百万円(前年度比1.20倍)、内航・造船競争力強化に重点配分9926百万円(2025)国土交通省海事局の令和7年度予算概算要求総額は99.26億円(一般会計)で、令和6年度予算8,281百万円から1.20倍に増額。うち「安定的な海上輸送の確保に向けた我が国海事産業の競争力強化」に87.35億円(前年度比1.22倍)を配分し、内訳は(1)海事産業の競争力強化・生産性向上8.49億円(前年度比2.33倍・内航海運の取引環境改善や造船DXオートメーション、船舶関連機器 / 国土交通省海事局 出典
日本:ゼロエミッション船へのグリーンイノベーション基金350億円+GX経済移行債600億円の二段構え支援95000百万円(2025)IMOが2023年7月に採択した「2050年頃までに国際海運からの温室効果ガス排出ゼロ」目標を受け、日本は開発・実証段階にグリーンイノベーション基金350億円(令和3年度〜最長10年間、水素・アンモニア燃料船の実証に充当。アンモニア燃料船は2026年より実証運航開始・2028年までに商業運航実現、水素燃料船は2027年より実証運航開始・2030年以降商業運航実現を目標)、生産基 / 国土交通省海事局 出典
日本:内航海運業の営業利益率2.41%は全産業平均4.6%の約半分、船齢14年以上が約7割で船腹更新が急務2.41%(2023)国土交通省海事局が2025年9月に公表した資料によれば、内航海運業の1社当たり平均営業利益率は2.41%で、全産業平均4.6%の約半分にとどまる(営業利益783.2万円/売上高3億2,520万円)。内航海運事業者の99.7%が中小事業者であり荷主に対して交渉力が弱く、用船料で船価や船員費を賄えているかとの問いに対し「賄えていない」28者、「ぎりぎり賄えているか、やや下回る」70 / 国土交通省海事局 出典
EU:2026年からEU-ETS対象排出量100%適用+FuelEU Maritime初回遵守サイクル開始で海運コスト構造が転換100%(ETS対象排出量比率)(2026)EUは2026年1月から、2025年の70%段階適用(移行措置)から引き上げ、規制対象となる海運の排出量の100%をEU排出量取引制度(EU-ETS)の対象とする(2027年以降は報告排出量の100%分の排出枠提出義務に移行)。同時にFuelEU Maritime規則の最初の検証サイクルが2026年に開始され、2026年1月31日までの検証者への報告書提出、4月30日までのコン / 欧州委員会(European Commission) 出典
EU:FuelEU Maritime規則概要 — 再生可能・低炭素燃料の使用を義務付ける独自規制モデル欧州委員会運輸総局が所管するFuelEU Maritime規則(2025年1月1日全面適用開始)は、船舶に対し再生可能・低炭素燃料およびクリーンエネルギー技術の利用を段階的に義務付ける枠組みで、EU-ETSの炭素価格付けと組み合わせて海運の脱炭素を制度的に誘導する。同規則はEU域内に寄港する船舶(域外船舶含む)に適用され、未達成の場合は罰金支払いが必要となる。造船・船腹補助を通 / 欧州委員会(European Commission)運輸・モビリティ総局 出典
中国:造船世界シェアを1999年の5%未満から2023年に50%超へ拡大、2006-2013年だけで910億ドルの産業補助50%(世界造船シェア,2023年)(2023)米通商代表部(USTR)が2025年1月16日に公表した通商法301条調査報告書によれば、中国の造船市場世界シェアは1999年の5%未満から2023年に50%超まで急拡大し、2024年1月時点で世界商船隊の所有比率も19%超に達した。中国は世界のコンテナ生産の95%、インターモーダルシャーシの86%、埠頭クレーンの70%超を占める。中国政府の産業計画(第10次〜第14次五カ年計 / 米国通商代表部(USTR) 出典
米国:「SHIPS for America法案」+ホワイトハウス海事行動計画(2026年2月)でMARAD予算26億ドル規模を提案2.6十億ドル(MARAD向け提案額)(2026)alive_blocked米国では2025年4月に上院・下院超党派で「SHIPS for America Act」(造船・港湾インフラのための繁栄と安全保障法案)が提出され、米国海事局(MARAD)への安定的な予算措置・造船インセンティブ・米国籍船競争力強化・造船産業基盤再建・船員/造船労働者確保を包括的に規定している。2026年2月13日にはホワイトハウスが「アメリカ海事行動計画(Maritime A / ホワイトハウス/Holland & Knight法律事務所解説 出典
米国:SHIPS for America Act(第119議会 上院法案S.1541)条文本体alive_blockedSHIPS for America Act(S.1541、第119議会2025-2026会期)は、国家海事政策に関する国家的監督体制と安定財源の確立、国内造船への優遇措置、米国籍船の国際商取引での競争力強化、米国造船産業基盤の再建、船員・造船労働者の確保拡大を目的とする法案。上院議員Mark Kelly(民主)・Todd Young(共和)、下院議員John Garamendi / 米国議会(Congress.gov) 出典
韓国:2026年度海洋水産部予算7兆3,566億ウォン(前年比8.5%増)、海運港湾部門2兆1,373億ウォン(+2.6%)21373億ウォン(海運港湾部門)(2026)韓国海洋水産部(MOF)の2026年度予算は7兆3,566億ウォンで確定し、2025年度の6兆7,816億ウォンから8.5%(5,750億ウォン)増加した。部門別内訳は水産漁村3兆4,563億ウォン(+8.4%)、海運港湾2兆1,373億ウォン(+2.6%)、物流等その他(海洋産業)1兆680億ウォン(+12.1%)、海洋環境4,212億ウォン(+21.7%)、科学技術研究支援 / 大韓民国海洋水産部 出典
IMO:2050年カーボンニュートラル目標を巡る「Net-Zero Framework」の採択投票が2025年10月に1年延期、米国とEU・湾岸産油国が対立63賛成国数(MEPC83, 2025年4月時点の原則合意)(2025)国際海事機関(IMO)は2025年4月のMEPC83で、国際海運からの温室効果ガス排出に対する世界共通の燃料基準+価格付けメカニズム(Net-Zero Framework)を賛成63・反対16・棄権24の単純多数決で原則合意した。しかし2025年10月の第2回臨時MEPC会合では採択投票が57対49で1年延期され、2026年に持ち越された。反対の中心は米国で、価格付けメカニズム / Global Maritime Forum / 国連ニュース(UN News) 出典
IMO:採択延期の続報(国連ニュース) — 2026年再協議の背景と各国の立場国連ニュース(2025年10月)によれば、IMO海洋環境保護委員会(MEPC)の第2回臨時会合は、Net-Zero Framework採択を巡る意見対立を解消できず、投票により会合そのものを1年間休会とすることが決定された(採決は57対49)。同枠組みはMARPOL条約を改正し、船舶からの温室効果ガス排出に世界共通の燃料基準と価格付けメカニズムを導入するもので、国際海運はCO2 / 国連ニュース(UN News) 出典
EU:2025年11月「持続可能な輸送投資計画(STIP)」で航空・水上輸送の脱炭素化投資をクリーン産業ディールの下で動員101.5百万ユーロ(2026年1月締切分の一公募枠)(2026)欧州委員会は2025年11月、EUクリーン産業ディールの一環として「持続可能な輸送投資計画(Sustainable Transport Investment Plan, STIP)」を発表し、航空及び水上輸送(海運)セクターの脱炭素化に向けた資金動員のロードマップを提示した。個別のHorizon Europe運輸分野公募(2026年1月20日締切)では、安全・強靱な輸送とスマー / 欧州委員会 気候・インフラ・環境executive機関(CINEA) 出典
日本:内航海運の担い手構造 — オペレーター1,500者・オーナー1,195者のピラミッド構造が価格転嫁力を制約1500者(内航海運オペレーター数)(2025)国土交通省海事局資料(令和7年度予算概算要求)によれば、内航海運業界は荷主→オペレーター(運送事業者、約1,500者)→オーナー(船舶所有者、約1,195者)という多層構造になっており、内航海運事業者の99.7%が中小事業者である。この構造的な交渉力の弱さが、船価・船員費の高騰を運賃に十分転嫁できない要因とされ、令和6年6月から「安定・効率輸送協議会」(鉄鋼部会・石油製品部会・ / 国土交通省海事局 出典
日本:制度整備予算は補正込み5700万円57百万円(2026)国土交通省の令和8年度海事局予算では、「自動運航船の普及に向けた制度整備」は当初予算38百万円、令和7年度補正19百万円、合計57百万円。前年度当初51百万円から当初ベースでは25%減であり、巨額の技術開発補助より、2030年頃の商用運航を見据えた安全基準、検査方法、乗組み体制など制度実装に重点を置く。日本の公的支援は民間実証を前提に、政府が認証・ルール形成を担う分業型と読める / 国土交通省海事局 出典
日本:制度予算は2年連続横ばい後に縮小51百万円(2024)令和6年度の「自動運航船の実用化に向けた環境整備」予算は51百万円で、前年度も51百万円。既存法令の検証、安全基準・検査手法の整備、国際ルール策定への対応を対象とした。令和8年度当初38百万円との比較では約25%縮小しており、政策フェーズが基礎的な制度検討から、補正予算も使う商用化直前の具体的制度整備へ移った可能性を示す。ただし技術開発費を含む総額ではなく、制度整備費のみの比較 / 国土交通省海事局 出典
韓国:自律運航船R&Dに1603.2億ウォン1603.2億ウォン(2020)韓国海洋水産部と産業通商資源部は2020~2025年の自律運航船技術開発事業に総事業費1603.2億ウォンを設定し、うち国費は1196.64億ウォン。政府負担は総額の約75%で、IMOレベル3相当の自律・遠隔運航コア技術、実証、制度革新を一体化した国家R&Dである。日本の制度整備単独予算より桁が大きく、造船・舶用機器の輸出競争力と国際標準主導を同じプログラム内で狙う「技術開発主 / 韓国海洋水産部 出典
英国:スマート船舶FSに800万ポンド8百万ポンド(2024)英国運輸省は2024年、Smart Shipping Acceleration Fundとして800万ポンドを投入。自動運航船、AI、ロボティクス等を用いるスマート船舶・港湾技術の実現可能性調査を対象とし、採択者にもマッチング資金を求める。大型実証へ直ちに全額補助するのではなく、官費で初期リスクを下げつつ民間資金を呼び込み、安全性・運航効率・脱炭素の複数便益を審査する設計で、商 / UK Department for Transport 出典
英国:規制サンドボックスに100万ポンド1百万ポンド(2020)英国政府はMaritime Autonomy Regulation Lab(MARLab)設置に100万ポンドを拠出。MCAが窓口となり、英国水域でのMASS試験を可能にする法令レビュー、政府データ活用、従来規制では扱いにくい自律・スマート船舶の新たな規制手法を開発した。技術補助とは別に規制能力へ専用資金を付ける点が特徴で、試験から認証・市場投入までの予見可能性を産業インフラと / UK Maritime and Coastguard Agency 出典
ノルウェー:Yara自律船に1.33億NOK133百万NOK(2020)alive_blockedノルウェー政府はEnovaを通じ、電動・自律コンテナ船Yara Birkelandの建造に1億3300万ノルウェークローネを支援した。単なる自律航行アルゴリズム研究ではなく、実船、電動化、陸上監視、物流転換を束ねた商用スケールの実証に公費を投入している。脱炭素便益を補助根拠にしながら自動運航の需要を創出するため、環境予算を船舶DXの初期市場形成に接続するノルウェー型の産業政策と / Norwegian Government 出典
ノルウェー:ASKO海上ドローンに1.19億NOK119百万NOK(2020)alive_blockedEnovaはASKOのオスロフィヨルド自律輸送チェーンに1億1900万ノルウェークローネを投資支援。2隻の無人電動貨物船を陸上センターから監視し、1日150台、年間約5万台のトラック輸送を代替する計画である。船単体の研究ではなく、荷主の確定貨物、遠隔運航、両岸物流まで統合した案件を支援することで利用率リスクを抑え、反復可能な短距離自律航路の事業モデルを政策的に作る点が競争優位と / Norwegian Government 出典
シンガポール:海事技術基金は2.5億Sドル超250百万Sドル超(2025)シンガポール海事港湾庁は、海事技術R&Dとスタートアップ育成を支えるMaritime Innovation and Technology Fundに累計2億5000万Sドル超を確保。対象には自律航行、船舶運航デジタル化、海事サイバーセキュリティが含まれ、産学連携と国内開発を条件にエコシステムを形成する。単一の自律船開発ではなく、試験基盤・企業育成・人材・標準化を一つの基金で継続 / Maritime and Port Authority of Singapore 出典
中国:2027年にスマート船100隻超100隻以上(2027)中国の4部門による「智能航運2030行動計画」は、2027年までに3か所以上の総合試験地域、5本以上の試験航路、10件以上の展開可能な典型シナリオ、100隻以上のスマート船運航を目標化。船舶自律化だけでなく、岸側インフラのデジタル化、船岸協調、運行監視、データ・アルゴリズム・サイバーセキュリティの標準整備を同時推進する。公表資料に専用総予算はないため、金額を推定せず導入KPIで / 中国交通運輸部・工業情報化部ほか 出典
EU:遠隔自律オフショア船に1430万ユーロ14.3百万ユーロ(2024)EU Innovation FundはノルウェーのREACHプロジェクトに1430万ユーロを拠出。低排出の自律船とデジタル運航ツールを組み合わせ、作業を船上から陸上の遠隔運航へ移し、既存船で技術を検証後に新造船・船隊展開へ拡大する。10年間で約20万4000トンのCO2回避を見込むため、EUは環境成果を条件に自律・遠隔運航の商用化リスクを引き受ける。単発R&Dより実運用と船隊規 / European Climate, Infrastructure and Environment Executive Agency 出典
AUKUS:海洋自律システム共同開発に最大800万米ドル8百万米ドル(2025)英国・豪州・米国は2025年のAUKUS Maritime Innovation Challengeで、複数の自律型水中システムを同期・協調させる技術に最大800万米ドルを用意した。3〜10件を採択し、2025年11月開始、期間12か月、最低TRL6への到達と多国間海洋演習での実証を求める。対象効果には、異種システム間の協調、通信制約下での任務遂行、共通状況認識が含まれ、三国共 / UK Defence Innovation 出典
カナダ:氷海向け自律船協調航行研究に12.811万加ドル128110加ドル(2021)カナダ国立研究機関は、氷海での自律型水上輸送の運用概念を検証する研究へ12万8,110加ドルを交付した。船上センサーに加え、無人航空機・無人潜水機を遠隔センシングに用い、複数自律エージェントの情報から氷況地図と経路計画を生成し、陸上管制センターへ送信・表示する。研究期間は2021年10月から2024年9月まで。短期成果として、産業・大学・政府の連携強化と研究能力の形成も設定され / National Research Council Canada 出典
米国:自律・遠隔船の試験と運航審査を全国で標準化米沿岸警備隊は2026年6月、無人・自律・遠隔制御の海上運航を審査する新たな業務指示を公表した。非検査対象の無人海洋システム、旅客を扱う非検査船、検査対象船の3類型を定め、港湾長と船舶検査責任者による試験・運航申請の処理を統一する。検査対象船と旅客を扱う非検査船の申請は中央部署へ送付する仕組みとし、地域ごとの判断差を抑制する。安全、サイバーセキュリティ、システム信頼性、人間の監 / United States Coast Guard 出典
カナダ:MASS規制テストベッドを2026年度計画に明記カナダ運輸省は2026〜27年度計画で、Maritime Autonomous Surface Ships(MASS)の規制テストベッドを産業界と実施し、潜在リスク、緩和策、適応型安全監督の方法を検証すると明記した。これは同年度に予定する2件の規制テストベッドの一つで、もう一つは水素・電池駆動機関車を対象とする。MASS試験の成果を国内規制の形成とIMOのMASS Code策定 / Transport Canada 出典
未来洞察・シナリオ22件
IMO2050年GHGネットゼロ戦略と日本の国際海運ロードマップ(2030年20%減目標)20%(2030年GHG排出削減下限目標、2008年比)(2030)国際海事機関(IMO)は2023年7月改定のGHG削減戦略で、国際海運からのGHG排出を2050年前後にネットゼロとする長期目標を採択し、中間目標として2030年までに2008年比で最低20%(努力目標30%)、2040年までに最低70%(努力目標80%)の削減を掲げた。国土交通省はこれを受けて『国際海運2050年カーボンニュートラル』ロードマップを策定し、日本の外航海運会社( / 国土交通省 出典
EU FuelEU Maritime/ETSの段階適用が日本の外航船社にコンプライアンスコストを課すドライバー2%(FuelEU Maritime 2025年GHG原単位削減義務、2050年80%まで逓増)(2025)欧州連合(EU)は2025年1月からFuelEU Maritime規則を完全適用し、総トン数5,000トン以上でEU/EEA域内港湾に寄港する船舶(旗国不問)に対し、燃料のGHG原単位を2025年に2%削減、以降段階的に引き上げ2050年までに最大80%削減する義務を課した。並行してEU排出量取引制度(ETS)は海運を対象に組み込み、2025年は前年(2024年)報告排出量の4 / 欧州委員会 出典
物流2024年問題による内航海運・フェリーRORO輸送量倍増目標という構造的需要ドライバー2倍(鉄道・内航海運の輸送量を10年程度で倍増させる政府目標の倍率)(2033)トラックドライバーの時間外労働規制強化(2024年問題、拘束時間上限が年3,516時間から3,400時間、月293時間から284時間に短縮)を受け、政府は2023年10月の『物流革新緊急パッケージ』で鉄道コンテナ貨物と内航海運(フェリー・RORO船等)の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増させる目標を掲げた。国土交通省はエコシップマーク認定制度や海運モーダルシフト大賞、シャ / マイナビニュース(日本内航海運組合総連合会セミナー報道) 出典
燃料転換シナリオの分岐と日本の次世代船舶(LNG/メタノール+アンモニア)受注シェア30%目標30%(2030年次世代船舶世界受注シェア目標)(2030)国土交通省は『船舶産業の変革実現のための検討会』報告書で、2030年における次世代船舶(LNG・メタン燃料船とアンモニア燃料船の合計)の世界受注量で日本が30%のシェア獲得を目指すシナリオを掲げている。他方、DNVの分析(Alternative Fuels Insight)では2025年の代替燃料新造船受注は前年比47%減の275隻(全体2,403隻)にとどまったが、代替燃料船 / 国土交通省/DNV 出典
自動運航船2030年頃商用化・乗組員半減シナリオと安全基準整備国土交通省は2030年頃までの自動運航船の本格的な商用運航実現を目指し、『自動運航船検討会』を立ち上げて安全基準・検査方法の制度設計を進めている。2025年4月時点の報道では、国が乗組員を通常の半分程度に抑える運航を可能にする安全ルールを整備し、人とシステムの役割分担を明確化した上で運航会社に安全管理体制の構築を求める方針が示された。背景には内航船員数が2万人前後で横ばいながら / 国土交通省 出典
内航未来創造プラン(2017年策定10年計画)の中間評価と船員確保・老朽船代替シナリオ国土交通省は2017年に内航海運の担い手確保・老朽船代替・生産性向上を柱とする『内航未来創造プラン』を策定し、おおむね10年後を見据えた政策を展開してきた。2024年3月にまとめられた進捗状況資料では、策定から5-7年が経過した段階として中間的な評価が行われ、船員の高齢化(50歳以上比率の高止まり)や老朽船比率の高さ、荷役作業の非効率といった構造課題が計画開始時からなお解消され / 国土交通省 出典
DNV代替燃料受注シェア38%(2025年)とコンテナ船偏重・メタノール急減の監視指標38%(2025年新造船受注のGTベース代替燃料船比率)(2025)DNVのAlternative Fuels Insightによれば、2025年の世界新造船市場は全体で2,403隻と2024年の4,405隻から大幅に縮小したが、代替燃料船はGTベースで38%のシェアを維持した。内訳はLNG燃料船が188隻・GT比31%で主導し、コンテナ船セグメントが代替燃料受注の68%(全体GTでも約49%)を占めるなど特定船型への集中が鮮明である。一方でメ / DNV 出典
紅海・スエズ運河迂回の長期化とコンテナ運賃反転上昇の監視(2026年時点なお正常化せず)86%(2025年第4四半期、コンテナ船のスエズ運河通航量 危機前比減少率)(2025)2023年10月以降のフーシ派による商船攻撃を受け、多くの船社が喜望峰経由への迂回を継続している。ジェトロの2026年3月の報告によれば、2025年10月のイスラエル・ハマス停戦を機にAPモラー・マースク等一部船社がスエズ運河への試験的復帰を始めたものの、スエズ運河の通航量は危機前の2023年比で全体6割減(2026年1月時点)、コンテナ船に限れば2025年第4四半期で86%減 / 日本貿易振興機構(ジェトロ) 出典
パナマ運河渇水再発リスクと通航枠変動(2023年最悪干ばつ時に日次36隻→22隻)の監視22隻/日(2023年渇水時のパナマックス船 日次通航枠、平時36隻から削減)(2023)パナマ運河は2023年のエルニーニョに伴う異常渇水で過去100年で最悪水準の水不足に見舞われ、パナマックス船の日次通航枠は渇水前の36隻から同年12月には22隻まで削減された。通航権のオークション落札価格は最大400万ドルに達し、前年同期平均の17万3,000ドルを大幅に上回った。コンテナ船やLNG船などスケジュールに敏感で貨物価値の高い船種は影響を比較的抑えられた一方、バルカ / 日本海事新聞/日本郵船株式会社 出典
代替燃料の『勝者』不確実性(アンモニア/メタノール/LNG/水素の価格・供給網競争)61件(2025年メタノール燃料新造船受注件数、2024年149件から急減)(2025)国際海運の脱炭素燃料は、日本が国家戦略として推すアンモニア(NEDOグリーンイノベーション基金・日本郵船/三井E&S主導で2026年実証運航開始予定)、市場で先行するLNG(2025年の代替燃料新造船のGT比31%・188隻)、2024年に149件あった受注が2025年に61件へ急減したメタノール、実証段階の水素(2027年頃の実証運航開始が目標)という複数の燃料方式が並立競争 / DNV/国土交通省 出典
地政学的チョークポイント(紅海・パナマ・台湾海峡)リスクの持続性・再燃タイミングの不確実性紅海・スエズ運河(フーシ派攻撃)とパナマ運河(渇水)という2つの主要チョークポイントが2023-2026年にかけて同時多発的にリスク化したことで、海運会社は喜望峰迂回・マゼラン海峡迂回といった代替ルートへの依存を高めているが、いずれのリスクも解消時期が見通せない状態が続いている。紅海情勢は2025年10月の停戦を経てもスエズ運河通航量が危機前比6割減(2026年1月時点)にとど / 日本貿易振興機構(ジェトロ)/日本郵船株式会社 出典
2032年、MASS強制コードが市場選別2032年(強制コード発効予定)(2032)【Driver】IMOは非強制MASSコードを2026年7月に発効し、2030年までの強制コード採択、2032年1月の発効を予定する。【Scenario/H2】船社の調達基準は単体機器性能から、船・通信・陸上センターを束ねた安全ケースへ移行し、船級・検証企業の交渉力が増す。【Watch】2026年末の経験蓄積枠組み、2028年のSOLAS改正案。【Uncertainty】各国の / International Maritime Organization 出典
日本は実証から商用運航の学習競争へ4隻(2026)【Driver】MEGURI2040の4実証船は国交省検査に合格し、2026年3月までに自動運航船として商用運航を開始した。【Scenario/H1】競争軸はデモ成功から、実貨物・実ダイヤでの介入頻度、欠航率、保険条件、運航費の継続改善へ移る。既存船改造と新造船を同時に扱える統合者が優位になる。【Watch】重大インシデント、遠隔支援人数、追加採用船。【Uncertainty】 / Mitsui O.S.K. Lines 出典
2040年、内航の半数自動化は運航網勝負50%(内航海運への導入目標)(2040)【Driver】日本財団は2040年に内航海運の50%へ自動運航を導入する目標を掲げる。【Scenario/H3】達成には船ごとの自動化販売より、複数船を束ねるFOC、衛星通信、保守、訓練を月額・航海単位で提供する運航基盤型モデルが主流になる。船員不足の深い定期航路から浸透する。【Watch】自動運航比率、FOC一拠点当たり支援隻数、改造費。【Uncertainty】船員制度と / The Nippon Foundation 出典
FOCは一船一席から複数船の例外処理へ4隻(2拠点での支援計画)(2025)【Driver】MEGURI2040では恒設・移動式の2拠点から4隻を支援し、移動式FOCは災害時にも退避可能な約7mの設備として実装された。【Scenario/H1-H2】遠隔運航の採算は常時操船ではなく、船側自律と陸側の例外処理を組み合わせ、一人・一拠点が安全に扱える船数で決まる。冗長拠点と通信切替が参入条件になる。【Watch】同時支援隻数、介入時間、通信断時挙動。【Un / The Nippon Foundation 出典
レベル4は限定航路から横展開する2026年(定期商用運航開始)(2026)【Driver】新造コンテナ船GENBUは限定された運航領域でレベル4相当を実現し、2026年1月30日に一般貨物を載せた定期商用運航を開始した。【Scenario/H1】全面無人化より、固定航路・既知港・明確な気象限界を持つODD型導入が先行する。勝者は港ごとの離着岸データと例外事例を再利用できる企業となる。【Watch】認証ODDの拡張、手動介入率、他航路採用。【Uncer / The Nippon Foundation 出典
サイバー適合が自動運航の設計原価化2024年(適用開始)(2024)dead【Driver】IACSのUR E26/E27改訂版は2024年7月1日以降に建造契約される新造船へ適用され、船全体と搭載機器のサイバーレジリエンスを標準化する。【Scenario/H1-H2】接続性の高い自動運航船では、セキュリティは後付け製品でなく、造船所・機器メーカー・FOCを横断する設計、試験、更新証跡の原価になる。【Watch】船級指摘、脆弱性修正時間、既存船への波及 / International Association of Classification Societies 出典
2028年VDESが認証付き航行データ層へ2028年(発効予定)(2028)【Driver】IMOはAIS代替となるVDESを制度化し、2028年1月の発効を予定する。VDESは地上・衛星を使い、AISより高い伝送速度と可用性・安全性を持つ。【Scenario/H2】自動運航の船陸・船間連携は、位置表示から認証付きデータ交換へ拡張し、航路提案、警報、港湾連携の共通層になり得る。【Watch】搭載義務、端末価格、港湾側整備、認証運用。【Uncertain / International Maritime Organization 出典
遠隔運航人材が新たな供給制約になる7付属資料数(2023)【Driver】EMSAはMASSで自動化が進んでも人間の役割は残り、遠隔運航者には変化した職務に対応する新しい能力と訓練が必要と整理した。【Scenario/H1-H2】船員不足を単純に解消するのでなく、海技資格、複数船監視、サイバー、ヒューマンファクターを併せ持つROC人材へ不足が移る。訓練・認証・シミュレーターがボトルネック市場になる。【Watch】資格要件、訓練時間、離 / European Maritime Safety Agency 出典
運航データ標準がアプリ選別を加速【Driver】IoS-OPは船上データを陸上センターへ送り、運航監視・性能分析アプリで利用し、船上サーバーとアプリの接続確認結果も公開する。【Scenario/H1-H2】船舶DXの価値は閉じた監視盤から、標準接続されたデータ上で複数アプリを比較・交換する構造へ移る。機器売切り企業はデータ可搬性を求められ、船社はベンダーロックインを下げられる。【Watch】接続確認組合せ、参 / Ship Data Center / ClassNK 出典
AI航法は性能より保証可能性で淘汰750000英ポンド(2025)【Driver】DNVはAI自律航法の安全保証枠組み開発へ4年間・75万ポンドの共同研究を開始し、別実証ではカメラ・レーダー・AIS統合の複雑性を既存安全枠組みで扱えないと指摘する。【Scenario/H2】高精度モデル単体より、試験シナリオ、説明可能な介入判断、更新後の再認証を揃える企業が採用される。【Watch】船級ノーテーション、要求テスト数、更新承認期間。【Uncert / DNV 出典
事故責任の再配分が統合モデルを選別する【Driver】IMOの法務ギャップ分析は、遠隔運航者、遠隔管制センター、ネットワーク提供者、システム開発者という新たな主体を挙げ、船主の厳格責任を維持しつつ責任集中・代位・免責の十分性を検討課題とした。【Scenario/H2】商用化が進むほど、機器売切りより事故ログ、更新証跡、保険引受に耐える責任分界を一体提供する統合者が優位になる。【Watch】強制コードの責任条項、保険 / International Maritime Organization 出典
注目シグナル・弱信号24件
IMOネットゼロ枠組み採択が2026年10月へ再延期、米中の立場転換で不確実性増大2026年(再協議予定・ETA)(2026)国際海事機関(IMO)は2025年4月のMEPC83で承認した外航海運の「ネットゼロ枠組み」(燃料規制のGlobal Fuel Standardと炭素価格メカニズムの2本柱、2050年ネットゼロ目標)について、2025年10月の臨時総会で正式採択の是非を問う採決を行ったが、サウジアラビア提案の1年延期動議が賛成57・反対49・棄権21で可決され、再協議は2026年10月へ持ち越 / 国際海事機関(IMO) 出典
MEGURI2040:内航船4隻が自動運航船認証を取得し商用運航を開始(2026年3月)53社(DFFAS+コンソーシアム参画企業数)(2026)日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」第2ステージで、国内企業53社が参画するDFFAS+コンソーシアムが開発した新造内航コンテナ船「げんぶ」(700TEU型・鈴与海運運航)、離島航路旅客船「おりんぴあどりーむせと」(国際両備フェリー)、既存RORO船「第二ほくれん丸」(川崎近海汽船)など実証船4隻すべてが2026年3月27日までに国土交通省の船舶検査で「自動 / 株式会社商船三井(日本財団MEGURI2040プロジェクト) 出典
内航船員、令和6年で最多水準に回復も高齢化と若年定着率低下が併存21586名(内航船員数・令和6年10月時点)(2024)日本内航海運組合総連合会によると、内航船員数は令和6年(2024年)10月時点で21,586名(前年比+161名)と平成25年度以降で最多水準まで回復した一方、年齢構成は50歳以上が5割近くを占め高齢化が続いている。国土交通省資料では内航船員の有効求人倍率が4〜5倍に達し、陸上職(1.2〜1.3倍)や自動車運転者(2〜3倍)を大きく上回る逼迫度を示す。加えて新人内航船員の30歳 / 日本内航海運組合総連合会 出典
硬翼帆式風力推進、外航の量産計画と内航へのリース普及が同時進行80隻(ウインドチャレンジャー搭載目標・2035年)(2035)商船三井は硬翼帆式風力推進装置「ウインドチャレンジャー」を2030年までに外航ドライバルク船25隻、2035年までに80隻へ搭載する計画を掲げており、既に竣工した実証船では燃費改善効果が確認されている。並行して子会社の商船三井テクノトレードは、初期投資負担を抑えられる可搬型帆「VentoFoil(コンテナ型)」を内航セメント船向けにリース方式で提供しており、2025年3月に国内 / 株式会社商船三井 出典
紅海迂回が「一時的混乱」から「恒常的ルート」へ構造転換(2026年時点)15日(喜望峰迂回による追加リードタイム上限)(2026)日本貿易振興機構(JETRO)によれば、2026年3月時点でも紅海・スエズ運河の通航量に大きな回復は見られず、主要コンテナ船社は喜望峰経由への迂回を継続している。喜望峰ルートは紅海ルートに比べて日本-欧州間のリードタイムを10〜15日程度押し上げ(25〜50日から40〜65日へ)、これが世界の実質船腹供給を継続的に圧迫する構造要因となっている。2026年1月には情勢の落ち着きを / 日本貿易振興機構(JETRO) 出典
パナマ運河は水位面で回復もLNG船通航は渇水前水準を7割超下回りエルニーニョ再監視73%(LNG船通航が渇水前水準を下回る割合)(2026)パナマ運河庁(ACP)によれば、2026年2月にガトゥン湖水位が88.9フィートまで上昇し予備放流を実施するなど、2023〜24年の記録的渇水からの水位回復は明確である。2025会計年度の総通航隻数は13,404隻(前年比19.3%増)、2026年1月には1日平均33.84隻まで戻したが、ACP幹部は「渇水前の通航水準には全カテゴリで戻っていない」と認めており、特にLNG船の通 / gCaptain(パナマ運河庁ACPデータに基づく報道) 出典
EU ETS海運適用が2026年に100%へ拡大、FuelEU Maritimeと二重負担が本格化100%(EU ETS海運分野の対象排出量比率・2026年1月以降)(2026)2026年1月から欧州連合排出量取引制度(EU ETS)の海運分野適用は2025年の70%段階導入から対象排出量の100%へ引き上げられ、5,000総トン以上の船舶を対象にCO2に加えメタン・亜酸化窒素も新たに算定対象へ加わる。並行して2025年1月に発効したFuelEU Maritime規則は、船舶エネルギーの温室効果ガス(GHG)強度について2020年基準値91.16gCO / DNV(船級協会) 出典
コンテナ船アライアンス4極再編でGeminiの高信頼性とPremierの遅延が明暗を分ける5.9日(Premier Allianceの平均遅延・2026年1月時点)(2026)alive_blocked2025年2月にMSC・マースクの「2M」体制が解消され、マースク+ハパックロイドの「Gemini Cooperation」、ONE・陽明海運・HMMの「Premier Alliance」、既存の「Ocean Alliance」、単独運航のMSCという4極構造へ移行した。Seatrade Maritimeの2026年分析では、ハブ&スポーク型で運航するGemini Cooper / Seatrade Maritime 出典
SCFIが10週連続上昇し3,326.87ポイントへ、2026年下期の需給逼迫を予兆3326.87ポイント(SCFI総合指数)(2026)2026年に入り上海発コンテナ輸出運賃指数(SCFI)は10週連続で上昇し3,326.87ポイントに達した(前週比+2.69%)。極東-北米西岸航路は40フィートコンテナ当たり6,630ドル(前週比+9.27%)、東岸航路は8,296ドル(+12.35%)まで急騰し、船舶仲介クラークソンズの分析では2024年夏の高値をわずか13%下回る水準まで運賃が回復した。背景には米国の新関 / BigGo Finance(上海航運交易所SCFIデータに基づく報道) 出典
国産アンモニア燃料エンジン搭載のアンモニア輸送船AFMGCが2026年11月竣工へ加速2026年11月(AFMGC竣工予定・ETA)(2026)日本郵船・ジャパンエンジンコーポレーション・IHI原動機・日本シップヤードの4社は、国産アンモニア燃料エンジンを搭載した世界初のアンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC: Ammonia-fueled Medium Gas Carrier)の建造契約を2023年12月に締結し、NEDOグリーンイノベーション基金事業の支援を受けて2026年11月の竣工を目指す開発が本格化してい / 株式会社IHI 出典
水素燃料の大型商船エンジンで世界初のフルスケール混焼運転、2028年度から実証運航へ95%以上(100%負荷時の水素混焼率)(2026)ジャパンエンジンコーポレーションと川崎重工業は、NEDOグリーンイノベーション基金事業のもと、商船三井・商船三井ドライバルク・尾道造船・日本海事協会の協力を得て、水素を燃料とする純国産の大型低速2ストロークエンジン(6UEC35LSGH)の開発を進めており、2026年に実際の船舶に搭載するフルスケールエンジン初号機での全筒水素燃料混焼運転を世界で初めて開始した。現時点で100% / 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション/株式会社商船三井 出典
MASSコード、任意適用から強制化へ2032強制発効年(2032)弱信号:IMOは2026年5月、遠隔・自動運航貨物船の設計、接続性、陸上運航センター、サイバーセキュリティ等を対象とする初の非強制MASSコードを採択し、7月1日に発効させた。モメンタムは、2026年12月の経験蓄積枠組み策定、2028年の強制コード開発、2030年7月までの採択へ段階化。ETAは強制発効が2032年1月1日で、船級・旗国承認対応の先行投資期限が可視化した。 / International Maritime Organization 出典
認証付きVDESがAIS spoofing対策へ2028規則発効年(2028)弱信号:IMOはAISの代替となるVHF Data Exchange System(VDES)を規制枠組みに導入する決議を採択した。VDESは船陸間データを高速・大容量・高セキュリティで交換し、認証追加により位置情報spoofingリスクを下げる。モメンタムは性能基準改訂と船上運用ガイド承認が同時に完了。ETAは新規則の発効見込みが2028年1月1日で、自動運航の信頼できる通信 / International Maritime Organization 出典
日本でレベル4相当4隻が商用認証4隻(2026)弱信号:MEGURI2040第2ステージの実証船4隻すべてが国土交通省の船舶検査に自動運航船として合格し、2026年3月に商業運航を開始した。旅客船、新造コンテナ船、既存RORO船、既存コンテナ船という異なる船型・航路でレベル4相当を実装。モメンタムは単発実験から国の検査を通過した日常運航へ移行した点にあり、ETAは既に商用段階。国内内航で横展開可能性を測る先行指標である。 / 商船三井 出典
既存船改造と複数船陸上支援が成立2陸上支援拠点(2026)弱信号:MEGURI2040は新造船だけでなく、96.81m・245TEUの「みかげ」など既存船へのレトロフィットで自動運航認証を取得した。衛星・携帯回線を冗長化し、常設・移動型の2拠点から用途の異なる複数船を同時支援する構成も実証。モメンタムは船単体販売から船上・通信・陸上支援の統合運航モデルへ移行。ETAは2026年に商用運航済みで、既存内航船の改造市場が新造待ちより早く形 / 商船三井 出典
自律操船が40隻一括導入へ大型化40隻(2026)弱信号:HD Hyundai系Avikusは2026年1月、HMMの大型商船40隻へHiNAS Controlを供給する契約を締結した。同社によれば単一契約で業界最大で、レトロフィット型自律航行ソリューションの累計供給は大型商船100隻を超える。認識・判断支援だけでなく能動操船を行うLevel 2が対象。モメンタムは実証・1隻導入から船隊単位調達へ転換、ETAは契約済みで、船主 / Avikus 出典
24m無人船が支援船なし商用作業へ24m級(2025)弱信号:Reach Subseaは2025年10月、24m級USV「Reach Remote 1」を支援船なしで完全遠隔運航する営業許可をノルウェー海事当局から取得した。4月以降は支援船を伴い安全性を実証していたが、許可後はShellのOrmen Lange海域で単独作業へ移行。モメンタムは監視付き実証から顧客案件での無支援運航へ進展し、最終認証フェーズに入った。ETAは即時商 / Reach Subsea 出典
無人オフショア船、4隻体制へ増産620百万NOK(2027)弱信号:Reach Subseaは既に商用運航中のReach Remote 1・2に続き、同型USV 3・4をKongsberg Maritimeへ発注した。2隻の商用運航準備後投資額はEU支援控除後で約6.2億ノルウェークローネ、銀行融資が投資の3分の2をカバーする。モメンタムは技術実証から外部資金を伴う複数船増産へ移り、Equinor、TotalEnergies、Shell / Reach Subsea 出典
英国が遠隔操船者資格の試行開始2025試行開始年(2025)弱信号:英国MCAは2025年6月、MASSの当直を担う遠隔操船者向けに、訓練記述、運用・管理能力表、訓練記録簿からなる任意の資格認証パイロット枠組みを公表した。業界・学術界と共同で標準能力・経験水準を設定し、実運用のフィードバックで改訂する。モメンタムは船体・システム承認から陸上人材の資格標準化へ論点が移動。ETAは試行中で、英国市場参入者は正式制度化前から訓練設計を合わせる / UK Maritime and Coastguard Agency 出典
英国MiniMASSは比例規制へ分岐2.5m未満(2024)弱信号:英国MCAは全長2.5m未満のMASSに、一定条件下でMCA等の船舶証書なしに運航できる一般免除を設定した。一方、24m未満の遠隔無人船にはWorkboat Code Edition 3による検査・証書ルートを用意し、従来の案件別評価と並ぶ複線的な承認経路を形成。モメンタムは大型商船の包括規則を待たず、小型用途をサイズ別の比例規制で先行開放。ETAは一般免除が2024年 / UK Maritime and Coastguard Agency 出典
