情報通信 — 主導権は無線でなく光ネットワークと素材の不可欠性で決まる
オール光ネットワーク・海底ケーブル・次世代ワイヤレスの三本柱と、光技術・フィジカルAIの二軸で読む日本の勝ち筋
本分野の審議と洞察が示す論点は、情報通信の主導権が無線でなく電力制約を突破するオール光ネットワークと海底ケーブルで決まり、次世代ワイヤレスで投資判断の遅れる日本が光技術と素材の不可欠性を守りの楔に据える点にある。
光と素材の不可欠性が情報通信の主導権を決める
情報通信という領域を市場規模の大きさで語ろうとすると、たちまち足をすくわれる。通信サービス全体を数えれば年間1兆ドルを超え、インフラ機器に絞れば2,000億ドル前後にとどまり、6Gや衛星の将来市場に至っては出典によって桁がひとつ違う。数字は見出しを飾るが、どこに勝ち筋があるのかは教えてくれない。本分野の審議と洞察が繰り返し指し示すのは、情報通信の主導権が無線の速さではなく、電力制約を突破するオール光ネットワークと海底ケーブルで決まるという一点である。
その論点を一文に凝縮すれば、情報通信の経済性は市場規模ではなく光ネットワークと素材の掌握で読むべきであり、生成AIがもたらす計算需要の爆発が、光相互接続と海底ケーブルの逼迫を最大の争点に押し上げている、ということになる。すべてが無線でつながる時代になっても、データセンターの内部と拠点の間を光で束ね直さなければ、電力と冷却と相互接続がボトルネックとなって全体が詰まる。無線は入口にすぎず、勝負を分けるのは光の骨格である。
この戦略を審議しているのは、総務大臣が所管する情報通信成長戦略官民協議会である。12名の有識者が官と民の間に立ち、需要の膨張と経済安全保障のはざまで論点を練り上げてきた。ここで確認されてきたのは、通信を速さの尺度で競う発想から離れ、電力とデータ流通を物理的に支える基盤を誰が握るかへと、視座を移すべきだという認識である。情報通信は、もはや利便の産業ではなく、国の自律を支える基盤産業として捉え直されている。
この構図の上に、日本の戦略は二本の軸として立ち上がる。ひとつは、光技術と素材の不可欠性を守りの楔として握ること。資源を持たない国が、他国の通信網が自国の光ファイバや光電融合の部品なしには成り立たない状態をつくり、それを交渉の梃子に変える発想である。もうひとつは、実世界で動く自律機械を遅れなく安全につなぐフィジカルAIの連携基盤で、自律性を確保することだ。攻めの不可欠性と、守りの自律性。この二軸が、次世代ワイヤレスで投資判断の遅れがちな日本の立ち位置を規定する。
投資と政策の焦点は、通信サービス市場の内側にではなく、その下を走る基幹技術の能力構築に集中する。オール光ネットワーク、海底ケーブルを支えるマルチコアの大容量光ファイバ、そして次世代ワイヤレス。この三つの技術基盤を誰が握るかが、今後10年の依存と自律の分かれ目になる。政府はこれを情報通信の主要技術として明示し、情報通信研究機構を中核にした研究開発と、経済安全保障の枠組みによる供給網の強靱化を、両輪として動かし始めている。
もうひとつ、本レポートが早い段階で提示しておきたい論点がある。勝ち筋を担うべき研究者の分布が、政府の掲げる技術と食い違っているという事実だ。人が最も多く集まっているのは通信そのものではなく、その応用先である材料や部品づくりの側であり、通信網を担う研究者は少人数ずつ機関に散らばっている。戦略が名指す場所と、人が集まっている場所がずれている。この構造的なずれをどう埋めるかが、戦略の実装を左右する。
素材の不可欠性という言葉には、二重の意味が込められている。ひとつは、海底ケーブルの容量を決めるマルチコアの光ファイバそのもの。もうひとつは、電気と光を融合させる光電融合デバイスを支える素材と加工の技術である。資源としての鉱物を持たない日本が握ろうとするのは、地中に眠る資源ではなく、光を操るための素材と部品の技術という、人の手が生み出す不可欠性なのだ。
時間軸で言えば、勝負は二段に分かれる。2026年から2029年は、光の部品と標準化が土台を固める助走期であり、2030年から2036年は、海底ケーブルのシェア拡大と6Gの展開が本番を迎える決戦期である。この10年でどの技術を握れたかが、その後の依存と自律を長く規定する。本レポートは、この時間の階段を意識しながら、各章の論点をたどっていく。
本レポートは、この見立てを需要の構造、市場の読み方、技術の本命、時間軸、政府の勝ち筋、人材の偏在、そして機関を横断する連携仮説の順にたどり直す。情報通信を語る言葉を、通信速度の競争から、光と素材の不可欠性という産業構造の競争へと組み替えることが、全体を貫く狙いである。数字の大小に惑わされず、どの技術の掌握が国の自律を左右するのかを、順を追って読み解いていく。
情報通信の主導権は、無線の速さではなく、電力制約を突破するオール光ネットワークと海底ケーブルで決まる。
通信需要の膨張が経済安全保障の争点を生む
状況の起点は、通信需要のとどまらない膨張にある。生成AIの普及、動画の常態化、あらゆる機器がネットにつながるIoTの広がりによって、世界の通信量は右肩上がりを続けている。世界のモバイルデータトラフィックは2024年の月140エクサバイトから、2030年には月450エクサバイトへと3倍を超えて膨らむと見込まれる。これは景気の波ではなく、生活と産業の構造が生み出す確実なトレンドであり、経済性を測るうえで最も揺るがない土台となる。
金額では測れない通信市場
ところが、この需要を金額に換算しようとすると、途端に足場が崩れる。何を通信市場と呼ぶかによって数字が変わるからだ。通信サービス全体なら年間1兆ドルを超え、インフラ機器に絞れば2,000億ドル前後、6Gや衛星通信の将来市場に至っては調査会社ごとに定義が割れて一桁も開き、横並びの比較が成り立たない。市場規模の見出しは、投資判断の共通言語にはならない。では、何を頼りに経済性を測ればよいのか。
ここで問いは反転する。確実なのは金額ではなく需要側の物理量であり、経済性は市場規模ではなく、この膨張し続けるトラフィックを誰の光ネットワークで支えるかで読むべきだ、というのが本分野の洞察が示す答えである。450エクサバイトという水位を支えるのは、無線の電波ではなく、それを束ねて運ぶ光の骨格だ。需要の量が読めている以上、勝敗は誰がその受け皿を握るかに帰着する。
この膨張を加速させているのが、生成AIの登場である。膨大な計算を要するAIの学習と推論は、データセンターの電力と冷却を逼迫させるだけでなく、内部で信号をやり取りする相互接続にも極度の負荷をかける。電気の配線では帯域も電力効率も足りず、光でつなぐ相互接続が不可欠になる。6Gや衛星通信への期待が高まる一方で、ボトルネックは無線ではなく、拠点の内側と拠点の間をどう光で束ねるかに移っている。
経済安全保障の基幹インフラへ
さらに事態を複雑にしているのが、情報通信が経済安全保障の基幹インフラへと性格を変えたことだ。中国はHuaweiとZTEを軸に5Gと光ネットワークで影響力を広げ、国際通信の99%を担う海底ケーブルは、いまや地政学的な攻撃対象にもなりつつある。通信は単なる利便の道具ではなく、断たれれば経済も安全も揺らぐ国家の神経系となった。技術の優劣だけでなく、誰の設備に依存しているかが、そのまま国の脆さになる。