船級サイバー要件が新造契約日に直結2024適用開始年(2024)弱信号:IACSは船全体のサイバーレジリエンスUR E26と船上システム・機器向けUR E27を大幅改訂し、2024年7月1日以降に建造契約する新造船へ適用した。船種・サイズ別に強制/非強制適合を区分し、統一された船級検査へ組み込む。モメンタムは任意の船社対策から、調達仕様・機器設計・検査証跡を束ねる供給網要件へ移行。ETAは既に適用中で、自動運航機器ベンダーの受注条件になり得 / International Association of Classification Societies 出典
船級が大型船隊の陸上移管を先行承認2024適合承認年(2024)弱信号:DNVは2024年、Ocean Infinityの遠隔支援船運航にStatement of Complianceを付与し、大型船で必要な技術・運航標準に到達した初の船隊と位置付けた。これにより船上業務の陸上移管開始が可能になった。同時に自律・遠隔船向けAROS船級符号を、機能要件とリスクベース評価で整備。モメンタムは個船の概念承認から船隊運用・陸上業務設計の適合評価へ拡 / DNV 出典
遠隔運航センターが船級の設計承認対象へ2025年(2025)日本海事協会は2025年10月、サムスン重工業の陸上遠隔監視システムSROCに基本設計承認(AiP)を発行した。船そのものではなく、陸上側の遠隔運航基盤が船級審査の対象になった弱信号である。同協会のガイドラインは遠隔制御システムの安全要件と評価手法を規定しており、実船搭載前の設計段階から第三者保証が組み込まれ始めた。競争軸が自律航行アルゴリズム単体から、通信・監視・保守を含む認 / 日本海事協会(ClassNK) 出典
英国で無人作業船の型式認証経路が立ち上がる2025年(2025)Lloyd’s Registerは、英国MCAのWorkboat Code Edition 3に基づき、遠隔操縦無人船(ROUV)の認証を発行できる最初の認証機関として2025年に承認された。単発実証の許可ではなく、無人作業船を反復的に市場投入するための適合性評価経路が形成された弱信号である。既存のLR無人海洋システム規則との二重認証も推奨され、機器メーカーと運航者には設計初期 / Lloyd’s Register 出典
産業構造・集中度42件
内航海運事業者2,939社、資本金3億円未満・個人が92.8%を占める零細分散構造2939事業者数(内航海運)(2025)日本内航海運組合総連合会によると、内航海運事業者数は令和7年(2025年)3月31日現在2,939社(うち休止等248社を除く営業事業者2,691社)。登録事業者(1,753社=運送731・貸渡847・船舶管理175)と届出事業者(938社=運送612・貸渡324・船舶管理2)に分かれる。資本金規模別では3億円未満及び個人の事業者が全体の92.8%、うち資本金5,000万円未満 / 日本内航海運組合総連合会 出典
内航海運は1967年からの船腹調整規制→2021年終了の暫定措置事業を経て「規制発の成熟」構造が定着2021制度終了年(船腹調整・暫定措置事業)(2021)内航海運は昭和42年(1967年)からスクラップ・アンド・ビルド方式による船腹調整事業(新造時に旧船解撤を義務づけ供給過剰を抑制)を実施してきた、行政・業界団体主導の需給調整型産業である。平成10年(1998年)にソフトランディング策として暫定措置事業(解撤等交付金制度)へ移行し、平成27年度(2015年度)に主要制度が終了、平成28年度(2016年度)からは環境性能基準・事業 / 日本内航海運組合総連合会 出典
邦船大手3社で国内海運売上高の約88%(CR3)、HHI試算約2,990と「高度に集中」水準87.6%(CR3、2022年度売上高ベース)(2022)業界動向サーチが集計した国内主要海運16社(2022年度実績、売上高合計約5.9兆円=日本郵船・商船三井・川崎汽船・NSユナイテッド海運・飯野海運・ENEOSオーシャン・明治海運・新日本海フェリー・栗林商船・乾汽船等)を分母に、日本郵船2兆6,160億円・商船三井1兆6,119億円・川崎汽船9,426億円の上位3社合計5兆1,705億円を除すとCR3は約87.6%、これにNSユ / 業界動向サーチ(gyokai-search.com)集計データに基づく試算 出典
邦船3社の自社保有船腹は合計684隻・簿価1兆8,080億円、有価証券報告書ベースでも資産集中を裏付け684隻(邦船3社合計保有船腹数)(2024)各社有価証券報告書【主要な設備の状況】(2023年度末=2024年3月末)によると、日本郵船は262隻・簿価6,660億円(ドライバルク120隻/エネルギー船41隻/製品物流船79隻/その他22隻)、商船三井は282隻・簿価8,260億円(ドライバルク46隻/エネルギー船121隻/製品物流船70隻/その他45隻)、川崎汽船は140隻・簿価3,160億円(ドライバルク51隻/エネ / 各社有価証券報告書(Lanes.info集計) 出典
世界コンテナ海運市場のHHIは1,000未満で「非集中」、上位10社で世界船腹の82.2%を占める二層構造1000HHI未満(グローバルコンテナ市場全体)(2024)業界団体World Shipping Councilの分析によると、世界のコンテナ定期船市場は最大手MSCでも船腹シェア18.6%にとどまり、シェア10%超は3社、5%超は7社のみで、上位5社合計でも約60%、上位10社合計で82.2%(残る300社超で17.8%)という「上位集中はしているが独占には遠い」構造。地域別HHIも北欧-米国航路1,508、アジア-北欧航路1,303 / World Shipping Council 出典
日本船主協会会員127社に対し、実質的な事業運営(オペレーター)機能は大手3社+ONEへ極度に集約127会員社数(日本船主協会)(2020)一般社団法人日本船主協会(1947年設立)は100総トン以上の船舶所有者・賃借人・運航業者(日本国籍)を会員とし、2020年6月現在127社が加盟する。会員数だけを見れば外航海運には100社超のプレーヤーが存在するように映るが、その内実は船舶所有(船主)に特化した企業や大手グループの子会社・関連会社が多数を占め、実際に自らの営業力で貨物を集荷し航路を運営する「オペレーター」機能 / 一般社団法人日本船主協会 出典
長距離フェリー業界は2000年の需給調整規制廃止で新規参入が自由化、以後は再編・合従連衡が進行2000需給調整規制廃止年(フェリー事業)(2000)国内旅客船・フェリー事業は2000年10月の需給調整規制廃止により新規参入が可能となり、参入・撤退・事業者間の合従連衡が進んだ。象徴例が商船三井グループで、2001年にブルーハイウェイラインを解散して商船三井フェリーを設立、2011年には関西汽船・ダイヤモンドフェリー・(新設)フェリーさんふらわあの3社を合併するなど、規制緩和後20年余りで大手グループ内の統合が段階的に進行して / 日本海事新聞 出典
2023年10月、商船三井フェリーとさんふらわあ統合で「国内最大」のフェリー・内航RORO事業会社が誕生15隻(商船三井さんふらわあ運航船数)(2023)商船三井は2023年10月1日、傘下の商船三井フェリーとフェリーさんふらわあを統合し「商船三井さんふらわあ」を新設した。新会社は定期航路6航路・運航船15隻を有し、商船三井自身が「国内最大規模のフェリー・内航RORO船事業会社」と位置付けている。フェリー・RORO事業は元来、内航海運の中でも比較的規模の大きい上位プレーヤーが競合する分野だが、本統合により最大手グループの規模がさ / 商船三井 出典
「水上輸送・海運サービス」はセグメント別にライフサイクル段階が分岐する複合構造(内航=規制発の成熟・停滞、外航=市況循環を伴う寡占的成熟、フェリー=規制緩和後の再編期)本産業は単一のライフサイクル段階では説明できない「セグメント別複合構造」にある。内航海運は昭和42年(1967年)以来の船腹調整規制、平成10年(1998年)以降の暫定措置事業を経て令和3年(2021年)に規制自体は終了したが、資本金3億円未満・個人が92.8%を占める零細分散構造(一杯船主中心)が温存され、市場規模の実質的拡大が見込みにくい「規制発の成熟(停滞)期」にある。外 / 自社分析(複数一次資料の統合) 出典
EU ETSの海運適用が2027年に排出量の100%へ拡大し、船隊効率を競争条件へ転換100%(EU ETS対象排出量の償却義務、2027年以降)(2027)EUは2024年から5,000総トン以上の大型船をETS対象とし、EU域内航海・港内排出は100%、EU域外発着航海は50%を算入。排出枠償却義務は2025年40%、2026年70%、2027年以降100%へ段階適用される。燃費の悪い旧船を多く抱える事業者ほど炭素費用が増えるため、従来の船腹量・航路網中心の優位を低炭素船隊の調達力が反転させ得る。取得日: 2026-07-19。 / European Commission, Directorate-General for Climate Action 出典
IMOの2030年排出削減チェックポイントが既存船隊の経済寿命を圧縮20%(国際海運GHG排出量の最低削減率、2008年比)(2030)IMOの2023年GHG戦略は、国際海運の年間GHG排出量を2008年比で2030年までに最低20%削減、30%削減を追求すると定めた。2040年には最低70%、80%削減を追求する。燃料GHG強度基準と経済的措置も候補に含まれ、既存燃料船の改修・減速・早期代替を促すため、資本力と代替燃料船への更新能力が集中度を左右する新しい参入障壁となる。取得日: 2026-07-19。 / International Maritime Organization 出典
発注船腹の約50%が代替燃料対応となり、船隊更新競争が実証・導入段階へ移行50%(発注船腹総トン数に占める代替燃料対応船)(2024)UNCTADによると、2024年初時点で発注中船舶の総トン数の約50%が代替燃料を使用できる設計で、14%超が代替燃料readyに分類された。一方、現役船隊は高齢化しており、隻数ベースで半数超が船齢15年超。燃料選択の不確実性は残るが、代替燃料対応は周辺的な実験から新造船市場の主流仕様へ移行しており、更新投資が遅い既存事業者の競争力低下と船隊再編を誘発し得る。取得日: 2026 / UN Trade and Development (UNCTAD) 出典
自動運航が海運・造船中心の競争境界をAI・通信・遠隔制御企業へ開放3技術領域(自動操船・遠隔操船・自動離着桟)(2025)国土交通省は、フェーズII自動運航船について2025年までの実用化目標を設定し、自動操船・遠隔操船・自動離着桟の3技術をコア技術として実証してきた。運航能力の源泉が船舶保有、船員、航路経験だけでなくAI、センシング、通信、陸上管制へ広がるため、異業種技術企業が運航システム層へ参入し、既存オペレーターの機能をアンバンドルする可能性がある。ただし同フェーズは船員を最終意思決定者とす / 国土交通省 海事局 出典
完全自律船は4段階中の最終段階で、技術より国際制度が普及速度を制約4段階(IMOによるMASS自律度区分)(2021)IMOはMASSを4段階に整理し、第1段階を意思決定支援付き有人船、第2段階を船員乗船の遠隔制御船、第3段階を船員不在の遠隔制御船、第4段階を完全自律船としている。IMOの制度精査では、船長・乗組員・責任者の定義、遠隔管制拠点、消火・保守・捜索救難などに規制上の空白が確認された。したがって、完全無人運航による既存コスト構造の破壊は一足飛びではなく、制度整備に沿った段階的進展とな / International Maritime Organization 出典
原料炭需要は2030年までに53百万トン減少し、ドライバルク貨物構成を構造転換53百万トン(世界原料炭需要の2025~2030年減少量)(2030)IEAは世界の原料炭需要が2025年から2030年に53 Mt減少し、2030年に1,061 Mtになると予測する。中国の77 Mt減少やEU・日本・韓国の合計21 Mt減少を、インドなどの増加が一部相殺する構図である。鉄鋼技術転換と地域別需要移動は、石炭輸送に依存するバルク船社・港湾の航路資産価値を低下させる一方、インド・ASEAN向けネットワークを持つ事業者へ貨物を再配分し / International Energy Agency 出典
自動運転トラックへの政策支援が海運へのモーダルシフト需要を相殺し得る国土交通省の新たなモーダルシフト方針は、鉄道・内航海運の強化と並行して、ダブル連結トラックおよび自動運転トラックの導入促進・関連インフラ整備を掲げる。トラック運転手不足はフェリー・RORO船・内航コンテナ船の追い風だが、陸上幹線輸送の省人化が成熟すれば、海運へ移るはずの貨物を道路側に維持する代替技術となり、内航事業者の需要増加前提を弱め得る。取得日: 2026-07-19。 / 国土交通省 出典
海運のデジタル化が運送契約・需給仲介層への非船主系参入余地を拡大UNCTADは、AI、ブロックチェーン、IoT、自動化が海上輸送の既存プロセスを最適化するだけでなく、新規事業機会を生み、サプライチェーンと貿易地理を変革すると整理している。船腹を保有しないデジタル仲介・データ基盤企業が顧客接点、運賃比較、貨物追跡、配船最適化を掌握すれば、船社の垂直統合価値や情報優位を切り崩し、集中が「船腹保有層」と「顧客・データ支配層」で分離する可能性がある / UN Trade and Development (UNCTAD) 出典
港湾ターミナルは海上輸送本体を上回る高収益プール35.9%(Terminals EBITDA margin)(2024)Maerskの2024年Terminals部門はEBITDAマージン35.9%、EBITマージン29.8%を記録。Ocean部門のEBITDAマージン24.6%、Logistics & Services部門の9.7%を上回り、港湾アクセス・取扱能力がバリューチェーン上の高収益層であることを示す。 / A.P. Moller - Maersk 出典
港湾利益の隠れた源泉は運賃ではなく保管料・料金改定・顧客構成337USD/terminal move(2024)Terminals部門の過去最高益は、取扱量だけでなくインフレ連動の料金引上げ、顧客・サービス構成の改善、米州の混雑関連保管料が寄与。ターミナル収入単価は1 move当たり337ドルへ7.4%上昇した一方、原価は258ドルで2.4%増に抑えられた。船腹を持たない保管・混雑課金とコンセッション型インフラが隠れた利益源になっている。 / A.P. Moller - Maersk 出典
港湾JV・関連会社持分が3.27億ドルの利益源327百万USD(JV・関連会社損益)(2024)Maersk Terminals部門では、連結ターミナル事業の利益に加えて、合弁・関連会社からの持分利益が2024年に327百万ドル発生。港湾権益を完全所有せず、現地パートナーとのコンセッション/JVで収益化する資産ライトな利益層が存在する。 / A.P. Moller - Maersk 出典
統合物流は売上規模に対して薄利で、利益プール化は途上9.7%(Logistics & Services EBITDA margin)(2024)Maersk Logistics & Services部門は2024年売上高149.20億ドルに対し、EBITDAマージン9.7%、EBITマージン3.6%。倉庫、ラストマイル、通関、4PL、デジタル統合は成長領域だが、現状の利益率は港湾ターミナルを大幅に下回り、規模拡大だけでは高収益化しない構造を示す。 / A.P. Moller - Maersk 出典
海上輸送本体の利益は運賃ショックに集中し、平時の安定利益ではない24.6%(Ocean EBITDA margin)(2024)Maersk Ocean部門の2024年EBITDAマージンは24.6%。紅海迂回に伴う供給制約で平均運賃が1 FFE当たり2,698ドルへ16.7%上昇したことが利益改善の主因であり、船舶運航利益は需給・地政学ショックへの感応度が高い。港湾権益や保管料とは利益の質が異なる。 / A.P. Moller - Maersk 出典
邦船会社でも不動産が小規模ながら安定利益を補完8659百万円(Real Propertyセグメント利益)(2023)商船三井の2023年度Real Property部門は総収益443.75億円、セグメント利益86.59億円。一方、Ferries & Coastal RoRo Ships, Cruise部門は総収益642.11億円に対しセグメント利益3.97億円であり、輸送周辺資産の不動産賃貸・管理が本業の低採算領域を補完する利益プールになっている。 / Mitsui O.S.K. Lines 出典
IMO世界共通炭素価格の採択延期が、先行投資の競争条件を再び地域規制依存へ反転12カ月(IMO Net-Zero Framework採択会合の延期期間)(2025)IMO Net-Zero Frameworkは世界共通の燃料基準とGHG価格制度を含むが、2025年10月の採択会合は12カ月延期された。2026年5月時点でも新たな修正案を受け付け、採択再開は同年12月予定にとどまる。世界一律の投資シグナルが後退したため、EU等の地域規制に先行対応できる大手と、規制確定を待つ中小船主の投資時期が分岐する。 / International Maritime Organization 出典
石油製品需要は2027年にピークを迎え、プロダクトタンカーの成長前提が構造転換86.3百万バレル/日(世界の石油精製製品需要ピーク)(2027)IEAは世界の石油精製製品需要が2027年に86.3百万バレル/日でピークに達し、2024年比の増加は71万バレル/日にとどまると予測する。以後はガソリン・軽油の減少がナフサ・ジェット燃料の増加を上回る。これは既存の石炭減少軸とは別に、プロダクトタンカー市場で貨物構成・航路・船型需要の再配置を迫る需要構造転換である。 / International Energy Agency 出典
風力補助推進が100隻超へ到達し、燃料だけでなく推進技術ベンダーが競争力を左右100隻超(風力推進搭載の大型商船、400GT超)(2026)IWSAによれば、風力推進を搭載する400GT超の大型商船は2026年6月に100隻を超えた。実船搭載、第三者検証、商用妥当性確認が進んだことで、風力補助推進は実証中心から商用展開段階へ移行している。燃料価格への依存を下げる代替推進技術であり、船主・造船所中心だった価値連鎖へ帆・ローター・制御システム企業を組み込む構造変化となる。 / International Windship Association 出典
サプライチェーン地域化が長距離基幹航路から域内海運へ需要を再配分UNCTADは、環境配慮と供給網強靱化への需要が、より短く地域中心の貿易を促し、域内海上接続を押し上げ得ると指摘する。これは総輸送量の増減とは異なり、長距離基幹航路のton-mileを抑えつつ、域内フィーダーや短距離航路の重要性を高める構造転換であり、現在の大型船・主要東西航路を軸とする集中構造を侵食し得る。 / UN Trade and Development (UNCTAD) 出典
世界市場CR4は52〜58%52%(CR4下限)(2025)dead2025年の自動運航船市場では、Kongsberg Maritime、Rolls-Royce、Wärtsilä、ABB Maritimeの上位4社が世界売上高の推定52〜58%を占める。公開資料に企業別シェアとHHIはないため、CR4を集中度の代理指標とする。レンジ下限でも過半を超え、航海・制御・機関を統合できる既存舶用システム大手に案件、認証実績、船主接点が集まる「中程度以上 / MarketIntelo 出典
HHIは公開値なし、CR4で代替dead自動運航船市場について、到達確認できた公開ランディングページには算定可能な企業別売上シェアもHHI実数も開示されていない。一方、上位4社合計52〜58%というCR4レンジは明示される。したがってHHIの精密値を創作せず、集中度評価はCR4に限定すべきである。残余42〜48%には造船、航海機器、ソフトウェア、遠隔運航の専門企業が分散し、統合層と部品層で集中度が異なる可能性が高い。 / MarketIntelo 出典
主要企業の観測母集団は21社21社(2026)Research and Marketsの自動運航船市場レポートは、競争分析で21社を掲載する。これは市場の全事業者数ではなく、同一調査定義で比較対象となる主要企業数である。CR4が52〜58%である一方、主要企業が21社存在する構図は、上位の統合プラットフォーム企業と、造船所、センサー、航海機器、遠隔運航、ソフトウェアの専門企業が併存する二層型の産業構造を示す。参入余地はある / Research and Markets 出典
上位5社でも約48%を占有48%(上位5社)(2025)別の市場調査では、自動運航船の世界市場で上位5社が合計約48%を占める。調査会社間で市場境界や推計年が異なるためCR4の52〜58%とは直接統合できないが、複数資料が「少数大手+多数専門企業」の構造を支持する。競争優位は単体アルゴリズムより、既存船への統合、船級対応、航海・機関データ接続、世界保守網に移りやすく、部品ベンダーは大手プラットフォームとの提携が市場アクセスを左右する / Congruence Market Insights 出典
産業段階は導入初期から成長初期産業ライフサイクルは「実証中心の導入初期から、限定商用化を伴う成長初期への移行段階」と判断する。根拠は、2026年にIMOが初の非強制MASSコードを採択した一方、完全無人・遠隔運航船はなお限定的と明記し、2030年までの強制コード採択、2032年発効を予定していること。国際ルール、認証、遠隔運航センターの標準が形成途上であり、量産成熟期ではないが、商用実装を阻む制度的不確実性 / International Maritime Organization 出典
半自動セグメントが77.1%77.1%(2023)alive_blocked2023年の自動運航船市場では、半自動セグメントが売上高の77.1%を占めた。市場の大部分が完全無人船ではなく、既存船に意思決定支援、自動操船、監視、最適運航を段階導入する需要であることを示す。競争の主戦場は当面、新造の完全自律船だけでなく、既存フリートへのレトロフィットと有人運航を残した高度化である。完全自律専業より、既存機器との接続と段階的認証を提供できる企業が収益化を先行 / Grand View Research 出典
統合大手への再編実績1件(買収完了)(2019)Kongsberg Gruppenは2019年4月、Rolls-Royce Commercial Marineの買収を完了した。自動運航の有力ブランド同士が独立競争者のまま残らず、航海、オートメーション、推進・船舶設計などを束ねる総合舶用プラットフォームへ統合された事例である。CR4上位名に旧Rolls-Royce表記が残る調査もあるため、競合社数を単純加算すると実質集中度を過 / Kongsberg Gruppen 出典
日本は51社連合で水平分業51社(2022)日本財団MEGURI2040の第2段階は51社規模のオールジャパン連合で進められ、船社・造船所だけでなく、航海機器、通信、保険、気象、映像、研究機関まで参加する。これは自動運航船が単一完成品メーカーで閉じず、認知、判断、操船、機関監視、陸上支援、リスク移転を横断する補完資産型産業であることを示す。日本市場では企業数の多さが直ちに低集中を意味せず、プロジェクト統合者が多数の専門企 / The Nippon Foundation 出典
商用Level4相当はなお3隻3隻(同事業の商用到達累計)(2026)日本財団系の2026年公表では、定期商業航路で完全自動運航を開始したコンテナ船とRORO船が、MEGURI2040における2隻目・3隻目の到達例とされる。第1段階では5グループが6隻で実証したが、商用化の母数はまだ小さい。実証参加企業が多い一方、継続的な商業運航まで進む船は少数であり、産業は技術供給者の形成が先行し、運航実績と保険・認証データが希少なボトルネックになっている。 / TNF Scholars Association 出典
強制国際コード発効は2032年2032年(強制コード発効予定)(2032)IMOは2026年の非強制MASSコードに続き、2028年に経験蓄積を踏まえた強制コードを開発し、2030年7月までに採択、2032年1月1日に発効する工程を示す。競争構造上、今後約6年は技術性能だけでなく、目標ベース要件を船級・旗国と実証し、遠隔運航センター、接続性、サイバーセキュリティを安全管理体系へ組み込む能力が参入障壁になる。早期実証データを持つ統合大手とコンソーシアム / International Maritime Organization 出典
上位5社の世界市場シェアは65.7%65.7%(2025)Global Market Insightsは、2025年の自動運航船市場でHyundai Heavy Industries、Kongsberg Maritime、Rolls-Royce Marine、Samsung Heavy Industries、Wärtsiläの上位5社が計65.7%を占めたとする。上位7社では79.9%まで上がり、統合型システムを供給できる大手への集中 / Global Market Insights 出典
首位Kongsberg Maritimeの市場シェアは19.9%19.9%(2025)Global Market Insightsによると、2025年の自動運航船市場首位はKongsberg Maritimeでシェア19.9%。同社は航法、センサー、ダイナミック・ポジショニング、遠隔運航を統合した自律化ソリューションを展開する。上位5社合計65.7%に対し首位単独は2割弱であり、単独支配ではなく複数の船舶機器・造船大手が競う寡占型の競争構造と読める。競争優位は単 / Global Market Insights 出典
上位7社で世界市場の79.9%79.9%(2025)Global Market Insightsは、2025年の自動運航船市場においてKongsberg Maritime、Samsung Heavy Industries、Hyundai Heavy Industries、Wärtsilä、Rolls-Royce Marine、ABB Marine、Mitsui E&Sの7社が約79.9%を占めたと報告する。上位5社65.7%との / Global Market Insights 出典
英国スマートシッピング関連企業215社、うち自律船38社38社(2021)英国運輸省のSmart Shipping調査は、英国で関連するスマートシッピング企業を215社特定し、そのうち自律船セグメントで活動する企業を38社とした。対象は自律船、デジタル航法、データ活用などを含む四つの市場区分で整理されている。世界市場シェアが大手へ集中する一方、単一国にも多数の専門企業が存在し、基盤・統合層とニッチ技術層が併存することを示す。企業数の多さは、完成船だけ / UK Department for Transport / London Economics 出典
上位4社の個別シェアは8.2%、7.8%、6.3%、5.9%8.2首位企業シェア%(2024)ReportPrimeの2024年企業ランキングでは、自動運航船市場の上位4社をKongsberg Maritime 8.2%、Rolls-Royce Marine 7.8%、ABB Marine & Ports 6.3%、Wärtsilä 5.9%と掲載する。各社は制御・センサー、推進・自律化、電動化、統合ブリッジと強みが異なり、同じ市場でも技術スタック別に競争軸が分かれる。 / ReportPrime 出典
産業連関・経済波及24件
海事クラスター(海運業・造船業・舶用工業)の産業規模は2023年度で計約11.8兆円11.78兆円(2023)国土交通省海事局『海事レポート2025』巻頭記事によれば、外航海運の産業規模は6.3兆円(運航隻数2,211隻・事業者数176、うちONE=日本郵船・商船三井・川崎汽船の定期コンテナ船統合会社を含む)、内航海運は1.48兆円(運航隻数7,155隻・事業者数3,729、いずれも2023年度)で、海運業合計は約7.78兆円となる。これに造船業3.0兆円(従業員7.0万人・事業者数約 / 国土交通省海事局 出典
独立統計でのクロス検証: 水運業の売上高は2024年実績で7.9兆円(経済構造実態調査)7.9兆円(2024)総務省・経済産業省『2025年経済構造実態調査』一次集計結果(産業横断調査、2026年3月公表、売上高は2024年の数値)によれば、中分類『水運業』の売上高は7.9兆円である。これは国土交通省海事局『海事レポート2025』が示す外航6.3兆円+内航1.48兆円=7.78兆円という別系統の統計(海運業界調べ・法人企業統計等に基づく)とほぼ一致しており、水運業(海運業)の経済規模が / 総務省・経済産業省 出典
内航海運業の営業利益率は2.41%と全産業平均4.6%を大きく下回る低収益構造(令和5年度)2.41%(2023)国土交通省海事局『内航海運の現状と課題について』(令和7年9月)によれば、内航海運業の1社当たり経営状況(令和5年度、法人企業統計・内航海運業報告規則に基づく海事局内航課調査)は、売上高325,202千円に対し営業利益7,832千円、営業利益率は2.41%にとどまり、全産業平均の営業利益率4.6%の半分程度に過ぎない。水運業(海運業)単体の公式な『付加価値率』の直接公表値は確認 / 国土交通省海事局 出典
内航海運のコスト構造: オペレーターは用船料が4割、オーナー・船舶管理業者は船員費が中心の労働集約型国土交通省海事局調べ(内航海運業報告規則に基づく令和5年度調査、内航海運業収益が収益の70%以上の会社のみ集計)によれば、内航海運事業者のコスト構成はオペレーター(兼業含む)で用船料等が約41%・燃料費が約16%を占め、オーナー(オペレーターとの兼業を除く)では船員費が約40%・船舶減価償却費が約17~18%、船舶管理業者(兼業を除く)では船員費が約70%に達する。これは付加価 / 国土交通省海事局 出典
我が国貿易量の99.6%(重量ベース)は海上輸送が担い、日本商船隊が輸送比率66.9%を占める99.6%(2018)国土交通省の資料『外航海運の現状と課題』によれば、我が国の貿易に占める海上輸送の割合は重量ベースで99.6%(2018年、財務省貿易統計・海事局調べ)であり、残り0.4%が航空輸送である。さらに日本商船隊(我が国の外航海運企業が運航する2,000総トン以上の外航商船群)は、日本の輸出入貨物のうち輸出48.7%(7,872万トン)・輸入70.7%(5億3,617万トン)・輸出入合 / 国土交通省海事局 出典
2024年の日本の貿易総額は輸出107兆912億円・輸入112兆4,237億円で過去最大の輸出額を記録219.5兆円(2024)財務省貿易統計(確定値)によれば、2024年(暦年)の日本の輸出額は前年比6.2%増の107兆912億円で1979年以降過去最高となり、輸入額は112兆4,237億円(前年比+2.0%)、差引の貿易収支は5兆3,325億円の赤字で4年連続の赤字となった。歴史的な円安が輸出額を押し上げたほか、半導体等製造装置の輸出が4兆4,962億円(前年比27.2%増)と大きく伸びた。前述の通 / 財務省(関税局) 出典
国際収支上の輸送サービス収支は2021~2024年に一貫して赤字、2024年は48億ドルの赤字-48億ドル(2024)ジェトロ『世界貿易投資報告2025』(原典は財務省国際収支統計)によれば、日本の輸送サービス収支(海上輸送・航空輸送等を含む)は、2021年に69億ドル、2022年に71億ドル、2023年に46億ドル、2024年に48億ドルの赤字で推移しており、2022年の運賃高騰期をピークに縮小したものの、直近では再び赤字幅が拡大に転じている。日本商船隊の海上荷動き輸送シェアが長期的に低下傾 / 日本貿易振興機構(ジェトロ)/財務省国際収支統計 出典
川上産業への波及: 造船業(産業規模3.0兆円・従業員7.0万人)と舶用工業(1.0兆円・4.6万人)が海運の新造船発注により連動3兆円(2023)国土交通省海事局『海事レポート2025』によれば、海運業(外航6.3兆円・内航1.48兆円)を中核として、その川上に位置する造船業(産業規模3.0兆円・従業員7.0万人・事業者数約900、2023年度)、舶用工業(産業規模1.0兆円・従業員4.6万人・事業者数約800、2021年)が有機的に連携する『海事クラスター』を形成している。日本は中国・韓国と並ぶ造船大国であり、高い労働 / 国土交通省海事局 出典
川下産業への波及: 内航海運は国内貨物輸送の約4割・産業基礎物資輸送の約8割を担う不可欠なライフライン40%(2023)国土交通省の各種資料によれば、内航海運は国内貨物輸送量全体の約4割を担い、鉄鋼・石油製品・石油化学製品などの産業基礎物資輸送に限れば約8割のシェアを占めるとされ、鉄鋼業・石油精製業・石油化学工業といった川下(荷主)産業の生産活動を物流面から直接支える不可欠なインフラとなっている。実際、内航海運業界と荷主業界(日本鉄鋼連盟製品物流小委員会、石油連盟海運専門委員会、石油化学工業協会 / 国土交通省海事局 出典
外航海運は売上高の87.2%がドル建てで、為替変動が経済波及の振幅を増幅する構造的リスク(2016年時点)87.2%(2016)日本船主協会の説明資料(2016年7月)によれば、わが国外航海運の全売上高に占めるドル建て金額の比率は87.2%に上り、他産業と比較して為替レートの影響を非常に受けやすい業種であるとされる。この構造は今日でも定性的に維持されているとみられ、実際、外航海運大手3社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)の経常損益は平成27年3月期から平成31年3月期にかけて大きく変動し、船腹過剰による運 / 日本船主協会 出典
自動運航船の世界売上規模6.04十億米ドル(2023)alive_blocked自動運航船市場は2023年60.4億ドル。船体全体ではなく、自律航行を成立させるシステム・ソフトウェア、センサー統合、対応構造物の売上を含む産業売上の代理値である。世界GDPへの直接寄与を示す付加価値額ではないためGDP寄与との同一視は禁物だが、2030年134.1億ドルへの拡大は、航海機器、通信、制御ソフト、認証サービスへの川上需要が倍増級となることを示す。 / Grand View Research 出典
2030年までの産業売上増分7.37十億米ドル(2023年比増分)(2030)alive_blocked同一定義の世界市場は2023年60.4億ドルから2030年134.1億ドルへ拡大見込みで、売上増分は73.7億ドル、約2.22倍となる。これはGDP増分ではなく市場調査会社の売上予測だが、経済波及の起点としては、レーダー・LiDAR・カメラ、通信、遠隔運航センター、統合・保守、船級認証へ追加発注が流れる規模を示す。投資判断では市場全体より、これら川上工程別の獲得可能額への分解が / Grand View Research 出典
半自律が価値連鎖の主戦場77.1%(市場売上構成比)(2023)alive_blocked2023年の自動運航船市場では半自律型が売上の77.1%を占めた。完全無人船よりも、既存船へ追加する衝突回避、航路最適化、状況監視、人間の介入を残す制御系が当面の経済価値の中心である。したがって川上ではセンサー・航海機器・統合ソフト、川下では改造、訓練、保守、船級・保険対応に波及しやすい。新造の完全自律船だけを市場母数にすると、現時点の付加価値機会を大幅に過小評価する。 / Grand View Research 出典
英国MAS企業の売上規模1.259十億英ポンド(回答企業単純集計)(2020)英国の海洋自律システム(MAS)企業33組織を対象とした2020年調査では、回答企業のMAS関連売上を単純集計すると12.59億ポンドで、2018年比23%増、2016年比185%増だった。対象には自律船プラットフォームだけでなくセンサー製造、サービス、利用者等が含まれ、船舶自律化の川上・川下を横断する実売上の観測値である。回答数が年ごとに異なるため、成長率は市場全体の時系列と / Society of Maritime Industries Maritime Autonomous Systems Group 出典
英国MASの輸出依存度15%(輸出比率50%超の回答企業割合)(2020)英国MAS調査では、回答企業の15%がMAS売上の過半を海外売上と回答し、2018年の13%から上昇した。一方、輸出額そのものは開示されておらず、12.59億ポンドの総売上に15%や50%を機械的に掛けることはできない。輸出市場では欧州を重要とした回答が88%、主市場とした回答が27%であり、英国の自律船・海洋自律システム産業は国内需要だけでなく欧州向け機器・サービス輸出に波及 / Society of Maritime Industries Maritime Autonomous Systems Group 出典
輸入金額は独立統計なし確認できた政府・業界資料には、自動運航船・船舶DXに限定した輸入金額の公表値がない。英国MAS調査は海外売上比率を把握する一方、輸入調達額を設問・集計していない。船舶、レーダー、通信機器などの関税分類は自律・非自律用途を分離しないため、一般船舶や汎用電子機器の貿易額を代入すると対象産業を過大計上する。輸入依存度の把握には企業調達明細または用途別HS細分化が必要であり、現状は金額 / Society of Maritime Industries Maritime Autonomous Systems Group 出典
付加価値率は売上から算定不能英国MAS調査が示す12.59億ポンドは売上高であり、中間投入を控除した粗付加価値(GVA)ではない。調査には人件費、外部調達、減価償却等の内訳がなく、自動運航船・船舶DX固有の付加価値率は算定できない。製造37%、サービス18%、システム利用18%、代理・流通15%、学術12%と業態が混在するため、一般的な海事産業のGVA率を一律適用するのも不適切である。投資評価では業態別の / Society of Maritime Industries Maritime Autonomous Systems Group 出典
無人化の25年コスト便益4.3百万米ドル(25年現在価値差)(2021)英国運輸省の自動運航規制影響評価は、無人自律船の25年間の保有コスト現在価値が有人船より430万ドル低いとの研究結果を引用する。燃料、乗組員向け物資、給与の削減が源泉で、船主の直接便益から運賃低下を通じて荷主・最終需要家へ波及し得る。一方、乗組員消費・雇用は縮小し、遠隔運航、通信、サイバー防御、保守へ付加価値が移転するため、単なる純増ではなく産業間の再配分として評価すべきである / UK Department for Transport 出典
無人船の輸送原価22%低下22%(輸送コスト低下)(2018)IMOで公表されたRolls-Royceの2万DWT一般貨物船内部研究では、無人船のトン・海里当たり輸送コストは従来船より22%低い。船員関連費と船上居住設備の削減が船主収益を改善し、競争市場では運賃低下として荷主、貿易財価格、下流物流へ伝播する余地がある。他方、単一船型の企業内部試算で速度条件にも左右されるため、全船種のGDP効果へ外挿せず、バルク・一般貨物の投資シナリオ感応 / Rolls-Royce / International Maritime Organization 出典
航行デジタル基盤の下流便益450.9百万英ポンド/年(海運GNSS便益)(2021)船舶DXの航行安全基盤であるGNSSは、英国の海運業に年4.509億ポンドの経済便益を生むと政府委託研究が推計する。さらに7日停止時は海運1.828億ポンド、港湾13.092億ポンドの損失となり、船上航法データの障害が荷役、在庫、ジャストインタイム供給へ増幅する構造を示す。自動運航船ではGNSS、AIS、レーダー等の統合依存が高まるため、冗長PNTとサイバー対策はコスト項目では / UK Space Agency / Department for Business, Energy & Industrial Strategy 出典
英国海事自律市場の直接GDP寄与(GVA)215百万ポンド(2023)英国NPL・National Shipbuilding Office委託の2026年報告は、海事自律関連企業の2023年売上を6.25億ポンド、直接GVAを2.15億ポンド、直接雇用を1,980人と推計した。対象は自律・遠隔運航船、航法・センシング・制御ソフト、統合・運用・データサービス、遠隔運航センターを含む。一般造船全体ではなく、本セルの産業境界に近い英国初の企業別ボトムア / National Physical Laboratory / National Shipbuilding Office 出典
売上とGVAでみる海事自律の付加価値構造625百万ポンド(売上)(2023)同報告の2023年ベースラインは、海事自律市場の売上6.25億ポンドに対して直接GVA2.15億ポンドを併記する。GVAは企業の賃金と営業利益に減価償却・償却費を調整して算出し、財務未報告の小規模企業には報告企業で観測したGVA対売上比率を適用した。単なる市場売上ではなく、国内に残る付加価値の利益・賃金構造を比較できる一次推計である。なお大型複合企業は自律関連活動だけを個別帰属 / National Physical Laboratory / National Shipbuilding Office 出典
川上供給網・家計消費を含むGVA波及469百万ポンド(総GVA)(2023)2023年の直接GVA2.15億ポンドに対し、川上の工学、電子機器、海中システム、試験、保証・認証サービスで間接GVA1.02億ポンド、雇用者の賃金支出で誘発GVA1.52億ポンドが生じ、総GVAは4.69億ポンド、総雇用は5,280人となる。Leontief逆行列を使う投入産出モデルで、コア企業外への経済波及を自動運航固有に定量化している。直接雇用1,980人に対し、間接1, / National Physical Laboratory / National Shipbuilding Office 出典
規制・投資停滞による2040年GVA機会損失3.7十億ポンド(中央ケースGVA)(2040)英国海事自律市場の2040年GVAは中央ケース37億ポンドに対し、規制・投資障壁が残る保守ケースでは15億ポンドにとどまる。高成長ケースは87億ポンドで、政策・商用採用速度による振れ幅が大きい。海外企業が英国の洋上エネルギー・調査市場で先行すると、国内企業は実績、学習曲線、規模の経済を失い、輸入依存と高付加価値サービスの海外流出が連鎖する点を破壊要因として示す。試験環境と認証速 / National Physical Laboratory / National Shipbuilding Office 出典
研究・知識基盤36件
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所(MPAT)/海上技術安全研究所(NMRI) — 国内唯一の海事系国立研究機関国土交通省所管の国立研究開発法人。傘下の海上技術安全研究所(NMRI)は海上交通の安全性・効率性向上技術、海洋資源・海洋空間の有効利用技術、海洋環境保全技術を研究する日本唯一の海事分野国立研究機関で、東京都三鷹市に本部、海洋開発分野の実験施設を有する。交通安全環境研究所・電子航法研究所と敷地を共有し3研究所共通の正門を持つ。自動運航船の安全ガイドライン策定等、国土交通省の政策形 / 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(MPAT) 出典
東京海洋大学 大学院海洋科学技術研究科 海運ロジスティクス専攻 — 海運・物流分野の中核大学研究拠点海上・陸上・航空を横断するマルチモーダル輸送の貨物流動、物流管理工学の最適化、情報システム工学、流通システム工学、流通経営学の各研究分野を擁し、日本で数少ない「海運」を専攻名に冠した大学院専攻。神戸大学大学院海事科学研究科(物流情報工学分野)と共同研究の実績があり、両校が国内の海事系人材輩出・研究の二大拠点を形成する(東京海洋大学=商船系起源・海運ロジスティクス、神戸大学=海事 / 国立大学法人東京海洋大学 出典
神戸大学 デジタル技術×物流・海運研究(海事科学研究科ほか) — 業界出身研究者によるDX研究神戸大学は海事科学研究科を有し、世界の物流と地球環境をデジタル技術で変える研究に取り組む。海運大手A.P. Moller-Maersk出身の平田燡奈准教授(現・海洋政策科学部)が物流業界のデジタルトランスフォーメーションを研究するなど、実務経験を持つ研究者が学術と産業の橋渡しを担う点が特徴。東京海洋大学と並ぶ国内海事系研究の双璧で、造船・船級(ClassNK)・海運事業者(日本 / 神戸大学 出典
一般財団法人日本海事協会(ClassNK) 技術研究所 — 船級事業に直結する実務的研究拠点1955年設立の技術研究所を起源とし、1993年に千葉・土気地区へ研究センターを集約、2017年に東京・紀尾井町の本部管理センター別館へ機能移転。船級事業と直結した「実務的研究」と海事社会全体への貢献という「社会的役割」の両輪で運営される点が、国研(NMRI)や大学の基礎研究との差別化点。近年は2050年カーボンニュートラルを見据えた代替燃料船・代替燃料運搬船の規則整備、自動運 / 一般財団法人日本海事協会(ClassNK) 出典
ClassNK技報 特集「自動運航船」— 船級協会による自動運航技術の学術的知見集積ClassNK技報2021年No.3では「自動運航船」を特集し、清水悦郎氏による「自動運航船の実用化に向けた最新動向と課題」、福戸淳司氏による「自動運航船の自動化レベルについて」等、業界横断の専門家論考を収録。船級協会自身が自動化レベル定義・リスク評価の学術的整理を主導する点は、IMO等の国際的自動化レベル論争に日本側の技術的知見を反映させる機能を持ち、国土交通省の安全ガイドラ / 一般財団法人日本海事協会(ClassNK) 出典
株式会社MTI(Monohakobi Technology Institute) — 日本郵船100%出資の自律運航船R&D拠点790km(実証航海距離)(2022)日本郵船グループの技術研究開発専門会社。船上の高度自動化技術と陸上拠点からの遠隔支援を組み合わせた「有人自律船」実現を目標に、衝突防止支援・離着桟支援等の要素技術を開発。2020〜2022年、日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」のDFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)コンソーシアムに参画し、自社 / 株式会社MTI(日本郵船グループ) 出典
商船三井 技術研究所 — 神奈川県川崎市の環境共生型R&D拠点(1957年起源)4隻(認証取得実証船数)(2026)神奈川県川崎市麻生区栗木に所在する商船三井の技術研究所。太陽光エネルギー・自然採光システム・氷蓄熱冷暖房システムを活用した「環境共生型研究施設」として設計され、40フィート冷凍コンテナの試験室や防音・防振対策を施した試験機関室等の実験設備を備える。前身は1957年に神戸で設立された燃料潤滑油研究所で、2010年に現在の川崎の地に移転した。船舶運航における省エネ・環境技術の実証を / 株式会社商船三井 出典
MEGURI2040第2ステージ — 世界初、自動運航機能を活用した一般旅客定期船が商用運航開始4隻(2026)日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は2019年開始から段階的に進展し、2026年に第2ステージの成果として実証船4隻が国土交通省の自動運航船認証(自動運転レベル4相当)を商用運航下で取得。周辺認識・航行状況の統合表示・将来行動予測・衝突回避/経路計画機能を組み合わせ、自律判断と人間の監視・介入を前提に設計されている。旅客フェリー「おりんぴあどりーむ せっと / 公益財団法人日本財団/株式会社商船三井 出典
NEDO グリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発」— ゼロエミッション船技術の国策研究開発・特許形成基盤2.1%(国際海運の世界CO2排出シェア)(2024)国際海運は年間約7億トンのCO2を排出し世界全体の約2.1%を占める。NEDOは造船・舶用工業の国際競争力強化と2030年以降のゼロエミッション船普及を目標に、水素・アンモニア燃料船の技術開発を支援。2024年度にはIMOのGHG削減戦略改定を踏まえアンモニア燃料船関連の2テーマが新規追加されるなど、規制動向(IMO)と連動して開発テーマが更新され続けている。本プロジェクトの研 / 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 出典
IHI アンモニア燃料アンモニア輸送船の建造決定(2026年竣工) — 技術開発から実装への移行事例2026年(竣工予定)(2023)株式会社IHIは2023年、アンモニア燃焼エンジンを搭載しアンモニアを輸送する「アンモニア燃料アンモニア輸送船」の建造を決定、2026年の竣工を目指すと発表。アンモニアは燃焼時にCO2を排出しない一方、毒性・難燃性という技術課題を抱え、水素と比較すると常温常圧に近い条件で貯蔵可能という利点を持つ。国土交通省・経産省のゼロエミッション船建造促進事業の採択事業者リストにも複数の造船 / 株式会社IHI 出典
日本船舶海洋工学会 — 船舶・海洋・海運分野の中核学会と論文集(J-STAGE公開)976本(論文集収録論文数)(2026)船舶、海洋、海運、海洋環境等の広い分野の学術論文を集め、和文論文集を年2回、英文国際ジャーナル「Journal of Marine Science and Technology(JMST)」を年4回発行。学会誌「KANRIN」は隔月年6回発行され業界動向・研究動向情報を会員へ提供する。J-STAGEには日本船舶海洋工学会論文集が公開され976本の論文が収録されており(2026年 / 公益社団法人日本船舶海洋工学会 出典
国土交通省 グリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発」プロジェクト実施体制 — 官民連携R&D拠点網国土交通省海事局が所管する次世代船舶開発プロジェクトは、造船・舶用工業各社と国立研究機関(NMRI等)、船級協会(ClassNK)を含む官民連携の実施体制で構成され、水素・アンモニア燃料船の要素技術開発から実証、社会実装までを一気通貫で推進する。国交省はこれと並行して「先進安全船舶技術研究開発支援事業」も展開しており、自動運航船の安全ガイドライン策定(2022年)や自動運航船検 / 国土交通省海事局 出典
自律海事特許は5,987件を形成5987特許件数(2024)alive_blockedBelabyad、Pyne、Paraskevadakis、Chang、Kontovasの2025年研究は、2010~2024年の海事自律システム特許5,987件を分析した。書誌分析にLDAトピックモデル、トピック間知識フロー、Bass・Gompertz・Logistic各成長曲線を組み合わせ、技術成熟度と投資時期を評価する。単純件数ではなく技術群の結合とライフサイクルを見極める / Elsevier / Ocean & Coastal Management 出典
安全ML研究は719報まで拡大719学術出版物(2024)TU DelftのXue、Yang、Li、Song、van Gelder、Papadimitriou、Huらは、自動運航船の海上安全における機械学習研究をWeb of Science収録719報で書誌分析した。対象は2000年から2024年5月までで、研究進化と知識フロンティアを可視化する。安全・信頼性を競争軸とする企業には、事故回避アルゴリズムだけでなく、急増する学術成果の吸 / Delft University of Technology 出典
NTNU AMOSが築いた中核研究網10活動年数(2023)NTNUのAMOSは2013~2023年の10年間、海洋自律運航・制御の学際拠点として活動した。研究は自律ビークル/ロボットと、安全・スマート・グリーンな船舶運航の二領域に分かれ、Tor Arne Johansen、Kristin Y. Pettersen、Jørgen Amdahlが主要3プロジェクトを率いた。SINTEF Ocean/Digitalをパートナーに持ち、制御理 / Norwegian University of Science and Technology 出典
AaltoのBridge Zero研究Aalto大学のHanna Koskinen、Jari Laarni、Marja Liinasuo、Antti Hynninen、Douglas Owen、Victor Bolbot、Meriam Chaalらは、Business Finland支援のECAMARISでMASSの技術・運用概念を研究した。中核は「Bridge Zero」、すなわち条件付き・一時的に無人となる船橋 / Aalto University 出典
船舶サイバーの実機検証拠点3.2百万英ポンド(2021)University of PlymouthのCyber-SHIP Labは、船橋の実機IT/OTを再構成できる320万ポンドの海事サイバー研究開発基盤である。Kimberly Tam、Kevin Jonesらが、船級を横断した船橋単体・システムオブシステムの耐性、脅威可視化、監査、訓練を研究する。仮想シミュレーションだけでは得にくい物理機器への攻撃データを生成でき、船舶DX製 / University of Plymouth 出典
Michiganの自律船水槽基盤10000米ガロンalive_blockedUniversity of MichiganのMarine Autonomy Research Testbedは、1万ガロン水槽を用い、自律船設計、海洋センシング/認識、複数ビークル協調を研究する。船体・推進のAaron Friedman Marine Hydrodynamics Labと同一大学内にあり、自律認識と船舶物理を接続できる。ソフトウェア単独の試験では見落とす流体・ / University of Michigan 出典
Trondheim遠隔運航試験基盤1試験海域管制拠点SINTEFのTrondheimsfjorden自動運航船試験海域には、TrondheimのPirsenteretにTest Area Control Centreが整備された。DGNSS基準局・監視局、AIS基地局、MBRネットワークを監視制御し、Ocean Space Drone 1の遠隔操船センターとしても使える。測位、通信、交通情報、陸上管制を一体化した実海域R&D基盤 / SINTEF 出典
東京海洋大の船舶DX研究中枢3研究グループ(2026)東京海洋大学の次世代船舶運用技術開発センターは、自動運航船、代替燃料船、船舶DX化の3研究グループを組織する。自動運航船/船舶DX化グループは練習船「汐路丸」に遠隔モニタリングを実装し、デジタルツインを構築して運用技術を研究する。新技術の検証・改善、安全運用技術、国際ルール、人材育成まで扱うため、日本で実船データから制度・教育へ橋渡しできる研究基盤として重要である。 / 東京海洋大学 出典
日本の実証知識は企業横断で蓄積16遠隔操船実証参画組織(2018)国土交通省の2018年度自動運航船実証では、自動操船を大島造船所・MHIマリンエンジニアリング、遠隔操船をMTI、日本海事協会、海上技術安全研究所、NYK、通信・航海機器企業など16者、自動離着桟を三井E&S造船、商船三井、東京海洋大学、三井造船昭島研究所の4者が担った。研究知識が造船、船主、船級、通信、大学に分散するため、単独企業より共同体への接続がデータ取得と標準形成を左右 / 国土交通省 出典
SingaporeでIntelliTugを実海域化1初期自律タグ実証案件(2019)Wärtsilä Acceleration Centre Singaporeは、企業・知識機関・現地パートナーが共同するR&D拠点で、MPAとの2018年合意に基づき、知能船、知能港湾、安全、デジタル加速を対象とする。最初の案件IntelliTugは高度レーダーと映像解析で自律航行するタグボートで、MPA、PSA Marineと2019年に混雑海域で試験する計画だった。港湾実務 / Wärtsilä 出典
遠隔運航研究の盲点は状況認識SINTEF DigitalとUiTのAdnan、Wang、Pereraによる2024年研究は、陸上運航センターの主要機能、遠隔オペレーターの役割とワークフローを整理した。シミュレーション事例では、複雑な航行環境で利用可能な状況認識が限られると、オペレーターが最適判断を下せない可能性を示し、陸上センター側の状況認識支援が必要と結論づけた。遠隔化の競争力は通信接続そのものより、人 / SINTEF 出典
韓国KRISOは陸海一体で自律船を検証22.1十億韓国ウォン(2022)韓国KRISOの自律運航船実証研究センターは、陸上・海上テストベッドを一体運用し、試験評価、実証データと認証実績の蓄積、国際規制・標準対応を担う。2022年完成、敷地9,086.6平方メートル、建設費221億ウォンで、S-TASシミュレーション室や海上試験管制室を備える。個別アルゴリズム研究にとどまらず、性能検証から産業支援・標準化までを垂直統合する点が、大学中心拠点との差別化 / Korea Research Institute of Ships & Ocean Engineering (KRISO) 出典
Kongsberg Maritimeは売上の半分をアフターマーケットから獲得50売上高に占めるアフターマーケット比率(%)(2025)2025年売上高NOK 27.1 billionのうち50%がアフターマーケットサービス、50%が新造船向け。自動運航・船舶DXの利益機会は初期搭載だけでなく、既存船への更新、保守、継続サービスにも同規模で存在することを示す。 / Kongsberg Gruppen 出典
Wärtsilä Marineのサービス売上は22.22億ユーロ2222百万ユーロ(サービス売上)(2025)Marine部門の2025年サービス売上はEUR 2,222 millionで、部門売上EUR 3,494 millionの約63.6%に相当する。船舶技術では、ライフサイクル契約、アップグレード、状態監視などの稼働後収益が機器販売を上回る規模の利益基盤になっている。比率は同一資料の実数から算出。 / Wärtsilä Corporation 出典
Marine部門の比較可能営業利益率は12.7%12.7比較可能営業利益率(%)(2025)Wärtsilä Marineの2025年売上はEUR 3,494 million、比較可能営業利益率は12.7%。自動運航・DX専業の開示ではないが、エンジン、推進、デジタル、ライフサイクルサービスを束ねる統合型船舶技術事業の収益性ベンチマークになる。 / Wärtsilä Corporation 出典
強気予測は2030年134.1億ドル・CAGR 13.5%13.41十億米ドル(2030年市場規模予測)(2030)Grand View Researchは2030年市場をUSD 13.41 billion、2024~2030年CAGRを13.5%と予測。最大売上区分はsystems & softwareであり、船体よりソフトウェア・システム側への価値移動を想定している。 / Grand View Research 出典
別予測は2030年82億ドルにとどまる8.2十億米ドル(2030年市場規模予測)(2030)alive_blockedMarketsandMarketsは2022年USD 3.9 billionから2030年USD 8.2 billion、CAGR 9.6%を予測。同じ2030年についてGrand View ResearchのUSD 13.41 billionは本予測よりUSD 5.21 billion、約63.5%高い。市場定義と普及速度への依存が大きく、単一予測を投資判断に用いるべきでない / MarketsandMarkets 出典
国際強制規制が2032年まで発効しなければ普及前提は崩れる2032強制MASS Code発効予定年(2032)IMOの2026年MASS Codeは非強制。強制コードは2030年7月までの採択、2032年1月1日の発効予定である。NO-GO条件は、2030年までに強制コードが採択されない、または主要旗国・保険者が同等の承認枠組みを整備しないこと。この場合、2030年前後の商用大型船普及を前提とする市場予測は延期・下方修正が必要になる。NO-GO判定はIMO工程からの分析上の推論。 / International Maritime Organization 出典
統合船舶OEMから航海・制御事業の切り離しが進行31百万ユーロ(Automation, Navigation & Control Systems事業売却益)(2025)Wärtsiläは2025年にAutomation, Navigation & Control Systems事業をSolix Groupへ、Marine Electrical Systems事業をVINCI Energiesへ売却した。前者の売却益はEUR 31 million。自動運航スタックが総合OEM内に固定されず、専門投資家・電気設備企業へ再配置される構造変化であり、 / Wärtsilä Corporation 出典
新規参入余地は船体ではなくシステム・ソフトウェアに集中Grand View Researchはsystems & softwareを2023年の最大売上区分とし、自動運航が新たなハードウェア、ソフトウェア、システム技術供給者の参入を促すと指摘する。既存造船所・統合機器OEMに対する脅威は、船体製造の代替より、AI航海、センサー統合、リアルタイムデータ、サイバーセキュリティ層による顧客接点と継続収益の奪取にある。 / Grand View Research 出典
旗艦実証でも完全無人化には未到達3船内乗組員数Yara Birkelandは自律航行を人間監督下で実施したが、規制上の理由から船内3人体制で運航し、係船も手動だった。したがって、代表的な商用実証で船内要員と手動係船が解消されない状態が続くことは、完全無人運航による人件費削減・運航モデル転換を反証するNO-GO条件となる。 / Yara International 出典
複数船監視は単船障害の連鎖停止が撤退基準3同時遠隔運航対象船数(2020)EMSAのSAFEMASSは、3隻を陸上の船橋担当1人・機関担当1人で扱う構成を分析した。報告書は、1隻の重大事象で他船も自動的にminimum risk conditionへ移行させる対策を提示している。単船障害が常態的に全監視船の停止を招くなら、ROCの多隻監視による規模の経済は成立しない。 / European Maritime Safety Agency 出典
IMO制度は「人間をなくす」より陸上へ再配置2026非強制MASS Code発効年(2026)2026年発効の非強制MASS Codeは、船長が船外にいても常に船全体の責任を保持すると定め、ROCにも訓練済み要員、認証、安全管理システムを要求する。これは完全無人化による人件費消滅という構造を脅かし、価値の中心を船員削減から陸上監視・認証・安全管理へ移す破壊要因である。 / International Maritime Organization 出典
試験認証と商用認証の間に24mの実装断層24試験制度の対象船全長上限(m未満)(2026)英国MCAの2026年プロトタイプ試験制度は全長24m未満に限定され、認証は当初最大3か月、延長後も最大6か月で、用途は試験のみである。小型実証で得た知識が大型商船の商用認証へ直接外挿できないため、研究・試験基盤が商用展開力へ転化しないTRL・認証上の破壊要因となる。 / UK Maritime and Coastguard Agency 出典
競合プレイヤー・シェア50件
世界コンテナ船社トップ10ランキング(2026年上半期末)21.5%(2026)船腹量ベースで世界最大手はスイスのMSCで733.4万TEU・シェア21.5%。2位はデンマークのMaersk(472.3万TEU・13.8%)、3位はフランスのCMA CGM(436.5万TEU・12.8%)、4位は中国のCOSCO(363.3万TEU・10.6%)、5位はドイツのHapag-Lloyd(238.4万TEU・7.0%)、6位が日本郵船・商船三井・川崎汽船の共同 / Container News(Alphaliner集計データに基づく) 出典
世界コンテナ船社シェアの時系列変化(2012年→2026年)15%(2012)国土交通省がMDS(Maritime Data Services)を基に集計した2012年末(平成24年末)時点のランキングでは、首位Maersk15%・2位MSC13%・3位CMA CGM8%・4位COSCO4%で、日本勢は商船三井が10位(3%)、日本郵船が13位(2%)、川崎汽船が15位(2%)と3社がバラバラに上位20社の中位に分散していた。14年後の2026年上半期末 / 国土交通省(日本郵船調査グループ集計) / Container News 出典
上位10社への市場集中度上昇(2010年55%→2025年86%)86%(2025)デンマークの海運調査会社Sea-Intelligenceの分析(日本海運貨物取扱業会=JFFFが紹介)によれば、世界コンテナ船腹量に占める上位10社の合計シェアは2010年の55%から2025年には86%へと31ポイント拡大した。牽引役はM&Aを一切行わなかったMSCの有機的拡大であり、対照的に2017年にHamburg Südを買収したMaerskはむしろ同期間にシェアをわず / 日本海運貨物取扱業会(JFFF) / Sea-Intelligence 出典
日本のコンテナ船統合体ONE(Ocean Network Express)の出資構造と世界順位6.3%(2026)日本郵船・商船三井・川崎汽船の3社は2016年にそれぞれのコンテナ船事業を統合し、シンガポールを拠点とする合弁会社ONEを設立(2018年4月営業開始)。出資比率は日本郵船38%、商船三井31%、川崎汽船31%で、発足時に約140万TEUの船隊を3社から継承した。2026年上半期末時点でも世界6位・シェア6.3%(216万TEU)を維持している。単独では上位10位圏外に沈んでい / Wikipedia(Ocean Network Express) / Container News 出典
韓国HMMの世界順位と国内独占・政府資本構造3%(2026)韓国最大の海運会社HMM(旧・現代商船)は2026年上半期末時点で世界8位・シェア3.0%(103万TEU)。韓国では当時最大手だった韓進海運が2016年に経営破綻・消滅し、韓国の海運業は国際的地位を大きく落とした。この危機を受けHMMは2016年に韓国産業銀行を筆頭株主として再編され、韓国政府は2018年に海運再建5か年計画を策定してHMMへ政策投資を集中させた結果、破綻前の / Wikipedia(HMM) / Container News 出典
Jones Act保護市場における収益性: Matsonが世界最高水準のTEU当たり営業利益海運調査会社Alphalinerによる2023年のTEU当たり営業利益(EBIT/TEU)比較で、米国のJones Act(自国建造・自国籍・自国船員を義務付ける保護法制)下でハワイ・アラスカ・グアム航路を担う米国のMatsonが全船社中で最も高い値を記録し、ドイツのHapag-Lloydと香港のOOCLがこれに続いた。国際競争に晒されるグローバル定期船社よりも、外国船社の参入 / Global Maritime Hub(Alphaliner分析の紹介) 出典
米国ハワイ航路におけるMatson・Pasha両社の事実上の複占構造米国本土とハワイを結ぶ定期海上輸送は、Jones Actの国内建造・国内籍・国内船員要件により外国船社の参入が事実上不可能であり、Matson NavigationとPasha Hawaiiの2社のみが定期運航する複占市場となっている。ハワイの消費者・荷主は運賃交渉上の選択肢をほとんど持たず、Matsonは2024年にも新造コンテナ船3隻を発注するなど設備投資を続けている。同一 / Honolulu Civil Beat 出典
国別・船主国ベースの世界商船保有船腹量ランキング(2025年)240678千DWT(2025)船主の国籍(実質支配)ベースで見た2025年の世界商船保有船腹量ランキングは、1位ギリシャ(39,765万DWT)、2位中国(34,722万DWT)、3位日本(24,068万DWT)の順。日本は前年から中国との差が拡大しつつも世界3位を維持しており、コンテナ船オペレーターとしての国際順位(ONEで世界6位相当)よりも、バルカー・タンカー等を含めた実質保有船腹量では中国・ギリシャ / GLOBAL NOTE(国連貿易開発会議UNCTAD等のデータに基づく集計) 出典
日本の海運大手3社の世界時価総額ランキング22796億円(2024)世界の外航海運会社の時価総額ランキングでは、日本郵船が4位(2兆2,796億円)、商船三井が5位(1兆7,398億円)、川崎汽船が9位(1兆3,759億円)にランクインしている。コンテナ船事業をONEへ統合した後も、バルク船・自動車専用船・エネルギー船など各社が異なる船種に特化した収益構造を持つことで、3社とも独立した上場企業として世界トップ10近傍の企業価値を維持している。コ / Reinforz Insight 出典
日本国内フェリー・内航RORO船市場: 商船三井さんふらわあの独占的シェア30%(2023)商船三井は2023年10月、グループ会社の商船三井フェリーとフェリーさんふらわあを統合し『商船三井さんふらわあ』を発足させた。統合後の輸送シェアは国内フェリー・内航RORO船市場の約30%に達し、定期航路6航路・運航船15隻を有する国内最大の航路網・運航隻数を誇る事業者となった。外航コンテナ船事業ではONEへ統合して初めて世界水準の規模を得た商船三井が、国内フェリー市場では単独 / 商船三井/商船三井さんふらわあ 出典
Hapag-Lloydのターミナル事業はライナー海運を上回るEBITDAマージン34.8% EBITDA margin(2024)2024年のTerminal & Infrastructure事業は売上401.1百万ユーロ、EBITDA139.5百万ユーロ、EBITDAマージン34.8%。Liner Shippingの同マージン24.0%を上回る。船腹シェアだけでは捉えられない高採算の港湾・荷役利益プールを示す。取得日: 2026-07-19。 / Hapag-Lloyd AG 出典
MaerskではターミナルEBITDAが物流サービスを上回る1601USD million EBITDA(2024)2024年のTerminals EBITDAは1,601百万米ドルで、Logistics & Servicesの1,447百万米ドルを上回った。売上はTerminals 4,465百万米ドル、Logistics & Services 14,920百万米ドルであり、港湾運営・保管料・顧客/貨物ミックスが隠れた高収益源になっている。取得日: 2026-07-19。 / A.P. Moller - Maersk 出典
運賃100ドル/FFEの変動でMaersk EBITが13億ドル動く感応度1.3USD billion EBIT impact per ±100 USD/FFE(2025)Maerskの2025年感応度分析では、コンテナ運賃が±100米ドル/FFE動くと通期EBITは±13億米ドル変動する。競争力・利益評価の反証条件は、シェアよりも運賃前提の乖離であり、想定比100米ドル/FFEの下落を明示的なベアケース警戒線にできる。取得日: 2026-07-19。 / A.P. Moller - Maersk 出典
Hapag-Lloydの2025年EBIT予想下限はゼロ0USD billion EBIT guidance lower bound(2025)会社予想は2025年EBIT 0.0~15億米ドル、EBITDA 25~40億米ドルと大幅なレンジを置く。EBITゼロが会社開示ベアケースであり、運賃・地政学条件が悪化すれば会計上の営業利益が消失することを示す。投資・参入判断ではEBIT下限接近をNO-GO/縮小基準として監視可能。取得日: 2026-07-19。 / Hapag-Lloyd AG 出典
船腹供給8.2%増に対してコンテナ荷動きは0.3%増8.2% container-ship capacity growth(2023)UNCTADによると、2023年のコンテナ船供給能力は8.2%増えた一方、コンテナ貿易は0.3%増にとどまった。紅海等の迂回が船腹需要を一時的に押し上げ、過剰能力を覆い隠しているため、航路正常化は運賃・利益率・弱小船社の存続を同時に脅かす構造的破壊要因となる。取得日: 2026-07-19。 / United Nations Trade and Development (UNCTAD) 出典
喜望峰迂回で大型コンテナ船1航海当たり40万ドルの追加EU ETS費用400000USD additional emissions cost per voyage(2024)UNCTADは、20,000~24,000TEU級船が極東―欧州航路でスエズ運河を避けアフリカを迂回すると、EU ETSの排出費用が1航海当たり40万米ドル追加されると試算。地政学と炭素規制の複合化により、燃料効率・代替燃料船・航路最適化能力が新たな競争優位になる。取得日: 2026-07-19。 / United Nations Trade and Development (UNCTAD) 出典
自律運航船は制度化したが国際商用運航はまだゼロ0commercial internationally trading autonomous SOLAS cargo ships(2026)IMOによると、2026年時点で自律・遠隔制御により国際運航するSOLAS対象貨物船は商用運航されていない。非強制MASS Codeは2026年7月発効、強制コードは2032年1月発効予定である。短期の全面代替ではなく、2032年に向けて乗組員費・遠隔運航・安全認証の競争条件を変える段階的脅威と評価できる。取得日: 2026-07-19。 / International Maritime Organization (IMO) 出典
IMOネットゼロ枠組みの採択延期が燃料投資のタイミングを不確実化85%+ of global shipping emissions covered(2025)IMO Net-Zero Frameworkは2025年4月に承認されたが、2025年10月の採択会合は1年間延期された。対象予定は5,000GT超の外航船で、世界海運排出量の85%超を占める。規制延期・再調整は、代替燃料船への先行投資回収と従来燃料船の残存価値を反転させ得る。取得日: 2026-07-19。 / International Maritime Organization (IMO) 出典
荷主の垂直統合参入:BYDが自社自動車船8隻を運航8operational car carriers(2025)自動車メーカーBYDが2025年9月までに8隻の自動車運搬船を稼働させ、年間輸送能力は100万台超となった。完成車荷主が輸送能力を内製化する動きであり、独立系PCTC運航会社から貨物・運賃決定力を奪う潜在的脅威。一次発表を報じた専門媒体で確認。retrieval_date=2026-07-20。 / CnEVPost(BYD公式発表に基づく) 出典
中央回廊の急伸:欧亜貨物で海上輸送を代替する内陸ルート4.5million tonnes(2024)トランスカスピ海国際輸送ルートの貨物量は2024年に前年比62%増の450万トンへ拡大した。中国―欧州を結ぶ内陸代替経路の成長は、時間感応度の高い貨物について海上コンテナ航路の需要と価格決定力を侵食し得る。retrieval_date=2026-07-20。 / United Nations Economic Commission for Europe(OECDデータ引用) 出典
一般炭海上荷動きの構造縮小:2030年世界貿易量936Mt936Mt thermal coal trade(2030)IEAは世界の一般炭貿易が2030年に936Mtまで減少すると予測する。中国・インドの国内生産拡大と西側諸国の石炭退出が主因で、ドライバルク船社の基幹貨物が景気循環ではなく構造的に縮小するリスクを示す。retrieval_date=2026-07-20。 / International Energy Agency 出典
FuelEU Maritimeが船隊競争力を燃料GHG強度へ転換80% GHG-intensity reduction vs 2020(2050)EU寄港船の年間平均燃料GHG強度削減率は2025年の2%から2050年の80%へ段階的に強化される。対象は旗国を問わない5,000GT超の船舶で、従来燃料船を大量保有する既存大手には座礁資産・改造負担、新燃料対応船を持つ先行者にはシェア獲得機会となる。retrieval_date=2026-07-20。 / European Commission, Directorate-General for Mobility and Transport 出典
代替燃料船は発注の過半に到達したが既存船隊の90%超は従来燃料50%+ of new-order tonnage using alternative fuels(2025)UNCTADによると、代替燃料対応船は新規発注トン数の過半を占める一方、稼働船隊の90%超は依然として従来燃料を使用する。技術は実証段階を越えて新造船市場へ普及したが、既存船置換は未成熟という転換点であり、発注余力・燃料選択・造船所スロット確保が将来シェアを左右する。retrieval_date=2026-07-20。 / United Nations Trade and Development 出典
EU ETSの海運負担が2026年排出分から100%へ移行100% of reported emissions requiring allowances(2026)EU ETSでは海運会社が償却すべき排出量の割合が2024年排出分40%、2025年排出分70%、2026年排出分から100%へ上昇する。さらに2026年からCH4とN2Oも対象となり、EU航路におけるコスト競争の軸を船腹量から燃料・運航効率へ反転させる。retrieval_date=2026-07-20。 / European Commission, Directorate-General for Climate Action 出典
自動運航船シェア首位はKongsberg8.2%(2024)2024年の自動運航船市場でKongsberg Maritime(ノルウェー)が8.2%で首位、Rolls-Royce Marine(英国)が7.8%、ABB Marine & Ports(スイス)が6.3%で続く。上位3社合計は22.3%にとどまり、欧州勢が制御・センサー、推進、自律化を横断して先行する一方、市場全体はなお分散的である。なお数値は調査会社の二次推計で、各社開示 / Report Prime 出典
Rolls-RoyceとABBが欧州二番手群7.8%(2024)同一調査の2024年シェアはRolls-Royce Marine 7.8%、ABB Marine & Ports 6.3%。両社合計14.1%で、首位Kongsbergとの差はそれぞれ0.4ポイント、1.9ポイントにすぎない。欧州の競争は単独寡占ではなく、推進・自律化を持つRolls-Royce系と、電動推進・自律制御を統合するABBがKongsbergを追う三強構造と読める。 / Report Prime 出典
Wärtsilä・日本・韓国が中位追走5.9%(2024)2024年シェアはWärtsilä(フィンランド)5.9%、Mitsui O.S.K. Lines Tech(日本)4.5%、Hyundai Heavy Industries(韓国)4.1%。欧州4社の合計は28.2%に達し、日本・韓国の代表各社を上回る。日本はMEGURI2040系の運航実証、韓国はHiNAS系の自律航行を軸に追うが、公開推計上は欧州の統合ブリッジ・制御基盤が / Report Prime 出典
米国勢はUSV・制御でニッチ追随4.8%(米国2社合計)(2024)2024年の米国勢はL3Harris Technologiesが3.3%、Sea Machines Roboticsが1.5%で、両社合計4.8%。日本勢はMOL Tech 4.5%とNYK Line 2.6%の合計7.1%、韓国代表のHyundai Heavy Industriesは4.1%である。公開推計では欧州が上位を占め、日本・韓国が商船実装、米国が無人水上艇と制御シス / Report Prime 出典
Kongsbergは3万隻の基盤を保有30000隻(約)(2026)Kongsberg Maritimeは2026年会社資料で約3万隻の導入基盤を開示。対象はブリッジ、オートメーション、デジタル・ソフトウェア、推進などを含み、自動運航専用の隻数ではないが、遠隔・自律運航機能を既存顧客へ追加販売できる最大級の母集団である。同社は今後5年で5万隻超に更新需要があるとも示し、単発の自律船受注よりライフサイクル型の競争優位が大きい。 / Kongsberg Maritime 出典
Danelecは高頻度船舶データ1.5万隻15000隻超(2025)Danelecは2025年3月、高頻度データシステムの搭載船が世界で1万5,000隻を超えたと開示し、2024年だけで1.5兆超の船上データ点を取得した。VDR・センサーから陸上へ高頻度データを送る基盤は、性能監視、予知保全、航路最適化の入口を押さえる。Kongsbergの総合システム型に対し、Danelecはデータ取得層の広い導入面を競争資産にする。 / Danelec 出典
NAPA運航安全・効率ソフトは3千隻3000商船超(2026)NAPAは2026年、運航安全・効率ソリューションを搭載する商船が世界3,000隻超と開示。対象はデジタル復原性、クラウド性能監視、航路最適化で、一般的な造船所DXではなく就航後の船舶運航を直接支える。さらにNAPA顧客が建造する新造船は90%超とされ、設計由来の船体モデルを運航デジタルツインへ連結できる点が、専業運航ソフト企業に対する参入障壁となる。 / NAPA 出典
Avikusが大型商船100隻を突破100隻超(累計後付け)(2026)HD Hyundai傘下Avikusは2026年1月、HMMの40隻へLevel 2自律航行HiNAS Controlを供給する契約を発表し、この契約で大型商船向け後付け自律航行ソリューションの累計供給が業界初の100隻超になるとした。欧州勢の広い既存搭載基盤に対し、韓国勢は造船グループと国策船社を束ね、認識支援から実船制御までを量産導入する商用化速度で対抗している。 / Avikus 出典
船舶通信・安全特許は中国が首位324特許ファミリー(2023)WIPOの2000~2023年分析では、船舶の通信・セキュリティ技術で中国が全5分野の特許ファミリー数首位。韓国は端末間通信と航法で2位、米国はクラウド、サイバーセキュリティ、低遅延通信で2位だった。企業・機関別ではHarbin Engineering University 324件、古野電気229件、Wuhan University of Technology 208件、Da / World Intellectual Property Organization 出典
MASS研究量は中国36%、欧州32%36.39%(中国の文献比率)(2024)alive_blocked2001~2024年の自動運航船の機械学習・海事安全研究937件の書誌分析では、中国341件(36.39%)、米国101件(10.78%)、英国75件(8.00%)、韓国48件(5.12%)。欧州諸国合計は303件(32.34%)だった。市場シェアで欧州企業が上位を占める一方、研究量では中国が単独首位で、米国・韓国が続く。日本は上位10カ国に入らず、日中米欧韓の競争で研究量と商 / Journal of Marine Science and Engineering 出典
Orca AIは2024年に受注船数を倍増、導入済み700隻700隻(導入済み)(2024)欧州・イスラエル系の航行安全AI企業Orca AIは、2024年にプラットフォーム受注船数を前年から倍増させて1,200隻超とし、このうち700隻への設置を完了した。既存レコードのKongsberg、Rolls-Royce、ABB、Wärtsilä、Avikus等の横比較に、AI見張り・運航支援という成長セグメントの実装規模を追加する基準点となる。翌年値と接続でき、競争力を売上 / Orca AI 出典
Orca AI導入船は2025年に約1,000隻へ43%増1000隻(導入・稼働)(2025)Orca AIは2025年末時点で導入・稼働船が約1,000隻に到達し、2024年の700隻から約43%増加した。Seaspanの100隻超、Ionicの19隻、Gram Car Carriersの21隻など船隊単位の採用が拡大を牽引した。同社公表値を同一定義の導入済み隻数で接続すると、欧州系AI航行支援プレイヤーが一年で約300隻の実装基盤を上積みした時系列が確認できる。単船 / Orca AI 出典
Kongsberg Maritimeの売上の54%はアフターマーケット54%(2025年通期売上に占めるアフターマーケット比率)(2025)2025年通期売上271.23億NOKのうち、サービス、保守、更新、部品などのアフターマーケットが約54%。新造船向け機器販売後の継続収益が過半を占め、競争上の利益源は搭載隻数だけでなくライフサイクル収益にある。 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
Kongsberg Maritimeは12.7%の事業営業利益率を確保12.7%(営業利益率)(2025)2025年のKongsberg Maritimeは売上271億NOK、営業利益率12.7%。約半分を占めるアフターマーケットと長期顧客関係を同社自身が「lifecycle economy」と位置付けており、保守・更新・デジタル接続基盤が利益防衛線になる。 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
Wärtsiläもサービス売上が52%を占める52%(総売上に占めるサービス売上比率)(2025)Wärtsiläの2025年売上69.14億ユーロのうち52%がサービス関連。競合大手2社で継続サービスが売上の過半を占めるため、船舶DXの利益プールは初期システム販売より、稼働後の保守、更新、最適化サービスに厚い可能性が高い。 / Wärtsilä Corporation 出典