各国はこの現実に規制で応じている。日本は経済安全保障推進法にもとづき、基幹インフラ役務の事前審査を2024年に運用開始し、電波法で6G向けの周波数を再編し、海底ケーブルの防護と強靱化を検討会で議論してきた。米国はHuawei排除とOpen RANの支援で、EUは5Gセキュリティのツールボックスと海底ケーブルの強靱化で続く。脱中国調達と供給網の強靱化が、投資の前提そのものを規定する時代に入っている。
こうした規制の網が意味するのは、通信技術の選択がもはや性能とコストだけでは決まらないということだ。どの国のどの企業の設備を採用するかが、安全保障上の判断と切り離せなくなり、調達の自由度は狭まっている。裏を返せば、他国が代替しにくい技術や部品を握る国は、この不自由さを自らの交渉力へ転じることができる。日本が光技術と海底ケーブルの不可欠性に賭ける背景には、この規制環境の構造的な変化がある。
需要を押し上げているのは、特定の一社や一サービスではなく、社会全体の構造変化である。動画は通信量の大きな塊を占め続け、IoTは人の関与しない機器どうしの通信を無数に生み、生成AIは学習と推論のたびに大量のデータを行き交わせる。これらが重なり合って、月あたりのトラフィックを着実に押し上げていく。個別の流行り廃りを超えた、生活と産業の底流が需要を形づくっている。
海底ケーブルの物理的な脆さ
海底ケーブルの脆さは、抽象的な懸念ではない。国際通信の99%という大部分が、海の底を走る限られた本数のケーブルに託されている。それが切断されたり、盗聴されたりすれば、国境を越えるデータの流れが一挙に細る。物理的に集中しているからこそ、地政学的な標的になりやすい。この一点に、通信の利便と国家の安全が、危うい形で重なり合っている。
この状況の重なりに、日本は国を挙げて応じ始めている。総務大臣のもとに置かれた協議会が戦略を練り、情報通信研究機構を中核とする研究開発と、経済安全保障の枠組みによる供給網の強靱化が、同時に動き出した。需要に応える技術の開発と、依存を断つ制度の整備を、どちらか一方では足りないものとして束ねる。状況の複雑さそのものが、対応の総合性を要求しているのである。
こうして情報通信の状況は、需要の確実な膨張、市場規模の当てにならなさ、そして経済安全保障という三つの力が重なり合った場として立ち現れる。膨らむトラフィックをどの光で支えるか、その光の技術と設備を誰が握るか、そしてそれを他国依存から自律へどう引き戻すか。この三つの問いが束になったところに、日本が答えを出すべき戦略の焦点がある。以降の章は、この焦点を市場・技術・時間軸・勝ち筋の順にほどいていく。
| 国・地域 | 主要な政策・投資(要点) |
|---|---|
| 日本 | 総務省が2020年6月に『Beyond 5G推進戦略』を策定。2023年3月に情報通信研究機構(NICT)へ『情報通信研究開発基金』を造成し、革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業を開始。2022年度補正予算で662億円を計上、その後の補正・当初予算を積み増し累計約1,518億円規模(2024年度時点)。全光網・非地上系ネットワーク(NTN)・仮想化など日本が強みを持つ技術の社会実装・海外展開を支援。 |
| 米国 | 業界団体ATIS主導の『Next G Alliance』(2020年〜)で北米の6Gリーダーシップを推進。NTIA(米商務省電気通信情報局)が『Public Wireless Supply Chain Innovation Fund』として総額約15億ドルを措置し、Open RANの開発・実証を支援。FCCが周波数割当・衛星通信規制を担う。 |
| 中国 | 工業情報化部(MIIT)が2019年に『IMT-2030(6G)推進グループ』を設置し6G研究を国家主導で推進。第14次五カ年計画でデジタルインフラ(5G基地局・データセンター・光ネットワーク『東数西算』)を重点化。Huawei・ZTE・China Mobile等に大規模支援。 |
| 欧州(EU) | 欧州委員会とHorizon Europeが『Smart Networks and Services Joint Undertaking(SNS JU)』に約9億ユーロの公的資金を措置(民間と合わせ約18億ユーロ規模)。6G旗艦プロジェクト『Hexa-X/Hexa-X-II』を推進。『Digital Decade』で2030年までに全世帯ギガビット接続・全人口5Gカバーを目標化。 |
| South Korea | 科学技術情報通信部(MSIT)が2023年に『K-Network 2030』を発表し、6Gの中核技術・標準・部品の国産化に数千億ウォン規模を投資。Samsung・LG・SK Telecom等が6G・Open RANを推進。 |
図:主要国・地域の政策と投資規模(日本を強調)。通貨・単位が国ごとに異なるため規模の直接比較ではなく、各国が何にどれだけ投じているかの一覧。出典は詳細ページを参照。
市場規模でなく需要の物理量で経済性を測るべき
市場を読む作業は、まず市場規模という言葉への警戒から始めなければならない。情報通信ほど、数字の定義が読み手を惑わせる領域は少ない。通信サービス全体を数えれば年間1兆ドル超、通信インフラの機器に絞れば2,000億ドル前後、そして6Gや衛星通信の将来市場に至っては調査会社ごとに前提が異なり、推計が一桁も開く。同じ市場という語を使いながら、指しているものが違う。これでは投資家も政策担当者も、共通の物差しを持てない。
定義が割れる原因は、通信という言葉の射程の広さにある。通信料収入を数えるのか、基地局やルータといった機器の市場を数えるのか、あるいはまだ立ち上がっていない6Gや衛星の将来需要を数えるのかで、対象がまるで異なる。しかも将来市場の推計は、普及の速度や単価の前提を少し変えるだけで大きく揺れる。数字が独り歩きしやすいこの領域では、見出しの金額を額面どおりに受け取ることが、かえって判断を誤らせる。
需要の物理量に錨を下ろす
だからこそ、本分野は経済性の測り方そのものを組み替えることを求める。市場規模の金額でなく、需要側の構造トレンドで測るという発想だ。世界のモバイルデータトラフィックが2024年の月140エクサバイトから2030年に月450エクサバイトへ膨らむという見通しは、景気循環や競争環境に左右されにくい、物理的で確実な変化である。金額は定義に揺れるが、運ばれるデータの量は揺れない。ここに投資判断の錨を下ろすべきだ。
この見方に立てば、投資機会の在り処も自然に定まる。狙うべきは通信サービスという最終市場ではなく、その下を走る基幹技術の能力構築である。すなわち、電気を介さず光のまま運び切るオール光ネットワーク、海底ケーブルの容量を桁違いに広げるマルチコアの光ファイバ、そして次世代ワイヤレス。この三つは、トラフィックの膨張を実際に受け止める設備の中核であり、需要の確実さがそのまま投資の確実さへ接続する数少ない結節点となる。