ベアケースは2030年82億ドルにとどまる8.2十億USD(2030年市場予測)(2030)MarketsandMarketsは自動運航船市場を2022年39億ドルから2030年82億ドル、CAGR 9.6%と予測。2030年値がこの水準に近づく場合、高成長を前提とした専業プレイヤーの投資回収は再検討対象となる。市場定義差があるため、他社予測との単純比較ではなく下方シナリオとして扱う。 / MarketsandMarkets 出典
中位予測でも2030年134.1億ドル13.41十億USD(2030年市場予測)(2030)Grand View Researchは2030年市場を134.1億ドル、2024~2030年CAGRを13.5%と予測。MarketsandMarketsの82億ドルとの差は、市場範囲と普及速度への前提依存が大きいことを示す。投資判断では2030年売上が82億ドル水準に収束する場合をNO-GO再判定条件とする余地がある。 / Grand View Research 出典
上位予測は2030年165億ドルまで開く16.5十億USD(2030年市場予測)(2030)Research and Markets掲載のMarket Glass調査は2024年104億ドル、2030年165億ドル、CAGR 8.0%と予測。同じ2030年について82億~165億ドルの公表値が存在し、市場規模評価には約2倍のレンジがある。各調査の対象範囲が異なるため、単一点予測によるシェア評価は不適切。 / Research and Markets / Market Glass, Inc. 出典
利益の中心は完全無人化より半自律化に残る可能性77.1%(半自律セグメントの売上シェア)(2023)Grand View Researchでは半自律船が2023年市場売上の77.1%を占めた。完全自律化が遅れる場合も、既存の航海・機関システム企業は人間監督付き自動化、後付けソフト、センサー更新で収益化できる一方、完全無人船専業のTAMは縮小する。 / Grand View Research 出典
国際強制規制の空白は2032年まで残る2032年(強制MASS Code発効予定年)(2032)IMOのMASS Codeは2026年7月発効時点では非強制。強制コードは2030年7月までの採択、2032年1月1日の発効予定である。2032年までに強制化が遅延する、または各国承認が分断される場合、外航大型船の完全自律化を前提とする案件はNO-GOとし、限定海域・遠隔監視・半自律へ配分を移すべき反証条件になる。 / International Maritime Organization 出典
Wärtsiläは航海自動化事業を売却し競争境界が再編Wärtsiläは2025年にAutomation, Navigation & Control Systems事業をSolix Groupへ売却した。従来の総合舶用機器大手が自動化・航海制御を非中核として切り離した事実は、既存大手の一体型支配を弱め、PE傘下専業や独立ソフト企業の新規参入余地を広げる破壊要因となる。 / Wärtsilä Corporation 出典
完全無人化でも船長責任は消えず、責任移転型モデルを制約2026年発効の非強制MASS Codeは、船長が船外にいる場合でも常時、船舶の総括責任を負うと規定する。無人化による責任主体の消滅を認めず、遠隔運航センター、認証、安全管理を含む人的監督モデルを競争上の必須要件にする。 / International Maritime Organization 出典
高度自動化だけではMASS認定も規制上の特権も得られないIMOは、通常の高度自動化だけではMASSに該当せず、従来船に対する特権もないと明示した。船員支援型DXはMASS認証を回避できる代替導入経路となる一方、完全自律化企業は承認取得とMASS Safety Certificateという追加障壁を負う。 / International Maritime Organization 出典
完全自律船の実船成熟度は限定用途のTRL7超実証段階7TRL(以上)(2024)EUのAUTOSHIPは、短距離海運・内陸水運という限定環境で2隻と陸上管制設備を構築し、TRL7以上を実証目標とした。外洋・国際商船への水平展開以前に実環境実証が必要であり、既存大手の搭載隻数と完全自律技術の商用成熟度を同一視できない。 / European Commission CORDIS 出典
防衛調達が7社を選抜し、非伝統プレイヤーの参入路を形成7社(MUSV海上試験選定企業)(2026)米海軍は2026年、MUSV海上試験にSea Machines、Saronic、Galliano Marine Services、PacMar、Birdonなどを含む7社を選定した。成熟した商用技術と小規模・非伝統造船所を活用する方針であり、従来の大型舶用機器企業中心の競争構造を崩す参入経路となる。 / United States Navy 出典
人員需要は一律削減でなく、士官不足・部員余剰へ二極化39100人(STCW認証士官の不足)(2026)BIMCO・ICSの2026年調査では、STCW認証士官は39,100人不足する一方、部員は56,890人余剰だった。船舶DXの需要は単純な総乗組員削減ではなく、希少な士官業務の支援・遠隔化へ集中しやすく、全職種代替を前提とする完全無人化モデルへの反証となる。 / BIMCO and International Chamber of Shipping 出典
規制・法制度24件
海上運送法(1949年法律第187号)—旅客定期航路事業・利用運送の許可制1949制定年(1949)日本の海上運送に関する基本法。一般旅客定期航路事業(フェリー等)や海運仲立業・海運代理店業等を対象とし、路線ごとに国土交通大臣の許可を要する。2023年の改正(海上運送法等の一部を改正する法律)では、内航海運の取引環境改善・生産性向上を目的に標準運送約款の整備や下請取引の適正化規定が追加され、単なる参入規制から取引慣行の是正へと規制の重心が移っている点が競合構造上の含意を持つ( / 国土交通省/e-Gov法令検索 出典
内航海運業法(1952年法律第151号)—総トン数100トン以上・全長30m以上の内航船は登録制100総トン数(登録要件の下限)(1952)総トン数100トン以上または長さ30メートル以上の船舶を使用する内航海運業(貨物輸送)には国土交通大臣への登録が義務付けられる。事業者数は小規模・零細事業者が過半を占める多層下請構造(オペレーター・オーナー分離)が特徴で、規制は登録要件に加え下請取引の書面化・標準的な運賃・用船料の目安の提示等、取引適正化にも及ぶ。時系列の厚み: かつての船腹過剰対策としての船腹調整事業(196 / 国土交通省/e-Gov法令検索 出典
内航海運暫定措置事業の終了(2021年8月)—船腹調整規制の半世紀ぶりの転換点2021終了年(2021)1967年開始の船腹調整事業(建造と解撤引当のリンクによる需給調整)は、1998年に内航海運暫定措置事業(納付金・交付金による軟着陸スキーム)へ移行した後、日本内航海運組合総連合会が2020年7月に国土交通大臣の認可を得て規約変更を行い、2021年8月に事業を完全終了させた。これにより船腹量を人為的に絞る規制が撤廃され、新規参入・船腹拡大の障壁が下がった一方、代替建造を支えてい / 国土交通省 出典
所管当局: 国土交通省海事局—内航海運の取引環境改善・生産性向上の制度設計主体内航海運業法・海上運送法の所管は国土交通省海事局(内航課)。同局は2023年の法改正で標準運送約款・書面契約・燃料油価格変動への対応(サーチャージ)等、荷主・オペレーター・オーナー間の取引慣行是正に踏み込んでおり、単なる免許行政から産業構造(多重下請・小規模事業者の低収益体質)への直接介入へと役割が拡張している。業界団体である日本内航海運組合総連合会は暫定措置事業の実施主体とし / 国土交通省 出典
米国ジョーンズ法(1920年商船法)—米国国内海上輸送は米国建造・所有・登録・75%米国人乗組員船に限定75%(米国人乗組員比率要件)(1920)ジョーンズ法(46 U.S.C. § 55102)は米国内2地点間(アラスカ・ハワイ・プエルトリコ・グアム含む)の海上貨物輸送を、米国で建造・所有され米国籍で沿岸貿易権を持つ船舶(乗組員の75%以上が米国市民・永住者)に限定するカボタージュ規制で、税関国境警備局(CBP)が執行する。競合相対の含意: 保護主義的規制であるため米国建造船のコストは国際市場より大幅に割高となり米国内 / 米国税関国境警備局(CBP) 出典
EU海上カボタージュ規則(Council Regulation 3577/92)—EU域内船社に加盟国内輸送の自由を付与、段階的自由化1993発効年(1993)1992年制定・1993年1月発効のEU理事会規則3577/92は、EU加盟国籍でEU船籍船を保有する船社に対し、他の加盟国内での海上輸送サービス提供の自由を認めるもので、米国ジョーンズ法とは対照的にEU域内の市場統合を志向する規制設計となっている。フランス・イタリア・ギリシャ・ポルトガル・スペインの島嶼間航路等は段階的自由化スケジュールが設定され、ギリシャの定期旅客・小型船( / 欧州連合(EUR-Lex) 出典
IMO EEXI/CII規制(2023年1月発効)—既存船の燃費指数と年次炭素強度格付け(A~E)を義務化2023発効年(2023)国際海事機関(IMO)は2023年1月1日付でEEXI(総トン数400トン以上の既存船の設計燃費指数)とCII(総トン数5,000トン以上の船舶の年次運航炭素強度指標、A~Eの5段階格付け)を義務化した。2008年比で2030年までに炭素強度を40%削減する目標の達成手段と位置づけられ、D評価が3年連続またはE評価となった船舶は是正計画(SEEMP改訂)の提出が求められる。市場 / 国際海事機関(IMO) 出典
IMO2023年GHG削減戦略—国際海運の2050年ネットゼロ目標と2030/2040年中間チェックポイント2050目標年(ネットゼロ)(2023)IMOはMEPC80(2023年7月)において、2018年戦略(2050年までに50%削減)を強化し、国際海運からのGHG排出を2050年前後にネットゼロとする目標を採択した。中間指標として2030年までに2008年比20%(努力目標30%)、2040年までに70%(努力目標80%)の削減を掲げ、2030年までの代替燃料の普及目標も明記された。この目標達成の中核措置として、燃料 / 国際海事機関(IMO) 出典
IMOネットゼロ枠組み(炭素価格付け)—2025年4月MEPC83で承認も正式採択は2026年へ延期85%(対象船舶が占めるCO2排出シェア)(2025)2025年4月11日のMEPC83において、総トン数5,000トン以上の船舶(国際海運CO2排出の約85%を占める)を対象に、燃料のGHG強度を段階的に引き下げるグローバル燃料基準と、違反に課徴金を科す炭素価格付けメカニズムから成るネットゼロ枠組みが承認された。しかし2025年10月の臨時MEPC(ES.2)では正式採択の投票が1年延期され、発効時期(当初2027年想定)にも不 / 国際海事機関(IMO) 出典
EU ETS海運拡大(2024年~)+FuelEU Maritime(2025年発効)—域内寄港船に排出量取引と燃料GHG規制の二重負担40%(2024年排出分の提出義務割合)(2024)EU排出量取引制度(EU ETS)は2024年1月から総トン数5,000トン以上の船舶(旗国不問)のEU域内寄港CO2排出に適用され、2024年排出分は排出量の40%、2025年分は70%、2026年分は100%の排出枠提出が段階的に義務化される。これと補完的にFuelEU Maritime規則が2025年1月1日に発効し、EEA域内寄港船が燃焼する燃料のGHG強度(ウェルトゥ / 欧州委員会(気候総局) 出典
FuelEU Maritime規則(2025年1月発効)—燃料GHG強度の逓減規制と陸上電力使用義務2025発効年(2025)FuelEU Maritime規則は2025年1月1日に発効し、EEA域内の港湾に寄港する船舶が燃焼する海洋燃料のGHG強度について逓減的な上限を設定するとともに、係留中は陸上電力供給(OPS)またはゼロエミッション技術の使用を義務付ける。EU ETSがタンクトゥウェイク(燃焼時排出のみ)を対象とするのに対し、本規則はウェルトゥウェイク(燃料の生産から燃焼までのライフサイクル) / 欧州委員会(運輸・モビリティ総局) 出典
米国USTR通商法301条に基づく中国造船・海事・物流分野への入港手数料課徴(2025年)—米中海事摩擦の規制タイムライン2025措置決定年(2025)米国通商代表部(USTR)は2025年、中国の造船・海事・物流分野における不公正な政策・慣行を対象とした通商法301条調査に基づき、中国船社が運航する船舶や中国建造船に対する米国港湾での追加入港手数料の賦課を決定した。自動車専用船(PCC/PCTC)については当初案から中国建造船限定への緩和が図られる等、対象範囲は交渉過程で修正されている。破壊要因としての含意: この措置は日本 / 日本貿易振興機構(JETRO) 出典
国際海事機関(IMO)—SOLAS・MARPOLを基盤に安全・環境規制を統括する国連専門機関IMOは国連の専門機関として、海上人命安全条約(SOLAS)や海洋汚染防止条約(MARPOL)を通じ、船舶の構造・設備基準や海洋環境保護基準の国際的な最低水準を設定してきた。近年はEEXI/CII(2023年)やネットゼロ枠組み(2025年承認・採択延期)等、気候変動対応の規制主体としての役割が急速に拡大しており、加盟各国(日本の国土交通省海事局を含む)はIMO条約を国内法(海 / 国際海事機関(IMO) 出典
IMO非義務的MASSコード発効2026発効年(2026)IMO海上安全委員会(MSC)は2026年5月、決議MSC.595(111)で世界初の非義務的MASSコードを採択し、同年7月1日に発効した。対象は原則SOLAS第I章の国際航海貨物船(概ね500総トン超)で、500総トン未満にも可能な限り適用を推奨。設計・運用・認証、遠隔運航センター、接続性、サイバーセキュリティ、人間の監督を一体化し、船長は船外にいても最終責任を負う。事業者 / International Maritime Organization 出典
MASSコード義務化は2032年2032義務化年(2032)IMOの確定ロードマップは、2026年12月のMSC 112で経験蓄積フェーズ(EBP)の枠組みを整備し、2028年から非義務コードと実績を基に義務的コード及びSOLAS新章を開発、2030年7月1日までに採択、2032年1月1日に発効する流れである。所管はIMOのMSCを中心にLEG・FAL等が連携。したがってメーカー・船社には、2030年の条文確定を待たず、2026~28年 / International Maritime Organization 出典
日本の自動運航船安全基準2025基準策定年(2025)国土交通省海事局は2025年6月30日、船舶検査心得・船舶検査の方法を改正し、船舶安全法体系下で自動運航システム等の安全基準と検査方法を具体化した。船舶自動化設備特殊規則第11条の2は、認知・判断・操作を一貫して自動実行する設備について、申請資料に記載した運用条件下での適合を要求する。所管は安全政策課・検査測度課で、国際義務化前に国内検査で実装可能にした点が重要。システム供給者 / 国土交通省 出典
日本の遠隔支援設備規制日本の国内基準は、遠隔支援を単なる通信サービスでなく船舶安全法上の検査対象として扱う。船舶自動化設備特殊規則第12条に対応し、陸上等の遠隔支援設備には自動運航システムの作動状況、船舶周囲を含む運航状態の監視・診断、必要な通信・制御機能を要求し、遠隔支援業務の事業場も検査枠組みに入る。所管は国土交通省海事局。遠隔運航センター事業者は、船上装置だけでなく陸側設備、業務手順、通信断時 / 国土交通省 出典
日本は2030年頃に本格商用化2030目標年頃(2030)国土交通省は2024年6月に自動運航船検討会を設置し、2030年頃までの本格的な商用運航を政策目標として、安全基準・検査方法に加え、責任・保険、船員制度を検討している。2022年ガイドラインが想定した2025年までのフェーズ2実用化から、制度対象を本格商用運航へ移したタイムラインである。所管は海事局の安全政策課、検査測度課、船員政策課・海技課、海洋・環境政策課。投資判断上は、技 / 国土交通省 出典
英国ROUV法制は2023年施行24m未満(2023)英国海事沿岸警備庁(MCA)はMerchant Shipping (Small Workboats and Pilot Boats) Regulations 2023を根拠にWorkboat Code Edition 3を2023年12月13日施行した。24m未満の商用ワークボートに加え、無人で遠隔運航センターから操作するROUVを明示的に対象化し、附属書2の設計・運航要件と認 / UK Maritime and Coastguard Agency 出典
英国遠隔操船者の資格要件1指定船長人(2024)MCAのMGN 703(2024年10月30日)は、Workboat Code Edition 3で認証されるROUVの遠隔操船者について、有人船に適用される訓練・証明を役割別に求め、GMDSS無線設備を扱う者には航行海域に適したGMDSS証明を要求する。航海中は常に1人だけを船長として指定し、その船長が安全・汚染防止の最終権限と責任を負う。正式な国家資格経路が確立するまでの暫 / UK Maritime and Coastguard Agency 出典
IACS船舶サイバー要件E262024適用開始年(2024)dead国際船級協会連合(IACS)のUR E26「Cyber Resilience of Ships」は、船舶全体のサイバーレジリエンスを対象に、統合・運用・保守を含むトップダウンの要件を船級規則へ統一する。改訂版は2024年7月1日以降に建造契約を結ぶ新造船へ適用され、当初の2024年1月1日適用版は撤回された。IACS加盟船級協会が設計審査・検査を担うため法令そのものではないが、 / International Association of Classification Societies 出典
IACS舶用機器サイバー要件E272024適用開始年(2024)IACSのUR E27 Rev.1「Cyber resilience of on-board systems and equipment」は、船上のコンピュータベース機器・システムを対象とするボトムアップ要件で、E26の船舶全体要件を補完する。改訂版は2024年7月1日以降の建造契約船に適用され、船種・サイズに応じ義務/非義務範囲を区分する。自動操船、航海支援、機関監視、通信ゲ / International Association of Classification Societies 出典
IMO海事サイバー管理の義務線2021対応期限基準年(2021)IMO決議MSC.428(98)は、SOLAS第IX章のISMコードに基づく既存の安全管理システム(SMS)で海事サイバーリスクを扱うよう旗国当局に促し、2021年1月1日以降最初の会社適合証書(DOC)年次検証までの反映を求めた。さらにMSCとFALは2025年4月4日、MSC-FAL.1/Circ.3/Rev.3を公表し、船上IT・OTを含むコンピュータベースシステムについ / International Maritime Organization 出典
米国は2026年に無人・自律・遠隔運航の監督指針を更新2026年(2026)alive_blocked米国沿岸警備隊(USCG)は2026年6月1日、無人・自律・遠隔制御運航を対象とする5P-WI-002(1)を発効し、2024年のPolicy Letter 22-01 Change 1を廃止した。未検査船には自律技術固有の規制枠組みがなく、検査船にも遠隔・高度自律機能を直接扱う規定がないため、COTPが水域リスクを管理し、OCMIが設計・配員・自動化設備を審査する。検査船の案 / United States Coast Guard 出典
財務・収益性ベンチマーク19件
日本郵船の営業利益率の時系列推移(2021〜2026年3月期予想)8.14%(2025)日本郵船の連結売上高営業利益率は、2021年3月期4.45%から、コンテナ船市況の空前の活況を受けて2022年3月期11.79%・2023年3月期11.33%まで急上昇した後、市況正常化に伴い2024年3月期7.32%・2025年3月期8.14%へ低下し、2026年3月期は中東情勢(ホルムズ海峡の緊張)や物流事業でののれん影響等により5.72%へ再び低下する見通しである。実績は / irbank(日本郵船公表データに基づく財務データベース) 出典
海運大手3社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)の営業利益率比較(2025年3月期)8.5%(2025)商船三井の売上高営業利益率は2023年3月期6.74%、2024年3月期6.34%から、2025年3月期は8.5%(営業利益1,508億5,100万円/売上高1兆7,754億7,000万円)へ改善し、2026年3月期は6.96%へ低下する見通しである。同時期の川崎汽船は営業利益1,028億円・売上高1兆479億円で営業利益率は約9.8%と3社中最も高く、日本郵船8.14%・商船 / irbank / 川崎汽船決算短信(2025年3月期) 出典
内航海運業者の営業利益率は概ね0〜2%、外航大手(8〜10%)との構造的格差国土交通省海事局の内航海運業報告規則に基づく調査によれば、内航海運業者(オペレーター)の営業利益率は概ね0〜2%の水準にとどまり、外航海運大手3社の8〜10%と比べて著しく低い。同資料は「内航海運業者の経常利益率は営業利益率よりも高い傾向にあり、大きな収益が見込まれる外航海運や不動産業等と兼業する事業者も多いためと考えられる」と分析している。また船舶を保有する一杯船主中心の「オ / 国土交通省海事局 出典
日本郵船のROIC実績・計画とCapEx進捗(中期経営計画2026)6.4%(2025)日本郵船のROIC(投下資本利益率)は2025年度実績6.4%、2026年度予想4.8%(中東情勢の悪化・物流事業でののれん影響により低下)、2030年度予想7.6%と、単年度でも大きく変動する見通しである。ROEも2025年度実績7.1%→2026年度予想6.4%→2030年度予想10.3%という同様の軌道を描く。設備投資面では、中期経営計画公表時に2026年度までの投資総額 / 日本郵船株式会社(会社説明会資料) 出典
商船三井の中期経営計画「BLUE ACTION 2035」の収益性目標9.5%(ROE目標レンジ9〜10%の中央値)(2035)商船三井は2023年度からの長期経営計画「BLUE ACTION 2035」において、2035年度に税前利益4,000億円・総資産7.5兆円、市況感応型:安定収益型の資産構成比を40:60とする事業ポートフォリオへの転換を掲げている。株主還元面ではROE9〜10%の実現を目標とする一方、個別のROIC数値目標は計画上明示されておらず、資本効率指標よりも規模拡大とポートフォリオ再 / 株式会社商船三井 出典
商船三井BLUE ACTION 2035 Phase1(2023〜2025年度)の投資実績は計画の約1.7倍2兆円(Phase1累計投資実績)(2025)商船三井はBLUE ACTION 2035のPhase1(2023〜2025年度)で計画投資額1.2兆円に対し、実績は2.0兆円(計画比約167%)に達した。内訳は市況感応型事業に7,000億円、安定収益型事業に1.1兆円で、2024年4月時点で既に投資決定額が1.1兆円を超えていたことも判明している。2026年4月からはPhase2に移行し、経営の重心を「変革と拡大」から「成 / 海事プレス / 商船三井 出典
日本郵船の研究開発費は売上高比0.26%、装置産業としての低R&D構造0.26%(2025)日本郵船の直近連結会計年度の研究開発費は63億59百万円(6,359百万円)であり、同期の連結売上高2兆4,237億円(2025年3月期実績ベース、edinetdb集計)に対する比率は約0.26%にとどまる。これは製造業平均(概ね3〜5%)は言うに及ばず、他の資本集約型産業と比べても著しく低い水準である。海運業は巨額の設備投資(船舶)を要する装置産業でありながら、価値の源泉が独 / irbank(日本郵船 有価証券報告書ベース) 出典
グローバル比較: Maersk Ocean部門のEBITマージン25.5%(2024年)と日本勢の格差25.5%(2024)デンマークの海運最大手A.P.モラー・マースク(Maersk)は2024年12月期にEBIT(利払い・税引き前利益)が前年比65%増の65億米ドルとなり、中核のOcean(コンテナ船)部門のEBITマージンは25.5%に達した。これは紅海情勢の緊迫化に伴うスエズ運河迂回(喜望峰ルート)による輸送距離の長期化・運賃高騰を追い風にしたものである。同じ紅海リスクに直面しながら、日本の / A.P. Moller - Maersk 出典
日本の海運業界規模5.9兆円、利益率16.2%(コンテナ船市況ブーム期)と企業規模の二極化16.2%(2023)民間業界分析サイトの集計によれば、日本の海運業界の市場規模は約5.9兆円、成長率14.6%、利益率16.2%(コロナ禍後のコンテナ船運賃高騰による2022〜2023年頃の記録的好業績を反映した数値とみられる)とされる。同業界は日本郵船(連結売上高2兆4,237億円)、商船三井(1兆8,251億円)、川崎汽船(1兆184億円)の大手3社が売上規模で突出する一方、NSユナイテッド海 / 業界動向サーチ / EDINET DB 出典
Kongsberg Maritime営業利益率12.7%12.7%(2025)自動運航・遠隔運航、統合ブリッジ、航海安全、船隊デジタルを中核に持つKongsberg Maritimeの2025年売上高は271億NOK、営業利益率は12.7%。船舶DXに最も近い大手開示ベンチマークであり、同年のWärtsilä連結12.1%、FURUNO連結10.4%を上回る。約50%をライフサイクル型収益が占める事業構成が、機器売切り型より高い利益率を支えると読める。 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
Kongsberg MaritimeのR&D比率6.2%6.2% of revenue(2025)Kongsberg Maritimeは2025年に研究開発へ16.72億NOKを投資した。売上高271億NOKで除したR&D比率は6.2%の推定となり、Wärtsilä連結4.8%、FURUNO連結5.0%を上回る。自動運航、統合航海、遠隔支援、船舶データ基盤で先行を維持するため、短期利益率だけでなく高い技術再投資を同時に負担している点が重要である。比率は開示額からの計算値。 / Kongsberg Gruppen ASA 出典
FURUNO海事セグメント利益率12.2%12.2%(2025)航海レーダー、ECDIS、通信、オートパイロット等を扱うFURUNOの海事セグメントは、2025年2月期の外部・内部売上合計1,088.84億円、セグメント利益133.34億円。利益率は12.2%と算出され、連結営業利益率10.4%より1.8ポイント高い。全社共通費控除前ではあるが、船舶運航電子・航行安全領域そのものの収益性を示す希少なセグメント開示である。 / 古野電気株式会社 出典
FURUNO連結営業利益率は10.4%10.4%(2025)FURUNOの2025年2月期は売上高1,269.53億円、営業利益131.81億円、売上高営業利益率10.4%。前年の5.7%から4.7ポイント上昇し、航海電子・船舶DX関連の需要拡大局面で大きなオペレーティングレバレッジが出た。一方、海事セグメント利益率12.2%より連結は低く、本社共通費や非海事事業が約1.8ポイントの希薄化要因となっている。 / 古野電気株式会社 出典
FURUNOのROICは12.7%12.7%(2025)FURUNOが後日開示した2025年2月期ROICは12.7%。翌2026年2月期には15.5%へ2.8ポイント上昇しており、航海電子・船舶運航機器企業で資本効率が改善している。WärtsiläのROI 26.2%とは定義が異なるため単純比較は禁物だが、FURUNO自身がROIC経営導入前の基準年として明示した値であり、自動運航・航行安全製品への成長投資判断に使える資本コスト超 / 古野電気株式会社 出典
FURUNOのCapEx率は3.9%3.9% of revenue(2025)FURUNOの2025年2月期設備投資は49.21億円、連結売上高は1,269.53億円で、CapEx率は3.9%と算出される。Wärtsilä連結の2.2%を1.7ポイント上回り、航海レーダー、センサー、通信・自動操船機器を支える試験・生産・ソフト資産への投資負担が相対的に重い。海事セグメントだけでも有形・無形資産増加は38.57億円で、設備投資の約78%を占める。 / 古野電気株式会社 出典
FURUNOのR&D比率は5.0%5% of revenue(2025)FURUNOの2025年2月期R&D費は63.03億円、対連結売上高比率は5.0%。航海レーダー、音響・光学センシング、信号処理、オートパイロット等を自社開発するため、Wärtsilä連結4.8%をわずかに上回る一方、Kongsberg Maritime推定6.2%を下回る。2022年2月期6.4%から比率は低下したが、金額は54.58億円から増えており、売上成長がR&D増加を / 古野電気株式会社 出典
Wärtsilä営業利益率は12.1%12.1%(2025)船舶性能最適化、デジタル運航支援、機関・推進制御を展開するWärtsiläの2025年連結営業利益率は12.1%、比較可能営業利益率は12.0%。前年11.1%から1.0ポイント改善した。自動運航・船舶DXだけの利益は非開示だが、MarineとEnergy合算の営業利益率は13.8%で、同社目標14%に0.2ポイントまで接近。FURUNO連結10.4%より高く、サービス比率52 / Wärtsilä Corporation 出典
WärtsiläのROIは26.2%26.2% ROI(2025)Wärtsiläの2025年投下資本利益率に近い開示指標ROIは26.2%で、前年23.7%から2.5ポイント上昇した。同社はROICを開示していないためROIを代替ベンチマークとする。ROCEは65.4%だが、負の運転資本やネットキャッシュの影響を強く受ける。FURUNOのROIC12.7%より見かけ上高いものの定義差があり、船舶DXの比較では利益率・運転資本回転・サービス前 / Wärtsilä Corporation 出典
船舶DX大手の投資・収益性レンジ12.1% operating margin median(2025)2025年の比較可能な開示では、営業利益率はFURUNO連結10.4%、Wärtsilä連結12.1%、Kongsberg Maritime 12.7%で、3社中央値は12.1%。R&D比率は4.8%、5.0%、推定6.2%で中央値5.0%、CapEx率は開示比較できるWärtsilä2.2%、FURUNO推定3.9%。したがって船舶DXの健全な上場大手像は、営業利益率約12% / Wärtsilä Corporation 出典
顧客セグメント・需要ドライバー20件
内航海運の荷主構成は素材型産業(産業基礎物資9品目)に集中89.8%(輸送トンキロシェア・産業基礎物資9品目)(2022)内航海運の貨物は石油製品・石灰石等・鉄鋼等・セメント・砂利砂石材・化学薬品肥料・石炭・製造工業品・自動車等の産業基礎物資9品目で輸送トンキロの89.8%、輸送トン数の90.3%を占める(令和4年度)。品目別では石油製品は輸送量450〜500億トンキロで推移し80%以上を内航海運が担い、セメントも200億トンキロ前後で80%以上、鉄鋼を含む金属は350〜400億トンキロで50%以 / 日本内航海運組合総連合会 出典
外航コンテナ輸送は大企業の直接契約(BCO)と中小企業のフォワーダー経由に二極化実際の国際コンテナ輸送では、荷動き量の大きい大企業荷主は船会社と直接運賃契約(Beneficial Cargo Owner契約)を結ぶ一方、中小企業荷主の多くはフォワーダー(乙仲)を介して運賃交渉・通関・書類手配を委託する構造になっている。フォワーダー選定は輸送コストとサービス品質の両面で顧客の意思決定に直結するため、荷主にとって複数フォワーダーとの取引関係の維持が推奨されてい / デジマ社(貿易実務解説)/HUNADE 出典
物流2024年問題によるトラックからのモーダルシフトが最大の需要創出要因34.1%(2030年度陸上輸送能力不足推計)(2030)トラックドライバーの時間外労働上限規制(年960時間)により、2030年度には陸上輸送能力の34.1%(9.4億トン相当)が不足すると推計されており、この不足分の長距離輸送を中心に内航フェリー・RORO船へのモーダルシフトが進行している。船社側もこの需要増に対応し、過去30年間でフェリーの総トン数は1.4倍、RORO船は2.6倍に大型化した。国土交通省海事局は2023年8月以降 / 国土交通省港湾局/海事局 出典
物流15業種市場は2025年度24.77兆円前後で微増も外航海運・港湾運送は米関税影響で減少見込み24.765兆円(物流15業種総市場規模)(2025)矢野経済研究所の調査によれば、物流15業種の2025年度総市場規模は約24兆7,650億円(前年度比0.5%増)と推計される一方、外航海運業と一般港湾運送業は米国の対日輸入関税引き上げの影響で輸出貨物量が減少し、前年度比で市場規模が減少する見通しとされている。国内向け内航海運・フェリー等はモーダルシフト需要で堅調な一方、外航海運は貿易政策という外生的ショックに需要が強く連動する / 矢野経済研究所 出典
物流GX(脱炭素)政策がモーダルシフトのCO2削減効果を通じ需要を後押し50%超(トラック比CO2削減率・フェリー転換事例)(2024)国が推進する物流GXでは、鉄道・内航海運の輸送力増強によるモーダルシフトと、車両・船舶・物流施設・港湾等の脱炭素化が両輪で位置づけられている。実例として大手菓子メーカーがトラック輸送からフェリー輸送へ切り替えたケースでは、CO2排出量を5割超抑制できるとされ、環境対応(サプライチェーン全体のScope3削減)を目的とした荷主の輸送モード転換が、コスト以外の需要ドライバーとして機 / 経済界ウェブ(取材記事) 出典
荷主の売上高物流コスト比率5.32%(過去20年で4番目の高水準)がコスト感応度を規定5.32%(売上高物流コスト比率)(2025)日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の2025年度物流コスト調査によれば、荷主企業の売上高物流コスト比率は5.32%となり、過去20年間で4番目に高い水準まで上昇した。物流事業者からの値上げ要請項目では「輸送費」が最多で、次いで荷役費・保管費・包装費と続く。この構造下で、フォワーダー・船社選定の決定要因は品目特性・輸送ルートと仕向地・輸送量と頻度・スピード/リードタイム要 / 公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS) 出典
政府によるフェリー・RORO船積載率の定期公表が荷主の意思決定情報を補完国土交通省は2023年8月以降、中・長距離フェリー、RORO船、内航コンテナ船の積載率動向を四半期ごとに公表しており、経済産業省もこれを荷主企業へ周知するよう業界団体へ依頼している。これは、荷主が輸送モード選定時に「空き容量があるか」「安定的に積載できるか」という信頼性情報を欠いていた市場の失敗(情報の非対称性)を、公的統計の公表によって補う施策であり、荷主の購買決定要因として / 国土交通省(報道記事経由) 出典
外航コンテナ輸送はBCO長期契約(最低数量保証)によりキャパシティロックインが生じる国際コンテナ輸送では、荷主(Beneficial Cargo Owner)と船社が最低数量保証(Minimum Quantity Commitment)付きの複数年契約を結ぶBCO契約が、需給逼迫時のブッキング確保(ロールオーバー回避)の戦略的手段として再評価されている。指数連動型の運賃条項を組み込んだ長期契約は、船社・荷主双方の離脱リスクを引き下げ、荷主には供給の確実性を、船 / Cosmo Freight(海運ロジスティクス専門メディア) 出典
内航海運は荷主企業系列の事業者構造が事実上の切替コストを生む内航海運業界は、鉄鋼・石油元売・電力・セメントといった荷主企業が自社グループ内に内航海運事業者(系列船社・専属船)を抱える、あるいは特定事業者と長期の専属輸送契約を結ぶ「荷主企業系列」の構造が色濃く残っている。零細事業者が大半を占める供給構造の中でこの系列関係が固定化されているため、荷主が輸送事業者を切り替えるには、専用船の仕様変更・積み替え設備の調整・長年の取引慣行の見直しと / 日本内航海運組合総連合会/栗林商船(国土交通省交通政策審議会提出資料) 出典
内航貨物・旅客船は人材制約が最優先44%(2022)中核顧客は、長期連続乗船を伴う内航貨物船社と、定時性を要求されるフェリー・旅客船社である。2022年時点で内航船員の約44%が50歳以上で、長時間労働も課題。購買では省人化人数だけでなく、当直負荷、既存船への搭載性、事故回避性能を同時に評価する。航海・機関データ、乗組員訓練、保守手順が特定システムに蓄積するため、換装時の再統合・再訓練が切替コストとなる。 / 国土交通省 出典
顧客は限定航路型と運航支援型に二分2需要類型(2020)自動運航の需要は二つに分かれる。第一は小型船・限定短距離航路で、船上要員削減や無人化を狙う船主・航路事業者。第二は大型・長距離船で、部分自動化と陸上からの遠隔支援により乗組員を補助する船主・船舶管理会社である。購買決定は航路の複雑性、通信冗長性、人とシステムの役割分担、保守管理を含む安全承認の得やすさ。運航概念を変える切替は、リスク評価・承認・手順書を作り直すコストを伴う。 / 日本海事協会(ClassNK) 出典
国際貨物船は認証対応が需要を形成500GT超(原則)(2026)国際航海のSOLAS貨物船、原則500総トン超がMASS Codeの主対象顧客となる。2026年の非強制コードは、運航モード記述、船長の最終責任、遠隔運航センターの評価・認証、堅牢な安全管理システムを要求する方向を示す。したがって購買では単体の自律性能より、船級・旗国承認に使える安全ケース、通信・サイバー冗長性、監査証跡が重要。ベンダー変更は安全証明、ROC認証、SMS文書の再 / 国際海事機関(IMO) 出典
新造船サイバー需要は契約日で発生2.02407e+07適用開始日(YYYYMMDD)(2024)IACS船級の新造船を発注する船主、造船所、舶用機器メーカーは独立した顧客群である。UR E26は船全体、E27は船上システム・機器のサイバー耐性を対象とし、2024年7月1日以降に建造契約される新造船へ改訂要件を適用。購買では型式・船級適合、セキュア設計、検査可能性が必須となる。後から機器ベンダーを替えるとインターフェース再設計、再試験、船級検査が生じ、設計凍結後ほど切替コス / 国際船級協会連合(IACS) 出典
既存船はSMS起点でサイバー投資2.02101e+07基準日(YYYYMMDD)(2021)既存船を保有・管理する船主とISM適用会社では、新造船仕様ではなく安全管理システムへの組込みが需要起点となる。IMOは2021年1月1日以降、会社の適合証書の最初の年次検証までにサイバーリスクをSMSで扱うよう促した。購買決定要因は船陸一体の資産把握、手順・訓練、インシデント対応、監査証跡。ツールだけを切り替えてもSMS、リスク台帳、乗組員教育、監査資料の更新が必要で、運用文書 / 国際海事機関(IMO) 出典
訓練一体型が自動化の購買条件81%(2024)高度な自動化、センサー、遠隔運航を導入する船主・船舶管理会社では、技術購入と人材転換を分離できない。DNV・Singapore Maritime Foundation調査で、船員の81%が将来の高度技術を扱うため部分的または全面的な訓練を必要と回答した。購買では操作性、異常時の人への権限移譲、シミュレータ・教育、陸上支援体制が重要。製品変更は乗組員・ROC要員の再訓練と能力確認 / DNV / Singapore Maritime Foundation 出典
運航最適化は燃料費削減で選別10%(最大燃料削減)(2024)alive_blocked外航コンテナ船、バルカー、タンカー等の大規模船主では、船舶データ活用・航路最適化の需要を燃料費と排出削減の双方で評価する。OECDはDNVを引用し、AI・ビッグデータによる船舶の航路・運航最適化で、天候や経路条件に応じ最大10%の燃料削減が可能と整理する。購買では実船ベースの削減検証、データ品質、既存航海機器との統合が決め手。モデル変更時は履歴データ移行と再検証が必要で、性能保 / OECD 出典
相互運用性が切替コストを左右複数船型・複数ベンダーの機器を抱える船主、船舶管理会社、港湾との接続が多い事業者ほど、データモデル、形式、APIの不一致が需要障壁になる。BIMCOは断片化が費用と複雑性を増やし、データ再利用と船種・国境を越えた拡張を妨げると指摘。購買ではIMO Compendium準拠、共通定義、オープンな情報交換、段階導入を重視すべきである。独自形式を選ぶと履歴変換、接続再構築、業務ロジッ / BIMCO 出典
国内導入は安全検査と労務を一体評価5検討会開催回数(2025)日本の内航船主・運航会社が自動運航を購入する際は、技術性能だけでなく、現行法令下の検査と人員運用が採否を左右する。国交省検討会は安全基準・検査方法に加え、システムと人の役割分担・労働負荷、船員教育訓練、雇入れ時確認、実証での検証事項を一体で整理した。よって購買仕様にはフェイルセーフ、避航、責任分界、教育まで含める必要がある。換装は再検査、役割設計、教育・雇入れ確認のやり直しを伴 / 国土交通省 出典
2040年50%目標が内航需要を牽引50%(国内航行船舶)(2040)日本の旅客船、コンテナ船、内航貨物船と、それらを複数船支援する陸上運航センターが長期の重点顧客である。MEGURI2040は2040年に国内航行船舶の50%を無人運航船とする目標を掲げ、安全性向上と船員負担軽減を狙う。購買では単船の自動化より、複数船監視、航路別の実証実績、既存船展開、社会受容性が重要になる。船隊規模で同一ROC・データ基盤へ統合した後は、全船再接続と運航手順移 / 日本財団 出典
国際貨物MASSは500GT境界で認証需要が先行500GT(2026)IMOの非強制MASS Codeは、原則としてSOLAS第I章の国際航海に従事する500GT超の貨物船を主要顧客層とし、500GT未満にも可能な範囲で適用を推奨する。2026年7月発効から2032年の強制コード発効予定まで、船主・運航者・設計者の需要は段階的に立ち上がる。購買では運航モード、運航設計領域、リスク評価、サイバーセキュリティ、遠隔運航センターの認証・SMS適合を一体 / International Maritime Organization 出典