AI計算需要が光の逼迫を招く
とりわけAIの計算需要が、この構図を加速している。生成AIの学習と推論はデータセンターに膨大な電力と相互接続を要求し、その内部では、電気配線では足りず光でつなぐ相互接続が不可欠になる。AI計算需要が光相互接続と海底ケーブルの逼迫を最大の論点に押し上げるという洞察は、この物理的な必然を言い当てている。AIブームは通信の外側の出来事ではなく、光ネットワークの需要を直接に押し上げる内側の力なのだ。
この需要の波は、データセンターの内側にとどまらない。学習に使う大量のデータや、各地の拠点を結ぶ通信は、国境を越えて海底ケーブルの上を流れる。AIの計算拠点が世界に分散するほど、拠点間を結ぶ大容量の光の道が逼迫し、海底ケーブルの容量が新たな稀少資源になる。光相互接続がチップとチップの間の問題なら、海底ケーブルは大陸と大陸の間の問題であり、両者は同じAI需要の裏表として同時に緊張していく。
他方で、スタートアップの動向を手がかりに市場を読もうとしても、本分野に関する情報は乏しい。むしろ注目すべきは、光相互接続や非地上系ネットワークといった、光と次世代ワイヤレスを実際に実装していく主体である。誰が最終サービスで稼ぐかよりも、誰がその土台の技術を握るか。市場を眺める視線を、収益の表層から能力の基層へと下げることが、この領域では一貫して正しい構えとなる。
スタートアップの情報が乏しいことにも、この領域の性格が表れている。基幹技術の開発は、少数の巨大な設備投資と長い研究開発を要するため、身軽な新興企業が主役になりにくい。だからこそ、市場を読む手がかりは、華々しい起業の物語ではなく、光相互接続や非地上系ネットワークを地道に実装していく研究と企業の側にある。表舞台の賑わいより、土台を築く営みに目を凝らすべきだ。
需給の非対称に投資機会がある
投資の観点をまとめ直せば、確実な需要と稀少な能力が交わる一点に、機会は集まる。トラフィックは確実に膨らみ、それを受け止める光ネットワークと海底ケーブルの容量は限られている。需要が確実で供給が稀少なら、その稀少な能力を握る主体に価値が集中する。市場規模の見出しではなく、この需給の非対称にこそ投資の羅針盤があるという見立てが、以降の章の技術論を支える。
定義が割れて比較できないという事実そのものが、実は一つの示唆を含んでいる。誰もが確信をもって市場を測れないほど、この領域は流動的で、既存の枠に収まらない。その不確かさの中で最も揺るがないのが、運ばれるデータの量という物理である。数字の混乱に足を取られず、確かな一点に錨を下ろすこと。市場規模の当てにならなさは、需要の物理へ立ち返れという逆説的な導きでもある。
まとめれば、情報通信の市場は、金額の大小で読むべきものではない。膨らむトラフィックという確実な需要と、それを受け止める光ネットワーク・海底ケーブル・次世代ワイヤレスという能力の掌握。この需要と能力の二点を結ぶ線の上に、投資の焦点は置かれる。市場規模の見出しが割れて比較できないという不便さは、裏を返せば、物理的な需要の構造にこそ確かな判断の根拠があるという指針でもある。
▸ 市場・不可欠性の詳細を詳細ページで読む →光で繋がなければ通信網は電力の壁で詰まる
技術の本命を見定めるには、まず無線の速さという分かりやすい指標から目を離す必要がある。全てがワイヤレスでつながる時代においても、情報通信の主導権は電波の速度だけでは決まらない。AIの計算需要が爆発すれば、データセンターの電力・冷却・相互接続が逼迫し、拠点と拠点、機器と機器を光で束ね直さなければボトルネックは解けない。光で繋がなければ詰まるという制約こそが、次世代技術の優先順位を決めている。
本命はオール光と海底ケーブル
近未来の本命として本分野が名指すのは、オール光ネットワークと海底ケーブルである。通信を電気に変換せず光のまま運び切るオール光ネットワークは、変換に伴う電力の浪費を抑え、桁違いのデータを低い消費電力で運ぶ。国際通信の99%を担う海底ケーブルは、その容量を広げるマルチコアや空間分割多重の光ファイバによって、AI時代のデータ流通を物理的に支える。この二つが、依存と自律を左右する軸として立ち上がる。
オール光ネットワークが重要なのは、電気と光を繰り返し変換する現在の通信網が、変換のたびに電力を消費し遅延を生むからだ。信号を光のまま扱えれば、その無駄が省かれ、消費電力あたりに運べるデータ量が飛躍的に伸びる。AIの計算が電力の壁にぶつかりつつある今、この省電力性は単なる効率改善ではなく、通信網が需要の膨張に耐えられるかどうかの生命線となる。速さではなく、電力あたりの容量が問われている。
その本命に至る道筋は、時間の階段として描ける。2026年から2029年にかけては、シリコンフォトニクスによる400Gや800Gの光トランシーバの実装が進み、オール光ネットワークの標準化が形を取っていく。光を電気に変えずに扱う部品が量産の域に入り、データセンターの内部から拠点間へと光化が浸透していく時期である。この数年が、技術の土台を固める助走区間となる。
続く2030年から2036年にかけて、勝負は本番へ移る。海底ケーブルのグローバルシェア35%という射程が現実味を帯び、6Gと非地上系ネットワークの展開が視野に入る。マルチコアの大容量光ファイバが海を渡り、衛星や上空の基地が地上の届かない場所を埋め、光と無線が一体となった通信網が姿を現す。光相互接続と海底ケーブルが、AI時代の依存と自律を決めるという命題が、この時期に検証されることになる。
海底ケーブルの容量を広げる鍵は、1本の光ファイバの中に複数の光の通り道を束ねるマルチコアや空間分割多重の技術にある。従来は1本の道しか通せなかった光ファイバに、複数の車線を引くように通り道を増やすことで、同じ太さのケーブルで運べるデータ量を桁違いに引き上げる。海底に敷設できるケーブルの本数には物理的な限りがあるからこそ、1本あたりの容量を極限まで高めるこの技術が、勝負を分ける。
光電融合デバイスが心臓を成す
この本命を支える基盤技術として、光電融合デバイスとシリコンフォトニクスが位置づけられる。電気と光を1つのチップの上で融合させる光電融合の部品は、消費電力を抑えつつ大量のデータを高速に扱う心臓部であり、政府が握ろうとする光技術の不可欠性の核心にある。シリコンの上に光の回路を集め、半導体で光を出し、光で信号を変える。これらの素子の量産化こそが、オール光ネットワークを机上の構想から実装へ引き下ろす鍵となる。
無線の側でも、テラヘルツ波やミリ波といった高い周波数の電波が、一度に運べる情報量を大きく増やす技術として控えている。周波数が高いほど帯域は広がり、超高速の通信が可能になるが、遠くまで届かせる難しさや、電波の伝わり方の制御という課題を伴う。日本が研究で先行するこの高周波領域は、6Gの構成要素として、光の骨格を補完する無線の切っ先となる。