掲載企業の研究領域 — 全社ベースCLR 法人番号接続

上の企業一覧に載る上場企業について、有価証券報告書の研究開発活動から抽出した全社の研究領域を引いた。★これは会社全体の研究であって、本分野に限った研究ではない。(例: 造船の企業でも、水素ガスタービンや原子炉が並ぶ。本分野の研究と読み替えないこと。)★法人番号での接続だが、その法人番号自体は社名の一致で当てたものであり、同定の強さは社名一致に留まる。

ニッスイ(日本水産)7件
含む機能性素材および養殖技術strong6 【研究開発活動】 当社グループは、水産品、食品、医薬品を 含む機能性素材および養殖技術において 「食」と「健康」に関する研究開発を行っています。 当連結会計年度におけるグルー 出典
養殖魚の育種strongブリをはじめとした養殖魚の育種、陸上養殖、データサイエンスなどの研究を行っています 出典
高純度EPAstrong高純度EPAの研究を深化させるとともに新しい医薬・機能性脂質の研究 出典
植物タンパク質strongタンパク質摂取の在り方の多様化に対応するために、植物タンパク質の利用研究も行っています 出典
シーフードプロ技術strong自然な外観と食感を維持する「シーフードプロ技術」の適応拡大を進めています 出典
味・香りstrong味・香りの基礎研究や米、野菜、鶏等の原料まで遡った研究を行い 出典
速筋タンパクstrongスケソウダラのタンパク質「速筋タンパク」の研究開発を行っています 出典
三井海洋開発(MODEC)6件
CFRP補修手法strong火気工事を伴わない船体補修法であるCFRP補修手法等、洋上の環境においても適用が容易な補修技術 出典
コンディション・ベースド・メンテナンス(CBM)strongコンディション・ベースド・メンテナンス(CBM)やプレディクティブ・メンテナンス(PdM)等に関する研究開発 出典
燃焼後カーボンキャプチャー(PCC)技術strong発電機排ガスからCO2を抽出する燃焼後カーボンキャプチャー(PCC)技術の開発を実施しております 出典
ブルーアンモニアFPSOstrongCO2を海底に圧入することができる「ブルーアンモニアFPSO」のコンセプト開発 出典
TLP型洋上風力発電設備・変電設備strongコスト競争力のあるTLP型洋上風力発電設備・変電設備の開発やCCS設備を備えた発電バージ 出典
リチウムの油井水や海水からの回収設備strongバッテリーの原料として不可欠なリチウムの油井水や海水からの回収設備といった新規ソリューション開発 出典
川崎重工業8件
ショベル分野strongステムなどの開発に取り組んでいます。 当事業に係る研究開発費は58億円です。 精密機械・ロボット事業 精密機械事業では、ショベル分野において製品競争力の強化に加え、カーボンニュートラルや省人化などESGの視点から、電動化 出典
産業用ロボット分野strongリティ向け燃料電池システム、水素ステーション用油圧ブースター式水素圧縮機等の開発に取り組んでいます。 ロボット事業では、産業用ロボット分野において半導体製造用ロボットや物流業界向けロボットなど人手不足への対応等の社会的ニーズが 出典
液化水素サプライチェーンstrong液化水素サプライチェーンの構築を目指した商用化実証など、水素社会の実現を目指した取組にも注力しています。 出典
無人化・自律化システムstrong先進的なAI技術を活用した無人化・自律化システムの研究開発、VR等のデジタル技術を活用した教育訓練システム 出典
水素航空機strong水素航空機のエンジン/燃焼システム技術や燃料タンクに関する研究開発にグリーンイノベーション基金も活用しながら取り組んでいます。 出典
大型遠心式水素圧縮機strong圧縮機に関する豊富な実績・知見を活用した大型遠心式水素圧縮機の開発にも取り組んでいます。 出典
廃リチウムイオン電池リサイクルシステムstrong循環型社会の実現に向けた廃リチウムイオン電池リサイクルシステム、AI技術を活用した資源選別支援システム 出典
サージカルロボットシステムstrong医療従事者や患者の負担を軽減する「hinotori™」サージカルロボットシステムや、労働力不足や生活の様々な課題 出典
日本郵船6件
アンモニア燃料船舶strong2021年より社外パートナーとともにアンモニア燃料船舶の研究開発に取り組んでいます。 出典
低・脱炭素燃料strongアンモニアを含む低・脱炭素燃料の導入及びサプライチェーンの構築 出典
自律運航船strong具体的には脱炭素化に向けた新技術や環境規制対応、自律運航船、船舶電化、サイバーセキュリティ 出典
船舶電化strong環境規制対応、自律運航船、船舶電化、サイバーセキュリティ、データ活用による効率運航等 出典
データ活用による効率運航strong船舶電化、サイバーセキュリティ、データ活用による効率運航等の研究開発を行い 出典
液化二酸化炭素の海上輸送strong液化二酸化炭素の海上輸送、洋上風力関連事業について社外パートナーとともに複数の研究開発 出典
集中フォーサイト解析 — 最先端ロードマップと盲点

海洋無人機は2030年に世界市場1.5兆円へ達し、海底のマンガン団塊が2030年代前半に生産段階へ入る。RMP 技術ロードマップDB 接地

政府は海洋無人機・海洋状況把握・革新的海底開発技術の三つを選定し、官民投資ロードマップの議論を進めてきた。海洋無人機は南鳥島周辺のレアアース泥調査でも活躍し民間活用が拡大、世界市場は2030年頃に1.5兆円を上回りシェア3割を狙う一方、海底鉱物分野では世界的にまだ技術が確立・商業化されていない。公共調達による初期需要を起点に、日本はどこまで産業化と国際展開を実現できるか。本分野の洞察は、2026年からの実証拡大、2030年代前半のマンガン団塊生産と海洋状況把握の8カ国展開、2037年以降の深海採掘と海洋保護の分岐という射程を、反証条件とともに描く。

① 技術ロードマップ — 射程×実現年のマイルストーン
技術ロードマップ(射程×実現年)近 〜3年123456789中 3-10年1011121314151617遠 10-30年1819202122202620282030203220342036203820402042
マイルストーンは近10・中8・遠5件、2026〜2042年に分布。 実現マイルストーンを射程(近/中/遠)レーン × 実現(予測)年で配置。番号は下の凡例(年・内容・TRL遷移)。
  1. 12026ISA Polymetallic Nodule Mining CodTRL6→7
  2. 22026Deep-sea mining environmental baseTRL6→7
  3. 32026Submarine cable fault detection auTRL8→9
  4. 42026AUV long-endurance survey autonomyTRL7→8
  5. 52026Floating wind + wave energy hybridTRL4→6
  6. 62026Recirculating aquaculture RAS 500+TRL8→9
  7. 72026Bivalve hatchery technology TRL8: TRL6→8
  8. 82026Deep-sea mining sediment plume reaTRL5→7
  9. 92026Mining impact biodiversity assessmTRL5→6
  10. 102030Wave energy converter commercial fTRL7→8
  11. 112030Global subsea cable network reacheTRL8→9
  12. 122030Floating wind farm reaches 2 GW glTRL8→8
  13. 132030Seaweed aquaculture carbon creditsTRL5→8
  14. 142030Unified coastal ocean forecast sysTRL5→8
  15. 152030Aquaculture climate adaptation proTRL4→7
  16. 162030Wave-current coupling model integrTRL6→8
  17. 172030Subsea cable protection system preTRL8→9
  18. 182037Cellular agriculture seaweed produTRL4→7
  19. 192038Quantum computing optimizes globalTRL2→6
  20. 202039Bionic fish migration barriers proTRL3→6
  21. 212040Arctic seabed minerals extraction TRL3→7
  22. 222042Ocean acidification reversal technTRL4→6
全マイルストーンの一覧(TRL遷移・反証条件・一次出典)を開く23件
射程実現年TRLマイルストーン
近(〜3年)2026TRL6→7ISA Polymetallic Nodule Mining Code finalized反証条件: ISA publishes final mining code document with approval by Council; code becomes binding on 出典
近(〜3年)2026TRL6→7Deep-sea mining environmental baseline completed (global)反証条件: Published environmental baseline datasets (fauna, chemistry, sediment) for CCZ and Indian 出典
近(〜3年)2026TRL8→9Submarine cable fault detection automation (AI-driven)反証条件: AI fault detection system deployed on ≥3 major intercontinental cables; <24h MTTR (mean ti 出典
近(〜3年)2026TRL7→8AUV long-endurance survey autonomy 200+ hours反証条件: AUV endurance log ≥200 hours in field deployment (oceanographic survey); depth ≥2000m veri 出典
近(〜3年)2026TRL4→6Floating wind + wave energy hybrid system TRL6 prototype反証条件: Sea trial data (power output, structural integrity) published; prototype rated ≥500kW wind 出典
近(〜3年)2026TRL8→9Recirculating aquaculture RAS 500+ tonnes annual production plant反証条件: RAS facility production >500 tonnes/year documented; third-party audit; survival rate ≥95% 出典
近(〜3年)2026TRL6→8Bivalve hatchery technology TRL8: automated spawning triggers反証条件: Automated hatchery produces ≥10M spat/year; survival to seed stage ≥50%; technology adopte 出典
近(〜3年)2026TRL5→7Deep-sea mining sediment plume real-time monitoring system反証条件: Plume monitoring system deployed during pilot mining; real-time data available; TSS measur 出典
近(〜3年)2026TRL5→6Mining impact biodiversity assessment (eDNA/eDNA metagenomics)反証条件: eDNA baseline study completed for 2 mining areas; biodiversity indices (Shannon/Simpson) c 出典
近(〜3年)2026TRL5→7Submarine cable security standard (ITU-T G.sup) ratified globally反証条件: ITU-T publishes final G.sup (cable security) standard; adoption rate >80% in cable system 出典
中(3〜10年)2030TRL7→8Wave energy converter commercial fleet (≥20 units deployed)反証条件: ≥20 wave converters deployed globally; cumulative rated capacity ≥100MW; generation data p 出典
中(3〜10年)2030TRL8→9Global subsea cable network reaches 500 Tbps capacity反証条件: Published annual report from TeleGeography documenting installed cable capacity exceeds 50 出典
中(3〜10年)2030TRL8→8Floating wind farm reaches 2 GW global capacity反証条件: WindEurope or Global Offshore Wind Council publishes annual report documenting ≥2 GW float 出典
中(3〜10年)2030TRL5→8Seaweed aquaculture carbon credits standardized globally反証条件: Verra or Gold Standard publishes seaweed aquaculture blue carbon methodology with approved 出典
中(3〜10年)2030TRL5→8Unified coastal ocean forecast system implemented across 50 countries反証条件: WMO publishes directory documenting ≥50 maritime nations operating unified forecast system 出典
中(3〜10年)2030TRL4→7Aquaculture climate adaptation protocols adopted by 100+ operations反証条件: FAO publishes database documenting ≥100 aquaculture operations implementing climate-adapte 出典
中(3〜10年)2030TRL6→8Wave-current coupling model integrated into operational weather systems反証条件: Operational forecast models from ≥3 national weather services publish wave-current coupled 出典
中(3〜10年)2030TRL8→9Subsea cable protection system prevents 95% of fishing-related damage反証条件: Submarine cable operator publishes 5-year damage report showing <5% incidence rate in fish 出典
遠(10〜30年)2037TRL4→7Cellular agriculture seaweed produces 10,000 tonnes protein annually反証条件: Commercial production facility produces and sells ≥10,000 tonnes/year seaweed-based protei 出典
遠(10〜30年)2038TRL2→6Quantum computing optimizes global aquaculture supply chains反証条件: Published case study documents quantum algorithm implementation in operational aquaculture 出典
遠(10〜30年)2039TRL3→6Bionic fish migration barriers protect diadromous species populations反証条件: Multi-year study on river systems with bionic barriers documents diadromous fish populatio 出典
遠(10〜30年)2040TRL3→7Arctic seabed minerals extraction under climate sovereignty framework反証条件: Arctic Council publishes mineral extraction protocol agreed by ≥7 Arctic nations with clim 出典
遠(10〜30年)2042TRL4→6Ocean acidification reversal technology demonstrated at regional scale反証条件: Field trial demonstrates alkalinity enhancement in <10,000 km² region with measured pH inc 出典
② 定量予測(機関別・目標年つき)
主要機関の予測(機関×目標年)20262027202820292030EU European C100.0%90.0%90.0%IMO100.0%DARPA500.0hoursOECD5.0approved_sites85.0%CCAMLR1.0treaty_adoptionMcKinsey Glob2.8$BMIT Technolog400.0Wh/kgITU100.0%2500.0TbpsIEA234.0GWTeleGeography30.0$B
予測年は2026〜2030年に分散(機関間で見解差)。 主要機関(縦軸)の予測を目標年(横軸)に配置。点の右は予測値(単位混在のため軸でなくラベル表記)。確度の幅は原データに無いため、帯は機関間の予測年レンジを示す(代理表示)。予測本文は下の一覧に。
予測の本文一覧(機関・目標年・出典)を開く14件
  • EU European Commission〔2026年〕 100.0%:EU will ban single-use plastics in maritime operations by 2026 per directive 出典
  • EU European Commission〔2027年〕 90.0%:International submarine cable installations will require environmental impact assessments by law in 90% of cases by 2027 出典
  • IMO〔2027年〕 100.0%:Noise pollution standards for maritime shipping will be mandated internationally by 2027 出典
  • DARPA〔2028年〕 500.0hours:AUV battery technology improves endurance to 500+ hours by 2028 出典
  • OECD〔2028年〕 5.0approved_sites:Deep-sea mining deployment will be limited to licensed test sites by 2028 per ISA regulations 出典
  • CCAMLR〔2028年〕 1.0treaty_adoption:Antarctic krill fishing will be restricted to sustainable levels per new treaty by 2028 出典
  • EU European Commission〔2028年〕 90.0%:Offshore platform recycling will become mandated by 2028 in OECD nations 出典
  • McKinsey Global Institute〔2028年〕 2.8$B:Global AUV market reaches $2.8B by 2028 出典
  • MIT Technology Review〔2028年〕 400.0Wh/kg:AUV battery energy density improves to 400 Wh/kg by 2028 出典
  • OECD〔2028年〕 85.0%:Seabed mining regulation framework adopted in 85% of coastal nations by 2028 出典
  • ITU〔2029年〕 100.0%:Submarine cable protection standards will be mandatory for 100% of new installations by 2029 出典
  • IEA〔2030年〕 234.0GW:Global offshore wind capacity reaches 234 GW by 2030, with floating offshore wind accounting for 5 GW 出典
③ 盲点・反証(クリティカルビュー — 楽観を疑う論点)
懐疑・限界
重大深海採掘の環境影響評価の不十分さ
重大OTEC実装の熱交換効率の理想値過依存
重大深海採掘のISA規制の実行可能性欠如
重大深海採掘の環境影響未解明
重大深海採掘の不可逆的生態系破壊
倫理・安全
重大ISA条約批准国の不均等分布と規制回避
重大養殖の病原体耐性と薬剤耐性菌の海への流出
重大海底ケーブルの戦争リスク化と民間化の矛盾
重大海洋バイオテク(合成生物)の『制御可能性』幻想
重大デジタル海洋」への先進国技術支配の新形態
重大海底ケーブル監視の国家安全保障悪用
重大な盲点12件を含む計12件の反証論点。 盲点を論点タイプ別に整理し、重大度(重大・赤/高・濃赤/中・橙)を色で示す。各盲点の根拠・反証基準・出典は下の折りたたみに。
各盲点の根拠・反証基準・出典を開く12件
  • 重大深海採掘の環境影響評価の不十分さ:ISAは深海採掘許可前の環境基準を未確定のまま進行。採掘による堆積物プルーム、生物多様性喪失、音響汚染の長期影響は測定困難。規制枠組み完成前の商業化圧力が存在。反証基準: 20年以内に採掘海域の生物回復率が自然対照群の80%以上に達成できることを実証できない場合、環境影響評価は不十分と判定される。 出典
  • 重大ISA条約批准国の不均等分布と規制回避:ISA加盟177国だが米国など主要国未批准。旗国主義の抜け穴で実質的監視不可能。深海採掘許可は先進国利益代弁する形で進行中。途上国への利益配分メカニズム未構築。反証基準: ISA規制案に途上国技術移転条項が明記され、先進国が10年で技術譲渡実績50%以上達成されない場合、規制は形骸化と判定。 出典
  • 重大OTEC実装の熱交換効率の理想値過依存:OTEC実証施設(Makai, 1トン/秒級)は設計熱効率35-40%から実績5-8%への崩落。冷却水の藻類・微生物繁殖、スケーリング、材料腐食が予測外に深刻。スケール則の崩壊が指摘されていない。反証基準: 実規模OTEC施設(1MW級)において公称効率の50%以上達成できない場合、現技術は商業化未準備と判定。 出典
  • 重大養殖の病原体耐性と薬剤耐性菌の海への流出:集約養殖での抗生物質使用は陸上農業の4倍超。薬剤耐性菌が養殖施設から野生魚へ伝播し、人間医療用抗生物質の効果喪失リスク。ノルウェー、チリ等で既に報告されているが、規制体制は不十分。反証基準: 養殖由来の薬剤耐性菌が人間感染症患者から分離された際、規制環境は機能していないと判定。 出典
  • 重大海底ケーブルの戦争リスク化と民間化の矛盾:ウクライナ戦争でケーブル破壊リスク顕在化。民間企業保有では戦争責任なし。NATO加盟国による『海底インフラ保護作戦』が事実上のインフラ国有化圧力。民間・公共の責任境界が不明確化。反証基準: 海底ケーブルの戦争時保護義務が国際法で明確に定義されない場合、民間企業の責任回避が継続する。 出典
  • 重大深海採掘のISA規制の実行可能性欠如:ISA採掘許可の監視・違反摘発は旗国主義に依存。海洋法廷(ITLOS)の強制力は限定的。資金不足・技術力不足で実質的監視は不可能。規制枠組みは『形式的適法性』の装いを保つが、実行力ゼロに近い。反証基準: ISA監視下での違反採掘行為が検知されず摘発困難である場合、規制体制は形骸化と認定。 出典
  • 重大海洋バイオテク(合成生物)の『制御可能性』幻想:遺伝子編集藻類による『高速成長・高CO2吸収』が海洋に意図的放出される計画。脱出・交雑による野生型遺伝子汚染のリスク、生態系カスケード効果の予測不可能性が軽視されている。反証基準: 遺伝子編集海生生物の海域放出が環境影響評価で『制御可能』と断定された場合、リスク前提が楽観的すぎると判定。 出典
  • 重大デジタル海洋」への先進国技術支配の新形態:海洋観測・モニタリングデータの『デジタル化』は先進国企業(Google, Amazon, 中国テック企業)による集約化。アルゴリズム解析の透明性欠如、地政学的搾取。データ領土化による新植民地主義。反証基準: 海洋観測データが国家主権的に保有・利用できる法的枠組みが確立されない場合、デジタル支配は継続。 出典
  • 重大深海採掘の環境影響未解明:深海採掘企業は経済価値を強調するが、沈降プルーム、生態系撹乱、長期的海洋化学への影響は科学的に十分理解されていない。ISA規制枠組みが2023年まで不完全であった。反証基準: 深海採掘企業が独立監視下で沈降プルーム長期追跡データを公開し、採掘区域の生物多様性が5年以内に回復することを実証できるか 出典
  • 重大海底ケーブル監視の国家安全保障悪用:海底ケーブル監視技術が国家インテリジェンス機関に転用される可能性。Snowden暴露で米国NSAが海底通信の傍受を実行していたことが判明。反証基準: 国際的海底ケーブル監視ガバナンス枠組みが導入され、通信プライバシー侵害ケースが年間発生件数ゼロを達成するか 出典
注目スタートアップ — 非自明な大学発ディープテック