そして、非地上系ネットワークが、地上の届かない空白を埋める。人工衛星や上空の無線基地を使い、山間や海上、災害で地上網が途絶えた場所にも通信を届けるこの技術は、光と無線を空へ延ばす試みである。地上の光ネットワークが幹だとすれば、非地上系ネットワークは、その幹が届かない場所へ枝を伸ばす役割を担う。量子通信の研究も、盗聴に強い将来の通信として、この技術群の一角に位置づけられている。
電力という制約が技術を貫く
この技術群を貫くのは、電力という共通の制約である。無線を速くしても、その先で光が詰まれば全体は速くならない。だから、変換の無駄を省くオール光ネットワーク、1本のケーブルの容量を極める海底の光ファイバ、チップの上で電気と光を融合する光電融合デバイスは、いずれも消費電力あたりに運べるデータ量を高める点で一つの思想に連なる。電力を軸に見ると、ばらばらの技術が一枚の絵になる。
量子通信は、この地図の先端に位置づけられる。盗聴されればすぐに気づける原理を用いて、通信の安全を物理の法則で担保しようとする技術であり、Beyond 5G基金の開発対象にも数えられている。実用化にはなお時間を要するが、経済安全保障が通信の前提となった時代に、安全を根底から支える技術として研究が進む。速さの先に、破られない安全という価値が控えている。
こうして技術の地図を俯瞰すると、本命は無線の一点ではなく、光を中心に据えた複合的な骨格として立ち上がる。オール光ネットワークと海底ケーブルを幹とし、光電融合デバイスがその心臓を成し、テラヘルツ・ミリ波が末端の切っ先を担い、非地上系ネットワークが空白を埋める。AIの計算需要が光相互接続の逼迫を通じてこの全体を牽引するという理解が、技術投資の優先順位を過たず定める羅針盤となる。
▸ 技術動向・未来洞察の詳細を詳細ページで読む →研究と量産の谷を渡り切る工程が勝敗を分ける
時間軸に沿って戦略を並べ直すと、日本が置かれた立ち位置がくっきりと浮かぶ。資源を持たないこの国は、光と無線の技術で資源制約を補う道を選んできた。だが、全光網・テラヘルツ・非地上系ネットワークといった要素技術は、蓄積された基礎研究と、それを量産へ橋渡しする工程の両方を必要とする。研究と社会実装の間には深い谷があり、その谷をどう渡るかがロードマップの核心となる。
この谷は、日本の技術が繰り返しつまずいてきた場所でもある。優れた要素技術を生みながら、それを量産可能な製品や国際標準へ結びつけきれず、他国に果実を奪われる。基礎研究の層の厚さと、社会実装の弱さのあいだの落差こそが、克服すべき歴史的な課題である。ロードマップを技術の一覧としてではなく、この谷を渡り切る工程表として読むべき理由が、ここにある。
谷に橋を架ける機関の布陣
研究の拠点は、情報通信研究機構を中核に据えて知を集めている。Beyond 5G基金を通じて、全光網、テラヘルツ波、非地上系ネットワーク、そして量子通信の開発が進められ、次世代通信の要素技術がここに集約される。国の研究資源が一点に束ねられることで、散在しがちな通信技術の開発に、明確な求心力が与えられている。谷を渡る橋の設計図は、まずこの中核から描かれる。
その中核を囲むように、大学と研究機関が役割を分担する。東京大学が無線方式と、複数のアンテナで同時に信号を送るMIMOの技術を担い、大阪大学と東北大学の電気通信研究所が光とテラヘルツのデバイスを受け持つ。基礎から応用まで、通信技術の各層に研究の担い手が配置され、要素技術の蓄積が各拠点で積み上がっていく。知の分業が、開発の速度と厚みを支えている。
そして、研究と量産の谷を渡す最後の橋を、産業技術総合研究所が担う。光電融合の部品を、実験室の試作から量産可能な技術へと引き上げる橋渡しの役割である。基礎研究の成果を製造の現実へ翻訳する工程こそが、日本の技術戦略の弱点になりがちだった箇所であり、ここに専門機関を配することは、谷を越える意志の表れといえる。
研究資金の面では、Beyond 5G基金が累計で約1,518億円を積み、全光網と非地上系ネットワークに集中投下されている。潤沢とは言い切れないこの規模で成果を出すには、資源を薄く広げるのではなく、勝ち筋の技術に絞って集中させる判断が要る。基金の配分そのものが、日本が何を握ろうとしているのかを映し出す。光技術への傾注は、この資金配分の設計に、明確に表れている。
時期をずらして噛み合う工程
時間の階段としては、2026年から2029年に400Gや800Gの光トランシーバとオール光ネットワークの標準化が進み、2030年から2036年に海底ケーブルのシェア拡大と6G・非地上系ネットワークの展開が射程に入る。この助走と本番の二段構えの中で、要素技術の開発、量産化への橋渡し、そして標準化への参画が、時期をずらしながら噛み合っていく設計になっている。
標準化への参画は、この工程表の見落とされがちな要である。どれほど優れた技術も、国際的な規格の中に位置を得られなければ、世界の通信網に組み込まれない。助走期に進むオール光ネットワークの標準化に日本の研究者が主体として関わることは、技術の優劣とは別の次元で、実装の成否を左右する。谷を渡る橋は、量産技術だけでなく、規格をめぐる交渉の場にも架けられねばならない。
この工程を動かすのは、研究機関だけではない。基礎を担う大学、量産へ橋渡しする産業技術総合研究所、資金を集中する基金、そして規格を交渉する場が、時間をずらしながら連動する。どれか一つが欠けても、谷は渡れない。要素技術・量産・標準化・資金という四つの要素を一つの流れとして噛み合わせることが、このロードマップに込められた設計思想である。
無線の周波数再編も並走する
無線の側では、電波法にもとづく6G向けの周波数の再編が、時間軸の中で並行して進む。新しい世代の通信には、それにふさわしい周波数の帯域を空け、割り当て直す作業が欠かせない。技術の開発と、その技術が使う電波の場所を用意する制度の整備は、車の両輪である。周波数という有限の資源をどう配分するかもまた、このロードマップの一部として設計されている。
総じて、ロードマップは技術の一覧ではなく、研究から実装への谷をどう渡り切るかの工程表として読むべきだ。中核となる情報通信研究機構、役割を分担する大学、量産へ橋渡しする産業技術総合研究所という三つの層が、時間軸の上で連携する。要素技術の蓄積と量産化の橋渡しを一つの流れとしてつなぐことが、資源を持たない国が技術で立つための、現実的な筋道となる。
図:この分野の有望な投資機会を、動き出す時間軸(近い将来・中期・長期)と実現の確度(棒の濃さ)で配置。左ほど早く動き、濃いほど確度が高い。
量でなく代替されない一点の掌握で勝ちにいく
政府が描く勝ち筋は、三本の柱と二つの軸という骨格を持つ。三本柱とは、オール光ネットワーク、海底ケーブル、そして次世代ワイヤレスである。この三つを情報通信の主要技術として明示し、そこに研究開発と供給網の強靱化を集中させる。二つの軸とは、不可欠性を握る光技術と、自律性を守るフィジカルAIだ。攻めの不可欠性と守りの自律性を、同時に追う構えである。
三本柱を貫く一本の光の骨格