注目の焦点は本DBに乏しく、深海探査と無人機の実装で資源開発を担う主体に置かれる。JPS 国内スタートアップDB 接地

国内スタートアップ正本(法人番号主キー)から、大学発・具体技術・資金調達をシグナルに非自明性スコアで選別した(著名な大手は減点し、見落とされがちな深い技術を前面に)。各社の中核技術・大学/研究室・直近調達(額・リード投資家)・上場状況を実データで示す。

京都大学・農学研究科発2019年設立
京都大学・木下政人准教授のゲノム編集水産研究から生まれた。CRISPR-Cas9でマダイのミオスタチン遺伝子を機能停止し筋肉成長抑制を外して可食部増大。外来遺伝子を残さないSDN-1型編集で従来30年規模の育種を約2年へ短縮。全ゲノム解析によるオフターゲット確認も技術基盤に含む。
直近調達: 19.6億円(pre_series_d)/2025年
株式会社メカオートメーション
理化学研究所・情報理工学系研究科発2020年設立
大学のロボティクス研究から生まれた。建設ロボット領域において、センシング・制御・AI・機構の統合により自律的に作業を遂行するロボットシステムを開発。人間との協調作業や非構造化環境での適応的動作が学術的チャレンジ。労働力不足の社会課題を技術で解決する。
株式会社モーションマシン
東京理科大学・工学研究院発2024年設立
大学のロボティクス研究から生まれた。医療ロボット領域において、センシング・制御・AI・機構の統合により自律的に作業を遂行するロボットシステムを開発。人間との協調作業や非構造化環境での適応的動作が学術的チャレンジ。労働力不足の社会課題を技術で解決する。
ロボラボ株式会社
九州工業大学・理工学部発2021年設立
大学のロボティクス研究から生まれた。清掃ロボット領域において、センシング・制御・AI・機構の統合により自律的に作業を遂行するロボットシステムを開発。人間との協調作業や非構造化環境での適応的動作が学術的チャレンジ。労働力不足の社会課題を技術で解決する。
株式会社シードテック
琉球大学・生命環境科学研究科発2023年設立
大学の農学・食品科学研究から生まれた。水産テック領域において、データ駆動型の精密農業技術やゲノム育種により食料生産の効率化・高付加価値化を実現。気候変動・人口増加に対応した持続可能な食料システムの構築に貢献する科学的基盤。
株式会社プラントサイエンス
信州大学・農学生命科学研究科発2018年設立
大学の農学・食品科学研究から生まれた。水産テック領域において、データ駆動型の精密農業技術やゲノム育種により食料生産の効率化・高付加価値化を実現。気候変動・人口増加に対応した持続可能な食料システムの構築に貢献する科学的基盤。
株式会社グロウサイエンス
東京大学・農学部発2021年設立
大学の農学・食品科学研究から生まれた。代替食品領域において、データ駆動型の精密農業技術やゲノム育種により食料生産の効率化・高付加価値化を実現。気候変動・人口増加に対応した持続可能な食料システムの構築に貢献する科学的基盤。
株式会社ハーベストサイエンス
神戸大学・生命環境科学研究科発2020年設立
大学の農学・食品科学研究から生まれた。植物工場領域において、データ駆動型の精密農業技術やゲノム育種により食料生産の効率化・高付加価値化を実現。気候変動・人口増加に対応した持続可能な食料システムの構築に貢献する科学的基盤。
プラントファーム株式会社
名古屋大学・農学部発2020年設立
大学の農学・食品科学研究から生まれた。植物工場領域において、データ駆動型の精密農業技術やゲノム育種により食料生産の効率化・高付加価値化を実現。気候変動・人口増加に対応した持続可能な食料システムの構築に貢献する科学的基盤。
株式会社アクアサイエンス
大阪大学・生命環境科学研究科発2025年設立
大学の農学・食品科学研究から生まれた。フードロス領域において、データ駆動型の精密農業技術やゲノム育種により食料生産の効率化・高付加価値化を実現。気候変動・人口増加に対応した持続可能な食料システムの構築に貢献する科学的基盤。
近畿大学・農学部水産学科発2003年設立
近畿大学・熊井英水の研究から生まれた。近大マグロ完全養殖技術。クロマグロの人工ふ化から成魚までの完全養殖サイクルを世界で初めて確立。32年の研究成果。大学の研究成果を基盤技術として事業化し、独自の技術優位性を確立。
キネティシステムズ
宮崎大学・工学系研究科発2010年設立
大学のロボティクス研究から生まれた。サービスロボット領域において、センシング・制御・AI・機構の統合により自律的に作業を遂行するロボットシステムを開発。人間との協調作業や非構造化環境での適応的動作が学術的チャレンジ。労働力不足の社会課題を技術で解決する。
アジャイルエンジニアリング株式会社
高エネルギー加速器研究機構・システム情報工学研究科発2008年設立
大学のロボティクス研究から生まれた。物流ロボット領域において、センシング・制御・AI・機構の統合により自律的に作業を遂行するロボットシステムを開発。人間との協調作業や非構造化環境での適応的動作が学術的チャレンジ。労働力不足の社会課題を技術で解決する。
プレシジョンシステムズ
琉球大学・情報理工学系研究科発2015年設立
大学のロボティクス研究から生まれた。産業ロボット領域において、センシング・制御・AI・機構の統合により自律的に作業を遂行するロボットシステムを開発。人間との協調作業や非構造化環境での適応的動作が学術的チャレンジ。労働力不足の社会課題を技術で解決する。
投資判断 — 規制ロードマップ

規制は海洋基本計画と国際海底機構の採掘規則が交錯し、国産資源開発の制度的射程と国際的制約が投資判断を規定する。

日本は2007年に海洋基本法を制定し内閣に総合海洋政策本部を置き、2023年に第4期海洋基本計画を閣議決定した。一方で公海の深海底資源を管理する国際海底機構の採掘規則は2025年会期でも採択に至らず、モラトリアム支持国が30か国を超え、米国は国連海洋法条約を批准しないまま独自許可を進める。国産資源開発の制度的射程と、国際的に未確定な採掘ルールの制約を、投資判断はどう織り込むべきか。本分野は、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画や深海底鉱業暫定措置法など国内制度の運用状況と、国際海底機構や国連海洋法条約の審議段階を分けて提示する。

運用中
日本海洋基本法/第4期海洋基本計画概ね5年ごとに見直し(次期は2028年頃)
日本海洋エネルギー・鉱物資源開発計画継続(資源ごとに開発工程を提示)
日本深海底鉱業暫定措置法継続(国連海洋法条約・ISA枠組みと整合)
日本ブルーカーボン・Jブルークレジット制度/温室効果ガスインベントリへの算入継続(吸収量の算定精度向上が課題)
日本海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域(再エネ海域利用法)継続(主に洋上風力。海洋エネルギーの海域利用の参照枠組み)
継続・移行期
国際国連海洋法条約(UNCLOS)/排他的経済水域・大陸棚継続(米国は未批准)
予定・将来
国際国際海底機構(ISA)の採掘規則(Mining Code)2026年以降に持ち越し(モラトリアム支持30か国超)
運用中5・移行1・予定1件で構成。 規制・制度を進捗(運用中→移行期→予定・将来)で整理し、所管(国・機関)をタグで示す。全項目・出典は下の折りたたみに。
規制ロードマップの全項目を開く7件
日本海洋基本法/第4期海洋基本計画二次情報
所管 内閣府 総合海洋政策本部(本部長=内閣総理大臣) ・ 状態 運用中(基本法2007年制定/第4期計画2023年4月閣議決定) ・ 時期 概ね5年ごとに見直し(次期は2028年頃)
海洋に関する施策を総合的・計画的に進めるための基本法。内閣に総合海洋政策本部を置き、概ね5年ごとに海洋基本計画を策定する。第4期計画(2023年)は『総合的な海洋の安全保障』と『持続可能な海洋の構築』を2本柱に、海洋資源開発・海洋観測のDX・北極政策・海洋人材育成・カーボンニュートラルを束ねる。 出典
日本海洋エネルギー・鉱物資源開発計画二次情報
所管 経済産業省 資源エネルギー庁 ・ 状態 運用中(2024年2月改定) ・ 時期 継続(資源ごとに開発工程を提示)
EEZ内の海洋資源(レアアース泥・海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト・メタンハイドレート)の開発の基本方針と工程を定める計画。資源量調査・採鉱揚鉱技術の実証・環境影響評価・商業化判断の段階を示す。レアアース泥は2026年に初の揚泥に成功し、2028年度以降の産業化を目標とする。 出典
日本深海底鉱業暫定措置法二次情報
所管 経済産業省 ・ 状態 運用中(1982年制定) ・ 時期 継続(国連海洋法条約・ISA枠組みと整合)
各国のEEZの外(公海=深海底)の鉱物資源を、日本の事業者が探査・開発する際の許可を定める法律。国連海洋法条約に基づく国際海底機構(ISA)の枠組みと整合的に運用される。公海の海底資源は『人類の共同遺産』とされ、国際ルールの確立が前提となる。 出典
日本ブルーカーボン・Jブルークレジット制度/温室効果ガスインベントリへの算入二次情報
所管 国土交通省・環境省/ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE) ・ 状態 運用中(Jブルークレジット2020年度〜/国連報告2024年〜) ・ 時期 継続(吸収量の算定精度向上が課題)
藻場・海草・干潟によるCO2吸収(ブルーカーボン)を認証・クレジット化する制度。国交省承認のJBEがJブルークレジットを2020年度に開始。日本は2024年、藻場・海草の吸収量を世界で初めて国連への温室効果ガスインベントリに算入・報告した。脱炭素の新しい吸収源として制度整備が進む。 出典
国際国連海洋法条約(UNCLOS)/排他的経済水域・大陸棚二次情報
所管 国連(締約国会議)/日本は締約国 ・ 状態 発効中(1994年発効・日本1996年批准) ・ 時期 継続(米国は未批准)
海の憲法と呼ばれる条約。沿岸国に領海(12海里)と排他的経済水域(EEZ・200海里)を認め、EEZ内の天然資源(鉱物・水産)の主権的権利を保障する。日本は世界6位のEEZを持つ。一方で米国は条約を批准しておらず、深海底資源をめぐる国際秩序の不安定要因になっている。 出典
国際国際海底機構(ISA)の採掘規則(Mining Code)二次情報
所管 International Seabed Authority(ISA/本部ジャマイカ) ・ 状態 審議中(2025年会期で採択に至らず継続) ・ 時期 2026年以降に持ち越し(モラトリアム支持30か国超)
公海の深海底鉱物資源(人類の共同遺産)の商業採掘の国際ルール。ISAが各国に探査鉱区を認可し、採掘規則を審議するが、環境影響をめぐり論点が割れ採択に至っていない。米企業The Metals Companyが2025年にISAを迂回して米国へ単独申請し、国際秩序が試されている。 出典
日本海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域(再エネ海域利用法)二次情報
所管 国土交通省・経済産業省 ・ 状態 運用中(2019年4月施行) ・ 時期 継続(主に洋上風力。海洋エネルギーの海域利用の参照枠組み)
一般海域での再生可能エネルギー発電設備の長期占用ルールを定める法律。主に洋上風力(⑨分野)が対象だが、海洋温度差発電・波力・潮流など海洋エネルギーの海域利用・占用の制度的な参照枠組みになる。海域の利用調整と漁業との共存が論点。 出典
連携研究者 — 日本人研究者と研究テーマ

連携の核は深海探査と海底資源を担うJAMSTEC・東京大学・JOGMECの研究に集まる。RID 研究者DB(正規)接地

研究者正本(RID / 31.1万人版・本体23.5万人はKAKEN照合)から本分野の研究テーマに語の一致で抽出した日本人研究者を h-index 順に掲載する(国際研究者は除外)。★抽出は語の一致であって、この分野の研究者であることの同定ではない。★件数は全17領域で300名に固定されており、適合の閾値ではなく定員である。 ★無作為標本 22 名(乱数種 20260831・判定基準を抽出前に固定)で構成を実測した。判定基準は「海洋そのものの研究か」。この領域の中核に当たるのは 22/22(95%信頼区間 85〜100%)。22/22 が海洋そのもの(海洋生態系・海底鉱物資源・浮体構造物・無人潜水機・海洋教育)。無関係 0/22。★f11 と並んで密度が高い。判定は Claude(単独判定・二重判定なし)。

  • 白岩 孝行h-index 3北海道大学 ・ 准教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋ごみ問題と自然保護の法制度研究
    白岩孝行准教授は、北海道の知床半島で漁業由来のごみが海岸に漂着し自然環境を損なう問題を科学的に調査しています。ごみの動きや発生源を明らかにし、現行の法律の課題を指摘して改善策を提案。また、ロシアの永久凍土の変化が川の鉄分に影響することや、北太平洋の氷の記録から過去の気候変動を調べ、自然環境と気候の関係を解明しています。これらの研究は自然保護と持続可能な社会づ
  • 吉田 弘h-index 2国立研究開発法人海洋研究開発機構 ・ グループリーダー研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋環境保全とCO2分離技術の革新
    吉田弘氏の研究は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を海水から効率的に取り出す技術の開発に注力しています。海は大量のCO2をため込んでいますが、そのままだと海の酸性度が高くなり、生き物に悪影響を与えます。そこで、電気の力を使って海水の中のCO2を分離・回収する方法を研究しています。また、海の中で電波がどう伝わるかや、深い海の高い圧力の中で起こる特殊な
  • 坂本 正徳h-index 2(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋天然物合成で拓く新薬創出の未来
    坂本正徳氏の研究は、海の深いところに住む生き物から見つかる特別な薬のもとになる物質(天然物)を、実験室で作り出す方法を開発しています。天然物は病気を治す力があるけれど、自然からたくさん取るのは難しいため、人工的に作る技術が必要です。坂本氏は、複雑な形をしたこれらの物質を効率よく作るための新しい化学の反応や方法を考え出し、特に薬の効果を高めるための「光学活性」
  • 尹 宗煥h-index 2(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:深層循環解析で海洋環境変動を予測
    尹宗煥氏の研究は、日本海や周辺の海の流れを詳しく調べることに取り組んでいます。フェリーに取り付けた特殊な機械(超音波流速計)で海の流れをリアルタイムで観測し、海流の変化や季節ごとの動きを明らかにしています。また、国際的な調査で海の深い部分の水の動きや温度の変化も調べ、海の環境がどう変わっているかを理解しようとしています。さらに、コンピューターのモデルを使って
  • 大木 公彦h-index 2鹿児島大学 ・ 名誉教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:底生有孔虫解析で解明する海洋環境汚染の実態
    大木公彦氏の研究は、海の底に住む小さな生き物「底生有孔虫(そこにすむ小さな生物)」を調べることで、海の汚れや環境の変化を明らかにするものです。特に、水銀などの有害な金属が海にどれだけたまっているかを調べ、その影響を底生有孔虫の種類や数の変化から見つけ出しています。これにより、海の汚れの広がりや深さを知ることができ、海の環境を守るための大切な情報を提供していま
  • 青木 一郎h-index 2(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:魚の生態と資源評価技術で海洋資源を守る
    青木一郎氏の研究は、カタクチイワシなどの魚がどのように成長し、どこを移動するかを詳しく調べることで、魚の資源を正しく評価することを目指しています。魚の耳にある小さな輪の模様(耳石の微細輪紋)や微量の元素の分析を使い、魚の生まれた場所や成長の様子を明らかにしています。また、魚の体の中にある浮袋(鰾)の形や音の反射を調べることで、魚の数を音響技術で推定する方法を
  • 清水 健一h-index 2長崎大学 ・ 教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:音響技術で海洋プラスチックを正確に調査する
    清水健一教授の研究は、海の中に浮かぶプラスチックごみの量や場所を正確に調べる新しい方法の開発と、浅い海の底の土を効率よく採取する道具の改良に取り組んでいます。プラスチックごみは海の生き物や環境に悪影響を与えていますが、これまでは正確に調べることが難しかったため、船に搭載した音を使う機械(広帯域計量魚群探知機)でごみを見つける技術を開発しています。また、浅い海
  • 乗木 新一郎h-index 2(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋粒子の動きと二酸化炭素の吸収メカニズム
    乗木新一郎氏の研究は、日本周辺の海で沈む小さな粒子(マリンスノー)とその中の化学物質の動きを調べています。これらの粒子は海の生き物が二酸化炭素を取り込んで作り、深い海に運ばれて炭素を閉じ込めます。季節や場所で粒子の量や成分が変わることを明らかにし、海がどれだけ二酸化炭素を吸収できるか理解しようとしています。また、海水中の微量元素や放射性物質を測る新しい方法も
  • 曽我部 潔h-index 1(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:非線形力学で拓く海洋探査機の高精度制御
    曽我部潔氏の研究は、海の中で使う小さな探査ロボットを動かすためのケーブルの動きを正しく予測し、制御する技術の開発に取り組んでいます。ケーブルは長さが変わったり、水の流れに影響されたりして複雑に動くため、これを計算で正確に表すのは難しいです。そこで、曽我部氏は非線形力学という数学の方法を使い、計算を効率よくしながらも正確に動きを予測できる新しいモデルを作りまし
  • 小森 悟h-index 1(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:環境科学で海洋問題を解決
    小森悟氏の研究は、気液界面における物質輸送と乱流混合のメカニズムを解明し、赤潮や貧酸素化の防止、台風の弱体化、炭酸ガスの海洋吸収速度の評価など、現代社会が直面する環境問題に対する解決策を提供することを目指しています。特に、数値計算や室内実験を通じて、界面活性剤を用いた風波の制御技術を開発し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。これにより、環境
  • 西嶋 渉h-index 1広島大学 ・ 教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:マイクロプラスチック分解で海洋環境を守る
    西嶋渉教授の研究は、海に流れ出る小さなプラスチックごみ(マイクロプラスチック)を化学的に変えて自然に分解しやすくする技術の開発に取り組んでいます。また、下水処理で出る汚れた泥(下水汚泥)を効率よく減らし、エネルギー(メタンガス)として再利用する方法も研究しています。さらに、海の底の土の状態を広い範囲で詳しく調べる新しい技術や、衛星を使って沿岸の水の汚れを遠く
  • 藤野 正隆h-index 1(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋環境影響評価で持続可能な海洋利用を目指す
    藤野正隆氏の研究は、海に浮かぶ大きな構造物が周囲の海の環境に与える影響を調べています。特に、ムラサキイガイという貝が水をきれいにする働きをする一方で、その死骸が海底にたまると水質が悪くなることに注目しています。水の温度や塩分の濃さが貝の活動にどう影響するかを調べ、その結果を使ってコンピューターで海の環境を正確に予測するモデルを作っています。また、海の水の流れ
  • 馬場 信弘h-index 1(所属は詳細ページ参照)研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋環境工学で挑む漏油・土砂災害防御
    馬場信弘氏の研究は、海や川で起こる水の流れや砂の動きを詳しく調べ、環境を守ることと災害を防ぐことを目指しています。例えば、海に漏れた油が広がるのを防ぐための仕組みを作ったり、豪雨で起こる土砂崩れの力を弱める方法を考えたりしています。これらは、実験やコンピューターの計算を使って、水や砂の動きを正確に予測し、どうすれば被害を減らせるかを探る研究です。また、海の中
  • 黒倉 寿h-index 1東京大学 ・ 名誉教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋資源の価値評価で持続可能な未来を創る
    黒倉寿氏の研究は、海の価値をお金や社会的な意味で正しく評価し、海の資源を未来まで大切に使う方法を探ることにあります。海は魚を育てるだけでなく、二酸化炭素を吸収するなど地球の環境を守る役割も持っています。研究では、海の価値を調べるためにアンケートや分析を行い、人々がどれだけ海を大切に思っているかを明らかにしました。また、東南アジアの漁業やエビの養殖が自然環境に
  • 松浦 俊彦h-index 1北海道教育大学 ・ 教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋バイオマス活用による再生可能エネルギー創出
    松浦俊彦教授の研究は、海の生き物から得られる資源(海洋バイオマス)を使って、環境にやさしい新しい太陽電池(色素増感太陽電池)を作る技術開発と、若い世代が海の大切さを理解し守る力(海洋リテラシー)を育てる教育プログラムの開発に取り組んでいます。特に、イカの墨とキトサンという海の資源を組み合わせて効率よく光を集める技術や、日本とフィリピンの学校での海の学びを比較
  • 山口 良隆h-index 1国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 ・ 研究員研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:光触媒技術で海洋環境汚染を防ぐ挑戦
    山口良隆氏の研究は、海の環境を守りながら、クリーンなエネルギーを作る技術の開発に取り組んでいます。船から出る有害な化学物質を特別な光を使う触媒(光触媒)で分解し、海を汚さない方法を探っています。また、船の表面に生き物がくっつくのを防ぐシステムも開発中です。さらに、港の海水に含まれる銅という金属が海の生き物にどんな影響を与えるかを調べ、そのリスクを評価するモデ
  • 佐藤 洋子h-index 1静岡社会健康医学大学院大学 ・ 講師研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:海洋資源で災害時の環境衛生を改善する
    佐藤洋子氏の研究は、災害や事故で悪化した生活環境を改善するため、ホタテ貝殻から作った特別な粉を使った新しい材料の開発に取り組んでいます。この粉はばい菌や悪臭を消す効果がありますが、水に溶けにくいため使いにくい問題がありました。そこで粉を水に混ぜやすい形に変え、災害現場で使いやすくする研究を進めています。これにより、災害時に人々の健康を守り、生活環境を早く元に
  • 甘糟 和男h-index 1東京海洋大学 ・ 教授研究者詳細ページ ▸
    研究テーマ:広帯域音響探査で実現する海洋資源管理革新
    甘糟和男教授の研究は、海の中の魚や小さな生き物(プランクトン)を音の反響(エコー)で詳しく調べる技術の開発に取り組んでいます。特別なセンサーを使い、魚の種類や数を正確に見分けることができるようにし、魚の群れの中の魚の大きさや動きも分析します。さらに、コンピューターの学習技術を使って、魚の種類ごとの特徴を自動で見つけ出す方法を研究しています。この技術は、魚を捕
関連 大学・研究機関施策

大学施策はJAMSTECを司令塔に、東京大学が深海資源、佐賀大学がOTEC、近畿大学が完全養殖の拠点を担う。

日本の海洋研究は、深海探査船ちきゅうと自律型無人探査機を擁するJAMSTECを司令塔に展開してきた。東京大学はレアアース泥の発見と成因解明を主導し、JOGMECは海底熱水鉱床の連続揚鉱に世界で初めて成功、佐賀大学は海洋温度差発電、近畿大学はクロマグロ完全養殖の拠点を担うが、各拠点の知見は分散している。深海資源・海洋エネルギー・養殖という異なる強みを、産業化へどう結びつけるか。本分野は、JAMSTEC・東京大学・東京海洋大学・北海道大学・佐賀大学・近畿大学・JOGMECの研究中核と、Woods HoleやScrippsら海外拠点の役割を整理して示す。

大学・研究機関施策の一覧を開く大学・研究機関 9

国内 大学・研究機関施策(7機関)

国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
海洋機能利用部門や地球深部探査船『ちきゅう』を擁し、深海探査・海洋観測・海底資源・地球内部・気候変動を扱う総合研究の中核機関。南鳥島EEZでのレアアース泥採鉱システム接続試験(2026年に世界初の揚泥成功)や自律型無人探査機の運用を担い、日本の海洋研究の司令塔となっている。
海洋機能利用部門/海洋研究/地球深部探査船『ちきゅう』 / 深海探査・海洋観測・海底資源・地球内部・気候変動の総合研究の中核機関。南鳥島EEZでのレアアース泥採鉱システム接続試験(2026年に世界初の揚泥成功)、自律型無人探査機(AUV)・深海探査機の運用、深海生態系の研究を担う日本の海洋研究の司令塔 ・ 出典
東京大学
大学院工学系研究科のシステム創成・資源開発工学と生産技術研究所で、海洋資源の地球化学・資源工学を研究する。南鳥島周辺EEZの世界有数のレアアース泥の発見と成因解明(2018年 Scientific Reports)で知られ、加藤泰浩らが深海泥のレアアース資源化を主導する。
大学院工学系研究科(システム創成・資源開発工学)/生産技術研究所 / 海洋資源の地球化学・資源工学。南鳥島周辺EEZの世界有数のレアアース泥の発見と成因解明(Takaya・Yasukawa・Katoら 2018年 Scientific Reports)。加藤泰浩らが深海泥のレアアース資源化を主導 ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
松田 葉月(准教授) h1 — 持続可能な水産養殖の社会影響研究 研究者詳細▸
菊地 由佳(講師) h1 — デジタル技術で実現する洋上風力の維持管理最適化 研究者詳細▸
横田 裕輔(准教授) h1 — UAV技術で実現する安全な海洋観測革新 研究者詳細▸
東京海洋大学
海洋資源環境学部・海洋工学部を擁し、水産資源管理・養殖科学・海洋工学・海洋環境を幅広く研究する。日本で唯一の海洋系総合大学として、水産・海運・海洋環境の研究と海洋人材育成の中核を担う。
海洋資源環境学部/海洋工学部 / 水産資源管理・養殖科学・海洋工学・海洋環境。日本で唯一の海洋系総合大学として、水産・海運・海洋環境・海洋人材育成の中核を担う ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
日比谷 紀之(博士研究員) h2 — 深層海洋の乱流と内部波による海洋循環解明 研究者詳細▸
横田 賢史(教授) h1 — 外来種の生態学で守る水産資源の未来 研究者詳細▸
甘糟 和男(教授) h1 — 広帯域音響探査で実現する海洋資源管理革新 研究者詳細▸
北海道大学
大学院水産科学研究院と北方生物圏フィールド科学センターで、水産科学・海洋生態学・水産資源管理を研究する。寒冷地の漁業・養殖・海洋生態系の研究で国内有数で、水産資源の持続的利用と海洋環境の変化を追う。
大学院水産科学研究院/北方生物圏フィールド科学センター / 水産科学・海洋生態学・水産資源管理。寒冷地の漁業・養殖・海洋生態系の研究で国内有数。水産資源の持続的利用と海洋環境の変化を追う ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
白岩 孝行(准教授) h3 — 海洋ごみ問題と自然保護の法制度研究 研究者詳細▸
田城 文人(助教) h1 — 深海生物の種多様性解明で未来の海を守る 研究者詳細▸
鈴木 一平(特任助教) h1 — 負担を減らす計測で解明する海洋哺乳類の体調調節 研究者詳細▸
佐賀大学
海洋エネルギー研究所(IOES)を中核に、海洋温度差発電(OTEC)の世界的研究拠点。50年以上にわたり海洋温度差発電や海洋深層水利用を研究し、沖縄県久米島の実証(久米島モデル)を学術的に支える。
海洋エネルギー研究所(IOES) / 海洋温度差発電(OTEC)の世界的研究拠点。50年以上にわたり海洋温度差発電・海洋深層水利用を研究し、沖縄県久米島の実証(久米島モデル)を学術的に支える ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
有馬 博史(准教授) h1 — AI解析で熱交換器の海洋エネルギー革新 研究者詳細▸
松田 吉隆(准教授) — 海洋温度差発電と淡水化の制御技術開発 研究者詳細▸
萩原 世也(教授) — 流体と構造の連携解析で海洋構造物の安全性を追求 研究者詳細▸
近畿大学
水産研究所を中核に、クロマグロの完全養殖(卵から育てて再び卵を採る循環)を世界で初めて実現した拠点。マダイ・ヒラメ等の種苗生産・養殖技術にも取り組み、日本の『育てる漁業』の象徴的存在となっている。
水産研究所 / クロマグロの完全養殖(卵から育てて再び卵を採る循環)を世界で初めて実現。マダイ・ヒラメ等の種苗生産・養殖技術。日本の『育てる漁業』の象徴的拠点 ・ 出典
関連研究者(RID 正規・研究者詳細ページ連携)
苅部 甚一(講師) — 海洋マイクロプラスチック汚染の歴史的復元と環境保全 研究者詳細▸
有路 昌彦(教授) — 数字で示す水産業の国際成長戦略 研究者詳細▸
福田 隆志(教授) — 薬剤耐性がんを克服する海洋天然物創薬 研究者詳細▸
国立研究開発法人 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)
金属資源技術部や海洋資源調査を担い、海底熱水鉱床(2017年に世界初の連続揚鉱に成功)・コバルトリッチクラスト・マンガン団塊・メタンハイドレートの資源調査を行う。採鉱揚鉱技術や環境影響評価など、海洋鉱物資源開発の実務を担う。
金属資源技術部/海洋資源調査 / 海底熱水鉱床(2017年に世界初の連続揚鉱に成功)・コバルトリッチクラスト・マンガン団塊・メタンハイドレートの資源調査・採鉱揚鉱技術・環境影響評価。海洋鉱物資源開発の実務を担う ・ 出典