第一の柱、オール光ネットワークは、通信を電気に変換せず光のまま運び切る次世代の基盤である。変換に伴う電力の浪費を抑え、桁違いのデータを低い消費電力で運ぶこの構想は、AIの計算需要が電力の壁にぶつかりつつある今、単なる高速化ではなく省電力の生命線として意味を持つ。光の骨格を国内で組み上げる力が、日本の通信戦略の土台に据えられている。
第二の柱、海底ケーブルは、国際通信の99%を担う物理的な大動脈でありながら、地政学的な攻撃対象にもなりうる脆さを抱える。政府はここで世界シェア35%という具体的な射程を掲げ、容量を桁違いに広げるマルチコアや空間分割多重の光ファイバで、他国に依存しない大容量伝送の実装を狙う。海を渡るケーブルの掌握は、通信の自律を海の底から支える営みにほかならない。
第三の柱、次世代ワイヤレスは、6GやBeyond 5Gとして各国が主導権を競う領域である。ここで日本は投資判断の遅れが指摘されつつも、電波を効率よく使う技術や複数のアンテナで同時に信号を送るMIMO、そして高い周波数のテラヘルツ・ミリ波で先行を狙う。無線は光の骨格の入口であり、その入口を他国に明け渡さないための、攻防の最前線となる。
攻めの光技術と守りのフィジカルAI
これら三本柱を貫くのが、第一の軸である光技術の不可欠性だ。その核心にあるのが、電気と光を1つのチップの上で融合させる光電融合デバイスである。他国の通信網が日本の光の部品なしには成り立たない状態を築き、それを守りの楔とする発想は、資源を持たない国が数の勝負を避けて質で立つための戦略の要である。産業技術総合研究所による量産への橋渡しが、この軸を実装へ引き下ろす。
第二の軸は、フィジカルAIの自律性を守ることにある。実世界で動くロボットや自律機械を、遅れなく安全につなぐ連携基盤づくりであり、自律移動ロボットや無人機、自動運転といった現実世界の機械を、通信の側から支える営みだ。計算を端末のそばで済ませるエッジ処理や、機械どうしの協調制御をつなぐ無線が、この軸の実体を成す。自律機械の神経系を他国に握らせないことが、守りの核心となる。
各国は数と基金で先陣を競う
この二軸の構えは、他国の戦い方と対比すると際立つ。米国はNext G AllianceとOpen RANの支援に約15億ドルを投じ、EUはSmart Networks and Services JUに約9億ユーロ、韓国はK-Network 2030で6Gの国産化に数千億ウォンを注ぐ。中国は5Gの基地局数で世界最大の規模を築き、6Gも国家主導で先行を狙う。各国が数値目標と巨額の基金で先陣を競うなか、日本の立ち位置は明らかに異なる。
日本のBeyond 5G基金は累計で約1,518億円であり、規模では諸外国の投資に見劣りする。だが本分野の戦略は、その不利を正面から受け止めたうえで、資源でなく光技術と海底ケーブルの不可欠性で対抗するという選択を貫く。数で張り合えないなら、他国が代替しにくい一点を深く握る。基地局の数や基金の総額ではなく、光と素材のどこが欠けても世界の通信網が回らない、という質の掌握に賭ける発想である。
この三つは、互いに独立しているのではなく、光という一本の糸で縫い合わされている。オール光ネットワークは陸上と拠点内の光化を担い、海底ケーブルは大陸間の光の道を広げ、次世代ワイヤレスはその光の骨格へ電波の入口を接続する。陸・海・空にわたる通信網を、光を中心に据えて一体で設計する。それらは、別々の勝負ではなく、一つの構図の三つの面なのだ。
二つの軸もまた、対を成している。光技術の不可欠性が、他国に対して働きかける攻めの力だとすれば、フィジカルAIの自律性は、自国の機械が他国の通信に握られない守りの力である。攻めは相手の依存をつくり、守りは自国の依存を断つ。相手を依存させ、自らは依存しないという非対称を築くことが、資源を持たない国の通信戦略の核心にある。
こうした比較が示すのは、日本の勝ち筋が量の競争からの離脱にあるということだ。基地局の数でも基金の総額でも、日本は先頭を走れない。だが、世界の通信網のどこか一点に、日本の光技術や海底ケーブルの技術が欠かせない状態を築ければ、量の劣勢は質の梃子へ転じる。数で追う戦いを降り、代替されない一点を深く握る。この選択の是非が、10年後に問われることになる。
この勝ち筋には、投資判断の遅れという弱点を織り込んだうえでの現実主義がある。次世代ワイヤレスで後れを取りがちな日本が、あえて無線の速さでの正面衝突を避け、光と海底ケーブルという急所に資源を集める。正面で勝てないなら、相手が手薄で、しかし全体を支える一点を押さえる。守勢を逆手に取ったこの発想が、この戦略に一貫した現実感を与えている。
三本柱と二軸を束ねて見れば、日本の勝ち筋は、量ではなく質、汎用ではなく不可欠性という一貫した思想に貫かれている。各国が6Gと光ネットワークの先行を数値目標で競うなか、日本は数で追いかけるのではなく、代替の難しい光技術と海底ケーブルの掌握で、依存を自律へ引き戻す。守りの楔を交渉の梃子へ、量の劣勢を質の優位へ。この転換の思想こそが、審議と洞察が指し示す戦略の背骨である。
図:政府の勝ち筋(重点技術)ごとに編成した新研究クラスター。ドットはまたぐ既存分野の数と参加機関の数(1つ=1)で、各チームがどれだけ分野・機関を横断して組まれているかを示す。
人が集まる場所と勝つべき場所のずれを埋める
勝ち筋を担う人材の分布を眺めると、戦略と現実の間にずれが見えてくる。情報通信分野の研究者は全体で約4480名を数え、そのうち氏名と所属が確認できて名指しできるのは3486名にのぼる。だが問題は数ではなく、その散らばり方にある。人が最も多く集まっているのは、通信そのものではなく、その応用先である材料・部品づくりの側だという偏りが、この分野の構造を特徴づけている。
研究者は材料側に厚く集まる
具体的に見ると、研究テーマの近さで自動的にまとまった研究者グループのうち、最も人数が多いのはナノテクノロジー・超分子化学で148名、次いでフォトニック結晶・メタマテリアルが134名を集める。これらはいずれも、通信を支える材料や素子づくりの領域である。一方で、通信網そのものを担う無線通信技術・センサネットワークは131名にとどまり、勝ち筋の中核であるはずの通信工学の人口は、材料側に押されている。
光の側に目を移しても、光通信技術・半導体レーザに集まるのは121名で、機械学習・深層学習の130名や情報セキュリティ・量子情報処理の122名と比べても突出しているわけではない。情報理論・符号理論は98名。勝ち筋の技術ごとに人を数え上げると、いずれも少人数ずつであり、しかも大学や研究所ごとに分散している。層の厚い集団が一つあるのではなく、薄い集団が機関ごとに散らばっているのが実情だ。
この分布は、日本の研究の強みと弱みを同時に映し出している。材料やナノ技術に人が厚いのは、素材やデバイスの基礎研究に伝統的な強みがあることの表れであり、光技術の不可欠性という戦略は、この厚みの上に立っている。だが、その素材やデバイスを通信網として組み上げ、社会に実装する工学の人口が薄いなら、強みは強みのまま埋もれかねない。人の偏りは、そのまま実装力の偏りとして現れる。
偏在を正す中核機関の役割