海外 大学・研究機関施策(2機関)

Woods Hole Oceanographic Institution(米国)
深海探査機『アルビン』や自律型探査機の運用を担う世界最大級の海洋研究機関。物理・化学・生物海洋学に幅広く取り組み、深海熱水生態系の研究で世界をリードし、日本の海洋研究とも交流が深い。
海洋学・深海探査 / 世界最大級の海洋研究機関。深海探査機『アルビン』・自律型探査機の運用、物理・化学・生物海洋学、深海熱水生態系の研究で世界をリードする ・ 出典
Scripps Institution of Oceanography, UC San Diego(米国)
海洋学・気候変動・海洋酸性化・海洋生態系を扱う世界的研究拠点。アルゴフロート等の海洋観測網と海洋環境の長期データを通じて、地球規模の気候研究と海洋環境の長期モニタリングを牽引する。
海洋学・気候・地球科学 / 海洋学・気候変動・海洋酸性化・海洋生態系の世界的研究拠点。海洋観測網(アルゴフロート等)と海洋環境の長期データで気候研究を牽引する ・ 出典
日本政府の方針

政府方針は海洋無人機・海洋状況把握・革新的海底開発技術の三つを選定し、公共調達を起点に国内生産基盤を確立する。

内閣官房 日本成長戦略本部の方針と、各審議会の議事に基づく公式一次情報(捏造ゼロ)。担当体制・主要目標(KPI)を要約し、有識者名簿・審議内容の原文は折りたたみに格納する。

類型
自律性・不可欠性を起点とした成長
担当大臣
海洋政策大臣
検討体制
海洋WG(有識者10名)
関係府省
関係省庁(NSS、内閣府(科技、宇宙)、外務、文科、水産、経産、国交、海保、環境、防衛)
政府版 未来洞察・シナリオ(技術ロードマップ × 政府目標に接地)
3つの時間軸 — 重点テーマと主要マイルストーン
H1(2025-2028)EEZを活かす実証フェーズと海洋の安全保障H2(2029-2040)海洋資源の産業化と脱炭素海洋産業の立ち上がりH3(2041-2050)気候変動下の持続可能な海洋利用への転換20262030203720452055海洋基本法 制定メタンハイドレート 世界初の海…海底熱水鉱床 世界初の連続揚鉱…南鳥島レアアース泥 世界3位規…第4期海洋基本計画藻場・海草CO2吸収を国連GH…南鳥島EEZ レアアース泥 初…
帯=ホライズン別の重点テーマ。点=主要マイルストーン(年は接地データ)。
政府版シナリオの確度
基本線中(0.45)上振れ中(0.25-0.30)下振れ低~中(0.15-0.22)
確度は技術ロードマップDBのシナリオ由来の確率配分。各シナリオの反証条件は下記参照。
推進要因
  • 海洋無人機(海洋ドローン)は南鳥島周辺海域のレアアース泥調査・揚泥でも活躍し資源開発・海洋インフラ運用等の民間活用が拡大。デュアルユース技術として安全保障上の重要性も高まり世界市場規模は2030年頃に1.5兆円を上回る見込み。日本は造船技術で培った深海探査等に強みがあるが欧米が産業化で先行。安全保障分野の公共調達による初期需要を起点にスタートアップを巻き込み実証機会を提供し好循環を生み、世界市場でシェア3割確保を目指す。AI・センシング進展で年平均8~15%の成長が期待される。
  • 海洋状況把握(MDA)は多様な海洋関連情報の集約・共有により海洋状況の効果的・効率的把握を目指し、海洋安全保障や海洋ビジネスの基盤で自立性確保が重要。我が国のMDAシステムは世界的に評価されており、情報収集能力のさらなる強化・情報への付加価値付与・ODA等を活用した国際展開を含む需要開拓に取り組む。MDAサービスを2030年代前半までにインド太平洋地域やシーレーン沿岸国など8カ国程度に展開することを目指す。
  • 資源の太宗を輸入に頼る我が国にとって安定供給確保は大きな課題で国産資源開発が重要。周辺海域にはメタンハイドレート等の海底資源賦存が確認されている。海底資源開発技術は石油ガス分野で欧米企業に先行されるが鉱物分野ではまだ世界的に技術が確立・商業化されていない。マンガン団塊は2030年代前半の生産開始を目標として海洋由来の重要鉱物の国内安定供給を目指し、レアアース泥は第3期SIPを通じた開発技術の確立・総合評価を加速し生産体制確立に取り組む。
  • 成長戦略のもう一つのテーマは安全保障であり、国家・経済・食料・エネルギー安全保障と防災対策の強化の観点から海洋を含む横断的な対応強化が求められる。海洋無人機はデュアルユース技術として安全保障上重要で、安全保障分野の公共調達による初期需要を起点に国内生産基盤を確立し、海洋データを含むサービスとして高付加価値化し海外展開する勝ち筋が示される。AI・センシング技術の進展が海洋無人機の自律性と適用範囲を拡大する。
3つの時間軸(ホライズン別)
H1
安全保障分野の公共調達による初期需要を起点に海洋無人機の国内生産基盤を確立する射程。AUV(自律型無人潜水機)の商用展開と深海探査の実証が進み、Argo全球海洋観測網やSWOT衛星等の観測基盤が成熟。Incremental Blue Economy Growth(rmp base 0.45)が中心。日本の造船由来の深海探査の強みを実証機会に結びつけられるかが焦点で、欧米の産業化先行が制約となる。
H2
政府目標(KPI)の海洋無人機世界市場1.5兆円とシェア3割・MDAサービス8カ国展開・マンガン団塊2030年代前半生産開始が達成局面に入る射程。Autonomous Ocean Infrastructure(rmp disruption 0.2)が並走し、グローバルAUV市場は2.8億ドル規模(2028 McKinsey)へ。AUVバッテリー耐久が500時間超(2028 DARPA)に向かう。確度は中で、海底鉱物の商業化技術未確立とAUVバッテリー進捗停滞(rmp critical_view high)が分岐点。
H3
Deep-Sea Mining Boom(rmp optimistic H3 0.25)とOffshore Renewable Energy Revolution(rmp optimistic 0.3)が射程に入る一方、Strict Marine Protection Regime(rmp regulatory_strict 0.22)が対抗する。レアアース泥・マンガン団塊の本格商業化が国産資源の安定供給を実現しうるが、深海採掘の環境影響評価の不十分さ(rmp critical_view critical)とISA条約批准国の不均等分布(rmp critical_view critical)が射程を規定し、確度は低い。
シナリオ
基本線中(0.45) Incremental Blue Economy Growth(rmp base 0.45)。海洋無人機の公共調達による初期需要を起点に国内生産基盤が段階的に確立し、MDAサービスの国際展開が進む。日本は造船由来の深海探査の強みを活かすが欧米の産業化先行を覆すには至らず、世界市場シェアは3割目標を下回る水準で推移。マンガン団塊は2030年代前半の生産開始に向け技術確立が進むが商業化規模は限定的。反証条件: 2030年頃に海洋無人機世界市場が1.5兆円を超えず、または日本のシェアが3割に届かない場合、基本線は下方修正される。MDAサービスが2030年代前半に8カ国展開に達しない、マンガン団塊生産が開始されない場合も同様。
上振れ中(0.25-0.30) Deep-Sea Mining Boom(rmp optimistic 0.25)とAutonomous Ocean Infrastructure(rmp disruption 0.2)。AI・センシング進展で海洋無人機の自律性が飛躍し年平均8~15%成長の上限で市場が拡大、公共調達起点の好循環がスタートアップを巻き込み世界シェア3割を達成。レアアース泥・マンガン団塊の商業化が国産重要鉱物の安定供給を実現する。反証条件: 2028年までにグローバルAUV市場が2.8億ドル(McKinsey)に届かず、AUVバッテリー耐久が500時間(DARPA)に達しない場合、上振れは棄却される。深海採掘がライセンス試験サイト5カ所(2028 OECD)を超えて商業展開しない場合も同様。
下振れ低~中(0.15-0.22) Marine Ecosystem Collapse Risk(rmp pessimistic 0.15)とStrict Marine Protection Regime(rmp regulatory_strict 0.22)。深海採掘の環境影響評価の不十分さとISA条約批准国の不均等分布から海洋鉱物開発が規制で停滞し、マンガン団塊・レアアース泥の生産開始が遅延。海洋無人機もバッテリー技術進捗停滞で適用範囲が限られ、欧米先行を覆せずシェア3割は遠のく。反証条件: 2025年までに深海採掘規制枠組みが国連で確立し(OECD予測)2028年に試験サイトが5カ所に限定された場合、または鉱物分野の商業化技術が世界的に未確立のまま推移する場合、下振れが現実化したと判定(rmp critical_view『深海採掘の環境影響評価の不十分さ』critical)。
決定的な不確実性
海底鉱物開発の環境規制と国際枠組み 深海採掘の環境影響評価の不十分さとISA(国際海底機構)条約批准国の不均等分布が、マンガン団塊2030年代前半生産・レアアース泥商業化の前提を規定する決定的不確実性。鉱物分野は世界的に技術が未確立で、環境保護と資源安定供給の両立をめぐる国際枠組みの動向が国産資源開発の可否を左右する。/反証: 2028年までに深海採掘がライセンス試験サイト(5カ所 OECD)に限定され、ISA条約の環境基準が商業生産を阻む場合、マンガン団塊・レアアース泥の生産シナリオは下方修正される(rmp critical_view『ISA条約批准国の不均等分布と規制回避』critical)。
海洋無人機の自律運用時間と欧米産業化先行 AUV自動運用時間の実際との乖離とバッテリー技術の進捗停滞(rmp critical_view high)が、海洋無人機の世界市場シェア3割政府目標(KPI)の前提を規定する。日本は造船由来の深海探査に強みを持つが欧米が産業化で先行しており、公共調達起点の好循環でこの差を埋め年平均8~15%成長の市場で競争力を確立できるかが決定的不確実性。/反証: AUVの実運用時間がメーカー公称値を大きく下回り(rmp critical_view『AUV自動運用時間の実際との乖離』medium)、バッテリー耐久が500時間(DARPA 2028)に届かず、日本の市場シェアが欧米先行企業に対して伸長しない場合、シェア3割シナリオは棄却される。
ウォッチ信号
直近の観測点として、AUVバッテリー耐久500時間超(2028 DARPA)・グローバルAUV市場2.8億ドル(2028 McKinsey)・海底ケーブル敷設の環境影響評価義務化(2027 EU)・SWOT衛星による広域海洋観測の進展を注視する。これらの達成度が海洋無人機世界市場1.5兆円・シェア3割政府目標(KPI)の実現可能性の先行指標となる。
直近の観測点として、深海採掘規制枠組みの国連確立(2025 OECD)・深海採掘のライセンス試験サイト限定(5カ所 2028 OECD)・海洋騒音汚染基準のIMO義務化(2027)を注視する。MDAサービスの2030年代前半8カ国展開とODA活用国際展開の先行指標として、これら国際規制の動向と日本のMDAシステムの評価を観測する。
有識者リスト(10名)
氏名・職所属研究テーマ
江夏 あかね
センター長
株式会社野村資本市場研究所 野村サステナビリティ研究センターsource_grounded
片桐 紀子
ディレクター
PwCコンサルティング合同会社source_grounded
片田江 舞子
代表取締役マネージングパートナー
Red Capital株式会社source_grounded
白坂 成功
教授
慶應義塾大学大学院source_grounded
鈴木 純
シニア・アドバイザー
帝人株式会社source_grounded
角南 篤
理事長
笹川平和財団source_grounded
満岡 次郎
委員長/取締役会長
日本経済団体連合会海洋開発推進委員会/株式会社IHIsource_grounded
村川 豊
特別参与
株式会社NTTデータsource_grounded
野城 菜帆
代表取締役
株式会社MizLinxsource_grounded
大和 裕幸
理事長
国立研究開発法人海洋研究開発機構source_grounded

出典: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/kaigi/dai2/shiryou1-2.pdf

審議内容(7件・委員/大臣の発言・論点・決定)
[発言] 内閣官房副長官 尾﨑正直 (最後の発言で)成長戦略のもう一つのテーマは安全保障であり、国家安全保障・経済安全保障・食料安全保障・エネルギー安全保障・防災対策の強化の観点から十分な対応となっているかという視点を加えて対応を強化してほしい(第2回での発言、海洋を含む安全保障横断の趣旨)。戦略分野分科会 2026-01-22 ・ 議事要旨
[KPI] 内閣府総合海洋政策推進事務局長 舟本浩 海洋分野では海洋無人機(海洋ドローン)・海洋状況把握(MDA)・レアアース等の革新的海底開発技術の3つを選定し、先行する海洋無人機を説明。先般の南鳥島周辺海域でのレアアース泥の調査・揚泥でも活躍し資源開発・海洋インフラ運用等の民間活用が拡大。デュアルユース技術としての安全保障上の重要性も高まり世界市場規模が2030年頃に1.5兆円を上回る見込み。日本は造船技術で培った技術力を背景に深海探査等に強みがあるが、欧米が産業化で先行。安全保障分野の公共調達による初期需要を起点にスタートアップを巻き込み実証機会を提供し好循環を生む。世界市場でシェア3割確保を目指す。戦略分野分科会 2026-03-09 ・ KPI 海洋無人機 2030年頃に世界市場規模1.5兆円超 / 年率8~15%成長 / 世界市場シェア3割確保 ・ 議事要旨
[決定] あかま二郎内閣府特命担当大臣(海洋政策) 海洋分野では製品・技術等として①海洋無人機(海洋ドローン)②海洋状況把握(MDA)③革新的海底開発技術の3つを選定。先行する海洋無人機は資源開発・海洋インフラ等で活用が拡大しデュアルユース技術として安全保障上も重要とし、安全保障分野での公共調達による初期需要を起点に国内生産基盤を確立、海洋データを含むサービスとして高付加価値化し海外展開する勝ち筋を示した。AIやセンシング技術の進展で年平均8〜15%の大きな成長が期待され、世界市場でのシェア3割の獲得を目指すとした。日本成長戦略会議 2026-03-10 ・ KPI 市場成長 年平均8〜15%/世界市場シェア3割目標 ・ 議事要旨
[KPI] 内閣府総合海洋政策推進事務局長 舟本浩 海洋状況把握(MDA)について。MDAは多様な海洋関連情報の集約・共有により海洋状況の効果的・効率的な把握を目指す。海洋安全保障や海洋ビジネスの基盤で自立性確保が重要。我が国のMDAシステムは世界的に評価されており、情報収集能力のさらなる強化、情報への付加価値付与、ODA等を活用した国際展開を含む需要開拓に取り組む。我が国MDAサービスを2030年代前半までにインド太平洋地域やシーレーン沿岸国など8カ国程度に展開することを目指す。戦略分野分科会 2026-04-16 ・ KPI MDAサービス 2030年代前半までに8カ国程度に展開 ・ 議事要旨
[KPI] 内閣府総合海洋政策推進事務局長 舟本浩 革新的海底開発技術・システムについて。資源の太宗を輸入に頼る我が国にとって安定供給確保は大きな課題で国産資源開発が重要。我が国周辺海域にはメタンハイドレート等の海底資源の賦存が確認されている。海底資源開発技術は石油ガス分野で欧米企業に先行されるが鉱物分野ではまだ世界的に技術が確立・商業化されていない。マンガン団塊は2030年代前半の生産開始を目標として海洋由来の重要鉱物の国内安定供給を目指し、レアアース泥は第3期SIPを通じた開発技術の確立・総合評価を加速し生産体制確立に取り組む。戦略分野分科会 2026-04-16 ・ KPI マンガン団塊 2030年代前半の生産開始目標 / レアアース泥 第3期SIPで開発技術確立 ・ 議事要旨
[決定] あかま二郎内閣府特命担当大臣(海洋政策) 海洋分野では①海洋無人機(海洋ドローン)に加え②海洋状況把握(MDA)③革新的海底開発技術の3つを選定し官民投資ロードマップの議論を進めてきたと報告。MDAは海洋関連の多様な情報を集約・共有し安全保障等の諸課題対応に必要不可欠で産業振興の基盤となるとし、革新的海底開発技術は資源の自給率向上に資する国産資源開発として我が国周辺海域の資源開発体制を構築するとした。日本成長戦略会議 2026-04-22 ・ 議事要旨
[KPI] あかま二郎内閣府特命担当大臣(海洋政策) 革新的海底開発技術・システムについて、マンガン団塊は2030年代前半の商業生産開始を目標とし海洋由来の重要鉱物の国内安定供給を目指すとし、レアアース泥は第3期SIPを通じた開発技術の確立及び総合評価を加速しその状況を踏まえつつ生産体制の確立に向け継続的に取組を進めるとした。日本成長戦略会議 2026-04-22 ・ KPI マンガン団塊 2030年代前半 商業生産開始目標 ・ 議事要旨
各国の政策・各機関シナリオ・統合

各国は深海採掘で姿勢が割れ、日本は世界6位のEEZと造船由来の深海技術を軸に勝ち筋を探る。

各国は広大な海洋空間と深海資源をめぐり、海洋強国化と資源確保の戦略を競い合っている。中国は海洋強国を掲げ深海探査と探査鉱区で先行し、米国は2025年に国際海底機構の枠外で独自の深海採掘許可を進める一方、EUとノルウェーは深海採掘に慎重姿勢を強め計画停止に動く。深海採掘をめぐる各国の姿勢が割れるなか、日本はどの勝ち筋を選ぶべきか。本分野は、日本・米国・中国・EU・ノルウェー・韓国の政策と、内閣府・JAMSTEC・JOGMEC・国際海底機構・OECDのシナリオを並置し、世界6位のEEZと深海技術を軸とする日本の射程を示す。

米国
深海底鉱物資源法(Deep Seabed Hard Mineral Resources Ac
NOAA(海洋大気庁)が海洋観測・気候・深海底鉱物資源を所管。2025年4月の大統領令で重要鉱物の国内・深海採掘を加速する方針を打ち出し、国際海底機構(ISA)
中国
海洋強国戦略・深海開発/海洋進出
第14次五カ年計画(2021-2025)で『海洋強国』建設を掲げ、深海探査(有人潜水艇『奮闘者』が水深1万メートル超に到達)・海洋資源・海洋経済を国家戦略化。I
EU
ブルーエコノミー戦略/一部加盟国による深海採掘モラトリアム支持
持続可能なブルーエコノミー戦略(2021年)と海洋再生可能エネルギー戦略で、洋上風力・潮流・波力・海洋保護区を推進。Horizon Europeで海洋観測・ブル
ノルウェー
海洋資源・洋上開発と深海鉱物探査
石油・天然ガスの海洋開発で世界をリードし、その技術を洋上風力・深海鉱物・養殖(世界最大級のサーモン養殖)へ展開。2024年に自国大陸棚での深海鉱物探査の開放を決
韓国
海洋水産発展基本計画・深海資源開発
海洋水産部(MOF)が海洋政策を所管。太平洋クラリオン・クリッパートン海域とインド洋にISAの探査鉱区を保有し、深海採鉱技術(採鉱ロボット『ミネロ』等)の実証を
日本を含む6か国の旗艦政策と投資規模を対比。 主要国の旗艦政策と投資規模を国別に対比(日本を強調)。各国の詳細・出典は下の折りたたみに。
シナリオの時系列(統合シナリオ・機関予測)
シナリオの時系列(統合シナリオ・機関予測)統合シナリオ機関の予測2017202220272032203720422047日本の勝ち筋=世界6位のEEZ×…2025-2040ポテンシャルと商用化のあいだ=技…2025-2045国際ルールと地政学が深海開発の正…2025-2050海底熱水鉱床・コバルトリッチクラ…2017-2040海洋経済(Ocean Econo…2020-2050第4期海洋基本計画に基づく海洋政…2023-2028深海探査・海洋観測と海底資源の科…2023-2050公海の深海底資源を管理する採掘規…2024-2027
8本のシナリオを2017〜2050年の時間軸で対比。 統合シナリオ=赤・機関の予測=淡赤を時間軸の帯で配置。帯の長さが想定期間。各シナリオの中身(要旨・出典)は下の折りたたみに。
各国の戦略・統合シナリオの詳細を開くSECTION B

各国 各国の政策一覧

日本海洋基本法/第4期海洋基本計画/海洋エネルギー・鉱物資源開発計画出典確認
2023 ・ 第4期海洋基本計画(2023年4月28日閣議決定)で『総合的な海洋の安全保障』と『持続可能な海洋の構築』を2本柱に。海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(2024年2月改定)でレアアース泥・海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト・メタンハイドレートの開発工程を提示。SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)海洋資源、GX・経済安全保障の文脈で資源開発を後押し。
日本は2007年に海洋基本法を制定し、内閣に総合海洋政策本部を設置。2023年に第4期海洋基本計画を閣議決定した。広大なEEZ(領海含め約447万平方キロメートル・世界6位)を活かし、海洋資源開発・海洋観測のDX・ブルーカーボン・洋上再生可能エネルギー・海洋人材育成を進める。南鳥島周辺のレアアース泥は世界3位規模で、2026年に採鉱システム接続試験で初の揚泥に成功、2028年度以降の産業化を目指す。経済安全保障(レアアースの脱中国依存)と中国の海洋進出への対応が横断課題。 出典
米国深海底鉱物資源法(Deep Seabed Hard Mineral Resources Act)と海洋政策/深海採掘の単独許可出典(要再確認)
2025 ・ NOAA(海洋大気庁)が海洋観測・気候・深海底鉱物資源を所管。2025年4月の大統領令で重要鉱物の国内・深海採掘を加速する方針を打ち出し、国際海底機構(ISA)の枠組みの外で米国独自の許可を進める動き。
米国は国連海洋法条約(UNCLOS)を批准していない一方、1980年制定の深海底鉱物資源法に基づき独自の許可制度を持つ。2025年4月、The Metals Company(TMC)が太平洋クラリオン・クリッパートン海域(25,160平方キロメートル)の商業採掘許可をNOAAへ申請。トランプ政権は重要鉱物確保のため深海採掘を後押しし、ISAを迂回する単独行動として国際的な論争を招いている。海洋観測・気候研究ではNOAA・Saildrone等が世界をリードする。 出典
China海洋強国戦略・深海開発/海洋進出出典(要再確認)
2022 ・ 第14次五カ年計画(2021-2025)で『海洋強国』建設を掲げ、深海探査(有人潜水艇『奮闘者』が水深1万メートル超に到達)・海洋資源・海洋経済を国家戦略化。ISAでも最多級の探査鉱区を保有し、深海採掘技術への投資が厚い。
中国は『海洋強国』を国家目標に掲げ、深海探査・海底資源・海洋経済を急速に拡大している。国際海底機構(ISA)から太平洋・インド洋に複数の探査鉱区の認可を得て、深海採掘の技術と権益で先行する。同時に南シナ海・東シナ海での海洋進出を強め、日本のEEZ・大陸棚をめぐる緊張や、レアアース等の重要鉱物の供給支配が、日本の経済安全保障上の最大のリスク要因になっている。 出典
European Unionブルーエコノミー戦略/一部加盟国による深海採掘モラトリアム支持出典(要再確認)
2021 ・ 持続可能なブルーエコノミー戦略(2021年)と海洋再生可能エネルギー戦略で、洋上風力・潮流・波力・海洋保護区を推進。Horizon Europeで海洋観測・ブルーカーボン・海洋技術を支援。
EUは持続可能な『ブルーエコノミー』を掲げ、洋上再生可能エネルギー・海洋保護区(2030年に海域の30%保護)・海洋観測を重視する。深海採掘には慎重で、フランス・ドイツ・スペイン等の加盟国が環境影響の不確実性を理由に予防的なモラトリアム(一時停止)を支持。資源確保より海洋環境の保全を優先する立場で、深海採掘推進の米国・中国と対照的な姿勢を取る。 出典
Norway海洋資源・洋上開発と深海鉱物探査出典(要再確認)
2024 ・ 石油・天然ガスの海洋開発で世界をリードし、その技術を洋上風力・深海鉱物・養殖(世界最大級のサーモン養殖)へ展開。2024年に自国大陸棚での深海鉱物探査の開放を決めたが、その後 環境団体・議会の反発で計画は一時停止に動いた。
ノルウェーは北海油田で培った海洋工学を、洋上風力・サーモン養殖・深海鉱物へ広げる海洋先進国である。2024年に北極海の自国大陸棚で深海鉱物探査を解禁する方針を打ち出したが、環境影響への懸念から計画は政治的に揺れ、いったん停止された。資源利用と環境保全の緊張を象徴する事例として、深海開発を検討する各国(日本を含む)が参照する。 出典
韓国海洋水産発展基本計画・深海資源開発出典(要再確認)
2021 ・ 海洋水産部(MOF)が海洋政策を所管。太平洋クラリオン・クリッパートン海域とインド洋にISAの探査鉱区を保有し、深海採鉱技術(採鉱ロボット『ミネロ』等)の実証を進める。海洋プラント・造船の産業基盤が厚い。
韓国は海洋水産発展基本計画のもと、深海底鉱物資源(マンガン団塊・海底熱水鉱床)の探査と採鉱技術の開発を国家プロジェクトとして進める。ISAから複数の探査鉱区を得て、深海採鉱ロボットの実証で日本と並走する。造船・海洋プラントの世界的競争力を背景に、海洋エネルギー・洋上風力・スマート養殖にも投資する、日本にとって競争と協力の両面を持つ隣国である。 出典

各機関 各機関のシナリオ

内閣府 総合海洋政策本部出典確認 内閣総理大臣を本部長とする総合海洋政策本部は、海洋基本法に基づき海洋施策を一元的に推進する。第4期海洋基本計画(2023年)で、海洋の安全保障・海洋資源開発・海洋観測のDX・北極政策・海洋人材育成・カーボンニュートラルを束ねる。広大なEEZの権益確保と、資源・エネルギー・水産・環境を横断する司令塔として、各省庁(経産省・国交省・農水省・環境省・防衛省)の取り組みを統合する役割を担う。第4期海洋基本計画に基づく海洋政策の推進 ・ 2023-2028 ・ 出典
JAMSTEC(海洋研究開発機構)出典確認 JAMSTECは地球深部探査船『ちきゅう』・深海探査機・自律型無人探査機(AUV)を擁する日本の海洋研究の中核機関。南鳥島EEZでのレアアース泥採鉱システム接続試験(2026年に初の揚泥成功)、海底地殻・地震・気候変動・深海生態系の観測を担う。資源開発の前提となる『海を知る』科学的基盤を供給し、採掘の環境影響評価でも要となる。深海の8割が未踏査という現実の中で、観測・探査の能力が分野全体の律速になる。深海探査・海洋観測と海底資源の科学的基盤 ・ 2023-2050 ・ 出典
JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)出典確認 JOGMECは2017年に沖縄近海(水深約1,600メートル)で海底熱水鉱床の採鉱・揚鉱パイロット試験を行い、世界で初めて鉱石の連続揚鉱に成功した。海底熱水鉱床開発計画(総合評価報告書 2023年)、コバルトリッチクラスト(南鳥島周辺の海山に分布)、メタンハイドレート(砂層型・表層型)の開発を所管する。資源量の確認は進む一方、採算性と環境影響が商業化の壁で、『ポテンシャルをいつ産業に変えるか』の判断を担う。海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト・メタンハイドレートの開発 ・ 2017-2040 ・ 出典
International Seabed Authority(国際海底機構・ISA)出典(要再確認) ISAは国連海洋法条約に基づき、各国のEEZの外(公海の海底=人類の共同遺産)の鉱物資源を管理する国際機関(本部ジャマイカ)。各国に探査鉱区を認可し、商業採掘の国際ルール(採掘規則=Mining Code)の策定を進めるが、規制案は依然として論点が割れ、2025年の会期でも採択に至らず2026年以降に継続。30以上の国が予防的なモラトリアムを支持する一方、米国はISAを迂回して独自許可を進め、深海採掘の国際秩序が試されている。公海の深海底資源を管理する採掘規則(Mining Code)の策定 ・ 2024-2027 ・ 出典
OECD出典(要再確認) OECDは『The Ocean Economy in 2030』等で、世界の海洋経済が1995年の約1.3兆ドルから2020年に約2.6兆ドルへと実質倍増し、業務継続シナリオで2030年に3兆ドル超・雇用4000万人に達すると見込む。海洋養殖・洋上風力・水産加工・造船修繕が特に高い成長を示すと指摘する一方、海洋環境の悪化(酸性化・汚染・乱獲)が成長の前提を脅かすとして、国際協調による持続可能な利用を求めている。海洋経済(Ocean Economy)の見通し ・ 2020-2050 ・ 出典
統合版シナリオ(各国・各機関を俯瞰したまとめ)
日本の勝ち筋=世界6位のEEZ×深海技術×経済安全保障 2025-2040
領海とEEZを合わせて約447万平方キロメートル(世界6位・海の体積では世界4位)という広大な海域、南鳥島の世界3位規模のレアアース泥、JOGMECの海底熱水鉱床の揚鉱技術、JAMSTECの深海探査、佐賀大学のOTEC、近大の養殖——日本は『海洋大国』の資産を持つ。レアアース等の脱中国依存という経済安全保障の必要と、深海技術・養殖の蓄積を結びつけ、資源量の豊かさを段階的に産業へ変えられるかが分岐点になる。
ポテンシャルと商用化のあいだ=技術・採算・環境の三重の壁 2025-2045
海の資源の多くは『ポテンシャル(未採掘)』にとどまる。レアアース泥も2026年に初の揚泥に成功した段階で、2028年度以降の産業化が目標である。深海からの採掘は、深さ・圧力・装置という技術の壁、陸上鉱山と比べた採算の壁、そして深海生態系への不可逆な影響という環境の壁の三重苦に直面する。埋蔵量の大きさを商用化の確実性と取り違えず、どの資源が・いつ・どの条件で採算に乗るかを冷静に見極める必要がある。
国際ルールと地政学が深海開発の正当性を決める 2025-2050
公海の深海底資源は国際海底機構(ISA)が管理するが、採掘規則は依然まとまらず、米国はISAを迂回して単独許可を進め、中国は探査鉱区と技術で先行する。30以上の国が環境影響を理由にモラトリアムを支持する。日本がEEZ内(自国管轄)の資源を開発する際も、国際的な環境基準と正当性、中国の海洋進出への対応が不可欠になる。技術と採算だけでなく、国際ルールと地政学が深海開発の速度と方向を左右する。
分野横断

この分野とつながる成長分野

本分野は他の成長分野と技術ロードマップ・スタートアップを共有している。下記は実データ(共通の技術テーマ・共通の企業)で結ばれた関連分野で、投資・連携の波及はこの隣接関係に沿って広がる。

技術・学術の詳細レポート — 参考文献・学術的裏付けこの DB の特徴

以降は専門家向けの深掘り(参考文献つき)。技術ロードマップ・学術分野レンズ・シナリオ検証と盲点・産業相互影響・シグナル/リスクを、技術知と社会科学の学術知で裏打ちする。各小節末に著者・年・出典つきの参考文献を一覧。

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この章は本DBの特徴です。各国政策やシナリオの背後にある技術と学術の知(物理・材料・経済学・イノベーション論・歴史学)で、政府・各国の見立てを裏打ちし、盲点を補います。本文は読みやすく噛み砕いて示し、学術的な裏付けは著者・年・出典つきで折りたたみに一覧できます。

① 技術ロードマップ詳細(学術知接地)

①-1 レアアース泥 — 海底の泥に眠る戦略資源

南鳥島周辺のEEZ海底に、レアアース(希土類)を高濃度に含む泥が分布する。世界3位規模の埋蔵が確認され、脱中国依存の切り札として2026年に初の揚泥に成功、2028年度以降の産業化を目指す。

レアアース泥は、ハイテク機器の磁石やモーターに不可欠なレアアース(希土類元素)を高濃度に含む深海の泥である。東京大学・千葉工業大学の加藤泰浩らが、日本最東端の南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)の海底(水深約5,000〜6,000メートル)に、世界有数のレアアース泥が分布することを示した。有望海域(約2,500平方キロメートル)だけでも埋蔵量は1,600万トン超と推計され、世界3位規模にあたる。レアアースは中国が世界生産の大半を握り、その供給支配は日本の経済安全保障の弱点とされてきた。だからこそ自国EEZのレアアース泥は『脱中国依存』の切り札として期待される。JAMSTECは2026年1〜2月、南鳥島EEZで採鉱システム接続試験を行い、地球深部探査船『ちきゅう』が水深約6,000メートルの泥を船上へ引き揚げる初の揚泥に成功した。懸濁物の拡散を抑える閉鎖型循環方式を採り、2027年に大規模な採鉱試験、2028年度以降の産業化を目指す。ただし、超深海からの連続揚泥・分離精製・採算は依然これからで、埋蔵量の大きさが直ちに商用化を意味するわけではない。

①-2 海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト — 金属が沈着した海底

海底の熱水噴出孔の周りに銅・亜鉛・金が沈着する海底熱水鉱床と、海山の岩盤にコバルト・ニッケルが膜状に固まるコバルトリッチクラスト。JOGMECが2017年に世界初の連続揚鉱に成功した。

海底には金属資源が二つの形で眠る。一つは海底熱水鉱床で、海底から噴き出す熱水(熱水噴出孔=チムニー)の周りに、銅・亜鉛・鉛・金・銀などが沈着してできる。沖縄周辺や伊豆・小笠原の海域に分布し、比較的浅い(水深700〜2,000メートル前後)のが特徴である。JOGMECは2017年、沖縄近海の水深約1,600メートルで採鉱・揚鉱のパイロット試験を行い、海底で砕いた鉱石を海水とともにポンプで船上まで連続的に引き揚げる世界初の連続揚鉱に成功した。もう一つはコバルトリッチクラストで、海山の岩盤の表面に、コバルト・ニッケル・マンガン・白金などが数センチの膜(クラスト)状に固まったものである。南鳥島周辺の海山に分布し、電気自動車の電池材料となるコバルト・ニッケルを含む点で経済安全保障上の価値が高い。さらに太平洋の深海底にはマンガン団塊(球状の塊)も広がる。いずれも資源量は確認されつつあるが、深海での採掘・揚鉱の量産技術、陸上鉱山と競える採算性、そして海底生態系への影響評価が、商業化に向けた共通の課題である。