この偏在は、連携を組む上での中核機関の役割をいっそう重くする。情報通信研究機構が研究資源の集約点となり、東京大学が無線方式とMIMOを、大阪大学と東北大学の電気通信研究所が光とテラヘルツのデバイスを担い、産業技術総合研究所が量産への橋渡しを受け持つ。散在する研究者を勝ち筋へ束ね直すには、こうした中核機関を軸に、組織の壁を越えた再編成が要る。
配置の観点から連携の核を言い直せば、それは情報通信研究機構を中心に据えつつ、全光網・テラヘルツ・非地上系ネットワークを担う東京大学・大阪大学・東北大学の電気通信研究所の研究へと人を集めることにある。基礎を蓄えた各拠点の力を、勝ち筋の技術のもとに結集させる。散らばった少数精鋭を、機関横断で一つの戦力に編み直すことが、人材戦略の眼目となる。
勝ち筋に直結する人口は薄い
自動的にまとまった研究者グループの一覧を眺めると、通信とは直接結びつかない領域にも人が集まっていることが分かる。素粒子物理学・位相幾何学に98名、教材開発・教育工学に68名、高齢者ケア・多職種連携に64名といった具合だ。これらは分野の広がりを示すと同時に、情報通信という括りが通信工学の外側にも多くの研究者を含むことを物語る。勝ち筋に直結する人口は、見た目の総数よりも薄い。
この薄さは、機関ごとの分散と重なって、いっそう深刻になる。仮に光通信の研究者が121名いたとしても、それが全国の大学と研究所に少数ずつ分かれていれば、一つの拠点に集まる人数はごく限られる。層の厚い研究集団を一気に立ち上げるだけの密度が、単一の拠点には足りない。だからこそ、機関の壁を越えて人を束ね直す発想が、必然として要請される。
材料側の厚みは、弱みであると同時に、活かしようによっては強みにもなる。ナノ技術やフォトニック結晶に集まる人の力を、通信網の実装という目的のもとに引き寄せられれば、素材の強みが通信の強みへ転じる。問題は、材料の研究と通信の実装の間に橋が架かっていないことにある。この橋を架けることが、人を束ねる戦略の具体的な仕事になる。
中核機関の役割は、単に資源を集めることにとどまらない。分散した研究者を、勝ち筋の技術という共通の目的のもとに編成し直す、いわば結節点としての機能が求められる。情報通信研究機構を中心に、大学と産業技術総合研究所が役割を分担する構図は、この結節の必要から生まれている。人の偏在を正すのは、制度の看板ではなく、束ね直す意志と仕組みである。
こうして人材の地図は、戦略への静かな警告として読める。政府が三本柱と二軸を掲げても、それを担うべき通信工学の研究者が材料側に偏り、勝ち筋の技術ごとに薄く分かれているなら、掛け声は実装に届かない。人が集まっている場所と、勝つべき場所がずれている。このずれを埋めるための具体策として、次章では、機関を横断して研究者を束ね直す連携仮説を、名指しで描いていく。
図:この分野の研究者が既にどの研究のまとまりに集中しているか(人材の偏在)。最上段が最も人が集まる核で、全体の約3%を占める。勝ち筋に沿う機関横断チームは、この偏在をまたいで新たに編成する。
共著なき研究者を勝ち筋のもとに束ね直す
人材の偏在という診断に対する処方箋が、機関を横断して研究者を束ね直す連携仮説である。個別の技術ごとに少人数で、しかも機関ごとに散らばっている研究者を、これまで共著論文を書いたことのない新しい組み合わせで、機関の壁を越えて組み替える。政府方針の三本柱と二軸に沿って、名指しで8件・48名のチームを編成する。とくに欠けていた海底ケーブルとフィジカルAIには、独立したチームを新たに起こした。
束ね方の新しさは、印象ではなく確認に支えられている。各チームに集めた研究者どうしが、これまで一度も共著論文を書いていない組み合わせであることを機械的に確かめ、120組すべてが共著なしであることを検証した。名指しは、氏名と所属が確認できた研究者に限り、基準を満たさない研究者は人数だけを示す。捏造を避け、実在が確認できた研究者のみを新しい組み合わせで結ぶことを、編成の絶対条件とした。
勝ち筋の技術ごとにチームを組む
第一の柱にあたる次世代無線のチームでは、北海道大学の三瓶政一による分散制御での無線通信の安定化と、静岡大学の大内浩司による光無線通信の省電力・高効率伝送、香川大学の小玉崇宏による光無線通信の暗号技術が、これまで交わらなかった線として結ばれる。ここに岡山県立大学の榊原勝己による無線通信の安定化と最適設計、武庫川女子大学の萩原淳一郎による確率モデルを用いた大規模MIMOの信号検出が加わり、電波の効率利用を機関横断で押し上げる。
このチームには、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの上田啓市による、地域限定5Gを用いた高精度な遠隔操作の研究も組み込まれる。理論の側の信号処理と、現場の側の実装が、これまで交わらなかった機関の間で結ばれる構図だ。狙いは、情報セキュリティや機械学習といった隣接する研究群の知見も呼び込みながら、次世代の無線通信を工学的に前進させることにある。
オール光ネットワークのチームは、材料や素子づくりの研究者をあえて外し、光の通信網そのものを組み立てる工学の研究者に純度を絞った。京都大学の大木英司による光ネットワーク制御と予防的な最適化、情報通信研究機構の廣田悠介による超大容量通信の制御、岡山大学の冨里繁による信号歪みの補償が結び合わされる。さらに広島大学の森下克己、徳島大学の岸川博紀、東京科学大学の宮田純子が加わり、光をそのまま運び切る網の実装側の純度を上げる。
海底と非地上を新たに起こす
新設した海底ケーブルのチームは、1本の光ファイバに複数の光の通り道を束ねる空間分割多重の研究者を、機関を越えて集めた。大阪大学の五十嵐浩司による光空間多重伝送、大阪公立大学の戸出英樹による空間分割多重のクラウド基盤、情報通信研究機構の品田聡による伝送品質の革新に、東京都市大学の來住直人、佐賀大学のラーデマッハ・ゲオルグ、鹿児島大学の渡邉俊夫が連なる。世界シェア35%を、容量の限界突破という勝ち筋のもとに実装で支える布陣だ。
非地上系通信のチームでは、東京大学の森川博之による衛星IoTと省電力無線が、東京科学大学の戸村崇による膜展開アンテナの宇宙通信、千葉工業大学の長敬三による衛星アンテナの移相制御と結ばれる。ここに東京都立大学の鳥阪綾子、大阪公立大学の前川泰之による雨の電波減衰対策、横浜商科大学の松嶋智子の光無線が加わり、空と地上を結ぶ通信網を、災害時や過疎地の通信という共通の目的のもとに描き出す。
テラヘルツ・ミリ波のチームは、情報通信研究機構の梶貴博によるテラヘルツ技術と、千葉大学の伊藤弘昌によるテラヘルツ波源開発を軸に据える。物質・材料研究機構の羽多野毅による高温超伝導体を用いた省エネのテラヘルツ通信、筑波技術大学の守倉正博によるミリ波の先読み制御、中京大学の竹村暢康によるミリ波のMIMOが加わり、日本が先行する高周波領域の実装を機関横断で束ねる。高い周波数の切っ先が、光の骨格を補完する。
部品と自律基盤を結ぶ布陣