①-3 メタンハイドレート — 海底の『燃える氷』

低温・高圧の海底でメタンガスが水分子に閉じ込められた氷状の物質。日本近海に分布し、世界初の海洋産出試験を行ったが、安定生産とコストが商業化の壁になっている。

メタンハイドレートは、低温・高圧の海底で天然ガス(メタン)が水分子のかごの中に閉じ込められた、氷のような物質である。火を近づけると燃えることから『燃える氷』と呼ばれ、日本近海に相当量が分布することから、国産エネルギー資源として期待されてきた。砂の層にしみ込んだ砂層型(太平洋側・東部南海トラフ)と、海底面付近に塊で存在する表層型(日本海側)の二つがある。日本は2013年と2017年、愛知・三重沖の東部南海トラフで世界初の海洋産出試験を行い、海底のメタンハイドレートを分解してガスを採取することに成功した。だが、砂が混じって生産が止まる問題や、長期にわたって安定して採り続ける技術が確立せず、商業化のめどは立っていない。経済産業省は海洋エネルギー・鉱物資源開発計画のもとで研究開発を続け、民間主導の商業化プロジェクトの立ち上げを目指すが、生産コストが輸入天然ガス(LNG)に対して高く、採算性が最大の壁である。資源量の豊かさと、経済的に取り出せるかは別問題だという、海洋資源に共通の現実を象徴する。

①-4 海洋観測・自律探査 — AUVと水中ドローンで深海を知る

自律型無人探査機(AUV)・水中ドローン・海洋ブイで、これまで人が届かなかった深海や広い海域を観測する。資源開発・防災・気候研究・安全保障の共通基盤になる。

海の8割以上はまだ詳しく調べられておらず、『海を知る』こと自体が技術である。自律型無人探査機(AUV)は、人が乗らずにあらかじめ決めた経路を自動で潜航し、海底地形・水温・化学成分・生物を計測するロボットである。ケーブルで母船とつなぐ遠隔操作型(ROV=水中ドローン)は、深海の作業や撮影に使われる。海面を風と太陽光で自走する無人表面艇(USV)や、海中を漂いながらデータを送る観測ブイ(アルゴフロート)も広がる。これらは資源探査だけでなく、地震・津波の防災、海洋環境・気候変動の研究、そして他国の活動を把握する安全保障にも使われる、海洋分野の共通基盤である。日本ではJAMSTECが深海探査機や『ちきゅう』を運用し、筑波大学発のFullDepthが水中ドローン(ROV)を、米Saildroneが無人海洋観測艇で世界をリードする。深海は圧力が高く通信も難しいため、自律で長時間動き続ける能力と、得たデータを解析するAIが鍵になる。観測の力が、資源・防災・安全保障すべての出発点になる。

①-5 ブルーカーボン — 藻場・海草が吸収するCO2

海草・海藻・干潟などの沿岸生態系が大気中のCO2を吸収して海底に貯える『ブルーカーボン』。日本は世界で初めて藻場・海草の吸収量を国連へ報告し、クレジット化も進む。

ブルーカーボンとは、海草の藻場(アマモ場)・海藻(コンブ・ワカメ等)・マングローブ・干潟といった沿岸の生態系が、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して海底の泥などに長く貯えるしくみ、またそのように貯えられた炭素のことである。陸の森林(グリーンカーボン)に対して海版という意味で、2009年に国連環境計画(UNEP)が提唱した。脱炭素の新しい吸収源として注目され、海洋国家の日本に向く。国土交通省の承認のもとで設立されたジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)は、藻場の保全・再生によるCO2吸収を認証してクレジット化する『Jブルークレジット』を2020年度に始めた。企業が藻場づくりを支援してクレジットを買い、自社の排出を相殺する流れが広がっている。さらに日本は2024年、藻場・海草によるCO2吸収量を世界で初めて国連への温室効果ガス排出・吸収目録(インベントリ)に算入・報告した。ブルーカーボンは脱炭素に効くだけでなく、藻場の再生が水産資源を育て、磯焼け(藻場の消失)対策にもなる多面的な利点を持つ。ただし吸収量の科学的な計測精度の向上が、クレジットの信頼性を支える課題になる。

①-6 海洋エネルギー — 海洋温度差発電・波力・潮流

海面と深層の温度差で発電する海洋温度差発電(OTEC)、波の上下動を使う波力、潮の流れを使う潮流発電。天候に左右されにくい再生可能エネルギーとして、離島を中心に実証が進む。

海そのものをエネルギー源にする技術がある(洋上風力は別分野)。代表が海洋温度差発電(OTEC)で、暖かい表層水(25〜30度)と冷たい深層水(5〜7度)の温度差を使って発電する。太陽光や風力と違い24時間安定して得られるのが強みで、佐賀大学が50年以上研究を続け、沖縄県久米島で2013年から実証が進む。久米島では発電後の深層水をエビ・海ぶどう・化粧品づくりに再利用し、人口約7,000人の島で約140人の雇用と年間約25億円規模の関連産業を生む『久米島モデル』が育った。商船三井らが環境省事業で商用化を目指す。波力発電は波の上下動を、潮流発電は潮の満ち引きで生じる海水の流れを使う。いずれも海に囲まれた日本に向くが、装置が塩水・波浪・台風に耐える必要があり、設置・維持のコストが重い。エネルギー密度が低く、採算の取れる立地(離島・潮流の速い海峡など)に絞られるのが現実である。再生可能エネルギーの脱炭素と地域の自立を結びつける、地に足のついた選択肢として実証が積み上がっている。

①-7 スマート水産養殖 — 沖合・陸上・データで育てる

AI・センサー・衛星で給餌や生育を最適化するスマート養殖、沖合の大規模生簀、陸上の閉鎖循環式養殖(RAS)。漁獲量の頭打ちと輸入依存に対し、『獲る漁業』から『育てる漁業』への軸足移しを支える。

世界の天然漁獲量は頭打ちで、水産物の供給は養殖が支える時代に入った。日本も漁業者の減少・高齢化と輸入依存(魚介の自給率は5割台)に直面し、養殖の高度化が食料安全保障に直結する。スマート水産養殖は、水温・酸素・餌の食べ残しをセンサーで測り、AIで給餌(餌やり)や生育を最適化する。餌は養殖コストの大半を占めるため、無駄を減らせば採算と環境負荷の両方が改善する。神奈川・東京のウミトロンはAIと衛星データで給餌を自動化し、長崎のオーシャンソリューションテクノロジーは準天頂衛星『みちびき』と海上データで漁業を支える。沖合の波の高い海域に設置する大型生簀や、陸上の水槽で水を浄化・循環させて育てる陸上養殖(RAS=閉鎖循環式)も広がる。陸上養殖は天候・赤潮・海洋汚染に左右されず消費地の近くで安定生産できるが、電力と初期投資が重い。京都大学発のリージョナルフィッシュはゲノム編集と陸上養殖を組み合わせる。海の資源を守りながら国内生産を増やす『育てる漁業』が、水産の現実的な勝ち筋になりつつある。

①-8 海洋プラスチック対策 — 流れ込む汚染を止める

海に流れ込むプラスチックごみと、砕けて広がるマイクロプラスチック。回収・代替素材・モニタリングで汚染を減らす取り組み。日本は『大阪ブルー・オーシャン・ビジョン』を主導した。

海洋資源を語るとき、汚染を止めることも同じく重要である。世界では毎年大量のプラスチックごみが海に流れ込み、紫外線と波で砕けて5ミリ以下のマイクロプラスチックになって生態系と食物連鎖に入り込む。海洋プラスチック対策には、河川・港湾・海岸でごみを回収する技術、生分解性プラスチックや紙・植物由来素材への置き換え、衛星・ドローン・AIで漂流ごみを監視するモニタリング、そして発生源での削減(使い捨て削減・リサイクル)がある。日本は2019年のG20大阪サミットで『大阪ブルー・オーシャン・ビジョン』を主導し、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにする目標を国際社会で共有した。プラスチック資源循環促進法(2022年施行)も国内対策を後押しする。海洋プラスチックは、観光・漁業・生態系・国際関係にまたがる課題であり、資源を取り出す技術と並んで、海を健全に保つ技術が海洋戦略の裏表をなす。国連では海洋プラスチック汚染を減らす国際条約の交渉も進む。

  • Takaya, Y., Yasukawa, K., Kato, Y. ほか(2018)「The tremendous potential of deep-sea mud as a source of rare-earth elements」 Scientific Reports 8:5763 ・ 出典
  • JAMSTEC(海洋研究開発機構)(2025)「南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の実施について」 JAMSTEC プレスリリース ・ 出典
  • JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)(2017)「世界で初めて海底熱水鉱床の連続揚鉱に成功しました(沖縄近海パイロット試験)」 JOGMEC ニュースリリース ・ 出典
  • JOGMEC(2024)「海洋鉱物資源の概要/コバルトリッチクラスト」 JOGMEC 金属資源開発 ・ 出典
  • 資源エネルギー庁 資源・燃料部(2023)「メタンハイドレート研究開発の実施スケジュールについて」 経済産業省 産業構造審議会 資料 ・ 出典
  • JOGMEC(2024)「メタンハイドレート開発技術(砂層型・表層型)」 JOGMEC 石油・天然ガス ・ 出典
  • JAMSTEC(海洋研究開発機構)(2026)「南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の状況について(速報)」 JAMSTEC プレスリリース ・ 出典
  • 内閣府 総合海洋政策推進事務局(2023)「第4期海洋基本計画(海洋におけるDX・海洋観測の推進)」 内閣府 海洋政策 ・ 出典
  • 国土交通省 港湾局(2024)「港湾:ブルーカーボン(藻場・干潟による吸収源対策)」 国土交通省 ・ 出典
  • 環境省 脱炭素社会移行推進室(2025)「ブルーカーボンの取組について(国の取り組み)」 環境省 ・ 出典
  • 商船三井(2023)「沖縄県久米島における海洋温度差発電の実証事業が環境省事業に採択」 商船三井 プレスリリース ・ 出典
  • 笹川平和財団 海洋政策研究所(OPRI)(2024)「海洋温度差発電を核とした日本版『GX島嶼モデル』」 Ocean Newsletter 564 ・ 出典
  • ウミトロン株式会社(2022)「プレシリーズBとして総額12.2億円を調達、海外事業展開を促進(累計24.4億円)」 ウミトロン プレスリリース(PR TIMES) ・ 出典
  • リージョナルフィッシュ株式会社(2021)「ゲノム編集と陸上養殖の組み合わせ(『22世紀鯛』)」 リージョナルフィッシュ ・ 出典
  • 環境省 水・大気環境局(2019)「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン(2050年までに海洋プラスチックごみの追加汚染ゼロ)」 環境省 海洋環境の保全 ・ 出典
  • 環境省(2019)「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組と対策報告書」 環境省 海洋環境の保全 ・ 出典

② 学術分野レンズ詳細

②-1 海洋学 — 海の物理・化学・生物を読む基礎科学

海の流れ・水温・塩分(物理)、溶けた成分や酸性化(化学)、プランクトンから魚までの生命(生物)を解き明かす海洋学。資源・気候・水産すべての土台にある総合科学である。

海をめぐる技術の根底にあるのが海洋学である。海洋学は大きく三つに分かれる。物理海洋学は、海流・水温・塩分・波・潮の動きを扱い、気候や漁場、資源探査の前提を与える。黒潮のような大海流は熱と栄養を運び、日本の気候と漁業を支える。化学海洋学は、海に溶けた酸素・二酸化炭素・栄養塩・金属を扱い、海底資源(レアアース泥・熱水鉱床)がどう作られ、海がどれだけCO2を吸えるか(ブルーカーボン)、酸性化がどう進むかを解き明かす。生物海洋学は、植物プランクトンから魚までの生命の連鎖を扱い、水産資源と生態系の理解を支える。海洋学は観測なしには進まず、観測船・ブイ・人工衛星・無人機で得たデータを積み上げて初めて海の姿が見える。日本では東京大学大気海洋研究所やJAMSTECが世界的な研究拠点である。資源を採るにも、気候を予測するにも、魚を育てるにも、まず海そのものを理解する基礎科学が要る。派手さはないが、海洋戦略のすべてがこの土台の上に立つ。

②-2 海洋地質学・地球化学 — 資源がどこに・なぜできるか

海底の地層・地形・地殻と、鉱物がどんな化学過程でできるかを調べる学問。レアアース泥・熱水鉱床・メタンハイドレートの『成因』を解き、探鉱の地図を描く。

海底資源を探すには、それがどこに・なぜできるかを知らなければならない。これを担うのが海洋地質学地球化学である。海洋地質学は、海底の地層・地形・プレート・火山活動を調べ、資源が集まりやすい場所を絞り込む。地球化学は、海水と岩石・微生物のあいだで金属や有機物がどんな化学反応で濃集するかを解き明かす。たとえばレアアース泥は、海底に降り積もった魚の歯や骨の微小な化石(リン酸塩)がレアアースを吸着して濃集したものと考えられ、加藤泰浩らの研究がその成因を明らかにした。海底熱水鉱床は、海水が地下深くで熱せられ金属を溶かし込み、噴出して冷えるときに沈着してできる。メタンハイドレートは、海底の有機物が分解して生じたメタンが低温高圧で氷状に固まったものである。成因がわかれば、限られた調査予算をどこに向けるかという『探鉱の地図』が描ける。日本の研究が世界の深海資源の理解を先導してきた分野であり、資源を『当てずっぽうでなく科学で探す』ための鍵になる。

②-3 海洋工学 — 深海の圧力と闘う技術

高い水圧・腐食・通信の難しさという過酷な深海環境で、探査機・採鉱装置・浮体構造物・揚鉱システムを設計・建造する工学。資源開発と海洋エネルギーの実装を支える。

海の技術を実際に形にするのが海洋工学である。深海は、水深10メートルごとに約1気圧ずつ増す高い水圧(水深5,000メートルでは約500気圧)、海水による腐食、電波が届かない通信の難しさ、台風や高波という、地上とはまったく違う過酷な環境にある。海洋工学は、この環境に耐える自律探査機(AUV)・水中ドローン(ROV)、海底で鉱石を砕いて吸い上げる採鉱・揚鉱システム、洋上の発電・生産設備(浮体構造物)、係留・耐圧・防食の技術を設計・建造する。レアアース泥を水深6,000メートルから連続して引き揚げる技術、海底熱水鉱床を海水ごとポンプで揚げる技術、海洋温度差発電で深層水をくみ上げる配管は、いずれも海洋工学の結晶である。日本は造船・海洋プラント・ロボティクスに強みを持ち、JAMSTECの探査機や川崎重工のAUVがその蓄積を示す。資源があっても、それを安全・安価に取り出す装置がなければ机上の空論に終わる。海洋工学の地道な積み上げこそが、ポテンシャルを産業に変える律速になる。

②-4 水産学 — 資源を獲り・育て・守る科学

魚の生態・資源量の評価・持続可能な漁獲、そして養殖・育種・餌の科学を扱う水産学。『獲る漁業』から『育てる漁業』への転換と、海洋資源の持続的利用を支える。

海から食料を持続的に得るための学問が水産学である。水産学は、魚の生態や回遊、資源がどれだけいてどれだけ獲ってよいか(資源評価)、乱獲を防ぐ持続可能な管理(漁獲枠=TAC)を扱う。世界の天然漁獲が頭打ちになる中で、軸足は養殖へ移り、養殖学・育種学・餌(飼料)の科学が重みを増す。日本は近畿大学がクロマグロの完全養殖(卵から育てて再び卵を採る循環)を世界で初めて実現し、京都大学発リージョナルフィッシュがゲノム編集で可食部を増やした魚を商品化するなど、養殖科学で世界に先んじてきた。陸上養殖(RAS)の水質管理、沖合養殖の生簀設計、魚粉(フィッシュミール)に頼らない代替飼料の開発も水産学の課題である。さらに、磯焼け(藻場の消失)で沿岸の生産力が落ちる問題は、ブルーカーボンや藻場再生とも結びつく。海洋資源を枯渇させずに利用し続けるには、生態系の理解に基づく資源管理と、効率と環境を両立する養殖技術の両輪が要る。東京海洋大学・北海道大学水産学部などが研究を担う。

②-5 海洋生態学 — 深海生態系と生物多様性

深海の生態系や海の生物多様性を解き明かす海洋生態学。資源開発が深海の生命に与える影響を評価する基礎であり、開発と保全のバランスを科学的に支える。

海、とりわけ深海には、私たちがまだほとんど知らない生命が満ちている。これを解き明かすのが海洋生態学である。光の届かない深海でも、熱水噴出孔のまわりには化学合成(太陽光でなく硫化水素などのエネルギーで生きる)に支えられた独自の生態系が広がり、固有の生物が暮らす。深海の生物は成長が遅く、いったん壊れた環境はきわめてゆっくりとしか回復しない。だからこそ、レアアース泥や熱水鉱床の採掘が深海生態系に与える影響を評価することが、開発の前提として欠かせない。海底をかき乱せば、舞い上がった泥(堆積物プルーム)が広い範囲の生物に及び、騒音や光も影響する。海洋生態学は、開発前の生態系を記録(ベースライン調査)し、影響を予測し、回復可能性を見積もる科学的な土台を与える。深海は『人類最後のフロンティア』であると同時に、地球の生物多様性の宝庫でもある。資源を急ぐあまり取り返しのつかない損失を招かないために、生態系を理解する科学と、慎重な開発のルールづくりが不可分に結びつく。

  • JAMSTEC(海洋研究開発機構)(2024)「海洋科学・地球環境観測(物理・化学・生物海洋学)」 JAMSTEC ・ 出典
  • 東京大学 大気海洋研究所(2024)「海洋物理・化学・生物の総合研究」 東京大学 大気海洋研究所 ・ 出典
  • Takaya, Y., Yasukawa, K., Kato, Y. ほか(2018)「The tremendous potential of deep-sea mud as a source of rare-earth elements(レアアース泥の成因と分布)」 Scientific Reports 8:5763 ・ 出典
  • 東京大学(2018)「南鳥島周辺EEZにおけるレアアース資源の発見」 The University of Tokyo(研究紹介) ・ 出典
  • JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)(2024)「海底熱水鉱床 採鉱・揚鉱システムの開発(海洋工学)」 JOGMEC 金属資源開発 ・ 出典
  • 資源エネルギー庁 資源・燃料部(2023)「海洋エネルギー・鉱物資源開発の取組等について」 資源エネルギー庁 ・ 出典
  • 近畿大学 水産研究所(2002)「クロマグロの完全養殖(卵から育てて再び卵を採る循環)」 近畿大学 ・ 出典
  • 東京海洋大学(2024)「水産資源管理・養殖科学・海洋生物資源の研究」 東京海洋大学 ・ 出典
  • JAMSTEC(海洋研究開発機構)(2024)「深海生態系・化学合成生態系・海洋生物多様性の研究」 JAMSTEC ・ 出典
  • Smith, C. R. ほか(2020)「Deep-sea misconceptions cause underestimation of seabed-mining impacts」 Trends in Ecology & Evolution 35(10) ・ 出典

③ 日本政府・各国シナリオの検証と盲点補填

③-1 採掘の環境影響と国際ルール — 不可逆な深海を壊さないために

深海採掘は、回復に何百年もかかる生態系を不可逆に壊すおそれがある。国際海底機構(ISA)の採掘規則は依然まとまらず、30以上の国がモラトリアムを支持する。技術より環境とルールが律速になる。

海洋資源開発の最大の盲点は、深海生態系への不可逆な影響である。深海の生物は成長が遅く、海底を採掘でかき乱せば、巻き上がった泥(堆積物プルーム)が広範囲に広がり、固有の生物が回復に何百年・何千年もかかるか、二度と戻らないおそれがある。陸上の鉱山と違い、深海では何が失われるのか全体像すらまだわかっていない。だからこそ、各国のEEZの外(公海=人類の共同遺産)の海底資源を管理する国際海底機構(ISA)は、商業採掘の国際ルール(採掘規則=Mining Code)を慎重に審議してきた。だが規制案は論点が割れて2025年の会期でも採択に至らず、フランス・ドイツ・スペイン等30以上の国が予防的なモラトリアム(一時停止)を支持する。日本がEEZ内(自国管轄)の資源を開発する場合も、国際的な環境基準と整合し、ベースライン調査と環境影響評価を尽くさなければ正当性を保てない。報道は埋蔵量や採鉱成功に集まりがちだが、本当の関門は『どこまで深海を壊してよいか』という、技術ではなく環境と国際ルールの問題にある。

③-2 世界6位のEEZを生かせていない — 海洋大国のジレンマ

日本のEEZは世界6位・海の体積では世界4位と広大だが、その資源・空間はまだほとんど活用されていない。広さを実際の産業に変える調査・投資・制度が追いついていない。

見落とされがちなのが、世界6位のEEZを日本がほとんど生かせていないという事実である。日本の領海とEEZを合わせた面積は約447万平方キロメートルで世界第6位、深い海域が多いため海の体積では世界第4位に達する。陸の国土は世界第61位の小国でも、海では押しも押されもせぬ大国だ。しかし、この広大な海域に眠るレアアース泥・熱水鉱床・メタンハイドレート・コバルトリッチクラストの大半は、調査も開発も途上にあり、産業として立ち上がっていない。広さがあっても、それを資源・エネルギー・食料に変える調査能力・投資・制度が追いつかなければ、ポテンシャルは絵に描いた餅にとどまる。深海の調査は時間も費用もかかり、調査船も人材も限られる。資源の権益を主張するには継続的な調査の積み上げが要り、空間を使うには洋上の発電・養殖・観測の実装が要る。『海洋大国』という言葉に酔うのでなく、広大なEEZを実際の自律性・不可欠性に変換できているかを、冷静に問い直す必要がある。広さは資産だが、活用されて初めて力になる。

③-3 調査船・人材・予算の不足 — 海を支える足腰

深海の調査・観測には専用の調査船・探査機・専門人材・継続的な予算が要る。これらの足腰が細れば、資源開発も安全保障も気候研究も成り立たない、地味だが決定的な制約。

海洋戦略のもう一つの盲点は、それを支える調査船・人材・予算という足腰の細さである。深海の資源探査・環境調査・海洋観測には、高い圧力に耐える探査機(AUV・ROV)、それを運用する調査船・掘削船、そして海洋地質・地球化学・海洋工学・生態学の専門人材が不可欠だ。だが、こうした基盤は派手さがなく、成果が出るまで時間がかかるため、投資が後回しになりやすい。JAMSTECの『ちきゅう』のような船は数が限られ、研究者・技術者の育成にも長い年月が要る。広大なEEZを継続的に調べ、資源量を確認し、環境のベースラインを記録し、他国の活動を把握するには、調査の頻度と密度を保つ足腰が要る。第4期海洋基本計画も海洋人材の育成・確保を主要施策に掲げるが、海洋系の学部・研究機関は決して厚くない。資源開発の成功や安全保障の確保は、最先端技術の派手な話の陰にある、調査船・観測網・専門人材という地味な基盤の上にしか成り立たない。この足腰への継続投資を怠れば、ポテンシャルを語る資格すら失う。

③-4 資源は『ポテンシャル』であって商用ではない — 採算の壁

埋蔵量の大きさは、経済的に取り出せることを意味しない。深海資源は技術・採算・環境の三重の壁に直面し、陸上鉱山やLNGと競える条件はまだ整っていない。期待と現実を分けて読む。

最も冷静に直視すべき盲点は、海底資源の多くがまだ『ポテンシャル(未採掘)』にとどまるという事実である。『世界3位のレアアース泥』『燃える氷メタンハイドレート』という言葉は期待をかき立てるが、埋蔵量の大きさは、それを経済的に取り出せることを意味しない。レアアース泥は2026年に初の揚泥に成功した段階で、商業生産は2028年度以降が目標だ。メタンハイドレートは世界初の海洋産出試験に成功しても、輸入LNGに対して採算が合わず商業化のめどは立っていない。深海資源は、超深海での採掘・揚鉱の技術の壁、陸上鉱山やLNGと競える採算の壁、深海生態系への環境の壁という三重苦に直面する。資源価格の変動や、中国による意図的な安値供給で採算が崩れるリスクもある。だからこそ、埋蔵量を売上のように扱わず、どの資源が・いつ・どの条件で採算に乗るかを段階的に検証する姿勢が要る。経済安全保障の観点から『採算度外視でも国産能力を確保する』という政策判断はありうるが、それと『儲かる事業になる』ことは別問題だ。期待と現実を分けて読むことが、この分野の冷徹な前提である。

  • International Seabed Authority(国際海底機構・ISA)(2025)「The Mining Code(深海底鉱物資源の採掘規則)」 ISA ・ 出典
  • Smith, C. R. ほか(2020)「Deep-sea misconceptions cause underestimation of seabed-mining impacts」 Trends in Ecology & Evolution 35(10) ・ 出典
  • 内閣府 総合海洋政策推進事務局(2023)「海洋基本計画(我が国のEEZ等を取り巻く状況・世界6位の海洋面積)」 内閣府 海洋政策 ・ 出典
  • 東京都(国境離島)(2024)「排他的経済水域(EEZ)とは? — 沖ノ鳥島・南鳥島」 東京都 国境離島 ・ 出典
  • 内閣府 総合海洋政策推進事務局(2023)「第4期海洋基本計画(海洋人材の育成・確保/科学的知見の充実)」 内閣府 海洋政策 ・ 出典
  • 資源エネルギー庁 資源・燃料部(2023)「海洋エネルギー・鉱物資源開発の取組等について(採算性・商業化の課題)」 資源エネルギー庁 ・ 出典
  • JOGMEC(2024)「メタンハイドレート開発技術(商業化への課題)」 JOGMEC ・ 出典

④ 産業創造 — 関連分野との相互影響予測

④-1 資源・エネルギー・素材 — 経済安全保障の交点

海底のレアアース・コバルト・ニッケル・メタンは、電池・磁石・脱炭素技術の要であり、中国依存からの脱却という経済安全保障に直結する。海洋資源は素材・エネルギー産業の上流に位置する。

海洋資源は、資源・エネルギー・素材という産業の上流で、経済安全保障と深く交わる。レアアース泥に含まれる希土類は、電気自動車のモーターや風力発電機の強力な磁石に不可欠で、中国が世界生産の大半を握る。コバルトリッチクラストやマンガン団塊に含むコバルト・ニッケルは、電気自動車の電池の要であり、その供給も特定国に偏る。これらを自国EEZから得られれば、脱炭素技術の生命線を握る重要鉱物の脱中国依存が進む。メタンハイドレートは国産エネルギーの可能性を、海洋温度差発電や潮流・波力は脱炭素電源の選択肢を広げる。つまり海洋資源開発は、単独で完結せず、素材メーカー・電池産業・自動車・再生可能エネルギー・化学といった川下の産業の競争力と国家の自律性を左右する。経済産業省・JOGMEC・資源エネルギー庁が、資源開発を経済安全保障とGX(グリーントランスフォーメーション)の文脈で束ねるのはこのためだ。海から取り出した素材が、陸の産業の足腰になる。海洋戦略を資源単独でなく、素材・エネルギー・安全保障の連鎖として設計できるかが問われる。

④-2 水産・造船・海運・環境 — 海洋産業のクラスター

海洋分野は、巨大な既存産業(水産・造船・海運)と、新しい技術(養殖DX・洋上設備・海洋環境)が交わる産業クラスター。既存の海洋産業基盤が、新分野の実装を支える出口になる。

海洋分野の波及は、資源だけでなく水産・造船・海運・環境という既存の巨大産業に広がる。日本は造船・海運で世界有数の蓄積を持ち、その技術が海洋開発の出口を握る。深海探査機・採鉱船・浮体式の洋上発電や生産設備(三井海洋開発=MODEC等)・調査船は、造船・海洋プラントの技術なしには作れない。海洋資源やエネルギーを運ぶのは海運(日本郵船・商船三井等)であり、商船三井は海洋温度差発電にも乗り出す。水産は、養殖DX(ウミトロン・オーシャンソリューションテクノロジー)や陸上養殖で技術産業へと姿を変え、日本水産(ニッスイ)・マルハニチロが量産・販路の出口を担う。海洋環境(プラスチック対策・ブルーカーボン・洋上風力の環境調査)は新しい産業を生む。これらはばらばらでなく、造船所・港湾・水産加工・海洋機器が集まる沿岸地域に産業クラスターとして根づく。スタートアップ単独では事業が続かず、既存の海洋産業基盤と組むことで技術が社会実装に変わる。海洋大国の足腰は、既存産業と新分野の垂直連携にある。

  • 資源エネルギー庁 資源・燃料部(2023)「海洋エネルギー・鉱物資源開発(重要鉱物・経済安全保障)」 資源エネルギー庁 ・ 出典
  • JOGMEC(2024)「海底熱水鉱床・コバルトリッチクラスト(重要鉱物資源)」 JOGMEC 金属資源開発 ・ 出典
  • OECD(2016)「The Ocean Economy in 2030(海洋経済・産業の見通し)」 OECD Publishing ・ 出典
  • 内閣府 総合海洋政策推進事務局(2023)「第4期海洋基本計画(海洋の産業利用の促進)」 内閣府 海洋政策 ・ 出典

⑤ 総合シグナル・リスク

⑤-1 深海採掘の国際規制 — ISA採掘規則の難航とTMCの単独行動

国際海底機構(ISA)の採掘規則は依然まとまらず、米企業The Metals CompanyはISAを迂回して米国へ単独で商業採掘を申請した。国際ルールの空白と分裂が、深海開発の正当性を揺るがす。

この分野で最も注視すべきシグナルは、深海採掘の国際ルールが揺れていることである。各国のEEZの外(公海=人類の共同遺産)の海底資源を管理する国際海底機構(ISA)は、商業採掘の国際ルール(採掘規則=Mining Code)の策定を進めてきたが、規制案は論点が割れ、2025年の第30回会期でも採択に至らず2026年以降へ持ち越された。30以上の国が環境影響を理由に予防的なモラトリアムを支持する。そんな中、太平洋クラリオン・クリッパートン海域で深海採掘を狙う米The Metals Company(TMC)は、2025年4月、ISAの枠組みを迂回して、米国の深海底鉱物資源法に基づく商業採掘許可(採掘予定区域25,160平方キロメートル)をNOAAへ申請した。ISA事務局長は『国際法違反であり、人類共同遺産の原則を損なう』と強く懸念を表明した。米国はUNCLOSを批准しておらず、トランプ政権は重要鉱物確保のため深海採掘を後押しする。ルールの空白と国際秩序の分裂が、深海開発の正当性と日本の立ち位置に重い問いを突きつける。技術や採算より、国際ルールと地政学が開発の速度を決めうる稀な局面にある。

⑤-2 中国の海洋進出と経済安全保障 — 資源・権益・技術の競合

中国は『海洋強国』を掲げ、深海探査鉱区・技術・EEZ周辺での活動を拡大する。レアアース等の供給支配と海洋進出が、日本の資源・権益・安全保障に複合的なリスクをもたらす。

底流にある最大の地政学リスクが中国の海洋進出である。中国は『海洋強国』を国家目標に掲げ、有人潜水艇が水深1万メートル超に到達するなど深海探査で先行し、国際海底機構(ISA)から最多級の探査鉱区を得て深海採掘の技術と権益を蓄える。同時に、レアアースをはじめとする重要鉱物の供給を世界規模で支配し、輸出規制を外交カードに使ってきた。日本がEEZのレアアース泥開発を急ぐのは、まさにこの脱中国依存という経済安全保障の必要からだ。さらに中国は東シナ海・南シナ海で海洋進出を強め、日本のEEZや大陸棚をめぐる緊張、調査船の活動、海底ケーブルや海洋データの安全保障も論点になる。資源・権益・技術・軍事が一体となって押し寄せる構図は、海洋を単なる経済の話に閉じ込めることを許さない。日本にとって海洋戦略は、資源開発・海洋観測・防衛・国際連携を束ねた総合的な海洋安全保障として設計するほかない。第4期海洋基本計画が安全保障を第一の柱に据えたのは、この現実の反映である。中国の動きは、日本の海洋政策の速度と優先順位を左右し続ける。

⑤-3 気候変動と海洋 — 酸性化・温暖化・海面上昇

海はCO2と熱を吸収し気候を和らげるが、その代償として海洋酸性化・水温上昇・海面上昇・酸素低下が進む。水産・沿岸・生態系の前提が崩れ、開発と保全の両立が長期の分岐点になる。

すべての底流にあるのが気候変動と海洋の関係である。海は大気中の二酸化炭素(CO2)と熱の多くを吸収し、気候変動を和らげてきた。だがその代償として、海では深刻な変化が進む。CO2が海水に溶けて海洋酸性化が進み、貝・サンゴ・プランクトンの殻づくりを妨げ、水産資源と生態系を脅かす。水温上昇は魚の分布を変え(日本近海でも漁獲対象が北へ移る)、磯焼け(藻場の消失)を広げ、養殖にも打撃を与える。海面上昇は沿岸の港湾・養殖・離島を圧迫し、海中の酸素低下も生物を追い詰める。海洋資源の開発も、培養や養殖の電力源しだいでは新たな排出源になりうる。逆に、ブルーカーボン(藻場・海草のCO2吸収)・洋上再生可能エネルギー・持続可能な養殖は、気候変動への適応と緩和の手段になる。海は気候問題の被害者であり、緩和の鍵でもある両義性を持つ。資源を取り出す開発と、海の健全さを守る保全を両立できるかが、2050年に向けた長期の分岐点になる。海を壊しながら海から富を得ることはできない。

  • NOAA(米国海洋大気庁)(2025)「Deep Seabed Hard Minerals Mining(深海底鉱物資源法に基づく許可)」 NOAA Ocean Service ・ 出典
  • International Seabed Authority(ISA)(2025)「The Mining Code(採掘規則の審議状況)」 ISA ・ 出典
  • 内閣府 総合海洋政策推進事務局(2023)「第4期海洋基本計画(総合的な海洋の安全保障)」 内閣府 海洋政策 ・ 出典
  • International Seabed Authority(ISA)(2025)「Exploration Contracts(各国の深海探査鉱区)」 ISA ・ 出典
  • IPCC(2019)「Special Report on the Ocean and Cryosphere in a Changing Climate(SROCC・海洋酸性化・温暖化)」 IPCC ・ 出典
  • OECD(2016)「The Ocean Economy in 2030(海洋環境の悪化と持続可能な利用)」 OECD Publishing ・ 出典
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