光電融合デバイスのチームは、産業技術総合研究所の渥美裕樹によるシリコン光回路と、京都大学の脇田絋一による超高速の光変調器を結び、光技術の不可欠性という第一の軸を部品の側から支える。九州大学の多喜川良による低温接合、広島大学の田部井哲夫による低電圧の光変調器も連なる。ネットワーク自動化のチームでは、東北大学の加藤寧によるAIでの無線網制御を中核に、大阪大学の大下裕一、芝浦工業大学の山崎託が、賢く自律する通信網の運用力を高める。
そして、もう一つの新設が、フィジカルAIの連携基盤を担うチームである。政府が二軸のもう一方に掲げる、実世界で動く自律機械の自律性を、通信の側から支える布陣だ。大阪大学の吉田進による自律分散制御のネットワーク、東京理科大学の中里仁によるミリ波での安全な自動運転基盤、創価大学の寺島美昭による協調型自動運転に、広島市立大学の高井博之、大和大学の松井進、神戸大学の太田能が加わる。自律機械の神経系を、遅れなく安全につなぐ通信基盤を、これまでにない組み合わせで立ち上げる試みである。
オール光ネットワークとテラヘルツのチームが示すように、この編成の妙は、異なる周波数帯と異なる媒体を扱う研究者を、勝ち筋の技術のもとに一つの視野へ収める点にある。光と電波、陸と海と空、材料と実装。ふだんは別々の学会や研究会で活動する研究者どうしを、これまで共著のなかった相手として引き合わせることで、既存の枠組みの内側では生まれなかった問いと解が立ち上がることを期待する。
これら8つのチームに共通するのは、少人数ずつ機関に散らばっていた研究者を、勝ち筋の技術という共通の目的のもとに結び直している点だ。異なる研究群の間に橋を架け、これまで共著のなかった相手と組ませることで、既存の枠では生まれなかった連携の可能性を開く。もっとも、これらはあくまで将来の連携仮説であり、各研究者の主眼や既存の共同研究の状況によっては、その意味が変わりうることも、あわせて断っておかねばならない。
図:新研究クラスター(行)が、どの機関(列)の研究者を含むかの分割表。行末「機関数」が大きいチームほど機関横断が広く、列下「関与チーム数」が大きい機関ほど複数チームに関わる要の機関。(機関は関与の多い上位12件を表示)全リストは下表と詳細ページを参照。
| 新クラスター | 名指しした研究者(所属) |
|---|---|
| NC16G・Beyond 5G 次世代無線 | 小玉 崇宏(香川大学)、三瓶 政一(北海道大学)、榊原 勝己(岡山県立大学)、大内 浩司(静岡大学)、上田 啓市(地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター)、萩原 淳一郎(武庫川女子大学) |
| NC2オール光ネットワーク・IOWN | 森下 克己(広島大学)、冨里 繁(岡山大学)、宮田 純子(東京科学大学)、大木 英司(京都大学)、廣田 悠介(国立研究開発法人情報通信研究機構)、岸川 博紀(徳島大学) |
| NC3海底ケーブル・大容量光ファイバ(マルチコア/空間分割多重) | 來住 直人(東京都市大学)、戸出 英樹(大阪公立大学)、ラーデマッハ ゲオルグ(佐賀大学)、五十嵐 浩司(大阪大学)、渡邉 俊夫(鹿児島大学)、品田 聡(国立研究開発法人情報通信研究機構) |
| NC4衛星・非地上系通信(NTN) | 戸村 崇(東京科学大学)、長 敬三(千葉工業大学)、鳥阪 綾子(東京都立大学)、森川 博之(東京大学)、前川 泰之(大阪公立大学)、松嶋 智子(横浜商科大学) |
| NC5テラヘルツ・ミリ波 高周波通信 | 羽多野 毅(国立研究開発法人物質・材料研究機構)、伊藤 弘昌(千葉大学)、小林 禧夫(滋賀医科大学)、守倉 正博(筑波技術大学)、竹村 暢康(中京大学)、梶 貴博(国立研究開発法人情報通信研究機構) |
| NC6光電融合デバイス・シリコンフォトニクス | 渥美 裕樹(国立研究開発法人産業技術総合研究所)、多喜川 良(九州大学)、脇田 絋一(京都大学)、山口 祐也(国立研究開発法人情報通信研究機構)、森 正和(愛知工業大学)、田部井 哲夫(広島大学) |
| NC7ネットワーク自動化・AI運用 | 加藤 寧(東北大学)、嘉藤 学(有明工業高等専門学校)、久世 尚美(和歌山大学)、Barolli Leonard(福岡工業大学)、山崎 託(芝浦工業大学)、大下 裕一(大阪大学) |
| NC8フィジカルAI・実世界自律 連携基盤 | 寺島 美昭(創価大学)、吉田 進(大阪大学)、中里 仁(東京理科大学)、高井 博之(広島市立大学)、松井 進(大和大学)、太田 能(神戸大学) |
外れる条件を明示し仮説として問い続ける
見通しを語るにあたって、まず自らの見立てが外れる条件を明示しておくことが、誠実さの要件となる。本レポートが描いた連携仮説は、いずれも一つの前提の上に立っている。すなわち、対象の技術が、すでに一つの通信事業者やメーカー連合と一つの研究拠点の中で完結して開発が進んでいるなら、機関を横断して新たに束ね直す意味は小さくなる。連携の価値は、知が散らばっているという現実に依存している。
反証の条件はさらに具体的にたどれる。海底ケーブルのチームに集めた研究者が、実際には海底ではなく陸上やデータセンター内の大容量伝送に専念しているなら、海底ケーブルへの接続は連携仮説にとどまる。フィジカルAIのチームでも、その主眼が通信ではなく機体や制御工学の側にあるなら、情報通信の勝ち筋としての結びつきは弱まる。これらの前提が崩れる箇所を、あらかじめ点検の対象として開いておく。
戦略そのものにも、外れうる条件がある。光技術の不可欠性という守りの楔は、他国が同等の技術を独自に確立すれば、その価値を失う。海底ケーブルの世界シェア35%も、地政学の緊張がケーブルの敷設や運用の前提を変えれば、射程がずれうる。需要側のトラフィック膨張という確実な土台の上でも、それを誰が握るかという勝負の帰趨は、技術と規制と国際情勢の変化に開かれている。断定を避け、前提を点検し続ける姿勢が要る。
打ち手を短中長期の三段に分ける
そのうえで、打ち手を時間軸に沿って三段に分けて整理したい。短期に取り組むべきは、材料側に偏った人材の地図を正確に把握し、勝ち筋の技術ごとに散らばる研究者を可視化することである。誰がどの技術を、どの機関で担っているかを棚卸しし、機関を越えた新しい組み合わせの候補を洗い出す。人が集まる場所と勝つべき場所のずれを、まず事実として直視することが出発点になる。
中期には、そのずれを埋める実装が問われる。2026年から2029年にかけて進む400Gや800Gの光トランシーバとオール光ネットワークの標準化に、日本の研究者が主体として関与し、光電融合デバイスの量産への橋渡しを産業技術総合研究所が着実に進める。研究の谷を渡る橋を架けながら、標準化の議論に席を確保することが、この時期の中心的な課題となる。Beyond 5G基金の集中投下も、この橋を支える資金の裏付けとなる。
長期には、2030年から2036年に射程へ入る海底ケーブルのシェア拡大と、6G・非地上系ネットワークの展開が焦点になる。ここで日本が問われるのは、数で各国と張り合うことではなく、他国が代替しにくい光技術と素材の不可欠性を、どこまで深く握れるかである。この攻めと守りの二軸を、実装の厚みで裏打ちできるかが、10年後の立ち位置を決める。
短期は人材の地図を直視する
短期の可視化は、それ自体は地味だが、戦略の成否を左右する。人が集まっている場所と勝つべき場所のずれは、感覚ではなく、研究者の分布という事実として測れる。誰がどの技術を担っているかを正確に把握してはじめて、機関を越えた新しい組み合わせの候補を、根拠をもって選び出せる。診断なき処方は当てにならない。まずは地図を正しく描くことから始めるべきだ。
中期の実装で問われるのは、要素技術を製品と規格へ翻訳する力である。日本が繰り返しつまずいてきた研究と社会実装の谷を、今度こそ渡り切れるか。産業技術総合研究所による量産への橋渡しと、標準化の議論への参画が、その試金石になる。Beyond 5G基金の集中投下が、この橋を支える資金として機能するかどうかも、この時期に見えてくる。
長期の勝敗を分けるのは、質の掌握の深さである。光技術と海底ケーブルの不可欠性は、浅く握れば他国にすぐ追いつかれ、深く握れば代替されにくい堀になる。攻めの不可欠性と守りの自律性という二軸を、掛け声でなく実装の厚みで裏打ちできるか。資源を持たない国が、人の手で不可欠性を築けるかという問いに、この分野の10年後がかかっている。
見立ては更新され続ける仮説
こうした短中長期の打ち手は、一度描いて終わるものではない。需要の膨張、技術の成熟、規制と国際情勢の変化に応じて、勝ち筋の輪郭も、束ねるべき顔ぶれも変わっていく。だからこそ、本レポートの見立ては、確定した結論ではなく、更新され続けるべき仮説として提示される。事実の変化に応じて問い直す姿勢こそが、この分野を読み続けるための、最も確かな作法である。
最後に、本レポートは特定の企業や技術の推奨を目的とするものではなく、審議と洞察が示す論点を、依存と自律という視点から中立に読み解くことに徹した。市場規模の大小に惑わされず、光ネットワークと素材の掌握という産業構造の核心に焦点を合わせること。そして、散らばった知を勝ち筋のもとに束ね直すこと。情報通信を速さの競争から不可欠性の競争へ組み替える視座こそが、この分野を読むための確かな足場となる。
産業創造プロセスで読む — この領域はいま、どの相にあるか
ICFMは、産業の誕生を6つの相と発火前の基盤成熟で捉える枠組みである。情報通信の6産業を読むと、5産業までは基盤が組み上がった成熟産業で、問いは次世代核への転換に移っている。唯一、IoT・エッジコンピューティングだけが統合点の欠落を抱える。
| 産業(IIDB) | 律速軸 | F / Q / R | 最大のボトルネック |
|---|---|---|---|
| 通信サービス | 成熟→次世代核 | 1 / 0.85 / +6.2 | 成熟→次世代(6G/衛星地上統合NTNの新結節点) |
| 固定通信サービス | 成熟→次世代核 | 1 / 0.89 / +6.3 | 律速なし。次段は全光化IOWNへの移行 |
| 移動通信サービス | 成熟→次世代核 | 1 / 0.93 / +6.5 | 律速なし。次段は6G/NTN次世代核 |
| データセンターシステム | 成熟→次世代核 | 1 / 0.89 / +6.3 | 成熟→次世代(液冷/HBM/ASIC技術転換・自社設計への迂回対応) |
| パブリッククラウドサービス | 成熟→次世代核 | 1 / 0.85 / +6.2 | 成熟→次世代+規制起点の構造迂回(自社半導体/主権クラウド) |
| IoT・エッジコンピューティング | セクターの動き | 0.8 / 0.19 / +2 | 統合点の欠落(has_integration=0・セクター動き律速) |
通信サービス・固定通信・移動通信はいずれもF=1.0で全位置が充足した成熟産業である。ただしギガあたり収益が96%減する価格デフレの下、産業創造のフロンティアは既存網の外——6Gと衛星地上統合(NTN)という新結節点、全光化IOWNへの設備の作り替え——にある。データセンターは成熟インフラがAI駆動で急拡大する局面にあり、液冷・HBM4・カスタムASICへの技術転換の主導権と、ハイパースケーラー自社設計による構造迂回への対応が焦点となる。パブリッククラウドも生成AI駆動の第二次高成長期にあり、自社設計半導体によるGPU依存脱却とソブリンクラウド・規制対応が主戦場で、いずれも新規位置の構成は不要と診断される。
対照的なのがIoT・エッジコンピューティングで、F=0.8ながら統合点の質Q=0.188と際立って低い。川上半導体(ルネサス)からエッジ基盤(Siemens)、SI(NTT DATA)まで層ごとにプレイヤーが分散し、プラットフォーム層はハイパースケーラー5社が60%へ集約中である一方、縦に束ねるフルスタック統合者が不在のままである。再編軸が部品規模からフルスタック支配へ移る相4のいま、組込システム工学・エッジAI半導体・無線通信(ローカル5G)・制御工学・データ工学を層縦断で束ねる統合結節点が、この領域で唯一の「いま構成すべき位置」となる。
研究者供給は、31.1万人版(本体235,521人+サブ76,054人)のうちAI基盤4,403人、サイバーフィジカル・IoT1,683人の計6,086人である。AI基盤の厚みに対して、まさに統合点が欠けているIoT・エッジ側のサイバーフィジカル・IoTは1,683人と相対的に薄い。政策がAI・半導体に投じる重点と、物理世界との接点を束ねる研究者層の薄さが、フルスタック統合者不在という診断と重なっている。
成熟5産業の次世代転換は既存プレイヤー内で連続的に進むため、新しいクラスターの編成は要らない。産業創造の実質的な余地はIoT・エッジのフルスタック統合点の1点に絞られ、研究者連携で解けるのは層縦断の統合知の形成である。診断データは組込システム工学の森川研究室を中核候補として名指ししており、ここにエッジAI半導体・無線通信・制御工学・データ工学の研究者を結節させる編成が描ける。あわせて、テラヘルツ・分散MIMO・LEO衛星直接通信・Open RANを束ねる6G-NTNクラスターも次世代核の編成余地である。ただしフルスタック支配の勝者は再編途上で未確定であり、寡占資本が主導する領域で中立の場が担えるのは統合点の初期形成までという限界がある。
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本サマリーは要点と全体像を示すものです。各テーマの一次資料・数値・出典・全リストは、詳細ページ「情報通信 詳細」でご確認いただけます。
出典・作成:本サマリーは内閣官房「日本成長戦略」関連の公表資料(議事要旨・政府目標・配布資料)および公開された学術・産業データに接地して作成した編集物であり、政府の公式見解ではありません。新研究クラスター構成案の名指し研究者は、研究者データベースおよび機関公式ディレクトリで実在・所属を照合しています(捏造ゼロ)。数値は生成時点の実データです。